機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

80 / 82
本当の最終局面です。


PHASE-42 選ばれた未来…前編

ミネルバの五機がアークエンジェルに敗れた頃……アスラン達に代わってレクイエムを目指すアカツキとツキユキが本体を目指す。

 

「くそぉ!もういい加減にしろ!なんでこんなもの守って、戦うんだ!!」

 

ザクがオルトロスを構え、アカツキのヤタノカガミでそれを撃ち返す。ツキユキもリフターのビーム砲でナスカ級のブリッジを撃ち抜き、更にコガラスマルでローラシア級のブリッジを潰した。

 

〈自分達が前と同じ事をしていると、なんで分からないの!!〉

 

レイラも怒りを露わにレクイエムを目指す。

 

 

 

クサナギはオーブ軍本隊と合流し、ローエングリンで前衛の艦隊をなぎ払った。

 

「っ、ブルーコスモスと同じ事をしていることがまだ分からないのか!?」

 

ナタルはかつて、命令だからと諾々と従っていた自分を恥じている。だが、今度のザフトはそれより遙かに質が悪い。

 

『戦争がなくなる』という美名に酔いしれ、そのためならば何をしても良いという有様。『遺伝子操作をしなければ、肉体改造や記憶操作をしていい』というブルーコスモスと全く同じだ。

 

このままオーブが撃たれ、デスティニープランが導入されても反発は起こる。例えレクイエムがあってもだ。

 

そうなれば、再び核でプラントを攻撃するなどという事態も起こるのだ。今ここで、レクイエムを破壊してプラン導入を止めなければまたアレが起こる!!

 

彼女にとって、この戦いは転機でもあったオーブを守るだけではなかった。

 

 

 

アークエンジェルとミネルバの戦いも終わりが近づきつつあった。ミネルバの砲撃でアークエンジェルのゴットフリートが破壊された。

 

「ゴットフリート二番、被弾!」

 

「突撃する!コリントス、てぇー!!」

 

ミサイルを発射し、ミネルバのCIWSで撃ち落とされた。これで目眩ましが出来た。

 

「バレルロール、バリアント照準!」

 

「はい!」

 

ノイマンの操舵をシュウがサポートしてアークエンジェルはかつてアラスカを目指したときと同じ戦法でミネルバの頭上を取った。

 

「てぇー!!」

 

真上からの攻撃にミネルバは対応できず、バリアントがミネルバの両舷を撃ち抜いた。

 

 

 

「トリスタン、一番二番被弾!両舷ランチャー発射不能!艦長ーー!!」

 

アーサーがいつもの情けない声を上げる中でタリアはアークエンジェルを睨む。

 

なんて、操舵と戦術!あんな無茶な方法で頭上を取るなんて!

 

「ジャスティス接近!」

 

ジャスティスのリフターがスラスターを貫通した。

 

「メインスラスター損傷!姿勢制御不能!!」

 

推力を失ったミネルバは月の重力に引かれて座礁した。

 

アーモリーワンから戦い続けたザフトの最新鋭艦は遂に沈んだ。

 

 

 

キラとユリはエターナルに合流した。

 

「ラクス、ミーティアを!」

 

〈私にもちょうだい!レクイエムに行くわ!〉

 

「僕は要塞を撃つ!エターナルは下がって!!」

 

エターナルはすぐさまミーティアをフリーダムとアフェクションにドッキングさせる。

 

 

 

「レクイエム発射口にオーブ軍MS!」

 

「ステーション・ツー、間もなくポジションです!」

 

しぶとい奴らだ…タリアも不甲斐ない。

 

かつて愛した女性と部下をなじり、デュランダルは命ずる。

 

「発射口のオーブ軍を排除する。ネオ・ジェネシス、照準。レジェンド、フェイブル、デスティニーは?」

 

「三機共にシグナルロストです!」

 

「グリーン18、ベータにフリーダム、アフェクション!」

 

レイとルゥも討たれたというのか?あれに…

 

驚きと同時に仕方のないという認識がデュランダルの中に現れた。ラウがキラに敗れたのならば同じ遺伝子のレイが負けるのは仕方がないし、同じスーパーコーディネイターの失敗作でもキラの姉であるユリが相手ではルゥも勝てない。判りきっていたことだ。となれば、シンを倒したのは恐らくアスランだろう。

 

全く、厄介な存在だな。ラクス・クライン、キラ・ヤマト……まあ、仕方がない。彼らを討つのはまた後だ。

 

