機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

61 / 82
ちょっと、今日はスピード投稿。後、前編分の修正しました。


PHASE-34 新たな真実と正義…後編

カガリとフブキにくわえてフリーダムらがやってきて、オーブ軍の士気は戻っていた。既に友軍登録を済ませたセイバーがドックファイトでバビを翻弄し、次々と撃墜する。

 

カオスは足のクローでグフのスレイヤーウィップを両断し、更にそのままライフルでグフを撃ち落とす。

 

唯一の水中戦力のアビスは一旦対ロゴス同盟軍の海上艦の上に乗って、そこを足場に海上艦の船底に穴を開けた。沈没寸前にするだけで、すでに一隻が役に立たなくなる。しかも、同士討ちを恐れて敵は撃てない。

 

アカツキとツキユキはムラサメ隊と共に国防本部へ向かっていた。こちらに気づいたディンをアカツキがビームライフルで撃墜し、下から撃ってくるザクの長距離砲をツキユキがヤタノカガミで跳ね返した。

 

〈カガリ、もうすぐ国防本部だ!〉

 

「はい!キサカ、国防本部へ降りる!援護しろ!」

 

国防本部は流石に守りが堅く、ディンとバビの部隊も近づけずにいた。だが、地中用のジオグーンが現れ、防衛についていたM1を一機ゼロ距離の砲撃で撃破した。

 

カガリはすぐにビームサーベルでその機体を串刺しにし、アカツキから降りて国防本部へ入る。フブキも遅れて降りた。

 

〈機体と本部を頼む!〉

 

 

 

カガリとフブキの指揮で巻き返しつつあったオーブ軍……そこに一基の降下ポッドが現れた。出てきたのは、ザフトのMSの特徴のモノアイの黒いMSだ。

 

だが、ザフトは見慣れないMSを前に攻撃を停止していた。

 

〈ふう、やはり鬱陶しいな…地球の重力は。〉

 

ヘルベルト・フォン・ラインハルトがぼやくが、ヒルダ・ハーケンがそれを窘める。

 

「何言ってんだ……ほら行くよ、野郎共。」

 

〈おう!〉

 

マーズ・シメオンが応えると、三機のMS…ZGMF-XX09TドムトルーパーはザフトのMS隊へ向けて攻撃を開始する。

 

正体は分からないが、ザフトの敵であると判断したザフトのMS隊は迎撃を開始する。

 

「まずはアレだ、行くよ!」

 

〈おう!〉

 

〈行くのかよ…〉

 

三機が一列に並び、胸のスクリーミング・ニンバスで防御用のフィールドを形成し、正面から突っ込んだ。そのままヒルダがビームサーベルでザクを両断し、マーズがマルチプルランチャーのビーム砲でグフを撃破し、ヘルベルトが後ろから撃ってくる敵を迎撃する。

 

三位一体の連携技ジェットストリームアタック……三人がクライン派に参加する以前から組んできたフォーメーションだ。

 

三機はフォーメーションを解除した後も次々とザフトのMS隊を撃破していき、M1隊とムラサメ隊もひとまず味方だと判断した。

 

 

 

キラ達の援護で国防本部に辿り着いたカガリとフブキはMSを降り、司令室へと入る。

 

「カガリ!フブキ!」

 

椅子に座らされ、縛られたユウナの顔は痣や傷で酷い状態になっていた。

 

「酷いよ、これはぁ!あんまりだ!カガリ…!僕は、君とフブキの留守を一生懸命…」

 

情けない姿のユウナをカガリは思い切り殴り倒す。

 

「カ、カガリ…?」

 

ユウナはダーダネルスで自分を贋者呼ばわりしたことを既に無いことのようにしただけでなく、自分が何故殴られたさえも判っていない。

 

「お前だけを悪いとは言わない。ウナトやお前や…首長達と意見を交わし、己の任を全うできなかった私と兄様も充分に悪い!」

 

「カガリ…そ、そんなぁ。」

 

その態度からして、このどら息子は自分に非があるとすら思っていない。未だにすがり着くユウナをカガリは射殺さんばかりの眼で睨んで、モニターを指さす。

 

「だが、これは何だ!意見は違っても…国を守ろうという思いだけは同じと思っていたのに!」

 

オーブを出航したミネルバが地球軍の待ち伏せを受けた時、ユウナは「国は貴女の玩具ではない」と言った。その言葉があの時の自分にも正しいのは分かった。だが、それも含めて全てこいつらが保身のために出した上っ面だけの方便だった。「情勢を見よ」、「理念より国民を」と言っていたウナト本人すら国を焼く最低の選択をして、挙げ句の果てに杜撰な対応に終始して真っ先に逃げ出す始末だ……こいつらは皆、国やその理念どころか国民のことなど考えていなかった。それを見抜けず、同盟にサインした自分はなんと愚かだったんだ!

