ようこそ幼馴染の教室へ   作:ひなぎ

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雪ちゃんのイメージが私の中で大人びた一夏ちゃんに近いです。
雪ちゃん視点です。
白石=雪説って実際のところどうなんでしょう?私からしたらどっちでも面白そうだなって感じです。


#3 つっけんどんな青髪少女と黒人SP

 志朗と清隆と別れて、「1-C」と書かれた教室に入る。あーなんで2人と同じクラスじゃないんだよ~~~~って思いながら志朗とさっき話していたことを考える。

 

 教室で既にグループできてるかもしれないから、ぼっちになりたくなかったら混ざってこいとか志朗に言われた気がするが、どうやらうちのクラスからはそんな雰囲気が感じられない。

 

 なんというか、The不良って感じの子たちが集められてる気がする。顔の輪郭がどこぞのアニメの青狸に出てくるスネ夫みたいな子(小宮)や、目つき以外は好青年って感じのヤンキーくん(石崎)がいる。これ意図して分けられてるわけじゃないよね……?

 

 窓際の席の方に目を向けるといかにもな感じの儚げな雰囲気を醸し出している銀髪の女の子の周りをこれまたヤンキーくんたちが囲うように着席。なんだあれ、志朗が言ってたオタサーの姫ってやつ?って思ったけどよくよく見たら女の子をカツアゲしてる絵面に見えなくもない。

 

 席にはご丁寧にネームプレートが置かれていたので、そこに着席する。座席の位置は教卓の前ってわけじゃないけど廊下側の最前列。まあ教卓の前よりはいいよね……?内職もできない、スマホを机の中で触る=死に直結する教卓の前はやることがほんとない。

 

 ふと私の横に目線を向けると青髪のかっこいい感じのショートカットの女の子がふて寝していた。挨拶しようかな?って思ったけどネームプレートがひっくり返されていて名前が見えない。見た目通り好戦的な女の子なのだろうか、さっき清隆と言い合っていた黒髪の女の子しかりこの高校はバトルジャンキーでも集めてるのだろうか?

 

「……うん?」

 

 そんなどうでもいいことを考えていたら件の女の子が目をぱちりと開けこちらをじろりと見てきた、かと思えばどうやら眠いらしい。目を擦ってけだるげな感じ。ぱちくりと瞬きを繰り返して小さなあくびをした、かわいい。

 

「こんにちは、私椿雪、あなたの名前は?」

 

「……澪、伊吹澪。」

 

 玉砕覚悟で自己紹介をしてみた。志朗直伝の切り込み隊長スタイルだ。無理かと思ったが澪ちゃん?は口を開いてあいさつしてくれた。よかった。シカトされてたら多分泣いてた。あくびがかわいいなと思ったけど今の印象はつり目がかっこいいって感じだ。なんか猫みたいだね?

 

「ありがと!これからよろしくね、伊吹さん。私のことはこれからユキって呼んで。」

 

「……わかった、よろしくね、ユキ。」

 

少し話してみたけど言葉足らずでつっけんどんな感じだけど、雰囲気はふんわりしてて根は優しい女の子って感じかな?誤解されやすいタイプだと思う。少しずつ仲良くなっていつか澪ちゃんって呼べたらいいな。

 

 伊吹さんと話をしていると黒いサングラスがよく似合う巨漢が入室してきた。お、この人が私たちのクラスの担任の先生かな?っていうか……黒人?