「面舵13、下げ舵8。ネオ・ジェネシス、射線軸固定。出力90%。」

 

ネオ・ジェネシスが発射口に集結しつつあったオーブ艦隊に向けて砲口を向けた。

 

「発射口の敵を掃討後、オーブを撃ってこの戦闘を終わらせる。全軍に通達!」

 

 

 

〈エターナル!〉

 

フリーダムとアフェクションにミーティアを与えたエターナルに通信が入った。先程から援護していたデュエルだ。そのパイロットは以前と同じイザーク・ジュールだ。

 

〈メサイアが撃ってくるぞ!射線上の連中を下がらせろ!早く!〉

 

ラクスはハッとなりメイリンに命ずる。しかし、この混戦では上手く伝わるかどうかも判らなかった。

 

 

 

メサイアのジェネシスが発射されたのはキラにも見えた。

 

「アスラン!マリューさん!ナタルさん!」

 

 

 

「大佐!」

 

〈くっ…!〉

 

ジャスティスとアカツキはギリギリのところでメサイアの射線から外れていたので難を逃れる事ができた。

 

 

 

「機関最大!回避!」

 

〈全速!宙域を離脱せよ!〉

 

アークエンジェルとクサナギ、三隻のイズモ級はかろうじてその砲撃を躱すことができた。しかし……他の艦は回避が間に合わずにメサイアの砲撃に呑み込まれた。そして、その中にはザフトの所属艦もあった。

 

 

 

リドレスを抱えていたブランのコクピットでグレンは唖然とした。

 

「味方まで!?」

 

 

 

「これでどうしてあたしらのボスと違うって言えるのよ!?」

 

クリエイターの中身を見つけたクレムは友軍さえも巻きこむ事を何とも思わないザフトのやり方に戦慄した。

 

 

 

「そ、そんな!」

 

〈何、考えてやがるんだ!〉

 

メサイアの攻撃から逃れるためにイリアとミサキはムウ達とはぐれてしまった。しかし、二人共自分の身を守るので精一杯だった。

 

 

 

〈リュウ!大丈夫!?〉

 

「何とか…でも!」

 

発射される寸前にツキユキとセイバーは離脱が間に合ったが、合流した連合のダガーやクライン派のジンが巻きこまれた。

 

 

 

合流し、レクイエムを目指すブレイブとトゥルースもメサイアの砲撃から逃れていた。

 

「兄さん!アスラン達が!」

 

〈くそっ、振り返るな!〉

 

流石のシオンもこれには戦慄した。だが、ジェネシスを撃ったということはもうレクイエムは発射寸前だということ。これでオーブが撃たれれば、全て終わりだ!

 

〈シオン!レナ!〉

 

ユリだ。ミーティアを装備したアフェクションが追いついてきた。

 

〈急ぎましょう!〉

 

「ええ!」

 

「ああ!」

 

 

 

「ああ…マルベースとブルトンが!」

 

巻きこまれた友軍の艦を見てアーサーが愕然とし、タリアもデュランダルの正気を疑った。

 

ギルバート、貴方…!

 

まさか、ここまでやるとは!いや、これも全て自分のせいなのかもしれない。

 

 

 

〈こ、ここまで…!〉

 

〈正気かよ、議長!〉

 

ニコルとディアッカが愕然とする。

 

「くっ…!」

 

イザークはこうなるまでに行動を起こさなかった自分を恥じた。最初から彼はパトリック・ザラと同じ存在だったという事に気付かなかった自分が情けない。

 

 

 

カガリとフブキは行政府にいた。国民と軍や政府の要人達のシェルターへの避難はまだ行っている。だが、二人は地上に留まっていた。

 

「恐らく、もう時間はないだろうな。」

 

「ええ…」

 

シェルターに退避したところでプラントを焼き払うほどのビームだ。助かる保証などない。なら、どこにいたって一緒だ。

 

 

 

砲台の蓋が開き始めた。もう発射寸前だ!

 

〈このぉおぉおお!!!〉

 

アフェクションがビームソードを展開し、外郭部分を斬った。どこがリフレクター発生装置かなんて分からない。だが、対要塞攻撃用のビームソードは効果があった。リフレクターの一部が消失し、穴が空いた。その穴からブレイブとトゥルースが飛び込んだ。すぐに砲の本体が見えた。

 

エネルギーが臨界だ!

