僕と戦争と十二人の守護者   作:私の黒い天使様

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約3年の時を経て復活です。
他の作品も随時、更新していく予定ですが2人のお嬢様はもう暫くお待ちくださいませ、理由はプロットがお亡くなりになっているため読み返しても張っていた伏線の回収が困難な事です。
思い出しながらか元々考えていた展開にはせずに新たな展開で伏線回収に入るか決めてから再開したいと思っているので何卒ご了承ください。
この作品と私と明久の恋模様に関しては定期的にとはいきませんが完結に向けて投稿していきたいと思っていますので最後までお付き合い頂ければ幸いです。


                         2017.08.13 私の黒い天使様


第6問 僕と交渉と学園長

僕はDクラスに宣戦布告後に優子ちゃんと別れて再振り分け試験と設備の改善を行える様に学園長(おばあちゃん)にお願いする為に学園長室まで来ていた。

 

学園長室前

 

「……あな…と……なんで………」

 

おや?誰か先客がいるみたいだね。

僕はいつもならノックをしないがお客さんが居るようなので念のためにノックをした。

 

コンコン

 

「誰だい?」

 

「明久です」

 

「明久かい、入んな。」

 

僕は学園長(おばあちゃん)から部屋へ入るように促されたので学園長室へ入るとそこには竹原校長先生(おじいちゃん)もいた。

 

学園長(おばあちゃん)竹原校長先生(おじいちゃん)おはようございます。」

 

「やあ、明久。何かこの妖怪ババアに何か用事かね?」

 

「妖怪は良いとしてババアは余計だよ!」

 

相変わらず仲の良いことで…でも、おばあちゃん普通逆だよ。

 

「明久からもこの妖怪に言ってくれないか?そろそろ引退して学園を私に任せるように……」

 

「馬鹿、言ってんじゃないよ!あんたは学園運営は任せられるが学園のセキュリティーシステムや召喚システムを任せられるほどじゃない。仮にアタシが引退して研究者として専念するのは明久が卒業してからだ。」

 

「それは明久が卒業すれば明久に学園長の座を譲るということですか?」

 

「まあ平たく言えばそうさね。しかし、卒業したばかりの明久では召喚システムは兎も角、学園経営面ではてんで素人だ、その時は支えてやって欲しいさね。」

 

「まあ今は明久も居ることですしそういうことで納得しときましょう。」

 

何だか知らない内に僕の将来を決められてる気がするけど…おばあちゃんは何だかんだ言っておじいちゃんの経営手腕は買ってるからね。おじいちゃんもおばあちゃんが一度言い出したら聞かない事と本心なのが分かってるからそれ以上は何も言わないみたいだ。

その後、不意におじいちゃんから質問をされた。

 

「しかし、明久。君が自分からここ(学園長室)に来るなんて珍しいね。何か有ったのかい?」

 

「うん、おじいちゃん。一つは提案、もう一つはお願いかな。」

 

「明久…学園内では校長先生と……「ダメ、なの?」グハッ!!」

 

僕は上目使いでおじいちゃんを見上げた。

 

「アハハっ!!学園の教師や男子生徒からは鬼の竹原と呼ばれているのに明久に掛かれば形無しさあね。」

 

「笑い事じゃない!このクソババァ!!」

 

「何だい?孫には甘いクソジジィ!!」

 

また始まった…仲が良いほど何とやらと言うけどここは止めないと話が進まないや、仕方ないから止めないと…

 

「ストップ、ストップ!二人とも仲が良いのは良く分かったから僕が来た理由を聴かなくていいの?」

 

二人とも『仲が良い』と言う言葉に少しムッとしていた様子だが僕が来た用事が気になったみたいで渋々言い争いを止めておばあちゃんが事情を聴いてきた。

 

「で…明久。話というのは何だね?」

 

「うん、一つは振り分け試験の再試験。もう一つはFクラスの設備に関する欠陥を劣悪な環境改善。今のFクラスの設備ではお世辞にも言えないくらい不衛生で環境も最悪、健康な人ならある程度は我慢すれば何とか為るだろうけどそれも時間の問題。それに瑞希ちゃんみたいな元々体の弱い子が勉強するには無理だと思う。」

 

「明久、再試験や環境改善はこればかりはいくら孫のお前でも聞く事は出来ない。もし仮に聞き入れてしまえば私達は孫には特別扱いをする学園長と校長と言われてしまう。それはこの学園の教育システムを揺るがしかねないから認める訳にはいかないよ。」

 

確かにおじいちゃんが言う事も一理ある。この学園は上位クラスはFクラスにならない様に下位クラスはAクラスを見てAクラスになるべくを勉学に励むというシステム上仕方のない事だ。

