歩兵隊が駆け寄る。その間にも、適応変態を防ぐための肉弾戦は続いていた。
ツィツィ・ミトルに鉄槌がめり込む。すでに鱗の大半がひび割れ、打撃が通用するようになっていた。ただ、巨体と分厚い皮下脂肪ゆえに、そこらの獣を殴るのとは勝手が違う。
大きく体を回すような、尾と胴体での薙ぎ払い。けたたましい音とともに、多くの騎士が挽肉になった。
フランシスコ枢機卿が、ハウンスカルを脱ぎ捨てる。炎と汗で蒸し上げられ、ぶわりと湯気が噴き出した。
「殴れども殴れども壮健……!! これが天災の本体か!!」
振り上げた鉄槌を、全力で膝に打ち込む。ついにツィツィ・ミトルは大きな声をあげ、仰け反るように体を起こした。
鱗に覆われた顔には、それでもなお伝わる怒気が浮かんでいる。双眸が足下で散々に嫌がらせをしてきた犯人の姿を捉えた。
間違いなく仇敵を殺すべく、ツィツィ・ミトルがゆっくりと手のひらで挟むように、枢機卿を追い込む。
迫り来る殺意の権化を見た枢機卿は鼻で笑った。
「ようやく気づいたのか。だが、我々の仕事は終えている」
最後っ屁のように、渾身の一撃を手のひらに打ち込む。ツィツィ・ミトルは気にも留めず、両手で包んだ。
金属がひしゃげる音。枢機卿は顔を真っ赤に鬱血《うっけつ》させながら、高らかに叫ぶ。
「我々の勝利は確定している!! 主は見ておられる!! 人類に栄光あ――――」
聖職者だった汁が噴き出した。
ナスパーニャ三世が何かを叫ぶ。言葉にならない怒りの叫びと共に、泥に塗れた槍が放たれた。
それを皮切りに、射程距離に辿り着いた歩兵たちが次々と槍を投げつける。
雨のように槍が降り注いだ。
これまで積み重ねた破壊により、砕けた鱗の隙間に次々と槍が突き刺さる。
飛び出した眼球にも次々と刃が食い込んだ。
ツィツィ・ミトルは両手を地面に叩き付け、口から炎を撒き散らす。十数人の兵がまとめて火達磨になり、地面を転げ回った。
その手から、王が槍を奪い取る。
「怯むな!! 空は晴れたのだ!! この地を人の手に取り戻せぇえええ!!」
王がさらにツィツィ・ミトルとの距離を詰めた。
もう一歩、危険な場所へ。もう一歩、死に近い場所へ。
もう一歩、相手を死に追いやれる場所へ。
飛び跳ねたツィツィ・ミトルの巨体に、また歩兵たちが潰される。払いのける手に当たり、血肉が飛び散る。
だが、後続の歩兵たちは槍だけを拾い上げ、目の前の怪物にひたすら投げつけた。
悲鳴も絶叫も、怒号が塗り替える。眼前の友の死すら、目に映らないようにした。
王と怪物が、真正面から対峙する。
投槍を背景に、王が怪物を見上げた。
「我らはディエゴじゃない。英雄でもない。勇敢でもない」
目の前の生意気な小型生物を喰らい殺そうと、ドラゴンの口が開く。ぬらつく舌に、槍が刺さった。
「だが、人は戦えるんだよ!!」
歩兵が殺到する。
貧しい男たちだ。肉も塩も足りておらず、肌は萎《しな》びて、汚れの溜まった黒いシワが浮かんでいる。
恐怖に慣れていない男たちだ。平凡で、疲労と恐れですっかり老け込んだ顔になっている。
それでも、誰もが致命の一投にするべく、怪物に触れられる距離まで駆け寄った。
無数の槍が空を飛ぶ。名も無き歩兵たちの意地だった。
◇
大空を舞うディエゴが、燃え尽きてただの棒になった竜角槍を鞍に括り付ける。
無茶な速度で飛び回っていたエルソルの翼は傷ついていた。羽ばたこうとせず、ゆっくり旋回しながら滑空している。
