機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

54 / 82
ヘブンズベース攻略戦です。


PHASE-31 新しき旗…前編

ヘブンズベース…アラスカのJOSH-Aに代わる連合の一大拠点だ。ブルーコスモスの盟主ロード・ジブリールを初め暴動を逃れたロゴス幹部はこの基地に保護を求めて逃げ込んでいることが既に分かり、ジブラルタルからザフト及び連合からの公式声明が発表されており、彼らは完全に世界からは連合ではなく、連合の軍服を着たテロリストになっていた。

 

それでも尚、彼らがロゴスに与するのはロゴスのグローバルカンパニーが崩壊する影響を懸念している者が多いことを示してもいるだろう。

 

ここにロゴス幹部達が逃げ込んでいる以上はザフトが大攻勢を仕掛けてくるのは明白だったために連合も総力を挙げて迎撃態勢を整えていた。この時のために増産したデストロイも十機配備し、対空迎撃用の切り札も用意している。

 

そして、同盟から脱退した国も多いとはいえ充分なMSとMAがこの基地にはある。ジブリールはここから逆に反撃に出るチャンスと確信していた。

 

例え自分達を討ったところで世界のシステムを維持するのがデュランダルとコーディネイターに代わるのが分かりきっているからだ。

 

世界をコーディネイター共の魔の手から守れるのは自分しかいないと確信するジブリールは宣言した。

 

「準備ができ次第、始めましょう。議長殿が調子に乗っていられるのもこれまでだ。格好をつけて、のこのこ前線まで出てきたことを後悔させてあげましょう。あの世でね!」

 

 

 

カインとアリスはそれぞれ、グラウンドとアナーに代わる搭乗機のクリエイターとリドレスの調整を既に終えてアラートにいた。また、シンがデスティニーに乗り換えたことに従ってルナマリアはインパルスを乗り継いでいる。

 

「ねえ……おかしいわよね。」

 

「…何がだ?」

 

「だって、そうじゃない。シオンはなんでロゴスにつくのよ。」

 

まただ…

 

「俺は彼もアークエンジェルもロゴスだと思っていない。」

 

「どうして…シオンはザフトの英雄なのよ?なのに、なんで地球に家族がいるからってアークエンジェルにつくのよ!おかしいじゃない!」」

 

「俺に言わせればおかしいのはお前達だ。」

 

「…え?」

 

ロゴスの暴露あたりから、嫌な雰囲気だった。世界で起こった戦争の全てがロゴスのせいだと主張するのはともかく……それで生じた結果も全てがロゴスのせいになっている。それは行き着くところまで行けば、『自分が軍に入隊して、大勢の人を殺したのはロゴスが悪いから』ということになる。

 

それは違うはずだ。例え、ロゴスの作ったシステムが原因でも軍に入隊するのを決めたのは自分達自身だ。

 

「アークエンジェルはロゴスでも連合でもない、外部勢力だろう。少なくとも、ベルリンの時点ではロゴスじゃないんだから。」

 

「そんなの分からないじゃない!」

 

「なんで言い切れるんだ?」

 

「だって……仲間なら、なんでシオンを困らせるのよ?アスランやミサキだって同じよ!オーブで妹に騙されてるに決まってるわ!!」

 

妹……暴れたとき、シオンはブレイブのパイロットが妹だといった。クルーの多くは出任せ…挙げ句の果てに精神の均衡を失って実在しない妹を作った、等と言う始末だ。

 

「…『実在しない妹を作った』の次は、『妹が誑かした』、か………シオンに嫌われるのが当然だな。」

 

「え?」

 

「要するに、お前はロゴスについた妹がシオンを誑かしている。だから悪いのはロゴス、って言いたいんだろう?」

 

「……どこがおかしいのよ!?」

 

「自分に靡かないからアークエンジェルが悪い、ロゴスが悪い、妹が悪い………俺がシオンの立場なら、そんな女ごめんだよ。」

 

確信した。シオンは裏切ったのかもしれない。だが……それはシンやアリス、そしてそれを止められなかったカイン自身も含まれる。

 

俺達は見限られたんだ、シオンに。

 

例え、脱走しなくてもシオンはもう自分達を信用しないだろう。自分達はシオンからの信用を未来永劫、失ってしまった。

 

と、カインはクレタで見かけたあのミントシューターのコクピットから覗いた顔を思い出した。

 

あの人の乗ったMSはベルリンで墜落した。なんとか捜索したが、見つけることは出来なかった。

 

連合に回収されたのか、それとも?

 

 

 

 

アリスはカインの言っていることが納得できなかった。何がおかしいというのだ?

