もはや読んでくれる人いないかもしれませんが、また更新ペース戻して頑張ります・・・
飛来する2色の光が視界を焼く。
右からはフェイトの「フォトンランサー」
左からはなのはの「ディバインシューター」
威力の高い砲撃魔法や接近型の攻撃魔法でこそないが…今の残りライフでは防御することすら心許ない。
「…ディジター!」
『Sword mode Drive.』
両手のデバイスを瞬時に刃へ変形させ誘導弾の雨に突っ込む。
1つ目を避け、2つ目で下に潜り込み、体に接触しそうなものはたたき落とすーー
弾丸の雨を切り抜け振り返ると、追尾を外れた魔力弾がビルへ着弾し煙を上げていた。
(…まだまだ向こうは余裕そうだな。)
遠く離れた2人の姿を睨むと、再び2色の光と共に魔力弾が飛来する。
接近してワンチャンスを作ろうかと考えていたがそれすら許されない。
何度か被弾覚悟で無理やり突っ込んでみたがなのはの設置型バインドとフェイトの迎撃により全ていなされている。現状、まだ落とされていないことが奇跡なぐらいにはギリギリで生き延びている。
本気のなのはとフェイト。
2人の連携により、俺は徐々に追い込まれていた。
「…っこの!!」
『Flash Edge Zwei』
弾丸を避けるための加速を利用して光の刃を前方に射出。
だかーー
「まだまだ…!」
『protection.』
なのはの魔力障壁が即座に展開され俺の攻撃を弾く。
「フェイトちゃん!」
「うん…ありがとう、なのは!!」
『SonicMove』
即座にフェイトがなのはの影から飛び出し、圧倒的な加速力で斬りかかる。
刃でバルディッシュを受け止めるが、加速に乗った勢いを殺しきれずに吹き飛ばされる。
「…ちっ!」
【DAMAGE 100→LIFE 1550】
「さっきの攻撃、随分温かったけど…もう魔力切れ?」
「ご褒美をかけた勝負、まだまだここからだよ?」
「…お前らなぁ!」
俺の叫びに、ふたりが楽しげに微笑む。
(あのバカ魔力コンビが…!こっちは魔力節約して何とか継戦力上げてるってのに涼しげにしやがって…!)
「ディジター、残弾は!」
『残りカートリッジ、4発。』
「…っ十分!」
飛来する誘導弾と雷の槍を避けつつ、戦略を練る。
このままじゃジリ貧。
かといって残りライフ的には大きい一撃は貰えない。
下手に突っ込んでバインドに引っかかるとゲームオーバーになりかねない。
このままじゃーー
【特務隊チーム: クイント・ナカジマ 撃墜】
「…まじか。」
「やったー!さすがクロノくん!」
「私達も、負けてられないね。なのは!」
不利な状況で聞きたくない凶報。
残りライフ的にはティーダさんもかなり不利だし、クロノに落とされるのは時間の問題…
せめて、ヴァイスが援護に駆けつけてくれれば…。
「「「え?」」」
敵チームである俺も含めて俺たちの誰もが予想としてなかった報告に驚きを隠せず戦いの手が止まる。
(…ティーダさん!)
クロノの実力を知れば知るほど、その実力の高さを思い知る。
単独の魔導師としては、完成されているとすら言っていいほどの実力。
クロノには、なのはのような砲撃も、フェイトのようなスピードもない。
それでも執務官としての経験と弛まぬ鍛錬。
それらを戦闘で100%活かした戦技は、一対一という場面ですらベルカの騎士であるシグナムたちにすら明確に上と認めるほど。
故に俺の中ではクロノが敗北するというイメージがなかった。
だからこそ作戦では、クロノを閉所空間に押さえ込んで時間稼ぎに徹する予定だった。
それを、ティーダさんは上回った!