濡れた大地を乾かすような、強烈な日差しが注いでいた。
乾いた砂埃の国、カスティラ王国らしい太陽だ。
建物が崩壊し開けた王城跡地。その中心で、巨竜が沈黙していた。
全身に夥しい数の槍が突き立てられ、針山のようになっている。チカチカと小さな光を無数に弾いていた。
見下ろし、ディエゴは呟く。
「乗り越えたのか、竜星軍を」
イザベルが顔をくしゃっと歪めた。
「すごい被害です。みんな、無事だといいんですけど……」
それほど世界は優しくないと、誰もが知っている。
「個人としては、できる限りのことをしたはずだ。立派な竜騎士っぷりだった。贔屓目《ひいきめ》抜きに、お前は頑張ったし、結果を出したと言える。この俺、ディエゴが保証する」
ディエゴは低い声でゆっくりと言った。イザベルは手の甲で目元を拭う。
「個人としては、ですね」
「個人が出来ることなんざたかが知れてる。そして全員がその小さな成果と犠牲を積み重ねた結果があれなんだ」
ツィツィ・ミトルの巨体についた傷は無数で、刺さった得物の数もまた膨大。
誰が倒したではない。人が、竜に勝ったのだ。
二人の背中を太陽が優しく温める。
地上を二騎の影がゆっくりと回った。
――その影を踏み、血と泥で赤褐色に塗れた王が空を見上げる。
ディエゴ、イザベル。そして、ついに全てのドラゴンと決着をつけた第一竜騎士団を指さした。
「君たち。空を見よ」
生き残った全ての者が、目を眇《すが》めながら空を見上げる。
「竜騎士の流した血が、この空を守った。帰ってきた英雄が、太陽を取り戻した」
手が下ろされ、ツィツィ・ミトルを指した。
「この地に生きる君たちの死と奮闘により、竜星軍は打ち倒された。いいか、諸君。我々は勝利した!! 我々の勝ちだ!! まずは生と栄光を喜べ!!!!」
掠れきった大歓声が上がった。
誰もが膝を曲げ、強ばった指先で拳を握り、腹の底から吼えた。
人々が生きている。多くの亡骸の上に、人が生きている。
◇
――戦士が死んだ。雄々しく戦った戦士が死んだ。
悲しむことはない。彼らは再び、戦士として空を駆けるのだ。
夜明けとともに太陽と空の頂を目指し、星の怪物と戦い続ける。
神々との役目を終えたら、彼らは帰ってくる。鷲となり、蝶となり、ハチドリとなって、我らと共にいる。
いつ如何なるときも、戦士は天と地の狭間にいるのだ。
◇
「じゃあ、戦いもせず臆病に死んだカスの魂はどこへ行くんだ?」
ディエゴが噛みタバコを吐き捨てた。水溜まりに波紋が広がる。
王城跡地には戦った竜たちが並び、戦功に応じた獲物の心臓を貪っていた。エルソルはツィツィ・ミトルの心臓を独り占めし、ご満悦の様子だ。
カタクンバから出てきた民が、戦士の破片をザルに拾い上げる。荘園に持っていき、弔うのであろう。
血、燃え残った脂、折れた槍。戦いの跡が雑多に散らばる中を、人々が忙しなく動いていた。戦後処理の時間だ。
老齢の神官が、オセロの脚を糸で縫う。オセロの顔は汗でびっしょりと濡れていた。
「あいたたた……。きっと、どこにも辿り着けないよ。太陽の家にも呼ばれないし、怯懦な者は冥府《ミクトラン》への試練も越えられない。たぶん、ずっと凍てつく風の丘を彷徨い続けることになると思うな」
「そうか。勇気を装う罪は重いな」
戦った歩兵たちはそれぞれが楽な場所に座り込み、炊き出しの温かいスープを啜っている。ふんだんに塩と香辛料が使われた、香り高いものだ。
避難していた民は、真剣な表情で彼らの面倒を見ていた。足を濡らしながら、様々な破片が水に沈む中で、忙しなく働いている。
