機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

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デブリ戦です。


PHASE-4 星屑の戦場…前編

デュランダルがアレックス・ディノを呼んだ名前にブリッジのクルーは何人かがチラチラと見ている。

 

「議長…」

 

カガリが言いかけたことをイリアが制する。

 

「どなたかとお間違えではありませんか?」

 

だが、デュランダルは穏やかな笑みで答える。

 

「安心したまえ、イリア・カシム君。全ては知っているよ…カナーバ前議長の計らいもね。」

 

イリアは凍った。

 

アスランだけじゃなく、俺まで!最初から、見抜かれていたのか!

 

フブキも観念して、ため息をつく。

 

「それで、二人を返せとでも?」

 

「そんな怖い顔をなさらなくとも、無理矢理復隊させる気などありません。」

 

それはそうだ。実際、あの後カナーバは政治的配慮でザフト兵の殆どを大々的に裁くことをしなかった。あの戦争、特にパナマ以降は投降を認めない虐殺の応酬だった。連合もプラントもそいつらを裁ききれないから双方、事実上の不問だ。

 

そして、アスランはその複雑な立場から亡命を認められていた。体の良い厄介払いだろう。

 

 

 

砲撃用のガナーウィザードを装備した赤いザクでルナマリアはぼやく。

 

〈余り成績良くないのよね、デブリ戦。〉

 

〈成績は所詮、成績よ。実戦とアカデミーの授業は違うから。〉

 

同じ装備でライトグリーンのザクに乗ったミサキがルナマリアを窘め、ルナマリアは頷いた。

 

〈はい。〉

 

〈今回は先輩達がいるから、何とかなりそうですね。〉

 

追加装備の長距離レールガンを装備したアナーでアリスが楽観論を口にするが、迷彩色のザクファントムで新装備のケルベロスウィザードとジンのバズーカを装備したシオンはにらみつける。

 

「俺にあれこれ押しつけられても困る…」

 

全く、戻ってからずっとこれだ。『伝説のエース』だからこの通りにしろ、あの通りにしろ……取材も多く来た。挙げ句にオーブになど相応しくないなどという奴らまでいる始末。

 

セカンドステージの取材に来た、あのナチュラルのジャーナリストはシオン自身に触れようとしていた。彼の取材なら、いくらでも受けたい。そんな好感さえ抱いた。雲泥の差だ。

 

だが、シオンは気づいた。もう、こちらを補足しても良いはずなのに。進路変更もなし、MSが出た様子もない。

 

〈先輩……ボギーワンが一向に動きませんが?〉

 

〈なんで……進路すら変えない?〉

 

シオンが疑っていた事にカインが気づき、シンも気づいた。

 

「っ…まずい!すぐに引き返すんだ!」

 

〈え?だって、敵は目の前に!〉

 

〈罠よ!早く!〉

 

ルナマリアが意図が分からないまま、ミサキが急かす。

 

 

 

「インパルス、ボギーワンまで1400。」

 

ミネルバのブリッジでもボギーワンが一向に動かない様子に疑念を抱き始めていた。

 

「しまった!」

 

「デコイだ!」

 

アスランが思わず口に叫んだ。そして、それは間もなく実証された。

 

 

 

イリーナはあの合体MSの部隊が急に動きを止めたのに気づいた。

 

「スティング、あいつら止まったわよ。」

 

〈気づいたか…仕方ねえ、行くぞ!〉

 

〈OK。〉

 

〈うん。〉

 

スティングの指示で四機は一斉に飛び出した。ネオとエリスの指示で前もって四機はデブリに隠れていた。熱探査に引っかからないようにこの位置で待機し、デコイの位置まで引っ張り寄せる作戦だ。

 

カオスが先陣を切り、機動兵装ポッドを展開した。不意を突かれたゲイツRが撃墜される。

 

 

 

〈散開して、各個に応戦!固まるな!〉

 

