機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

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今日は一気に来ました。


PHASE-20 すれ違い…後編

ダーダネルスを出たアークエンジェルに地下組織ターミナルから連絡が入った。正確にはターミナル経由でメッセージが送られてきたのだ。二種類……

 

『ダーダネルスで天使を見ました。また会いたい。赤の騎士も姫を探しています。 ミリアリア』

 

チャンドラが開いた文面を横から見たナタルが問う。

 

「もう一つは?」

 

『真実を知る勇気を持つ人が待っています。銀の王子とも会いたいそうです。 メイ』

 

「ミリアリアさんと…メイさん?」

 

マリューが差出人の名前を口にし、ラクスが一着をのぞき込む。

 

「赤の騎士?」

 

「赤…もしかして、ジャスティスでアスラン?」

 

リュウが心当たりを口にし、イリアがうなる。

 

「って、ことは真実ってのはシオン、だな。トゥルースだし…」

 

つまり、この文章はアスランとシオンがカガリとフブキにそれぞれ会いたいと言っている事になる。

 

「アスランが…アスランが戻ってきたんだ!」

 

「プラントからか?どうするね、キラ?」

 

バルトフェルドが疑い、フブキもうなる。

 

「え?」

 

「カガリ、これがもしプラント側の罠だとしたらどうする?みすみす殺されに行くような物だぞ。」

 

フブキが指摘され、カガリもその危険性に思い至った。今まで音沙汰がなかったアスランがミリアリアを経由して会いたいと言ってきたのだ。

 

「ダーダネルスで天使を見た……じゃあ、少なくともミリアリアさんはあそこに?」

 

今ミリアリアはフリーの報道カメラマンで、メイは同じくフリーのジャーナリスト。あそこか、付近の住民やザフトに取材に来てもおかしくないはずだが。

 

「しかし、ハウ二等兵やハーベスト嬢の存在を我々以外で知る者などそうそういるとは……」

 

ナタルの言うように彼女達の存在を知っている者が二人を人質にした可能性もあるが、オーブのコンピューターにハッキングでもしない限り二人の事を知りうるはずもない事だ。

 

「どうするの、キラ?」

 

ユリが確認を取る。カガリやレナの気持ちを考えるならばこのメッセージに応じた方が良いだろう。それに、今は情報も欲しいところだ。

 

「会いに行こう。アスランとシオンに。」

 

「キラ君?」

 

マリューが驚くのに対し、ユリは「フッ。」と笑った。

 

「そういうと思ったわ。フブキとカガリも来る?愛しの王子様兼未来の弟がどうなったか気になるでしょう?」

 

「俺はシオンの方にする。……キラ、カガリを頼む。」

 

「判った。」

 

キラも笑顔で答え、カガリを連れてブリッジを出て行った。

 

「じゃあ、兄さんの方には私とフブキで良いわね。ユリはイリアとリュウと一緒にこっちをお願い。」

 

 

 

シン達は目標の施設を見つけた。廃墟のようにも見えるが、それをそのまま利用したのだろうか?何かの線路もあった。

 

子供用の遊具列車でもあった?それとも、何かの運搬用?保育園や幼稚園の児童養護施設にしては大きすぎる。それに、妙に荒れている。

 

正面から入った四人は通路が二手に分かれていた。

 

「俺とシンが右に、カインとルゥは左に。」

 

二人は二手に分かれて、周囲を警戒しながらゆっくりと進む。

 

 

 

アリスはシオンとミサキが先日会った少女と談笑しているのが気に入らなかった。知り合いみたいだが、自分にはあんな顔を見せていない。しかも、立ち聞きしていたところによればあの少女もアークエンジェルと関わりがあるようだ。

 

宿泊先のホテルで二人は別々の部屋を取った。ディオキアで一緒の部屋だったんだから良いだろう、と思ったが同時に少し安堵した自分もいた。

 

なんで私じゃなくて、ミサキなの?

 

アークエンジェルのクルーを捕まえるのなら、せめて自分も連れて行って欲しかった。

 

 

 

 

ルナマリアはアスランが宿泊するホテルの向かいから様子を見ていた。アークエンジェルの件で何かあるようだが、誰かから連絡が入ったようでアスランはホテルを出た。

 

セイバーが飛び立つのが見え、ヘリでそれを追う。

 

 

 

キラはカガリをつれ、フリーダムで待ち合わせの地点に入った。昔の神殿跡があるが、観光スポットにもなりにくいので隠れるにもちょうど良かった。

 

「キラ!」

 

「ミリアリア!」

 

久しぶりに会う学友の顔を見て、キラはかつて何度も彼女の管制を聞きながら発進したのを思い出す。

 

「ほんと、びっくりしたわよフリーダムを見たときは!花嫁を攫って、オーブを飛び出したっていうのは聞いてたけど。」

 

「あ、それは……それよりアスランは?」

 

カガリに問われると、ミリアリアはばつの悪い表情になる。どうしたんだ?

