○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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対峙

夜の街。

どこかひんやりとした風が吹き抜ける舗道。

フェイトとユウトは、静かに歩を進めていた。

 

「……このあたりに、反応があるはずなんだけど……」

 

フェイトが小さくつぶやき、手にした地図型の魔導端末を見つめる。

 

「……手分けして探すか?」

 

ユウトが言ったその瞬間——

 

「フェイトちゃん、ユウトくん」

 

聞き慣れた、優しい——けれど少し張り詰めた声が背後から届いた。

 

振り返ると、そこにはバリアジャケット姿のなのはとユーノが立っていた。

 

「……あなたは……」

 

フェイトがわずかに目を見開く。

 

「……ジュエルシードを探してるの?」

 

なのはの声は静かで、けれどどこか揺れていた。

 

「ああ」

 

ユウトが短く、感情を抑えるように答える。

 

「だったら……お話、させてくれないかな……?」

 

少しだけ迷いの残るなのはの視線。

 

だがフェイトは、きっぱりと首を振った。

 

「……ごめん。

今は悠長にしていられない。管理局が動けば、手遅れになる。

ジュエルシードは……譲れない」

 

真っ直ぐな目でなのはを見つめるフェイトに、なのはもまた静かに頷く。

 

「だったら……意地でも、話を聞いてもらうよ」

 

ユウトがふっと息を吐く。

 

「……なのは、変わらないな。そういうとこ。頑固で、一直線でさ」

 

その言葉に、なのははふいに目を伏せる。

 

「……ユウトくんは……変わっちゃったね」

 

寂しさが混じった声。

握りしめた手が、小さく震える。

 

けれど彼女は、もう一度顔を上げた。

 

「……フェイトちゃん、ユウトくん。

どうしてもジュエルシードを集めなきゃいけない理由があるんだよね?」

 

フェイトは静かに頷く。

 

「……母さんのために」

 

「……ああ。俺は、こいつらの未来のために」

 

なのははふたりの瞳を見つめ、ほんの少しだけ微笑んだ。

 

「……じゃあ、私も。

私の大切なもののために、負けないよ」

 

その言葉に、ユウトが肩をすくめながら苦笑する。

 

「ったく……やっぱ負けず嫌いだよな、お前は」

 

「それは……お互い様でしょ」

 

なのはの唇が、少しだけ寂しげにほころぶ。

 

そして——

 

4人の間に、言葉はもういらなかった。

 

魔力が空気を震わせる。

 

四人は、それぞれのバリアジャケットへと換装する。

 

空には星が瞬き、静かな夜の街に、魔力の波動が広がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇夜に浮かぶ三日月の下、

フェイトとなのはが、魔力をまとって対峙していた。

 

その少し離れた場所では、ユウトとユーノが互いを見据えている。

 

静寂の中、なのはが口を開いた。

 

「……ユウトくん……」

 

その声は、ただの呼びかけではない。

焦りと痛み、そして戸惑いが滲んでいた。

 

ユウトが今、自分の隣ではなく、フェイトの隣に立っていること。

その事実が、なのはの胸を締めつけていた。

 

「……フェイトちゃん、ユウトくんはどうしてそっちにいるの?

私の“家族”なんだよ……返してくれないかな?」

 

なのはの声には、はっきりとした感情が乗っていた。

 

フェイトは少しだけ目を伏せ、そして静かに答える。

 

「私は……ユウトの意思を、尊重するつもり。

君こそ……ユウトを縛らないで」

 

「……縛ってなんか……っ!」

 

なのはの言葉に、フェイトは真正面から視線をぶつけた。

 

「ユウトは、自分で決めたの。

誰に言われたんじゃなくて、自分の意思でここに立ってる。

だから、あなたがどう思っても……私はユウトと一緒に戦う」

 

「……でも、ユウトくんは……!