勇気を出した者を、誰もが称えていた。勇気がない者は、彼らに命運を全て託していた。
そして、勇気ある者のフリをした罪人は、ツィツィ・ミトルの死骸の前に転がされていた。
捕縛された第二竜騎士団は、全裸で縛り上げられている。赤色の水溜まりに、うつ伏せで顔を押しつけられていた。
「そろそろ六〇秒か。一度顔を上げさせよう」
ツィツィ・ミトルの爪に腰掛けた王が言う。スラムの住人たちが頭を持ち上げた。
エルナンが嘔吐《えず》きながら薄目を開く。
「へ、陛下。なぜこのようなご無体を……」
「沈めろ」
「うす!!!!」
「元気が良いな。一発殴ってよし」
「ありがとうございます!」
エルナンを押さえる男は意気揚々と後頭部に拳を入れた。水溜まりからごぼごぼと気泡が上がる。
王は眠たそうに目をしばたかせると、近くに座るディエゴに目をやった。
「ディエゴ君。どうしたら良いと思う?」
「知るか。敵前逃亡は死罪。盗みや横領は財産没収の上、賠償が済むまで強制労働。悪意をもって名誉を汚した者は、決闘の申し入れを断ることが出来ない。法で言うならこれらだろ」
「丁寧に教えてくれるね。この国の竜騎士に相応しい」
「もう辞めてんだよ。しれっと戻そうとすんな」
王は悲しげな目で語りかける。
「不義理を働いた国には戻れないものかな?」
ディエゴは鼻で笑った。
「演じるのやめろ。意図をもってその不義理を見逃したんだろ。この戦いも含めて、天秤は釣り合ってる」
「くっそー。竜星軍も、このカス共も本当に余の足を引っ張ってくれる。面白くない展開になったじゃないか」
「だらだら話すのは構わんが、そろそろ空気吸わせねえと水袋になるぞ」
時間も計らず雑に水責めされた第二竜騎士団は、気泡すら出さずに痙攣《けいれん》していた。
「あぁ、そうだ。空気を吸わせてやれ」
薄汚い男たちが、第二の者たちを仰向けにする。乱暴に腹を踏みつけた。ごぼり、と口から汚水が溢れ出す。
「ふーむ、困った。どの順に裁こうかな。王もびっくり、将軍も絶賛の実力を見せたイザベルちゃんに、ご褒美として決めさせてあげようかな」
「うちの弟子に余計な心労をかけんな。他人の生き死にを決めるのは負担だ。褒美じゃない」
「そうなのか。割と楽しいんだけどね」
当のイザベルは第一竜騎士団に囲まれ、これでもかとばかりに可愛がられていた。第二から没収した調味料をふんだんに使った食事を与えられ、満面の笑みを浮かべている。
ディエゴが何気ない調子で口を開いた。
「サンチョにでも訊いたらどうだよ。教会も活躍したんだろ?」
「確かにそうだ。やはり教会の権威は大切だ! 名案にもほどがある」
手招きをする。気がついたサンチョが、ペドロの肩を借りながらゆっくりと時間をかけて歩み寄った。
右足を添え木と布で固定している。また、頭には血の滲む布が巻かれていた。
ディエゴが笑う。
「ひっくり返ってピクピクしてたのに、もう歩けんのか。体ドラゴンか?」
「人間です。なので、痛くない場所がありません。痛すぎると訳がわからなくなるんですね」
「地獄の本番は夜だ。一週間はまともに寝られないと思え」
「わざわざ嫌なことを予告しないでください。さて、この逃亡兵たちの処分ですね」
エルナンの毟られまばらにハゲた頭を見下ろして、サンチョは首を捻った。
「いやしかし……見覚えがありませんな。本当にこの者たちは第二竜騎士団でして? もしや第二竜騎士団の名を騙るならず者なのでは?」