 

 筋骨隆々の外国人特有の恵まれた体格。ビターなチョコレートという感じの黒い肌は太陽の下で黒曜石のように輝くであろう。短く刈り上げられた清潔感溢れた髪に照明が反射しているサングラスを見て、私と伊吹さんは

 

「「Wow……」」

 

外国人ぶった。この人が担任ならどんなことでも怖くなさそうだ。例えば文化祭や体育祭で先生対抗の競技があったらこの先生はぶっちぎりで優勝するだろう。そんな感じの頼もしさであふれている。だがびっくりかな、私たちは彼の次なる行動でさらに驚いた。

 

 彼はまず黒板へと歩いていき、何かを凝視する。親指と人差し指をこまねて何かを考えるそぶりをしたかと思うと何を思ったか私たちの方へ再び歩いてきた。

 

 え?私たち殺られる?隣の方へちろりと目線を向けると顔面蒼白の伊吹さんが。わかるよその気持ち、だが人は見た目だけじゃ区別しちゃダメだって志朗が言ってた。

 

「……」

 

 助けて清隆!私殺されるッ!!!!

 

「Ah……Best regards?」

 

「Oh、I'm looking forward to taking?」

 

 英語の会話ってこれで合ってるよね(震え声)彼がフランクに英語で話しかけてきたので私もテンパって英語で返した。すると会話が通じたのがうれしくて仕方ないのか彼は口角を上げてニヤリと笑った。

 

 え……かわいい……

 

 だがさらにびっくりしたのはこの男、私の後ろに着席した。????あ、よく考えたら制服着てるわ。すごい、よくよく見たらこの学校の制服の赤ブレザーとネクタイがめっちゃ似合っている。赤と黒のコントラストが素晴らしい。

 

 ってか後ろの席に座ってるってことは傍から見たら私のボディーガードに見えそうだね。この子が教卓中央から最後列の席に座っていたら私はそこを「玉座」と呼んでいた自信がある。体格がよすぎて日本人に合わせてるこの席たちが窮屈に見える。私の体格だと座席にすっぽり収まるのに。

 

《私の名前は山田アルベルトと申します。どうぞ、山田ともアルベルトとも好きな方でお呼びください。》

 

《あ、うん。よろしくねアルベルトくん、私は椿雪。どうかユキと呼んでください。》

 

《雪さんですか、漢字は椿の花に雪ですか?》

 

《はい、その通りです。どうかしましたか?》

 

《いえ、ユキツバキを連想させる良い名前だと思いまして、北国では咲くのはこの時期ですね。上品さも相まってあなたらしい名前だと思います。》

 

《ありがとうございます。アルベルトこそ素敵な名前だと思います。》

 

《ありがとうございます。心細いもので英語が話せる方がいるとは、嬉しいです。》

 

 上品な名前か……私内心ではめっちゃはしゃいでるからその雰囲気とは似ても似つかない気がするけど……気にしたら負けだろうか?

 

 そんなこんなで意外と品行方正なアルベルトくんと話をしつつ、思考放棄していた伊吹さんを呼び戻して会話を続けていると、やっと私たちの担任が来た。よかった、担任は普通の人っぽいね。この教室での出来事のせいで胃もたれがしそうだったから、このいかにも普通といった感じの担任の先生が清涼剤だ。ありがたい。

 

「えー、まずは新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。」

 

 先生がそんな感じで口を開くと、今までおしゃべりしていた子たちはぴたりと話をするのをやめた。不良とかヤンキーっぽい子が多いと思ってたけど意外と根っこの部分は真面目なのかな?

 

「私はこの1年Cクラスの担任になりました、坂上数馬と申します。教科は数学を担当しています。この学校には学年ごとのクラス替えがありません。よって卒業までおそらくこれから3年間は私が担任を務めることになるでしょう。」

 

 なるほど、3年間クラス替えが存在しないのか。ってことは志朗や清隆と同じクラスになることはできない……いや、おそらく3年間務めるってことはいずれかの方法でクラスを変えられるってことかな?いや、深読みしすぎかな……

 

 クラスについての質問は多分先生が出て行ったあと職員室でした方がいいだろう。だって入学早々クラス変えるにはどうしたらいいですか!って質問は他の子たちに不信感を植え付けかねないし仲良くもなれないだろうし。せっかく同じクラスになったならみんなと仲良くしてみたいと思ったり。

 

