超絶ヒモモイ&圧倒的ドスミドリ 作:ハイパーモモイアタック!!!
「……まさか、こんな妹の増え方があるとは……」
「お兄ちゃ〜ん、一緒にゲームしましょう! クエスト開始です!」
俺の名前は才羽チハル。
どこにでもいる、ごくごく普通の男子高校生……だったはず。
ミレニアムサイエンススクールセミナー副会長で、クソゲー開発部員(仮)。
肩書きだけ見ると普通じゃないけど、心は普通の人間だ。うん。
で、俺には妹がいる。
「ちょ、アリス強っ!? ほんとにこのゲーム始めたばっかだよね!?」
俺にゲーム機を投げつけ、金と物を要求してくる、超絶ヒモ――才羽モモイ。
「……計算され尽くした完璧な動き……!」
目のハイライトが日々消失し、俺に対する距離感も消失しつつある、圧倒的ドス――才羽ミドリ。
この二人で十分カオスなのに、最近なぜかもう一人妹が増えた。
いやほんと、なんで?
「ボタンがデカすぎます! ここは↑↑↓↓→→←←って、はっきりわかんですね!」
発言が妙に危ないラインを攻める少女――才羽アリス。
どういう理屈で“妹”になったのか、俺にも説明できん。てか説明できたら怖い。
話は少し戻る。
俺たちはゲーム開発部の廃部を回避するために、最高のゲームを完成させるべく“G.Bible”を探して廃墟へ向かったのだ。伝説のゲームクリエイターが残した究極マニュアルのことだな。
……そこで出会ったのが“AL-1S”。つまりアリス。
体温は冷蔵庫並み、喋り方は完全に機械。たぶん本当に機械。
普通なら「うわ、やべーのに会った」ってことで帰ろうとしたのだが――モモイがノリで連れて帰った。理由は「部員確保のため」。絶対違う。
そしてモモイはアリスにゲームをやらせた。だが、そのチョイスが少し残念だった。
伝説のゲーム『テイルズ・サガ・クロニクル』。またの名を世紀の駄作。
アリスがプレイしたのだが、圧倒的な情報量の前に成すすべ無くシャットダウンした...
だが、アリスは再起動し、人間っぽい喋り方に進化。
でも進化の方向性が「人間に寄せる」じゃなく「バグる」だった。おい。
さらに再起動の拍子に、モモイとミドリを「お姉ちゃん」、俺を「お兄ちゃん」と呼び出した。
……それでなぜか家族成立。わぁお
やっぱおかしいよな。
「……そういえばさ」
俺はモモイに話しかける。
「ん? どうしたの?」
「G.Bible……結局、忘れてね?」
「あっ……」
モモイ、致命的なミスをやらかしていた。アリスを連れてくるのに夢中で、本来の目的をスッポリ忘れていたらしい。
部員の前にクソゲー開発部もう沈みそうなんだからしっかりしてくれ。
「え〜、もう一回行くのぉ〜!?」
「廃部でいいなら、行かなくていいんじゃね?」
「お姉ちゃん、さっさと行くよ」
すでにミドリは支度完了。無慈悲にモモイの襟を引っ張る。
「ぐえっ!? ミドリぃ〜! 加減してぇぇぇ!」
「アリスもクエストに参加します!」
元気よくアリス参戦表明。
「……めんどい」
「お兄ちゃんも早く! いないと入れないんだからね!」グイッ
今度は俺の襟が引っ張られる。痛い痛い! 首、首!
「ぐえっ!? ちょ、マジでやめろ! 廃墟行く前に天国行きになるから!!」
こうして俺たちは忘れ物回収のため、二度目の廃墟ツアーに出ることになった。
“これくださ〜い”
「お会計、1200円になります」
“カードで...え?”
先生は驚愕した、画面に表示されたその文字の羅列に
"……クレカ止まってる……?"