『先生』
数々の記憶の中で『イデアの日』その言葉が頭に、残る。探す。
これが…その…き、記憶…。
怖い、恐くて、震える、でも、せんせいを、傷を、知る重要な、手掛かり。
それに触れる。
記憶、の中、なのに。私は痛くないはずなのに。
せんせいはシャーレの建物の前で、張り付けに、されていた。
廻りにはせんせいを慕っていた生徒達。
でも、この、記憶では、違う。
今では、せんせいの命が無くなる事を嬉々として喜ぶ生徒達。
せん、せい…。
「はやく、殺せ~!」「なんでそいつが生きてるんだ!」
「さっさと殺してちょうだい!」「時間を返せ!!このクズヤロウ!!」
なんで、せんせいが、こんなことを、言われなきゃいけないの…。
酷い。
ファンファーレ代わりの轟音が響く。
静けさ、各学園のトップが顔を現す。
リン「それでは、只今より、『イデアの日』を始めます。」
「…先生は私たちを正しき形から遠ざけ」
「…私たちを騙し、惑わせました。」
「…ですが、これからは違います。」
「…今日、素晴らしい日を」
「先生の存在が消えた、正しき日々を」
「…これから教授する事が出来るのですから。」
「…さあ!祝いましょう!『イデアの日』を!!」
気持ちの悪い歓喜の音が広がる。
1人ずつ壇上へ揚がる。
「まずはワタシ達からだね~」ホシノ止めて!
先生に銃を突きつける。
ホシノ「先生~私は悲しいよ~」
「…あの時、救ってくれたと思ってたのに」
「…アンタだけは他の大人と違って信用してたのにさ…」
「…バカみたいじゃないか?私たちが?」
先生「…」
ホシノ「謝る言葉は無いのかな~?」
先生「…今なら、まだ、間に合うよ…」
先生「…お願いだ…君は…私の、ヒーロー、だろう?」
ホシノ「…っ!」
ホシノ「…キモチガワルい…!!」
先生の左足が。大穴が。空いた。穴の中には数本の神経と骨の一部で
辛うじて繋がっていられている。
せんせいの悲鳴が…あぁ、どぉ…して…
ミカ「せんせい、良い姿になったじゃんね★」
「いらないものが取れて、より、キレイになってきたじゃん~」
「…あ、間違えた、取れかけじゃんね~★」
先生「…や、やめ、て…ミ」ペキペキペキ…バキッ
ミカ「…アハハ★」
「取れちゃった!」
「もういらないもんね★」ポイ
ミカ「…せんせいの買ってきた服、これ、ありがとうね~★」み、ミカ。
先生「…ふ、ふ…ど、どおも…」や、やめてやめて。
ミカ「お陰で、貴方の返り血で汚くならないね!」いやぁ!!
バキバキ…ボキリ
ミカ「…じゃあね、せんせい、愉しかったよ?今のこの瞬間だけだったけど★」
せんせいの左手が曲がっちゃいけない所まで曲がり、折れた骨が突き出ている。
先生「…ぁ…ぁ」せ…ん…せ
苦痛に歪む、貴方の顔を、私は…。
アコ「ヒナ委員長」
ヒナ「うん」わ、ワタシ…はやく…せんせいを…たすけて…お願い…。
ヒナ「…先生、最後に言い残すこと、ある?」な、なにを…。
先生「…ヒナ…」こんな…じょうたい…で…あぁ…!
先生「…み、みんなに…伝えて…ほし、ィ」
先生「…きっと…君たちは…幸せに…成れる…」
先生「…この一度の…間違い…でも」
先生「…反省…して前に…進み、続けろ…」
先生「…私は、許すから…『先生』…だからね。」
も、もう、い、い…
せんせい…いま…たすける…か
ヒナ「…そう…じゃあ、もうしんで…」
私の機関銃の音が、聞きなれた私の、機関銃の、音が…。閃光…。あ…あ…せんせいに…ッ。
これ以上は目をあけていられなかった。
目に貯めた怒りと悲しみとが視界を覆った。
揺蕩い堕ちる感覚。
足が、床に触れた。
重力があるのか、わたしは、その床に涙と、無いはずの胃液が落ちる。
ゲホゲホ、ゴホ!…ウォエ…。
?「おやおや、ここまで、来てしまったのですか…ヒヒッ」だ、れ…
声のする方に、頭を持ち上げた。
椅子に座ってる。何か。がいる。
黒塗りの面に、瞳が時計の文字盤、額に「18」、不気味な顔。