 

だって、シオンは伝説のエースと呼ばれる英雄。自分はその隣に相応しいMSを得た。なのに、シオンの心は二年前からの仲のミサキやアークエンジェルの妹に向いている。

 

どうしてよ……伝説のエースの隣に立つに相応しい女になったのに。

 

ルゥだって言っていた。ブレイブの妹が誑かしていると。だから、あの魔女を殺せばシオンは目が覚めると思ったのに……目が覚めるどころか、シオンの心は閉ざされてしまった。

 

妹であることを利用して、シオンを誑かしているのが分かりきっている。贋者のラクスなんて嘘に決まってる。だって、議長を支持しないなんておかしいじゃない。

 

そうだ、全部ロゴスが悪いんだ。ロゴスを倒して、全部終わらせよう。

 

全部…ロゴス?

 

アリスの脳裏に、あのディオキアで出会った彼の顔がよぎった。クレタで切り裂かれたハッチから見えた顔は間違いなく、彼だった。もし、ベルリンで連合に回収されていたら、ヘブンズベースにいるのでは?

 

いや、あり得ない。あの状況だ。ベルリンで死んだんだ。彼はもういない。

 

 

 

要求の回答期限まで三時間を切ろうとしていた。世界中のマスコミが取材に同行しており、各国の要人も注目している。その時……

 

突然、ヘブンズベースの艦隊からミサイルが発射された。同時に地上の戦車や迎撃用の砲台も一斉に攻撃を開始した。

 

不意を突かれた対ロゴス同盟軍の連合脱退軍は迎撃を行うが、それでもミサイルが着弾した。それに合わせ、基地や艦隊からMSが発進する。ジェットストライカーを装備したウィンダム、ダガーL、GAT-01A1…通称105ダガーが発進し、同時に水中はかつて運用したGAT-X252フォビドゥンの水中仕様フォビドゥンブルーを改修したフォビドゥン・ヴォーテクスの部隊が、MS隊に混じって大型MAユークリッドも接近する。

 

「MS、MA群接近!攻撃、開始されました!」

 

「そんな!未だなんの解答も!」

 

タリアはこの常軌を逸したヘブンズベースからの攻撃が信じられなかった。仮にも連合とザフト双方からの合同声明、それに対してこんなことを!!

 

いや、向こうには自分達に従わないナチュラルを殺すことを由とするブルーコスモスの盟主がいる。これくらいやってのけるか。

 

 

 

〈生体CPU、リンケージ同調率87%。システム・オールグリーン、X1デストロイ発進スタンバイ!!〉

 

「くくくく…さあ、行くぜぇ!!」

 

この時のために配備された十機のデストロイ、その中の一機のパイロットはファントムペインのスティング・オークレーだった。あの後、撃墜されたカオスから脱出したスティングは回収されたが、最適化によって上官のネオとエリス、更に相棒のアウルの記憶も消されてしまった。

 

そして、彼にあったのは誰かが乗っていたこのデストロイを乗りたいという衝動だけ。それが叶った事でスティングは興奮していた。

 

基地の各所から同じようにMA形態のデストロイが合計十機、発進してスティングの一号機から五号機が後ろに、六号機から十号機は前に出る。司令部の指示で、それぞれ一定の間隔を開けているが………

 

 

 

「あれは!!」

 

タリアは十機の大型MAを見ておののいた。見間違えるはずがない、アレはデストロイだ。

 

「同型機、じゅ…十機確認!」

 

「え?えぇぇぇえぇぇええええ!!あ、あああれが十機も!?」

 

アーサーがこれまでで最大級の悲鳴を上げるが、今回ばかりはタリアも同じ心境だ。三つの都市を単独で壊滅させ、フリーダム、ブレイブ、アフェクションが三機がかりでも苦戦した化け物を十機も量産していたとは。

 

後ろの五機がビーム砲を発射し、前衛にいた連合脱退軍の海上艦を焼き払い、更にその砲撃を逃れたディンやバビ、ダガー隊は前衛の五機が一斉に撃ったミサイルで撃墜される。

 

「なんということだ、ジブリールめ!」

 

デュランダルもこれには怒りを露わにし、戦闘開始を命令した。だが、最初のミサイルの不意打ちにくわえて十機のデストロイを相手に降下部隊が到着するまで持ちこたえられるだろうか?

 

 

 




シンとルナマリアはカットした代わりに、カインとアリスです。あの二人はシンとルナマリアより先にアラートから機体に移動しましたけど、会話の通りミネルバのMS隊の結束は既にロゴス理論への解釈などでガタガタです。

辛うじて、ロゴス打倒で繋がっている本編より酷い有様。レイはシンとルナマリアを、ルゥはアリスとカインを誘導しているけどカインだけは聞き分けが悪く、全然ダメです。

そして、カインだけは少なくともシオンに限れば「自分達が見限られた」と感じていました。あんな事を言って怒らせて、悪いと思わない奴らを見ればそうなるでしょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。