○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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全員の開始時のLIFEは5000固定です。前回入れるの忘れてた・・・


ファーストフェーズ

──再現都市フィールド・南西エリア

 

都市フィールド全体が、瞬間、沈黙に包まれた。

周囲に風の音ひとつなく、誰の息遣いも聞こえない。

 

《模擬戦、開始まで──5、4、3……》

 

冷たい無機音が空に響く。

静止した時間のような中、軽く顎を引き、両手に装備した《ディジター》と《アンブレイカブル》の起動を確認した。

少し前に交わした作戦会議。頭の中でその内容をもう一度、繰り返す。

 

(目標は“短期決戦”。なるべく隠密行動で接近・分断して…有利マッチアップを組む。)

 

──今は、息を潜める時間だ。

 

《スタート!!》

地上、ビルとビルの狭間──瓦礫まみれの路地裏を縫うように移動する

 

クイントさんを先頭、俺・ティーダさん・ヴァイスの順で後を追う。

高度飛行はせず、あくまで低空飛行と跳躍でビルの影を伝い、中央を目指していた。

 

(とりあえずこっちの射程内にあいつらを捕らえないと引き撃ちに徹せれたら厄介だ。)

 

──しかし。

 

「……まって、魔力反応!」

 

不意に、後方からティーダさんの声が届いた。

 

振り返ってティーダさんの視線の先を見ると、建物の間、浮遊するように漂う、桃色の球体がひとつ──ゆっくりとこちらに向かってきていた。

 

「……サーチャー!? 相手の索敵魔法です!」

術者のもう一つの視界となる、魔力の目。

先手を打たれたのはこちらのようだ。

「とりあえず、破壊するよ!」

ティーダさんが構え、即座に《スネークハウンド》を放つ。

追尾性の魔力弾が球体に直撃し、桃色の閃光を残して破裂。

瞬時に放たれた魔力弾が桃色の球体を射抜いた。

《キィィィン……!》という音を立てて魔力が拡散し、球体は空中で四散した。

 

「っ……砲撃警戒! 見つかったぞ!」

「どこからくる…?」

だが、その刹那だった。

周囲の空気が、変わった。

 

──視界の隅。真横に建っていたビル、その窓の割れ目から、白光が、滲むように漏れ出していた。

 

空間が震える。遠くの空から、巨大な魔法陣が二重に重なって見え隠れする。

 

「《クラウ・ソラス》!!」

光が、降ってきた。

 

白色の閃光──はやての使う、着弾と同時に衝撃を伴う魔法。

 

魔力の奔流が、ビルを破壊しながら突き抜ける。

 

「おいおい、壁抜きかよっ!?」

「全員っ、衝撃に備えて!!俺が受け止めます!!」

『Cartridge Load.Escutcheon。』

六芒星型の防御壁が何重にも重なり、白き光の槍──はやての《クラウ・ソラス》を正面から受け止めた。

「……っ、持ちこたえた!」

「ナイスよ、ユウト君!」

強化した魔力によるシールドが、直撃を寸前で受け止め、白光が激しく火花を散らす。

だが、次の瞬間──

 

「助かったか…っ!?」

 

空いた穴から現れた桃色の砲弾が、シールドを迂回して飛翔した。

軌道を描いて放たれた誘導弾─《ディバインシューター》。

まるで蛇のように壁面を跳ね、シールドの隙間を縫うようにして、後方のヴァイスたちの元へ向かっていた。

 

「誘導弾…僕が迎撃する!」

 

ティーダさんが再度《スネークハウンド》を展開。

クイントさんも拳に魔力を集め、殴り砕くように迎撃する。

 

それでも、すべては防ぎきれなかった。

 

「がっ……!!」

「きゃっ…!?」

【ヴァイス DAMAGE 3000 

 →LIFE 2000 】

【クイント DAMAGE 1500 

 →LIFE 3500 】

 

デバイスには無慈悲にも、誰が被弾しどれだけのダメージが負ったかを表示される。

「ヴァイス!」

 

振り返るが、彼はまだ立っていた。

肩から煙を上げながらも、歯を食いしばり、即座に姿勢を立て直す。

「……まだ余裕だっ、それより追撃警戒!」

 

「……っ!」

 

そこへ──さらなる脅威が。

 

崩れたビルの穴から降り注ぐ瓦礫の合間を縫って現れたのは、金色の光。

 

「いくよ、バルディッシュ!」

『Blitz Action!』

 

「フェイトッ……!!」

 

雷を纏ったフェイトが、爆撃の余波をものともせず、真っ直ぐに突っ込んできた。

ゆえにこちらも《アンブレイカブル》を構え──

『SwordMode Ready.』

「っらああああああッ!!」

 

戦斧と剣が、激しい火花を撒き散らす。

模擬戦開始わずか数分。

両陣営は衝突した。

 

ーーside Fate

 