 

「いけえええええ!!!!」

 

シオンとレナが同時に叫び、ブレイブが発射口や周辺めがけてビーム砲を乱射し、トゥルースもガンランチャーとミサイルを発射口めがけて撃ちまくる。何発かのミサイルと実弾、ビームが発射口に飛び込んでいき、二機はそれを振り返らずに離脱した。

 

二機が離脱して間もなく……砲台から巨大な火柱が上がった。臨界を迎えたところで発射口内部が損傷したことでエネルギーが漏れて暴走、誘爆したのだ。

 

 

 

シン…

 

シンは誰かに呼ばれるような気がした。それは……

 

ステラ?

 

シン……ステラね、昨日をもらったの。

 

昨日?

 

うん、だから…シンも明日に会おう?

 

エクステンデットのステラは記憶操作をされていて、明日どころか昨日さえない。今日があるだけ。

 

そのステラが…昨日を?

 

 

 

デュランダルはレクイエムから上がる火柱に愕然とした。

 

「馬鹿な…何故!?」

 

 

 

ステラが消えていき、シンは意識を取り戻した。そこには、ルナマリアがいた。

 

「ルナ…」

 

俺は…そうだ、負けたんだ。辺りを見回すと、巨大な火柱が上がっているのが見えた。

 

「あれは…」

 

「レクイエムよ……オーブは撃たれなかった。」

 

オーブが撃たれなかった……シンの脳裏には安堵があった。家族が死んだあの場所……今、あの慰霊碑があった公園も残った。

 

 

 

カインは目を覚ました。

 

「こ、ここは…」

 

「お目覚め?」

 

女性の声がした。その方向を見ると、別のMSのコクピットのようだ。そこにいたのは、連合のパイロットスーツを着た女性だ。

 

「ク、レム?」

 

「そうよ……お久しぶりね、カイン。」

 

ああ、やっぱり……クレタでチラリと見えたのは彼女だったんだ。

 

「悪いわね…騙してて。」

 

カインは何も言わず、首を横に振った。

 

「……見て、あんたの軍がやろうとしたことが全部潰れたわ。味方を撃ってまで勝とうとしたのに。」

 

味方を…撃った?そんな、議長が!?

 

だが、カインは思い知った。自分の抱いていた希望が最初からないのを。アルザッヘルが撃たれた時点で確信するべきだったんだ。

 

 

 

「グ、グレン?」

 

「ああ……久しぶりだな、アリス・シュナイダー。」

 

傭兵のはずの彼が、やっぱり連合だった?

 

「覚えているか、負けたのを。」

 

負けた…ああ、そうだ。シオンに徹底的に否定され、罵倒され、負けたんだった。

 

「…レクイエムは破壊された。」

 

レクイエムが……?

 

「私達…負けたの?」

 

「ああ……ベルリンで俺達がやったことと同じ事をしようとしたお前達は、負けたんだ。」

 

ベルリンと…同じ。負けて、あの光景を見てアリスは悟った。

 

私……私達、ベルリンで連合がしたことと同じ事をやっていたんだ。

 

 

 

フリーダムがミーティアのビームソードでリフレクター発生装置を破壊し、メサイアは盾を失った。

 

陽電子リフレクターを失った要塞はもはや只の的だった。エターナルとフリーダムのミサイル攻撃で外壁は穴だらけになり、更に港に飛び込んだフリーダムが中から一斉に火器を発射した。中からの大火力の攻撃でメサイアは瞬く間に崩壊した。

 

 

 

「艦長…メサイアが!」

 

タリアは陥落するメサイアを見て、目を閉じた。

 

「本艦の戦闘は終わりよ、総員退艦。」

 

上空のアークエンジェルとクサナギから艦長の二人が敬礼しているなど、知るよしもないタリアは決意を固めた。

 

「こんな時に本当に申し訳ないんだけど……後を頼める、アーサー?私、行かなくちゃ。」

 

「え?」

 

「ごめんなさい。」

 

こうなったのは元はといえば、私のせいだ。私が勝手な理由であの人と別れて子供を産んだのに……未だに彼と身体を重ねている。

 

責任を取らなければ…彼の夢を歪めた責任を。

 




レクイエムを破壊したのはブレイブとトゥルースです。行こうとしたムウとレイラはメサイアの砲撃で足が止められたのに対し、幸いメサイアから離れていたシオンとレナ、ミーティアで追いついたユリが壊しました。

まあ、個人的な趣味としてメサイアをキラ、ミネルバをアスラン、レクイエムをユリ、シオン、レナにしたかったのもあります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。