 

 

 

「いや、だからそれは…!」

 

まだ、自分とカガリを言いくるめる方便を考えるユウナの胸倉をフブキが掴む。

 

「吐け!ジブリールはどこにいる!?」

 

だが、ユウナは何も答えず、フブキが強く締め上げる。

 

「この期に及んでも、まだ奴を庇うなら、俺にも考えがあるぞ!」

 

拷問をしてでも吐かせてやろうとするフブキの気迫に怯え、ユウナは弁解する。

 

「だ、だから言ったじゃないか!僕は知らないって!」

 

「まだ言うか!?」

 

更に強く締め上げるフブキにユウナは言い下がる。

 

「ほんとに、ほんとに知らないんだってば!確かに、ウチにはいたけど……今は!」

 

これ以上聞いても無駄だ。そもそもこいつに己を犠牲にしてまで誰かを庇おうなどと言う甲斐性などあるわけがない。嫌な付き合いの長さだっだが、それは確信してフブキがユウナを兵士に向ける。

 

「そういえば、礼がまだだったな…」

 

「へ?」

 

ユウナの声が少し明るくなる。どうやらフブキが自分の肩を持つと思ったようだ。しかし、フブキは鳩尾に膝蹴りを入れた。

 

「カガリと結婚しようとしたこと。」

 

次にアッパーを喰らわせた。

 

「ダーダネルスとクレタで将兵達を死なせたこと……」

 

「が…ば…」

 

「そして、今回の礼だ!!」

 

フブキが渾身の力を込めてユウナの顔面に拳を入れた。ユウナの口から歯が何本かこぼれ落ち、兵士がそれを受け止める。横で見ていたマツリが拳を握りしめているのが分かった。

 

「叩き出せ!」

 

「ええ、ほら!あんたは邪魔!」

 

マツリが乱暴に兵士達と共にユウナを引っ張り出す。

 

「ま…まっへ…ふぁがりぃ…!ふぶひをとめへ!」

 

殴られた痛みで呂律が回らない舌でまだ喚くユウナを無視し、カガリがソガに問う。

 

「カグヤの封鎖は完了しているな?」

 

「は!」

 

おそらく、ジブリールはマスドライバーを使って月基地に上がるつもりだ。高雄は保有国の東アジア共和国が対ロゴス同盟軍に参加した以上、使えない。パナマとビクトリアは真っ先に逃亡先に疑われる……だから、敢えてオーブを選んだ。しかし、マスドライバーはこちらが抑えた。

 

「ともかく、一刻も早くジブリールを捕まえるんだ!」

 

もはや、この戦闘を終結させるにはジブリールを生け捕りにするしかない。最悪、殺した場合でも死体さえ差し出せばまだ望みがあるし、多少は国の立場も保証される。

 

「諦めるな!押し返せば停戦への道も開ける!今はその事だけを考えろ!」

 

「はい!」

 

「ここは任せる!俺はもう一度ツキユキで出る!」

 

士官達が意気込み、フブキももう一度ツキユキで出るために司令室を出て行った。

 

 

 

シオンはメイリンと共にアスランを支え、格納庫へとやってきた。そこにはピンクのパイロットスーツを着たラクスがいた。

 

「ラクス様?」

 

メイリンが困惑していた。そういえば、彼女にはまだあのラクスのことについては話していなかった。

 

「アスラン、シオンさん。」

 

いつもと変わらない笑顔のラクスにアスランが問う。

 

「君が乗っていたのか?」

 

「はい、本当に乗っていただけでしたけど。」

 

だが、策としては良い。敵はまだラクスが宇宙にいると思っている可能性が高い。まさかMSで降りてくるなどとは向こうも思わないだろう。シオンは軽くため息をつき、クラウドを見る。

 

「…全く、いつものことながら凄い発想だ。」

 

「今回の言い出しっぺはキラさんですよ。」

 

元バルトフェルド隊のクラウド・デゼルトが笑って訂正する。

 

アスランが「そうか。」と呟き、フリーダムらと共に降りてきた二機のMSを見る。

 

「ジャスティスと……トゥルースか。」

 

「はい。」

 

