なのはは、ユウトの眠る顔を見つめた。
ユウトの表情は少し落ち着いたのか、すぅすぅと規則の良いリズムで呼吸している様子が分かる。
なのはは、そっとユウトの手を握った。
「ユウトくん……早く元気になって」
そう願いながら、彼の静かな寝息を聞き続けていた——。
月明かりに照らされ1人物思いにふける…
普段考えていなかった。
ずっと隣に居ることが当たり前で、
これから大人になるまでずっと一緒だと思ってた。
いや、いつか離れ離れになるのをただ無意識に認めようとしなかったのかもしれない。
ユウトくんは…
あの頃の一人でいることに慣れてしまっていた私に、寂しさに理由なんてないと思っていた私に、
ずっと隣にいてくれた…
もし、記憶がもどったら…
もし、本当にユウトくんがユーノくんと同じ、別世界の人間だったら…
今回の事件が無事解決したら、私たちは、離れ離れになっちゃうのかな…
ーーーーーーーーーー
結局、次の日の朝になってもユウトくんは目覚めなかった…
とりあえず私は学校に向かい、その後ユーノくんと今後について念話でお話することになりました。
(なのは…聞こえる?)
(うん…聞こえてるよ…ユーノくん…)
(それで、昨日の事なんだけど…助けて貰って申し訳なかったんだけど…これからは僕一人でジュエルシードを探しにいくよ)
(…え?…なんで?私学校と塾の時間はムリだけどそれ以外の時間なら手伝えるよ)
(だけど…昨日みたいに危ないことだってあるんだ…それに、ユウトのことだって…)
(でも、もう知り合っちゃったし話も聞いちゃったもの、ほっとけないよ。それに、)
(それに私が手伝って早くジュエルシードを集めなきゃユウトくんみたいに危ないめに会う人が出るのは見過ごせないよ…だから…魔法のこと、色々教えて!私 頑張るから)
(…うん…ありがとう なのは)
(うん…これからよろしくね ユーノくん)
「なのは…?今日はやけに喋らないわね。どうしたのよ?」
「あ、アリサちゃん!ううん、なんでもないよ」
「ふーん、まぁいいわ。それにしても、ユウトは今日どうしたのよ?」
「ちょっと体調不良で、しばらく学校はお休みなんだ…」
「えっそうなの!?今日すずかと帰りお見舞いにいかなくちゃ!」
「あ、えーと、そう!風邪がうつっちゃうと行けないから家にはいれないでって言ってたよ!!」
「あら、そうなの…?じゃあ、ユウトには早く風邪治しなさいよって伝えといてくれる?」
「うん!わかったよ…」
嘘ついてごめんね、アリサちゃん…
とりあえずユウトくんが治ったら困らないように、ちゃんとノート取っておこう!
ーー数日後
あれから私、高町なのはは人気の少ない公園で結界を貼り、魔法の練習をすることになりました。
いまのままでは、レイジングハートをちゃんと使いこなすことが出来ず、本来のスペックが発揮されないため、危険だからということです。ある程度ユーノくんが回復するまではジュエルシード探しに無理をせず、毎日魔法の練習だそうです。
ユーノくんが探しているジュエルシードは全部で21個。
今はユーノくんが回収した1個と私が回収した2個。そして、ユウトくんが持っていた1個。合わせて、手持ちのジュエルシードは4個
残りはあと17個。
まだまだ先は遠い見たいです…
「ねぇ、ユーノくん…私ずっと魔法の練習で大丈夫なのかな?」
「正直、ほんとは一刻も早くジュエルシードを探したいけど…ユウトを襲った謎の人物のこともあるし、万全に越したことはないと思うよ。それに、なのはには才能があるんだ。強くなっといて困ることは無いよ。」
「そっかぁ…」
そうこうしている間にそろそろ待ち合わせの時間だ…
「ユーノくん、そろそろ戻ろっか」
「うん、今日はなのはのお友達とプールに行く日だったね。早く戻ろう。」
家に戻ると既に迎えの車が待ってくれていたようだ。急いで車に駆け込むと、すずかちゃん家のメイドさん、ノエルさんが運転して送ってくれた。プールに到着し、すずかちゃん達と合流し着替えようとすると…
(なのは…気づいたかい?)
(うん…魔力反応…だよね?これって…)
(ああ…ジュエルシードが近くにある…直ぐに周辺に、結界を貼るからなのはは戦闘準備を!)
(うん…!)
「なのはちゃん…どこいくの?」
「ごめん、すずかちゃん!ちょっとトイレ!」
「あ、うん!そんなに走ると危ないよ〜!」
ごめんね、すずかちゃん!すぐ戻るから!
人気のない所に着いた私は、直ぐにデバイスを構える。
「レイジングハート、お願い!」
『standby ready.』
辺りが結界に包まれる。
ユーノくんが広域結界を展開してくれたようだ。
「セーットアーップ! 」
『setup』
「よし、いくよ!!」
魔力がある方に進んでいく。
どうやらプールの中に、魔物がいるらしい。見た目は大きな水の塊だろうか…軽く攻撃するが、何体かにし分裂して襲いかかってくる
「うそ…全然効いてない!」
「なのは!!」
「あ、ユーノくん!」
「攻撃すると分裂して増殖してる!まとめて封印しないとまた増えるよ!」
「だったら…レイジングハート!!」
『Restrict lock』
ユーノくんに教わった拘束系の上位魔法を使って拘束する。
うまく制御しきれず何体かは、拘束しきれなかったが、
ユーノくんがバインドでカバーしてくれている。これなら…!
「ディバイン!」
『Buster』
「シュート!!」
大きな光が辺りをつつみ、そして爆発する
「いたた…」
「大丈夫かい、なのは…こんな無茶な戦い方して…」
「ごめんね…ユーノくん。この方法しか思いつかなかったよ…」
「まったく…あ、なのは!ジュエルシードだ!」
「うんっ!ジュエルシード封印!」
『Receipt No.17』
これで一安心…かな!
ーーーユーノ視点
ここのところ、なのはの様子が変だ…圧倒的な魔力と才能による強さはまだいい…だけど、最近はなんというか焦りを感じる。
今日の戦いだって、あんな無茶を…
それに、毎日の修行も普通なら根をあげるほどのハードなトレーニングを毎日行っている。それは、僕を手伝いたいという気持ちであせっているのかなのか…それともなにか別の問題が…?
そして…僕のせいで巻き込まれてしまった未だ目を覚まさないユウトと言う少年。
顔・髪の色・そして腕に着けている待機状態のデバイス
それらが死んだはずの友人と一致する…もし、君が僕の友人だったユートで、生きていたなら…早く目を覚まして声を聞かせてほしい。
あの頃の友情を、もう一度だけ…
ーー同時刻
とあるビルの屋上で金髪の少女が辺りを見ていた…
「ここが…第97管理外世界…現地名称…地球。そして…」
「母さんの捜し物…ジュエルシードは…ここにある…行こう、バルディッシュ。先に来てるアルフと合流だ。」
『Yes.,sir』
また1人、この地に運命が迷い込んだ。
「……それにしても…アルフとの合流場所…決めてなかったな…」