ポケットモンスター。縮めてポケモン。
初代からキビキビまでポケモンに触れてたけど、モンスターボールをポケットに入れてるところなんて見たことないです。
【ー三匹のポケモンから選ぶんじゃー】
ポケットモンスターと言うゲームは常に三匹のポケモン、いわゆる御三家の中から一匹を選びパートナーとすることで冒険に出かけるRPGだ。
俺が初めてポケットモンスターをプレイしたのは幼稚園児の頃。
同じ組の子どもの間で流行っていたものの、その存在を殆ど知らなかった俺は『ヒトカゲ』と言うポケモンを大きな鏡に人の影が映る怪異的なモンスターだと思っていた。『ポッポ』と言うポケモンは、なんかこう映画館で買うポップコーンみたいな妖怪かと思っていた。
良いだろ? だって『モンスター』だぜ?
そんなことはさておき、俺は現在十歳。テンプレート的には博士からポケモン貰って旅に出る年齢なんだが……。
「おうフォレス。今日こそこのドデカンさまとお前、どっちがこの村の”しはいしゃ”になるか決着を付けてやるかんな!」
「大人も普通にいる村の支配者が十歳児で良い訳がないが?」
「うるせー! 子どもの中の”しはいしゃ”を決めるんだよ!!」
(ガキ大将じゃねえか)
俺は今現在、木々に囲まれて世界と隔絶された村の子供として生きていた。
ここが何処の地方なのかも分からないし、フレンドリーショップもポケモンセンターも無い。
一個百円で売られているモンスターボールも入手手段が存在しないので、村人なら誰でも作れるぼんぐりモンスターボールでポケモンを捕まえている。
なお、自給自足で電気もない村の生活の合間に行われるため。モンスターボール制作期間は約3ヶ月。
それも乱獲したところでエサとか考えると育成が現実的ではない為、基本手持ちが3匹を越える
というわけで……。
「子どもの持てるポケモンは一匹だけ。これが村の掟。
強いポケモンを捕まえればボスとして”くんりん”し、弱いポケモンを捕まえれば”じゃくしゃ”として子分になる。
そして、オレさまのポケモンはこのーー」
ふんっ! と鼻息荒くスピードボールを投げるドデカン。
中から出てきたのは。
『スピァー!!』
「どくばちポケモン『スピアー』!
最終進化まで果たした、オレさまの最強の相棒だぜ!」
「よくS値75のポケモンがスピードボールで捕まったもんだよな……」
「?? えすち? なんだそりゃ?
相変わらずわけのわかんねえことばっかり言いやがって!
いいからさっさとポケモンを出しな! オレさまのスピアーにやられるポケモンをな!」
「…………まあいいや。
せっかくリアルにポケモンを捕まえられたんだ。
ポケモンバトル。やってやらなきゃ
(ここがどこの地方なのか、この森が何ていう名前なのか? この森の外にはどんな世界が拡がっているのか?
知りたいことや観てみたいものは山程ある。だからいつかはこの森を出ていこう。そして冒険に行こう。
そして最大の目的を果たすんだ……)
俺は、ポケットに入れていた
「な、何だその妙なカタチのモンスターボールは!?」
「フフフ。俺の転生者特典。それは……『自分で作ったボールは材料と制作過程を一切無視して全てウルトラボールになる』能力!」
「転生者特典? ウルトラボール?? なんだそりゃ??」
「さあ行くぜハルク。初陣だ!!」
『ーーヘラクロース!!』
「ーー!! そ、そのポケモンは……!!」
「俺のポケモンはヘラクロス。
ウルトラボールの捕獲率0.1%を乗り越えて捕まえた最初のパートナー。
全くめっけもんだぜ。最初のポケモンが、かくとうタイプのヘラクロスなんてよぉ……!!」
「くっ、ま、まさかヘラクロスを捕まえてやがったなんて……!!
けどぜってえ負けねえぞ!! なあスピアー!!」
『スピッ!!』
「記念すべき初バトル。気合い入れて行くぞハルク! 大丈夫!! 僕達なら出来る!! 確率0.1%を乗り越えた奇跡を信じろ!!」
『ヘラクロッ!!』
(そして…………)
「ーースピアー! どくばり!!」
「ーーハルク、つのでつく!!」
いつの日か必ず、こんな転生特典と言う名の呪いを俺に押し付けやがった
森の中の村とか、隔絶された廃病院とか施設とか。切り取られた世界で明るく生きる子ども達が地獄を見るようなアドベンチャー系が好き。
と言っても息抜きで書いただけだし、ポケモンでスプラッターだったり血なまぐさい展開なんてもんは普通無いですけどねー。