ましてや入学当初から振り分け試験は公表されていた事だ。つまり皆同じ時間を平等に与えられてきた中、努力を惜しまず慢心せずに上位クラスを手にした者、大した努力もせずに自分の欲望のみでその時だけ良ければ良いと過ごしてきたFクラスに差を付けてるのにそのシステムを揺るがしかねない事だから致し方ない。

でも僕も引けない理由があるから食い下がる。

 

「二人ともこれを見て」

 

そう言って僕は先ほどスマホで撮った教室の写真を見せた。

 

「「これは…」」

 

二人ともFクラスの環境の劣悪さに絶句している様だ…そこで僕は更に畳み掛ける。

 

「この学園のシステムとは言え最早、環境問題だよ?もし教育委員会や保護者にバレればそれこそ学園のシステム処の話じゃなくなるよね?」

 

「竹原、教室の管理は?」

 

「Aクラス~Cクラスは私が担当しており、Dクラス~Fクラスは教頭の竹内が管理していた筈です。」

 

「なら竹内に早急にFクラスの教室を必要最低限までに勉強できる環境へ改善させるように伝えな。」

 

…竹内?あのいけ好かない教頭か……

 

「それではババァ、明久。私は環境改善の為に忙しく為りそうだからこれで失礼するよ。」

 

そう言うとおじいちゃんは学園長室から出て行った。

 

「明久よ、設備改善の件はこれでいいね。しかし、振り分け試験の再試験は例外なく認める訳にはいかない。喩え体調不良でもあろうとだ。」

 

そう振り分け試験は日時も決まってる、体調管理も試験の内と言われてしまえばそれまでだがそれは交渉するカードが無ければの話だ。

なので僕はそのカードを切ることにした。

 

「おばあちゃん今、僕たちが試召戦争を仕掛けてるのは知ってるよね?」

 

「そりゃあ知ってるさ、新学期早々にバカをやらかしたもんさね。」

 

おばあちゃんは僕が焚きつけたとは思ってないみたいだ…まあ、実際()()()を焚きつけたのは雄二なんだけどね。

 

「その試召戦争は僕の提案なんだ」

 

「明久が?どういう事だい?」

 

「瑞希ちゃんと優子ちゃんの為だよ。正直、瑞希ちゃんは苦手だけど体が弱いし優子ちゃんはAクラスになる為に誰よりも努力を惜しまずやってきてたから…僕はその二人の力になりたくて……」

 

「それだけで試召戦争を起こすお前さんでは無いだろう?」

 

流石、この学園の学園長であり試験召喚システムを確立した人なだけはある…孫である僕の性格もお見通しか。

 

「勿論、最終目標はAクラス。そこで僕たちが勝ったら特定の人たちの振り分け試験の再試験をして欲しいんだ」

 

「アハハッ!面白い、お前さんは頭は良いが頭が良くてここまで人の為にバカになれる奴なんてそうは居ない。その願い、聞き入れようじゃないか!」

 

「ありがとう、おばあちゃん!!」

 

「礼はAクラスに勝ってから言いな!」

 

「うん、わかった!!」

 

そう言って僕はおばあちゃんに言っておばあちゃんに振り分け試験をして貰う人たちを伝えて学園長室を後にした……

 

 

 

 

 

~ 学園長 side ~

 

やはりと言うかなんとまあ…予想通りの回答だね。

 

 再振り分け試験希望者

 

2年Fクラス代表 坂本雄二

2年Fクラス   木下優子

2年Fクラス   土屋康太

2年Fクラス   姫路瑞希

 

 

他のFクラス連中は明久が頼んでたとしても結果は変わらないだろう、それが分かってるのか上記の4名しか明久は指定しなかった。しかし、問題はそこでは無い。

あいつは自分の事よりも他の人間を優先してしまう…あいつも木下を保健室に連れて行かなければAクラス代表は確定していたというのに…いや、それは明久のプライドが許さないだろう。

それに報いるには祖母としていや、学園長として明久に報いらなければならない。

結局は身内贔屓と言われても仕方がないがしてやれる事を学園規約の穴を突くとするさあね。

 

~ 学園長 side out ~

 

 




如何でしたでしょうか?久し振りの投稿で予定にない話を盛り込んだら思ったよりも長くなりそうだったので前話で予告していた「作戦会議とDクラス戦」は次回改めて投稿したいと思います。3年ぶりの復帰なのでじっくり時間をかけて投稿していきたいと思っていますのでご意見、ご感想など頂ければ幸いです。
なお、毎回実施しているバカテストは休載させていただきます。

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