二機がそれぞれの後継機であることをシオンはすぐに見抜いた。ジャスティスは背面に以前とは違う形状のリフターを背負い、トゥルースは頭部にフェイスガードが追加され、肩に実弾式と思われる大砲と腹部にビーム砲が装備されていた。更に、前の機体にはなかったシールドを両肩に固定されている。

 

「俺達に?」

 

疑るアスランにラクスは静かに答える。

 

「なんであれ、選ぶのは貴方達です…」

 

選ぶのは自分……そうだ、確かに自分はMSの操縦技術において優れた部類に入るだろう。そして、デュランダルはそうあるべきと強要している。しかし、ラクスはあくまでも選択肢だけを与えている。

 

「それが、仲間を嗤った奴らへの復讐でもか。」

 

「先輩…」

 

「シオン…」

 

メイリンとアスランが困惑するが、シオンはあえて無視する。

 

「俺はキラやアスランほど出来ていない。俺達の…いや、君達の想いを笑い、クルーゼ隊の仲間を愚弄した奴らの中にいた自分への怒りと恥で頭が一杯だ。奴らを殺すことしか頭にない。それでも俺が乗るのを許すのか?」

 

「……それも、貴方が貴方である証でしょう。」

 

「俺が俺である?」

 

「シオンさん、貴方の憎しみは…それはレナを愛しているから。そしてアスランや同じ隊の仲間を。違いますか?」

 

「……憎しみを晴らすことしか考えられないのであれば、それは悲しいことです。でも…今は、故郷を…レナを救う力にもなるはずです。」

 

「………そうか。では、俺の思うままにやらせてもらうだけだ。」

 

彼女は復讐を否定すると思った。だが、しなかった。もっとも、されたところでシオンは止まるつもりなど毛頭ない。奴らの存在そのものがシオンにとっては正に罪であり、過ちだったからだ。

 

 

 

アリスは復活したブレイブにビームバズーカを連射する。しかし、敵はこちらの攻撃を豆鉄砲のように躱し、ビームサーベルで斬りかかる。回避が間に合わず、ビームバズーカを一丁、切り落とされた。

 

アリスは爆発前にバズーカを手放し、ビームサーベルを振るうが、空を切るだけであった。

 

「くっ!」

 

ミサイルも既に弾切れとなり、この状態ではブレイブの機動力に付いていけない。

 

「だったら、身軽になればいい!」

 

アリスはアサルトシュラウドをパージした。全ての外装を外したリドレスは背中のスラスターを除けば、インパルスと同じく本来のシンプルな姿になった。

 

身軽になったリドレスは先程とは段違いなスピードでブレイブに接近し、サーベルを振る。ブレイブはその斬撃を受け止め、押し返そうとする。しかし、リドレスは逆にスラスターをふかして押し返した。ブレイブは体勢を崩し、アリスはその隙を逃さずにビームバズーカを構える。

 

「これで!」

 

その砲撃は確実に捉えていた。しかし、ブレイブは突然落下し、ビームは頭上を通り過ぎた。体勢を立て直すのをやめ、そのまま落下する形でビームを躱したのだ。

 

アリスは舌打ちをし、再び斬りかかった。

 

「なんで、あんたが生きているのよ!私のシオンを騙した魔女め!!」

 

 

 

以前よりスピードもパワーも増したアフェクションにカインは歯がみする。こちらのビームはことごとく回避されていた。

 

この機体も敵も接近戦が得意分野。同じ接近戦に持ち込むしか勝機はなかった。アフェクションに追いつき、ズーで掴もうとするが、アフェクションは両腕のビームシールドでクローを受け止める。

 

両腕が無防備になり、腰のクローがサーベルを展開し、サーベルを振り上げる。アフェクションは後退することでそれすらも躱し、ビームライフルを撃つ。トリケロスのビームシールドで受け止め、実剣対艦刀を振り下ろす。アフェクションはビームサーベルで受け止め、カインは再びズーを展開する。

 

今度こそ握りつぶしてやる!

 

巨大なクローが緑の翼の天使を掴もうとした時、アフェクションはクリエイターを蹴飛ばし、二丁のライフルが二つのクローを撃ち抜いた。背中の装備を失い、カインはアフェクションを睨み付ける。

 

「やはり、武装を奪うのが前提か!」

 

両手とクロー、計四本のビームサーベルでクリエイターは斬りかかる。が、アフェクションはビームライフルをソードモードに変更し、左腕にサーベルを持って迎え撃つ。

 

 

 

「くそぉっ!こいつぅ!!」

 

復活したフリーダムの出現はシンに大きなショックを与えていた。しかし、シンは更に憎悪を燃やす。

 

お前は何度俺の前に出てくる!?姉さんを道具にしてステラを殺したお前は!お前もアスハも!ブレイブとアフェクションも全て倒して、姉さんを取り戻す!!

