そこへ、特捜班に1本の電話が入ってきた。
「はい、東京中央鉄道公安室公安特捜班、えっ、夜行急行「きたぐに」で男性の死体、はい、名前は杉村孝三郎、はい、住所は東京都拝戸市、了解早速調査してみます。」
と、中野は電話を切って高杉に言った。
「班長、大阪府警から捜査協力の要請です、この男の身元調査してくださいと言われました。」
「おう、この男か。」
中野は高杉にメモを渡した。
「おいっ、大阪府警から捜査協力の要請だ。」
「はい、早速捜査してみます。」
と、桜井と岩泉は捜査を行う事にした。
「ええ、大阪へ出張行くと言って出かけて行ったんですが、いつもは「のぞみ」で行く筈なのに、何で新潟から大阪へ行ったのかなのよ。」
「それで、新潟へは誰かと会いに行きましたか?。」
「ええ、それが私にも見当がつかなくてね。」
と、妻は言った。
大阪府警の大滝警部の話では夜行急行「きたぐに」で北陸本線を走行中、B寝台の車内の中で死亡しているのを発見されたそうです。
「第一発見者は女子大生の藤崎沙織で、第二発見者は三上という車窓だそうです。話によると急行「きたぐに」は米原を通過した後に死体を発見したそうです。」
「遺体は執着の大阪駅で降ろされ、司法解剖に処されました。」
「それで、死因は?。」
「青酸カリによる急性中毒です、日本酒のカップ瓶の中に混入したと考えられます。」
「それじゃ毒物はカップ酒の中に混入されてたんですね。」
と、岩泉は言った。
「ええ、たぶんそういう事でしょう、ただ、不思議なことにカップ酒の瓶が一切見当たらないんです。」
「犯人が持ち去ったんでしょうか?。」
「ええ、我々もそう見ています、つまりこれは計画的な殺人事件で犯人は何らかの方法で青酸入りのカップ酒を飲ませた後に指紋のついた証拠品を隠匿して逃げ去ったと考えられます。」
「杉村さんは大阪へはどんな用件があったんですか?。」
「えっ、大阪、それはどういう事なんですか。」
「これを見てください。」
と、部下の鍋島部長刑事は証拠の乗車券を見せた。
「被害者のわきのポケットの中に1枚は東京から大阪への切符と、もう1枚は新潟から大阪への急行「きたぐに」の乗車券と寝台券です。」
「つまり、これを見る限り杉村は東京から新潟へは上越新幹線に乗り、そこで夜行急行「きたぐに」に乗って大阪へ行く途中だったと推定されます。」
「大阪で、行くとか言っていませんでしたか?。」
「ええ、私にも見当がつかなくてね。」
「つまり、被害者は東京から新潟へは上越新幹線「あさひ」に乗って、そこから急行「きたぐに」に乗って大阪へ向かったと考えられるな。」
「ええ。」
「もしかしたら、例の警官襲撃犯が毒殺したんじゃないでしょうか?。」
「その可能性が高いな。」
と、高杉は言った。
「ああ」
犯人は警官襲撃犯の仕業なのか?