ヴァレサ可愛いよヴァレサ。
──腰の矢筒から矢を1本引き抜き、つがえる。
直後、引き絞った弓の弦と、しなりが加わったリムに岩元素が鎧のように纏う。
ギチギチと弓が軋み、矢へ莫大な力が溜められる。
──そして。
ズドッ!
俺が引き絞っていた手を離すと、弓矢とは思えない発射音と共に矢が一気に加速。とてつもない速度で打ち出された。
矢は俺のいた丘の上から一気に目標に向かって飛翔し、標的……ヒルチャール暴徒の頭を跡形もなく吹き飛ばした。
「………よし、当たったな。………多分」
俺は望遠鏡を覗き込んで、それでもなお豆粒くらいにしか見えない距離にいる標的達に目を細めながら呟いた。
その後も同じように岩元素で補強して威力、射程を上げた矢を放ち、いきなり倒れた暴徒に慌てている他のヒルチャールも片付けていく。
そうして数分足らずで500mほど離れた場所からヒルチャールの群れを倒した俺は、弓に纏わせてた岩元素をといてふぅと息を吐いた。
「……帰るか」
先程捕った鳥を持ち上げて俺は帰路に着いた。俺の職業は狩人。生まれつき優れてる視力と弓を使って人が日常的に食べる肉を調達している。さっきヒルチャールを狙撃してたのはシンプルに人が通る街道沿いに巣を作ってたから。遠すぎて倒した証になる仮面やら矢尻やらを回収できないけど、別に冒険者方面は興味無いからいいや。
豊穣の邦の集落に戻り、鳥を売り払う。そのお金を握りしめて集落を歩いていると、昨日のことを思い出した。
……ヴァレサ、柔らかかったな………。
って、往来で何考えてんだ俺は。熱を持った顔を冷ますようにブンブン振る。
昨日、忘れ物をしたヴァレサを呼び止めたんだけど、びっくりしたのか転びそうになった彼女を支えようと岩元素を脚に集約させて地面を踏み砕きながら急接近して、どうにか自分を下に滑り込ませることに成功した……のだけど。
想定では俺が下敷きになりながら両肩を手で抑えるはずだったんだけど、回り込んだ時点でひとつ誤算に気がついたんだ。
そう、彼女の立派な双角だ。俺はこちらに突っ込んでくるヴァレサの角を反射的に避けてしまった。左右に避けたらヴァレサが地面にキスすることになるので必然的に下に避けたんだけど、想像よりもヴァレサが前に進んでしまい、彼女の豊かな山に盛大に顔を突っ込んでしまうというコントみたいな状態になった。
そしてヴァレサがその状態に気付くまでの20秒間、僕の顔に圧倒的質量と柔らかさが広がった。
危うく窒息死するかと思ったけど、必死に息を吸い込んだらヴァレサの甘い香りがめちゃくちゃ飛び込んできて俺は色んな意味で気絶しそうだった。
正直、まだ感触が顔に残ってる気がする。
俺がまだ残る顔の熱を冷まそうと走り出したところで。
「───あっ、ディルくん?」
「…ふむグッ!?」
後ろからヴァレサの声が聞こえて昨日の彼女のように転びそうになった。振られたとはいえ好きな子の前で顔面スライディングするという痴態を何とか避けて体勢を建て直した俺は、振り返って挨拶をしようとして……。
「っ」
「ディルくん?」
ダメだ昨日の事思い出して顔見れねぇ……!
今絶対顔赤くなってる。な、なんでこんな…前まではこんなことなかったのに。
「……や、やぁヴァレサ。散歩か?」
「んーん〜。果物を売り歩いてたところなの。ディルくんは?」
「…あ、ああ。俺は狩りの帰りだよ」
「ふーん………ねぇ、なんでこっち向かないのぉ?」
「え、あいや…特に理由はないけど」
「……ん〜?」
後ろから、ヴァレサが近づいてきた気配がする。そのまま身を乗り出して俺の顔を覗き込もうとするので同じ方向に回ってやり過ごした。
ヴァレサは今度は反対側に回り込むけど、俺も同じようにして背中を向け続ける。
「…もぉ〜!なんでこっち向かないの?」
あ、怒った。そんな声もちょっと可愛いなとか思うあたり、俺もなかなかだよな。唸り声をあげるヴァレサに和んだことによって顔の熱が取れた俺は、観念したようにヴァレサの方を向いた。
「…ごめんごめん、ちょっと遊んでたってうわっ」
「……むぅ…やっとこっち向いた…」
目と鼻の先にヴァレサの顔があって、またもや熱くなる。散々顔を合わせなかったからいつもはおっとりタレ目がちょっと吊りあがって、ほっぺは若干膨らんでいる。突っついてもいいですか?