王は目を細めた。訝しげな顔でサンチョの顔を覗き見る。掃き溜めの聖者は、相変わらず仮面のように表情を変えなかった。
「何を言いたい」
「いえいえ。私が記憶している限り、青き血の第二竜騎士団は、一人残らず東の空で戦死したものだと。となれば、ここにいるのは第二竜騎士団ではない……と」
黙って聞いていたディエゴの唇が吊り上がる。状況を楽しみ始めた顔だ。知らぬうちに戦没者名簿に名前をブチ込まれたペドロは、目を白黒とさせる。
王のまなじりが上がった。
「貴族の権威を残す気か」
「どういうことだか……。いやしかし、逃亡した竜騎士が地上で捕まっているということは、どこかに竜がいるはず。見つかりましたか?」
確認していなかった王は無言で眉を寄せる。
見つかっているはずがない。人間が乗れるように飼い慣らされた竜は貴重品だ。それを貧民の前で放置したのだから、当たり前のように盗まれている。
薄汚い男たちは照れ笑いを浮かべた。
ディエゴが言う。
「おっと、そうなると迷い込んじまった貧民じゃねえか? 随分と寒そうな格好だしな。将軍にも訊いてみるか?」
遠くで聞き耳を立てていたレオン将軍が立ち上がった。
エルナンたちの破滅は確定している。竜星軍も無事に撃滅した。では次にどうするか。
――王様だけ一人勝ちし過ぎていないか?
戦功を挙げた者の間で、政治的な合意が組まれていた。
貴族に縁のある者は、発言権を残すために。あるいは、中央集権を強化させず、弱体化した教会騎士団と釣り合いを取るために。
またあるいは、内部で綱引きを続けさせ、辺境への着手を遅らせるために。
「やっぱりバルボア家の当主、エルナン君に見えるけどね?」
「まさかそんなことはねえだろ。バルボアったら貴族の中の貴族。下着一枚で全身青ぶくれしてるはずもねえ」
王の言葉をディエゴが即否定した。レオン将軍まで乗っかる。
「貴族の中にこんな者はいないだろう。空でも第二が戦っていたのは見た!! それこそ、島落としを倒すのも見えたぞ!!」
全員が邪魔しようとしているのを理解したのか、王は口をへの字に曲げ、巨竜の爪の上で仰向けになった。
「いいよいいよ、面白くないことばかりしやがって。で、そうと言うなら、こいつらは敵前逃亡もしてない野良のオッサン共ってことになるけど? どう始末をつけるのだ?」
「そりゃあ、野良のおっさんなんだから、スラムの住人ってことだろ。スラムの住人同士で内輪揉めしてるだけ。国が手を出すことはねえ。そうだろ?」
「なるほど、そういう決着を望むか」
ディエゴとサンチョが支配するまでは、殺人も珍しくなかったスラム。エルナンら第二竜騎士団を、そこの住人だと決めつける。
スラムの住人は、ディエゴの推薦のような、よほど特別な切符を手にしない限りは、一生をそこで過ごすことになる。また、どれだけ凄惨な事件に巻き込まれたとしても、誰も助けてくれない。
「ディエゴの旦那ァ……、こいつら貰っていいんすか?」
歯のない男が、目をぎらぎらさせながら訊いた。王と目配せをしてから、ディエゴは頷く。
スラムの男は嬉しそうにエルナンの肩を叩いた。
「よう、新入り。色々と教え込んでやるよ。お前らの仕事は糞洗いだ。一生やらせてやるからな」
糞洗いとは、王島中の便所から汚物を汲み取って回り、濾過などの処理をして必要な資源を取り出す仕事だ。資源が限られる空中島では必要不可欠だが、誰もやりたくない作業の筆頭だった。