 

「ごめん、要心のために通信には書かなかったんだけど、彼ザフトに戻ってるの。」

 

「ザフトに!?」

 

「アスランが!?」

 

そんな、一体何故今になって復隊を!?

 

困惑するとき、轟音と共に一機のMSが飛んできた。赤い戦闘機系のMAに変形する機体。ダーダネルスで見たミネルバの搭載機だ。

 

 

 

レナはフブキと共に待ち合わせの場所に来た。キラ達とは真逆の方向でポート・タルキウスからも遠い岩礁地帯だ。

 

「レナ!」

 

「メイ、久しぶり!」

 

「ええ、ダーダネルスでフリーダムを見たけど……やっぱり、あれキラなのね!?」

 

「うん。それはそうと……アスランと兄さんは?」

 

「あ、それが…ちょっと、言いにくいんだけど。」

 

「……どうしたんだ?」

 

フブキの問いにメイが答えるより先に一機のヘリが現れた。ザフトの偵察用のヘリだ。そこから、二人の人間が降りてきた。シオンとミサキだ。二人共、カジュアルな私服で来ている。

 

「レナ…フブキ……」

 

「兄さん…」

 

「シオン。」

 

 

 

セイバーから降りたアスランはオーブ以来会う仲間の顔を見る。

 

「キラ、カガリ…」

 

「なんで、どういうことだアスラン!あんなことになって、連絡も取れなかったけど…でも、何でまたザフトに戻ったりなんかしたんだ!?」

 

案の上の糾弾…ではあった。だが、それでも

 

「その方が良いと思ったんだ。自分のためにも、オーブのためにも。」

 

「……そんな、何がオーブの!」

 

「カガリ…!」

 

キラが窘め、セイバーを見つめる。

 

「あれは君の機体?」

 

「ああ、今はミネルバに乗っている。」

 

 

 

「アスランが、復隊だと!?」

 

「ああ…今は俺達と一緒にミネルバにいる。あの赤いガンダムに。」

 

辛かった……アスランが、またザフトにいることを伝えるのが。だが、きっと彼らが一番気にしていることだったから。

 

「……でも、一体なぜあんな無茶な方法を?」

 

ミサキはそれが知りたかった。

 

 

 

「おかげで戦場は混乱し…お前のせいで、いらぬ犠牲も出た。」

 

「馬鹿な、事?あの時ザフトが戦おうとしていたのはオーブ軍だったんだぞ!私達はそれを…」

 

「あそこで君が出て、素直にオーブが撤退するとでも思ったか!?」

 

アスランの言い分が正しい。それはカガリも分かった。だが、だからといって……

 

「君がしなけりゃ行けなかったのはそんなことじゃなかっただろう!戦場に出てあんなことをする前にオーブを同盟になど参加させるべきじゃなかったんだ!!」

 

 

 

「アスランがそう思っているのか?」

 

「………ああ、多分な。」

 

フブキが拳を握りしめた。

 

「相変わらず優等生だな……肝心なときにいなかったくせに!カガリは俺とも切り離されたんだぞ!」

 

それを言われ、シオンは何も言い返せなかった。そうだ、アスランにも考えはあっただろう。だが、一番苦しいときにフブキとさえ切り離されてしまったカガリをアスランは放っておいてしまった。挙げ句、何も言わずに復隊だ。その件に限れば、フブキが正しい。

 

「何も…言い返せない。」

 

「フブキ……それで、兄さん。アスランが復隊したことと、肝心なときにいなかったくせに文句だけつけるアスランの肩を持つためだけに私達に会いに来たの?」

 

レナも流石に今回の件は厳しい。だが………

 

 

 

「やめさせたいと思ったからだ。もうあんなことは。」

 

ルナマリアは岸壁からアスラン達の会話を録音していた。カガリ・ユラ・アスハにアスランが街であった知り合いの少女、そして同じくらいの少年……あれがアークエンジェルのクルー。どう見ても、自分やシンと大して変わらない年齢だ。

 

「ユニウスセブンのことは分かっているが…その後の混乱はどう見ても連合が悪い。それでもプラントはこんなことは一日でも早く終わらせようと頑張っているんだぞ!」

 

そう、どう考えても強引に開戦した連合が悪い。それと同盟するべきでなかった。

 

「なのにお前達は、只状況を混乱させているだけじゃないか!!」

 

 

 

「ねえ、オーブを下がらせたいならどうして議長にコンタクトを取らないの?」

 

ミサキはそれが知りたい。少なくとも、カガリは中立を推奨する立場でプラントの友好関係も維持したい政治家だ。

 

「議長や評議会の力を借りて、同盟をなんとかすることは無理だろうけど……正統なオーブ政権として保護してもらうことを何でしなかったの?」

 

「お前達やアスランは、それが最善だと思うのか?」

 

「……少なくとも、そう思いたい。」

 

だが、シオンの言葉が弱い。その理由はミサキも知っている。

 