先手はなのはとはやてのおかげで完全に有利を取れた。

爆ぜた魔力の衝撃波。

吹き飛んだユウトの身体が瓦礫を巻き上げながら、遠くに消える。

 【Yuto DAMAGE 1500 

 →LIFE 3500 】

…思ったりダメージ与えれなかったなぁ。

反省はほどほどに、静かに息を整えた。

 

なのは達に合わせて仕掛けた私の攻撃。

放った瞬間に気づいた、ユウトは明らかに私の動きを読んでた。

急いで急制動をかけたけど、バリアジャケットの魔力装甲が蒸発する感覚と、警告音──

(カウンター、合わせられちゃったな……)

 

【フェイト DAMAGE 1800 

 →LIFE 3200 】

カートリッジ制限があったから、バルディッシュをハーケンフォームにして仕掛けれなかったけど

それが逆に功を奏した。

これ以上踏み込んでいたら、完璧に合わせられていたかもしれない。

ダメージ交換は私の負け。

だけど…

 

「──……追うよ、バルディッシュ。」

『Yes sir.』

 

 再び魔力を脚に纏わせる。

 雷と共に跳ね、吹き飛ばされたユウトの元へ一気に距離を詰めようとする。

 追撃をかけようと飛び立った私の進路を、魔力弾が横切った。

 一瞬、足が止まる。

 

「させないよっ!」

 放たれたのは、鋭く直線軌道を描く高威力の射撃魔法――

 でも、想定内。攻撃を仕掛けた魔導師を無視してユウトのもとに直進する。

 当然、私を落とそうと再び魔力弾が放たれるけどー

「クロノ、ここはお願い。」

「ああ、任せておけ。」

 

鈍く響く金属音と共に、私に向かって放たれた魔力弾が空中で爆ぜた。

水色の魔力光が煙を散らし、クロノが姿を出す。

 

私は交代するように離脱してユウトを追う。

作戦だとこの奇襲の中で既にクロノが相手のFBを落としているはずだけど…

失敗したのかな。まあ、魔力反応も捕らえられないし、たぶん私に向かって攻撃してきた人が幻術魔法で姿をくらませたのかな。

あの奇襲の中でそこまで判断してFBを守るように動いたとなると、やっぱりはやての言う通り全員が油断できない相手。まあ、私は最初から最後までユウトの相手する予定だし、そこまで気にしなくていいか。

 

「来たか…」

追ってたどり着いた場所には、すでに体制を整えたユウトの姿が待っていた。

 

「待たせちゃった?」

「全然。フェイトはエース役っぽくないし、本当ならなのはかクロノが来たらよかったんだけど…速攻で落としてほかのカバーに向かわせてもらうぜ?」

 

…かちん。

思ったより余裕そうなユウトに姿にちょっとだけムカッときた。

「随分余裕そうだね?」

「残りライフはこっちの方が多いし、そっちはカートリッジなし。ハーケンもザンバーも使えないだろ?フェイトの得意レンジなのに、なのは達と比べて制限多すぎるって。」

 

「…それはそうだね。でも、私の役目はユウトの足止め。すぐに落ちるつもりはないし、武装が制限されても速さで負けない。たっぷり遊ぼう、ユウト!」

『Photon Lancer.』

 

「…宣言通り、速攻で落とす!」

『Unbreakable Bullet!』

ユウトは即座にカートリッジを使用。排莢音と共に、魔力が腕を伝って爆発的に高まる。

私とユウトの牽制用の魔力弾がぶつかりあうが一方的に貫通して私の元に追尾する。

これで二発目。

「確かに、威力はそっちの方が上かもしれない。けど当たらないよ!」

『Blitz Action!』

瞬間的に加速して追尾弾を振り切りつつ何度もユウトに魔力弾を放つ。

 

「…くっ!」

「機動力は素の状態なら私の方が上だよ!」

 

「だったら…!」

『Unbreakable Boost!』

カートリッジを使用した状態で加速魔法を使って接近するユウト。

 

…ここまではやての予想通り。やっぱり焦ってるんだね。

カートリッジ三発目使用。普段だったら、温存しつつ効率よく落とすためにカウンター狙いで守りに入り、しびれを切らして攻めるのは私の方だった。

だけどいま攻めてくるのはユウトの方。

だから私は落ち着いてバルディッシュを構え…迎え撃つ。

 

「アルカス・クルタス・エイギアス……煌めきたる天神よ。今、導きのもとに降り来たれ……」

 

雷光が収束し、ぐるりと雷輪が囲む。

 

「バルエル・ザルエル・プラウゼル……!」

「まずっ!?」

天を衝くように刃を構えると、ユウトの顔に動揺が走る。

 

「撃つは雷、響くは轟雷――サンダー・スマッシャー!!」

デバイスなしで放てる今の最大火力。

此方に向かって直進するユウトに軸を合わせて放つ。

 

天から迸る雷撃が、咆哮のような轟音とともに降り注いだ。

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