「…俺達も負けてられないな!」
『Yes.master!』
「…ッ!くるよ、なのは!!」
「うん…まだ終わってない。私が……私たちがまだ残ってるもんね!」
向かい合う俺となのは達。
そしてーー
「来たか!」
空気を切り裂く音とともに、なのはの足元に閃光が奔しる。
「…狙撃!?」
「どこから!?」
「よう…ユウト!随分コテンパンにされたようで!」
「ライフのこと言ってるなら、そっちなんて死にかけじゃんか。…ヴァイス。」
俺の隣にヴァイスが降り立つ。
軽く軽口を合わせつつ、手を合わさる。
そしてーー
「おっと、ちょっと遅れた?」
「「ティーダさん!」」
ティーダさんも姿を表した。
これで3対2。
ヴァイスとティーダさんの合流によって、戦況はこちらが数的に有利となった。
だが、次の瞬間。
空気が、また変わった。
「こっちが不利なら…ギアをあげていくよ、フェイトちゃん!」
「ここからは温存はなしだね。いくよ、ユウトーー」
「「わたしたちの、全力 全開 !!受けてみて!!」」
上空のなのはとフェイトが、完全に距離を詰めてきた。
もう、牽制の遠距離砲撃じゃない。
撃ち合いでも、支援でもなく――純粋な、飛行魔法による機動力で突っ込んできた
魔力を帯びたその双撃が、正確無比なクロス軌道を描いて俺達に向かって飛び込んでくる。
(はえぇ……ッ!!)
負けじと俺も飛び出し迎え撃つ。
なのはの攻撃をギリギリで抜けて、フェイトのバルディッシュを弾く。
「ちょっと鈍ってるんじゃない? ユウトくん!」
「言うようになったな、なのは!!」
受け流し、体勢を立て直す――が、即座に第二波が襲いかかる。
間合いの開きがない。
むしろ、狙って詰めてくる。
二人が空中で絶妙に交錯し、回転しながら角度を変えた魔力弾と刃を次々と叩き込んでくる。
ヴァイス達に攻撃を集中させないように戦場を空に変えたが、このままだとーー
(……ティーダさんはともかくヴァイスじゃ、空の戦いについてこれない)
いや、トップスピードのままだとあのふたりの戦闘速度に対応できているのは――この空間で俺一人だけかもしれない。
(冗談じゃねぇ……!)
「《フォースブースト!》」
魔力を足元に噴射、急制動と急加速。
両者の攻撃軌道を割って抜け出す。
そこから、重ねて反撃に転じる。
「《フォースバレット》!」
高速貫通弾を、連射。
回避を強制し、乱れた一瞬を狙う。
だが――
「ディバイン……シュート!」
「サンダースマッシャー!」
反撃を読まれていた。
誘導性に優れたなのはが相殺し、フェイトの砲撃が落ちてくる。
(っ……対応しきれない……!!)
《Escutcheon!!》
六芒星防壁を連続展開。
魔力の壁を複数重ねて配置。
フェイトの砲撃を食い止めつつ、なのはの誘導弾を切り払う。
しかし、ここで決定的な限界が訪れる。
『マスター、魔力残量、限界ラインに接近。これ以上の長期戦はーー』
(……チッ)
この長時間の飛行魔法、連続魔法行使、防御……
リヒターフォームを使わずに対応しきるには、あまりに消耗が激しすぎる。
カートリッジもさっきの防御で残り三発。
あとはーー
「――っ!!」
一瞬の動揺。
そのスキを、見逃す相手じゃない。
「なのは、今だよ!」
「了解!!!」
二人のエースが、並ぶ。
左右対称の回転軌道から、同時魔力チャージ。
今度は、同時高出力魔法……!
だがそのとき――
「ユウトォ!! 援護入るぞ!!」
下層ビル群の屋上から、ヴァイスの声が響く。
ポジションについた狙撃手が、息を吹き返した。
(ナイスタイミング、ヴァイス!)
『System all green. Standby ready. Slug Mode.』
――ズガァッ!!!