 

もはや独りよがりとしか言えない姉への愛をかけてシンは刃を振るう。フリーダムはライフルを放り投げ、両腕のビームシールドを交差してアロンダイトを受け止める。

 

「な!」

 

フリーダムはレールガンを撃ち、衝撃でデスティニーはアロンダイトを手放してしまう。

 

「これがビームだったら……もう、終わりだって!そう言いたいのか!?」

 

シンは怒りにまかせてビームライフルを撃つ。フリーダムは鮮やかな動きでシンのビームを躱す。

 

「こいつ!墜ちろぉ!」

 

がむしゃらに攻撃するシンにミネルバにいるレイから通信が入る。

 

〈シン、帰投しろ。〉

 

「え?なんで…!……まだ!」

 

モニターを見ると、武器の過剰使用でエネルギー供給が追いついていない。だが、まだ武器は充分に戦える。しかし、レイは〈命令だ。〉とたたみかける。

 

〈奴に勝ちたかったら、一度戻るんだ。カインとアリスも帰投させる…〉

 

それを最後にレイから通信は切られ、シンはフリーダムを一度だけ睨んでミネルバへ向かう。

 

デスティニーに続く形でリドレスとクリエイターも母艦へ向かった。

 

 

 

ミネルバと交戦するアークエンジェルに援護射撃が撃たれた。水中のアビスからではなく、それは二機の戦闘機からの物だった。

 

「スカイグラスパー!?」

 

チャンドラが呟くと、モニターには逃がしたはずの男の顔が映った。

 

〈すまんな、余計な事して。〉

 

「あ、あなた!」

 

とがめるマリューの眼に今度はエリスの顔が映る。

 

〈ごめんなさい。私達、あの艦にちょっと恨みがあるのよ。だから、混ぜて貰うわ。〉

 

〈大丈夫、あんたらは勝てるさ。何たって俺は、不可能を可能にする男だからな。〉

 

不可能を可能にする男…それは彼が良く自分の事をそう呼んでいた、彼の代名詞でもあった。

 

『やっぱ、俺って……不可能を可能に…』

 

あの時、艦を守って散った時の彼の言葉が蘇った。やはり、彼はムウ・ラ・フラガだ。

 

 

 

イザナギ海岸の防衛線で一機のMSが上陸を試みるMS群を狙撃していた。アークエンジェルがベルリンで収容し、修理したミントシューターだ。

 

「オーブ軍の皆さん!宇宙一セクシーなスナイパーが助けてあげるわよ!!」

 

意気込むクレマンス・オルグレンは空中から攻めてくるグフとバビ、地上のザクやゾノを一機ずつ、確実に撃ち抜いていく。

 

 

 

護衛艦群とムラサメ隊が水中部隊と敵艦隊と撃ち合う海で一機の白いMSがバビをビームアックスで両断した。

 

「ファントムペイン、グレン・フレイア……同盟国の支援のために参戦する!」

 

グレン・フレイアのブランフレイムはビームライフルショーティーで海上艦のブリッジを潰し、接近してきたグフのコクピットをビームサーベルで貫く。

 

 

 

「君も、俺はただ戦士でしかないと…そう言いたいのか?」

 

アスランはジャスティスから視線を戻し、ラクスに問う。エメラルドグリーンのパイロットスーツに着替えたシオンもアスランを見ている。

 

「それを決めるのも、貴方ですわ。」

 

アスランは息を呑む。

 

「怖いのは…閉ざされてしまうこと。こうなのだ、ここまでなのだと……終えてしまうことです。」

 

「そうだな…何もないという絶望……それは確かに怖いだろう。」

 

シオンもトゥルースを見上げて呟く。

 

「傷ついた今の貴方に、これは残酷でしょう……でも、キラは言いました。」

 

『何かしたいと思った時、何もできなかったら…それが、きっと一番辛くない?』

 

そうだ…デュランダルの元へ行った時に何かしたいと思った。アレックス・ディノとなった時も……カガリが撃たれそうになった時、そして……今自分もオーブを守りたいと思っている。

 

「力はただ、力です。そして貴方は、確かに戦士なのかもしれませんが……アスランでしょう?………きっと、そういうことなのです。」

 

ラクスの言葉はいつも、心に響く。それは今も同じだ。彼女が言うように自分は戦士としての素質に優れているのかもしれない。デュランダルはそこにしか関心はなく、戦士でないアスランはいらないのだ。だが、彼らは違う。戦士でなくとも、キラやカガリ、ユリがアスランを見る目は変わらない。