そして、昨日の事もあって、そんな距離まで近づいたせいでまだ着弾しそうになってるヴァレサのお山にも目がいきそうになる。後1センチ前に出たら昨日の感触が俺の腹に……って何のぼせてんだ俺ァ!?
俺はバッと音が出そうや勢いでヴァレサから離れる。ドクドクうるさい心臓を抑えて深呼吸をしていると、向こうからも変な声が聞こえてきた。
「……どうしたの……ぁ…。……うぅ…」
ヴァレサの方をちらりと見ると、後ろを向いてて表情がわからない。
どうしたんだろうと心配したところで、俺の視界にヴァレサの奥で果物が入った荷車が坂で向こうにゆっくり動いているの見えた。
「ちょ、ヴァレサっ!荷車っ!」
「ふぇ?…ああああっ!」
うぅ、やっちゃったぁ…。豊穣の邦は起伏が激しいから、車輪止めは必ずつけなきゃいけないのに…。
ディルくんはちょっと呆れた顔で荷車を押すわたしを見て問いかけてくる。
「しかし、なんで車輪止めしたなかったんだ?」
「え、えっーとぉ……」
い、言えないよぉ。
歩いてたらディルくんが見えて、その事で頭がいっぱいになっちゃったなんて……。
だって、わたしとディルくんの生活範囲は全然違うの。ディルくんは狩りをするためにナタ中を歩いてるから、顔を見れるのも週に一回の彼が果物を買いに来てくれる日だけ。
だから、2日連続で会えたことがうれしくて、荷車のことが頭から抜けちゃってた。
「あ、あはは…、忘れちゃってたみたい…ごめんねぇ」
「まぁ、変なことした俺も悪いから、ヴァレサが謝ることじゃないよ」
顔を合わせてくれなかったさっきとは違って、しっかり目を合わせて言ってくれた彼を見たら、心臓が早鐘を打った。今も自然とわたしの荷車を押してくれてるし、そういうところが……。
「すき…」
「えっ?」
「あ、……す、隙を見せちゃったねぇ〜って思って……あはは…」
「…まぁ、ヴァレサは普段からのんびりしてるからな」
思わず口からポロッとこぼれちゃった言葉を咄嗟に誤魔化す。な、何言っちゃってるのわたし〜!
一気に顔が熱くなって、わたしはすすっとディルくんの後ろに着いた。こ、これなら顔を見られないから……。
「わ、わたしも押すよ…?」
「いや、大丈夫だよ。男なんだからこれくらいやらせてくれ。ヴァレサも1日これ押して疲れたろ?」
……ぁ〜、もぅ……なんでそんなこと言うのぉ?
わたしは昔から力がすっごく強くて、こんな果物が乗った荷車位なんとも思わないのに。
昔から、ディルくんだけはわたしを女の子扱いしてくれるんだぁ。
胸がとくとくとさっきよりも速く動くけど、コーチとランニングしまくった時みたいな嫌な感じの早鐘じゃない。……むしろ、すごく気持ちいいよぉ。
なんかほわほわっていうかポカポカ?そんな感じの気持ちになったところで、昨日のディルくんを顔を思い出した。
────わたしで、ディルくんが赤くなるんだぁ。
なんだかわたし、昨日気が付いたその事をもう一度確認したくなってちゃった。
昨日はどうやったらそうなったんだっけ…?