シオンは他の誰よりも早く移動し、カオスの機動兵装ポッドを躱す。

 

「くそっ、本当に待ち伏せ!」

 

〈それだけじゃないわ!アレはデコイよ!〉

 

ミサキに言われた時、レーダーからボギーワンの反応が消えた。

 

 

 

「ボギーワン、ロスト!」

 

「ショーン機もシグナルロストです!」

 

前方のボギーワンの反応が消え、友軍機が一機撃墜された報告が入る。そして、敵の正体が判明する。

 

「イエロー62、ベータに熱紋4……カオス、ガイア、アビス、レイジです!」

 

「索敵急いで!ボギーワンを早く!」

 

だが、すぐにバートが報告する。

 

「ブルー18、マーク9チャーリーに熱紋!ボギーワンです!距離500!!」

 

「えぇー!?」

 

アーサーが大げさに驚き、更にMSが四機追ってくることを告げる。

 

後ろを取られた!デコイでMS隊を引き離して、本物は後ろを取ったのだ!完全にミネルバは無防備だ。

 

「アンチビーム爆雷発射!面舵30、トリスタン照準!」

 

「駄目です!オレンジ22デルタにMS!!」

 

完全に後手に回った。MS隊も攻撃し、ミネルバは迎撃が手一杯になってしまった。

 

 

 

シオンはデブリを影に攻撃を躱し続け、そこでデイルのゲイツが動きを止めていたことに気づく。

 

「馬鹿、動け!止まるな!!」

 

だが、遅かった。アビスがコロニーの反射ミラーの影に隠れていたゲイツを砲撃し、影に隠れて油断していたゲイツは撃墜された。

 

「ちっ!」

 

アナーはデブリを気にして機動力を思うように動かせない。グラウンドはMA形態でコロニーの残骸や隕石をうまく利用して、飛んでいる。

 

シオンはビームライフルを撃つレイジに向かってウィザードのビームファングを展開する。バクゥのビームサーベルと同じ要領で突進を仕掛けるが、相手がビームサーベルを振るうのに合わせてシオンは急上昇した。そのままライフルの予備パックを投げつけ、ビーム砲で撃つ。満タンのエネルギーパックの爆発でレイジは吹き飛ばされ、そのままシオンはシン達の援護に向かう。レイジは追撃してくるが、今度はグレネードを投げて牽制する。

 

 

 

「な、なんなのこのパイロット!?」

 

赤いザクどころか、合体型や戦闘機、バクゥ型の三機のパイロットよりずっと強い。こんな奴がザフトにいたのか!?

 

「このぉ!」

 

バクゥの首を装備したザクを狙うが、相手はコロニーの残骸を影に移動した。

 

舌打ちして、後を追うが再び急接近してきた。同じ手は喰わない、と距離を取るが今度は逆に猛スピードで近づいて膝蹴りを食らわされた。

 

「ぐ!」

 

 

 

〈俺達が食い止める!お前達はミネルバに…!〉

 

シオンが言い終えようとしたとき、別の方向から砲撃が来た。

 

「別働隊!?」

 

ミサキも気づいた。今のはシオンの右から撃ってきた。今度は合流したミサキが撃たれた。実弾の長距離砲だ。シールドで受け止めるが、やはり衝撃は強い。

 

「ランチャーストライカー!?」

 

〈いや、確か戦後に実装されたドッペルホルンがあった!〉

 

資料でそれは見たことがある。南米でそれを装備したダガー隊が確認され、実弾装備の長距離砲だ。エネルギー消費の激しいランチャーストライカーと違い、精密射撃もできる厄介な装備だ。

 

今、撃たれた方角へオルトロスを撃つが手応えがなかった。

 

「何機隠れているか分からないけど、これじゃあ下手にシン達を戻せないわ!」

 

このまま不用意にシン達を戻せば、伏兵は間違いなくそちらを狙う。強奪された四機を囮にこちらを釘付けにして、母艦を叩くのが敵の作戦だ。

 