 

「アスラン…俺もお前も戦士だ。だが、戦士である自分とそうでない自分…それは、自身が一番判ることなのだと、俺は思う。俺は今……国を守るため、そして…お前や、死んだ仲間達を…今の仲間を侮辱した奴らを殺すために、復讐の戦士になる。」

 

シオンはそう言って、トゥルースのコクピットへ向かう。シオンもまた、選んでいる。戦士である事だけ要求され、心が壊れながらも……例え復讐でも、自分で選んだ。

 

『俺達は、何とどう戦わなくちゃならなかったんだ?』

 

『だが、君にできることと、君が望むこと…それは、君自身が一番よく判っているんじゃないかな?』

 

二年前のオノゴロでキラ、ユリ、シオン、レナ、ディアッカ、イリア、ミサキにかけた問い、セイバーを見せたデュランダルがかけた言葉が蘇る。

 

俺にできて、俺が望むことは……

 

アスランはパイロットスーツに着替え、メイリンの制止も振り切り新たな機体ZGMF-X19Aインフィニットジャスティスに乗り込んだ。そして、シオンのZGMF-X16Aネオトゥルースもカタパルトに付いた。

 

〈シオン・クールズ、トゥルース発進する!〉

 

トゥルースが孔雀緑と黒のツートンに変わり、ライフルを手に空へと出た。そして、アスランもまた再び……

 

「アスラン・ザラ、ジャスティス出る!」

 

 

 

 

ミネルバではシン達が整備を今か遅し止まっていた。特にリドレスは一度アサルトシュラウドをパージしてしまったため、再装着に時間がかかってアリスだけでなく、ルゥも加わっていた。

 

〈デスティニー、リドレス、クリエイター、整備完了。〉

 

「くそっ…あいつら、今度こそ!」

 

「シン!」

 

ルナマリアが一緒に行こうとするが、レイが阻む。

 

「ルナマリアは残れ。今のあいつにお前は邪魔だ。」

 

ルナマリアが呆然としたが、レイは気にとめない。

 

シンには今度こそ奴を…キラ・ヤマトを消してもらわなければならないのだ。ルナマリアはそのためには邪魔な存在だ。いない方が良い。

 

 

 

アリスは用を足し、すぐにコクピットに戻った。

 

「アリス…今度は私とレイも出る。」

 

「ルゥ……」

 

「あの魔女共を、今度こそ地獄に送ってやるぞ。」

 

「…ええ!」

 

そう、その言い方は間違っていない。生まれるべきでなかった魔女……奴が生まれたせいでシオン・クールズはアスラン・ザラに並ぶ最強のMSパイロットの才覚を持ちながら、奴の存在が足枷になった。

 

なのに、それを認めようとしない不幸な男だ。その不幸な男に惹かれたアリスもまた哀れだ。なら、せめて復讐のお膳立てくらいはしてあげるべきだ。こちらとしても都合が良いし、アリス自身のためにも必要だ。

 

 

 

カインはレイとルゥに言い知れない恐怖を感じた。アカデミー時代はとても優等生で頼りになる。はずだったのに……何故か、今は二人が得体の知れない化け物のような気がしてならない。

 

レイはシンにフリーダムへの敵意を煽り、ルゥもまたブレイブへの敵意を煽っている。しかも、ブレイブのパイロットがシオンの妹という事実さえもアリスにとって都合の良いようにねじ曲げている。

 

俺も…あんな風にされるのか?

 

あの二人は本当に仲間なのか?

 

 

 

アスラン達が出撃する少し前……デスティニーらの後退によってフリーダム、ブレイブ、アフェクションが防衛線に参入し、圧倒的な火力と機動力でザフトのMS隊を押し返していく。戦局はオーブに傾きつつあったが、ミネルバから補給と整備を終えたデスティニー、リドレス、クリエイターが再び発進し、今度はレジェンドとフェイブルも随員していた。

 




シオンは自分がアスランやキラほど聖人でないことを自覚しており、アークエンジェルの中で唯一畜生の道を歩むことを望みました。

イメージとして、キラとアスランが辿った道の一つでしょう。敢えて言うなら、キラとアスランの暗黒面に近いかも。

尚、メイはエリカと一緒にアカツキ島に残っていますが、ちゃんとアークエンジェルで一緒に宇宙へ上がります。

カインはシオンと違い、レイとルゥを疑っても情を捨て切れていません。それはアカデミーの同期だからでしょうね

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。