わたしの、大切な……!」

 

なのはの叫びと同時に、バルディッシュが雷光を纏う。

 

「なら……力で止めてみせて」

 

フェイトの声に迷いはなかった。

 

その瞬間、空気が張り詰め、

ふたりの戦いが始まる——

 

そして、ユーノとユウトもまた同様に。

 

「っ!」

 

ユーノは即座に防壁を展開し、

ユウトの鋭い一撃を受け止めた。

 

ディジターの先端が攻撃魔法ーフォースインパクトによって爆ぜ、

ただの打撃ではない魔力の衝撃が、ユーノの防壁を押し込む。

 

(っ……速い!重い!)

 

「……魔力量は平均以下……だけど——運用方法が桁違いに上手い……!」

 

ユーノは歯を食いしばり、ユウトの攻撃の質に圧倒されながらも分析を続けていた。

 

技は最小限の動きで最大の効果を狙い、無駄が一切ない。

まるで長年の実戦をくぐり抜けた熟練の戦士のようだった。

 

「ラウンドシールド——再展開!」

 

間合いを取ろうとするユーノに対し、

ユウトは即座に高速移動で突撃する。

 

「……遅い!」

 

シールドに突き立てられたフォースインパクトが、亀裂を生み出す。

 

続けざまに、魔力弾の連続射出がユーノを追い詰めた。

 

しかし、ユーノもまた冷静に回避し、

拘束魔法・チェーンバインドを展開する。

 

「ユウト……やっぱり君は……!」

 

(こいつ……妙に俺の動きを読むのが早い……

いや……俺の手の内を知ってる動きだな…くそっ魔力は温存しないといけないのに…堕とせない!)

 

《……》

 

ディジターは静かに光を放ち、

言葉なく、ただユウトを支え続けていた。

 

かつて親友のように過ごしたふたりが、

今、互いを真正面から敵として向かい合っていてもーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、なのはとフェイトの戦いも終わりに近づいていた。

 

「ユウトくんは……どうしてフェイトちゃんと一緒に……!」

 

なのはのディバインシューターがフェイトを狙う。しかし、フェイトは空中を優雅に旋回して回避し、カウンターでフォトンランサーを放つ。

 

「君には関係ない……ユウトは私の仲間だ!」

 

「だからユウトくんは、なのはの家族なの……!力ずくでも…ユウトくんを取り戻すんだから!」

 

なのはの手にレイジングハートが輝き、砲撃魔法——ディバインバスターが放たれる。フェイトは咄嗟にプロテクションを展開し、防ぎきる。

 

「……もう、決着をつけよう」

 

フェイトの目が鋭く光る。彼女の雷撃が周囲にほとばしる。

 

「アルカス・クルタス・エイギアス。

煌めきたる天神よ、今導きのもと降り来たれ。

バルエル・ザルエル・プラウゼルーーー」

 

詠唱を終えようとした、その時——

 

「そこまでだ!」

 

突然、空間を裂くような声が響いた。

 

クロノ・ハラオウンが時空管理局の制服を翻しながら現れる。彼の手には冷徹な魔力が宿っていた。

 

「戦闘行為を中止しろ。フェイト・テスタロッサ…………高町ユウト、君達を拘束する」

 

その言葉にフェイトとユウトは視線を交わす。

 

「……ユウト!」

 

「ああ!」

 

ユウトは転移魔法を発動し、フェイトと共にその場を離脱する。なのはは追いかけようとしたがすでに追いつけない距離まで離れていた。

 

「…ッチ。撤退までの判断が早すぎる…。僕らが現れたらなりふり構わず逃げる作戦か…。そうなったら…」

クロノは、隣で涙目で叫ぶ少女を

見つめる。

(…彼女達に彼らの相手をしてもらわなければならない…が…)

 

「……待って、ユウトくん!」

 

なのはの悲痛な叫びは、夜の静寂に吸い込まれていった——。




勢いとノリで書いて課題ため込み大学も始まってしまったので更新頻度雑になるかもです
とりあえず無印は駆け抜けたい
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