わたしはふぅと深呼吸をすると、意を決して荷車を押してるディルくんの横について一緒に押し始めた。
「ヴァレサっ?」
「わ、わたしも押すよっ」
そう言いながら押し始めるけど、1人用の荷車だから狭くて当然わたしとディルくんの体が密着する。わたしが後ろから押し始めたから、身体が彼の背中や二の腕にピッタリとくっついた。
「よいしょ……よいしょ……」
「ェッ……チョ……」
わぁ〜……、やっぱり男の子の身体だなぁ〜。わたしよりも硬くてがっしりした身体なのに、なんかいい匂いがする。……そういえば、昨日ディルくんの家に行った時もこの匂いがしたよねぇ〜。てことはこれがディルくんの匂い……。
すんすん。
「ぅ、ヴァレサ?」
「……なぁに?」
「ちょ、流石に近い……」
「えぇ〜、でも2人で押した方が速いよぉ?」
「で、でも…」
どうかな〜……反応してくれてるかなぁ?
ディルくんの顔が見たくて横を向くけど、そっぽを向かれちゃった……でも、耳が赤くなってる。
……えへへぇ♪
やっぱり勘違いじゃなかった。わたしにくっつかれると、ディルくんは顔を赤くするんだ。
まだ、わたしにもチャンスがあるって事……だよね?
うぅ、そろそろわたしも恥ずかしくなってきたよぉ。わたしがすすって離れた後も、わたしの胸やお腹に彼の感触が残ってる気がした。
くぁwせdrftgyふじこlp!?
ヴァレサがようやく離れた俺は、もう膝から崩れ落ちそうだった。
荷車を支えて押し出したはいいんだけど、そっからのヴァレサとのやり取りに俺はどうにかなりそうだ。
ヴァレサはうっかりしてたことを「隙を見せちゃった」って言ってたけど、最初の「すき」が勝手に俺の胸にクリティカルヒット。それで悶えてたところに、なんとヴァレサが身を寄せて一緒に荷車を押してきたのだ。
この子は羞恥心とか無いんですか??
お山……もうぼかすのいいや。ヴァレサの巨乳(直球)が思い切り俺の左腕にめり込んで……ってかほぼ挟まれてたぞ!?
ヴァレサはそもそもの力が強いから気がついてないけど後半俺、荷車ほぼ押せてなかったし。
でもって、耳元で囁かれるヴァレサの「よいしょ…よいしょ…」って声が俺の耳を貫いて、なんか、もう………(昇天)。
ヴァレサの外見ばかり褒めてきた俺だけど、真に好きなのは彼女の声だと思う。そのくらいなんか、癒されるというか透き通るような声をしてるんだ。
そんな声で囁かれたら腰だって抜けるだろ。
そんなことがありながらもヴァレサの荷車を元の場所に戻して、しっかり車輪止めを噛ませる。動かなくなったリヤカーを見て一息ついてると、隣のヴァレサから「ぐぐぅ〜…」と大きな音が鳴った。見ると、ヴァレサが顔を真っ赤にしてお腹を抑えている。
「……腹減ったのか?」
「…ぅ……恥ずかしいよぉ」
恥ずかしがってるヴァレサが可愛いから助けて欲しい(語彙力)
話を聞くとトレーニングを終わってから今まで何も食べてないらしい。運動した後は食べないと体に悪いぞと言うとお腹を抑えたヴァレサはしょぼーんと小さくなった。
「……今日のご飯のアテは?」
「……ううん。今日はどこかでキャンプしようと思ってたから……」
出た。ヴァレサのキャンプ好き。俺は少し考えると、自分家の食料の備蓄を考えながら彼女に提案した。
「良かったら、食べてくか?」
「……ええっ!?」
そんなに驚くことかな?飛び上がったヴァレサは指をつんつん合わせながら恐る恐る聞いてくる。
「い、いいの?」
「……おう。もちろんヴァレサがいいならだけど…」
えっと、何人前分あったっけなぁ。体の前で指を折って数えていたら、その手を掴まれた。
見上げると、ヴァレサのが満面の笑みで……。
「……ヨダレすごいぞ」
「ずずっ」
俺はそれでもこの子が好き。
ゆっくり、ゆっくり。
あなたはどこまで耐えられますか?
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ヴァレサの事故ハグ
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ヴァレサの事故おっぱいプレス
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後ろからくっつかれながら耳元で囁かれる
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ヴァレサの膝枕