高出力の魔力弾が、斜め上から高速で突き抜ける。
弾丸は空中で分裂し、なのはとフェイトの交差軌道に、正確に撃ち込まれる。
「こいつなら少しは当たるだろ……!」
そう思った瞬間――
「……邪魔はさせません!」
フェイトが静かに言い放った。
次の瞬間、空間が揺らぐ。
「っ…あれは……!?」
俺の視界に、複数のフェイトが広がった。
「ティーダさんと同じ
完全に失念していた。
フェイトはジュエルシード事件の時に、対なのは用の切り札として軽く幻術魔法を俺と一緒に覚えていた。
普段の模擬戦では一切使ってこなかったその魔法…当然、狙撃手にとっては致命的。
「……ちっ、照準が合わねぇ……!!」
ヴァイスの声が、焦りで震えた。
狙撃は完全に妨害される。
視界に映るフェイトは6体。
しかもそれぞれが光刃や魔力弾を放ち、軌道を乱してくる。
(まずい……あの分身、ただの幻影じゃない)
ソニックフォームの速度で、分身にまぎれて攻撃を飛ばしている…本体の見分けがつかない
ヴァイスの援護は、
実体を見抜けなければただの的当てゲームになる。
「ヴァイス! 本体は――」
「分かってる、けど……見えねぇんだよ!!」
光が乱反射し、フェイトらしき影がビル間を駆け抜ける。
どれが本物か――この速度域では、俺でもすぐには判別できない。
その間にも、フェイトの偽物が、
地上のヴァイスに殺到し援護射撃を完全に封じていく。
「……ユウト、集中してね?」
幻影の合間を縫って、本物のフェイトが俺の懐に入り込んでくる。
「フェイト……っ!」
「もう、ヴァイスさんには構わせないよ」
その双眸には、強い決意があった。
そして、背後からなのはの声が響く。
「行くよ、ディバインバスター…フルチャージ!!」
(――詠唱入った!?)
フェイトの幻術で援護を封じて、
その間に、なのはが本命の詠唱練り直し……!
「……くそ、させるかよッ!!」
急旋回し、フェイトの分身を突破し――
なのはへ向けて魔力鎖を展開する。
「《Chain Bind》ッ!!」
鎖が空を裂き、なのはに向かって伸びる……が。
「そうだよね。
詠唱を止めたなのはが鎖を叩き落とし、逆にこちらにバインドをかける。
そして、声が響くーー
――アルカス・クルタス・エイギアス
――ー疾風なりし天神、今導きのもと打ちかかれ
――ーーバルエル・ザルエル・プラウゼル
《Photon Lancer Phalanx Shift》
空中に無数の雷槍が展開され、閃光の網のように俺達を取り囲む。
「本命はそっちかッ!ーーさせるかよッ!!!!」
『Cartridge Load』
デバイスにカートリッジを半ば暴発させて無理やりバインドをほどきフェイトに切りかかる。
「ーーハツ!」
【FATE DAMAGE 500→LIFE 2000】
展開されたフォトンスフィアは魔法が中断されたことで維持できなくなり、魔力の粒子として空に溶けていくー
いや、
「ーーこれは!!」
これは――決着をつけるための、最後の一撃。
「ユウトくん……!」
なのはの表情に浮かぶのは、勝利の確信ともとれる笑顔。
そして放たれる――最大魔力の解放。
「受けてみて……ディバインバスターのバリエーション!」
『Star Light Breaker』
ばらまかれた魔力を、再び収束させて一点に凝縮する――
レイジングハートと共に編み出した、知恵と戦術の結晶。
なのはの――最後の切り札!
広がる桃色の光。
周囲の空気が、細かく軋むように震え始める。
はやての広域殲滅魔法でばら撒かれた魔力残滓。
それに加えて、フェイトのファランクスシフト詠唱によって形成されていたフォトンスフィアの魔力が、砕けるように拡散していく。
その全てを吸い上げるように、なのはの周囲に光粒が集まり――
魔力砲が、前に見たときの三倍以上の規模へと膨れ上がった。