 

 

「本当にそう?プラントは本当にそう思ってる?あのデュランダル議長って人は。」

 

キラという少年の言葉にルナマリアは耳を疑った。なんだ、まるでデュランダルを疑っているようだ。

 

「お前だって、議長のしていることは見ているだろう!言葉だって聞いたはずだ!議長は本気で」

 

「だったら、あのラクス・クラインは?今プラントにいるあのラクスはなんなの?」

 

あのラクス?何故、そこで彼女が出てくる。ディオキアでこれ見よがしにアスランにベッタリしていたのは気に食わないが、彼女が何故そこで出てくる。

 

 

 

「兄さん、あれは誰なの?」

 

アリスはフブキ・クラ・アスハと一緒に来た、シオンを兄さんと呼ぶレナという少女に興味を抱いた。シオンの家族が地球にいるのは聞いていた。だが、まさかアークエンジェルのクルーだったなんて。まさかあの三機のどれかに乗っているのか?

 

そんな高揚と興味を、突然ラクス・クラインの話題で変えられた。あれは誰?どう見たって、ラクス・クラインではないのか?昔の歌が好きだった身としては今のは違和感を覚えるが……

 

「言わなくたって、分かるだろう?」

 

シオンの嫌な答え方。

 

なんなの?このやりとり…これじゃあ、まるで。

 

「キラから聞いたの。本物のラクスがコーディネイターに殺されそうになった。」

 

本物の?ラクス?

 

どういうこと?今、議長の傍にいる……あのディオキアで派手に踊っていた彼女が贋者!?

 

「どういう、事だ…ミネルバがオーブを出た後何があったんだ!?

 

 

 

アスランは耳を疑った。

 

「殺されそうにって…なんだ、それは!?」

 

「オーブで僕達はコーディネイターの特殊部隊と最新鋭のMSに襲われた。狙いはラクスだった。」

 

アスランはキラの言っていることが信じられなかった。最新鋭のMSを持った特殊部隊!?そんな物がラクスを襲うためにオーブに潜り込んでいた!?

 

「だから、僕はまたフリーダムに乗ったんだ。」

 

 

 

「マルキオ様も、あそこにいる子達も巻き込まれたわ。」

 

「そのタイミングで、あれだ。お前達なら分かるだろう?」

 

レナとフブキの言葉にシオンは薄々抱いていた悪い予感が当たってしまった。なんて、ことだ。

 

アスランとデュランダルの話を立ち聞きしていたあの時からの疑念が膨れ上がった。

 

誰でもそう考える可能性をシオンはほぼ確信してしまった。

 

「お前がもう一度ブレイブに乗ったのも、それが?」

 

「ラクスが狙われたなら…カガリやフブキだって、そうでしょ?それがはっきりしないんじゃ、プラントを信用できないわ。」

 

 

 

シンは周りを警戒しながら、ゆっくりと施設の奥に進む。ドアを開け、近くのスイッチを何気なく押した。すると、ゆっくりと薄い照明がついた。

 

電源が生きている?こんな廃墟で?

 

照明の明かりがはっきり映ると、何かの手術台みたいなものがあった。近くには薬品棚もある。

 

「なんだ、ここは?」

 

廃棄された病院?だとしても、何故こんな人目を避けるような場所に。それに、廃棄されたのに何故電源がまだ生きているんだ?

 

その時、突然レイが膝をついて呼吸が荒くなった。

 

「レイ!どうしたんだよ、レイ!?」

 

何かの罠!?俺が電源を入れた際にガスか何かが吹き出した!?だとしても、何故レイだけ!?

 

 

 

カインはルゥと共に奥へ進むと、大きな部屋に出た。

 

「照明をつけてみるぞ。」

 

「ああ…」

 

ルゥが頷き、カインは近くにあった電源スイッチを押す。すると、ゆっくりと照明がついた。

 

「どうして、電源が…?」

 

どう見たって廃墟だ。なのに、なぜ?

 

辺りを見回すと、そこには巨大な試験官があった。何かの研究所?

 

「こ、ここ…う…うそ…!?」

 

「ルゥ、どうした!?」

 

「い、や…いやぁぁあああ!!」

 

いつものルゥと違う!子供のように叫んでいる!!

 

「ルゥ、一旦出よう!」

 

何があったか分からないが、おかしい。

 

すぐにシンとレイに連絡を取ろうとしたとき、シンから連絡が来た。

 

〈カイン、大変だ!レイが急に!〉

 

「レイ!?レイもか!!」

 

〈レイも?レイもって…まさか、そっちも!?〉

 

「ルゥが急に叫んだ!外に出るぞ!」

 

〈分かった!〉




アスランの言い分は間違ってないけど、やはり肝心なときにいなかったくせにあれはない。

しかも、あの言い草は昔と同じ。デュランダルの狗になることで昔のアスランに逆戻りしてしまった。

シオンは逆にデュランダルへの疑念を強めることになりました。
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