不快なのはもちろん、病気にかかる可能性も高い。
エルナンは必死に藻掻いた。
「なぜ! この私が! そんなことを……! 私はバル――あぼばあががあ」
貴族を自称しようとした瞬間、ディエゴの靴が口に突っ込まれた。前歯が飛ぶ。
ディエゴは肩をすくめた。
「限りあるこの島の資源だ。有効活用していこうか」
「はーあ。そうしよう。いいよ」
王の許可が下りると、スラムの住人たちは意気揚々と第二竜騎士団を担ぎ上げる。彼らはまるで狩りの獲物のように、片腕と片足を引っ張り、無茶な体勢でつるし上げた。
「帰ったら逃げられないようにしてやろう!」「足指の本数減らすか?」「仕事はさせたいから微妙だな」「膝に一発だけ釘打ってみようぜ」
なんとも楽しげな声を響かせながら、連れ去っていく。レオン将軍が首を傾げた。
「サンチョ司教が住むようになって、スラムの治安は改善したと聞いていたぞ!?」
「改善しましたがどうかされましたか?」
サンチョは心底不思議そうに聞き返す。レオン将軍はべちりと音を立て、手のひらで目を覆った。諦めの境地である。サンチョも聖職者なのだ。こういう価値観でも仕方がなかった。
王がイザベルに視線を向けて言う。
「で、そうなればあの子の名誉回復は?」
「今回の戦いで証明した。なんと驚いたことに、全滅したと思われていた第二竜騎士団の生き残りが、一人だけ発見されたんだ。エルナン団長の嫡子、ペドロ君だ。彼がイザベルの活躍を証言してくれる」
ディエゴに指を向けられたペドロは、肩をびくりと竦ませた。勢いよく突きつけられた指先が、まるで銃口のようだ。
サンチョが思い出したように、ディエゴに言う。
「ハトメ抜き、お返ししますね。メンテナンスしてから戻そうと思っていましたが、急に必要に迫られるかもしれませんし」
「助かる。そっちのが必要そうだから貸したが、やっぱ無いと選択肢が狭い」
受け渡される拳銃を見て、王が呆れたように手のひらで竜爪を叩いた。
「このタイミングで暴力装置受け渡すの、タチが悪すぎる。狙っているであろう。というか、竜星軍は終わったのだ、レオン将軍も黙って見てないで止めないか」
「終わったのだから良いではないか!! がははは!!」
「はーあ。まぁ、この感じも久しい」
王は表情を柔らかくする。跳ね起きて、ディエゴの前に立った。小柄な二人は同じ目線の高さで向き合う。
「ともあれ、よく戻ってくれた。此度のこと、感謝する。イザベルの件については、余の管理不行き届きだった。謝罪する」
下げるべきではない頭が、深々と下げられた。ディエゴは後頭部を見下ろし、叩こうと振り上げた手を――ゆっくりと下ろす。
「ちゃんとしてくれ、こっちにもメンツってもんがあるんだ。もう戻れねえぞ」
「戻れぬか」
「戻れねえ。追放されて行き場のない放浪者だった俺らを、受け入れてくれた土地がある。俺らが来るのを待っていた土地がある」
王は手当を受けているオセロを見た。それから、ディエゴが腰に吊るしているジャッカル革のマスクに目を向ける。
「そうか。そのようだ」
「すまねえな。竜の翼が癒えたら王島を出る。建物もボロボロだ、まともに物資の補給も出来ねえ。ぱっぱ離れねえと復興の迷惑にもなるだろ」
「寂しくなるな」
「嘘をつけ」
ディエゴが目を細めると、王はへらりと笑った。
「あとはエルソルの翼なんだが……」
エルソルが、ツィツィ・ミトルの心臓、最後の一口を飲み下す。クルルと喉を鳴らし、ディエゴを見た。
鱗が逆立つ。