母艦を失ったMSなどはエネルギー切れを待つのみ、只の棺桶だ。

 

 

 

「ちっ、余計なことしやがって!」

 

〈大佐と中佐のご命令だ!文句を言うな!〉

 

二機のダークダガーLは万が一のためにと、デブリを影にした支援砲撃を命令されていた。しかも、時間差をつけて数を悟らせないようにと…立案はエリスで、ネオもそれを了承している。

 

スティングは自分達だけで遊ばせてくれないことに不満を抱きながらも合体型を追っている。

 

「首は俺達がもらうからな!」

 

〈じゃあ、頑張れ!〉

 

ダガーのパイロットが大雑把に答え、それに腹を立ててスティングは合体型を追うアウルに声をかける。

 

「回り込め、アウル!合体野郎の首をもらうぞ!」

 

〈僕は別にいらないけど!〉

 

 

 

ルナマリアはガイアを相手に砲撃を行う。だが、ガイアはデブリを何度も飛び移って、まるで捉えられない。

 

「何よ、あんた達は!この泥棒がぁ!!」

 

長距離ビーム砲オルトロスでガイアを今度こそ狙うが、ガイアは突進した。そこへグラウンドが割って入った。

 

「カイン!」

 

〈その装備でガイアの相手は無理だ!援護を頼む!〉

 

「了解!」

 

確かに、同じ砲撃型でもガナーウィザードは完全に火力重視。グラウンドは砲撃と機動力の両立だから足の速さだけならば同タイプのガイアに対抗しやすい。

 

グラウンドがMAに変型し、頭のカリドゥスでガイアを狙う。ガイアはコロニーの残骸から飛び移り、砲撃を躱した。グラウンドも後を追う。二機は本来のテリトリーである地上以上に可変機構を活かして交戦していた。

 

 

 

シンはコロニーのシャフトの中を移動して、隠れていた。だが、これではこちらからも狙えない。

 

〈シン!ミラーへ撃って!〉

 

アリスだ。外壁部分から飛び込んで、レールガンを撃った。あちらだ。今撃たれた方向にアビスがいた。

 

シンもシルエットの長距離ビーム砲ケルベロスを撃つが、カオスの機動力に躱される。

 

「くそ!」

 

デブリのどこかに隠れている敵の伏兵を警戒しながら、こいつらの相手をしなければならないなんて!

 

 

 

ガーティ・ルーは発進したダガー隊と共にミネルバを狙うが、小惑星を盾にうまく粘る。

 

「小惑星を盾にしているなら、それを逆に武器にしませんか。」

 

「良いアイデアだな、中佐。」

 

エリスの進言を聞いて、ネオは手を変える。

 

「奴がへばりついている小惑星にミサイルをぶち込め!船体が埋まるほどにな。」

 

「それじゃあ、行ってくるわね。」

 

エリスは先に席を立ち、ネオも続いて格納庫に向かう。

 

 

 

「ミサイル接近!しかし…」

 

「直撃コースじゃない……そうか!」

 

フブキが気づき、アスランも口に出した。

 

「まずい!艦を小惑星から離してください!」

 

タリアが意図が分からず振り返った。

 

「早く!動けなくなります!」

 

だが、間に合わなかった。

 

「右舷が!艦長!」

 

「離脱する!上げ舵15!」

 

「更に第二波接近!」

 

「減速20!」

 

ミサイルが小惑星に直撃し、離脱しようとしたところで追撃が飛んできて小惑星の破片でスラスターにも損傷する。

 

「盾にしている小惑星を逆手に取られた!」

 

フブキが言うとおり、これでは身動きも取れない。このままでは、只の的だ。




シオンはスターゲイザーから拝借してケルベロスウィザード、ただしライフルやバズーカ等に武器を変えての砲撃戦スタイルです。ミサキはルナマリアと同じガナーウィザード…といっても、戦闘経験の差から腕は段違いです。
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