「今から1時間後に入学式が行われます。が、その前にこの学校に関するルールに関する資料、及び学生証カードを配布します。では最前列の生徒から、配るように」

 

 前の席から資料が渡されてくるが、これは合格が決まったときに送られてきた資料と同じだ。ところどころの文面が同じだからね。

 

 坂上先生は資料にある文面をなぞるように私たちに説明をしていく。主な内容はこの3年間は敷地外に出られないということだったり、学生証カードの説明だったりだ。

 

「学生証カード。これで敷地内にある全ての施設を利用したり、売店などで商品を購入する事が出来るようになっている。ただしポイントを消費する事になるので注意が必要だ。学校内においてこのポイントで買えないものはない。学校の施設内にあるものなら、何でも購入可能だ」

 

 ポイントで買えないものはない……か。この閉鎖環境の中で現金の代わりにポイントが配布される。つまりここでの環境におけるポイントは非常に重要な価値を占める……ってことか。

 

「施設では機械に学生証を通すか、提示する事で使用可能だ。使い方はシンプルだから迷う事はないだろう。それからポイントは毎月一日に自動的に振り込まれることになっている。君達全員、平等に10万ポイントが既に支給されている筈だ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある。それ以上の説明は不要だろう」

 

 担任の放ったその言葉に、一瞬、教室内がざわついた。

 

「え?それって10万も小遣いもらえるってこと?」

 

 坂上先生の言葉に伊吹さんはぼそりとそんなことを呟く。周りの反応を伺うとみんなも同じような感じだ。男女問わず金額の大きさに驚いている。後ろの席から英語で驚いている旨の発言が聞こえた。アルベルトくんもびっくりらしい。ってか聞くだけなら理解できるのか。

 

「この学校は実力で生徒を測ります。入学を果たした君達には、それだけの価値と可能性があるということです。その事に対する評価みたいなものです。遠慮することなく使ってください。ただし、このポイントは卒業後には全て学校側が回収することになっていて、現金化したりなんてことは出来ないのでポイントを貯めても得はありません。」

 

ホントにポイントをためても得ないのかな?ポイントカードみたいに何パーセント還元!とかないのかな?ってか電子決済ならスクラッチチャンスとかないのかな、欲しいな。

 

「振り込まれた後、ポイントをどう使っても自由です。好きに使ってください。仮にポイントを使う必要がないと思った者は誰かに譲渡しても構わないですが、無理矢理カツアゲをするような真似だけはしないでください。学校はいじめ問題には敏感ですから。」

 

このポイントのシステムは通称Sシステムというらしい。かっこいい。遠慮なく使ってくださいって言っても浪費癖はつくと治すのが大変だから、あんまり浪費は控えた方がいいだろう。

 

 ってか、10万ポイントがすでに支給されているって言ってたけど来月支給されるとは言ってないよね、つまり来月は何ポイントなんだ?普通に考えて毎月10万のスローライフな高校生活なんてありえない。ミスリード?

 

 戸惑いの広がる教室内で先生はぐるりとみんなを見渡して、やがて眼をぱちぱちさせた後また口を開いた。

 

「質問は無いようだな。では良い学生ライフを送ってくれたまえ」

 

そうして、先生は教室を去っていった。その後に教室内では浮き足立った生徒たちが今日のことついて話し合っていた。大体が好きなところでこれを買おうというものだった。

 

 来月10万振り込まれるか、という質問をするのもよかったが、あえて私は静観を決めることにした。なぜかというと、もう少し考える時間が欲しかったのと初日にそんな陰気なことを考えたくないということ。あとは清隆と志朗と話をすり合わせて確証につなげたかった、というのもあるからだ。

 

 そして私は教室にある監視カメラの数を確認しながら、クラスメイトとの交流を深めるのであった。

 




龍園くんのクラス掌握は5月ということで。
Sシステム勘づいちゃうのはもうWR生だから仕方ないと考えています。

清雪の絡みもっとあった方がいいですか?

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