○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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ついに始まりましたリリカルなのはEXCEEDS、皆さんはもう読みましたか?
detonationの続編…かと思いきや、結構違う部分もあって驚きました。
映画時空のまたさらにパラレル世界線なのでしょうか?

なのはの性格…というか新しい趣味がでたり、フェイトが執務試験一発合格するらしいので
本作ではEXCEEDSの設定取り入れながら作るのは無理そう……StrikerSの戦闘機人とかとユウト因縁ありですし……StrikerSの話まで行きたい。

ともかく、なのは新作みんなで楽しみたいですね!!
本編始まります


想いの行方

アースラ・ブリッジ内。

 

戦闘の余韻が残る空間で、

スクリーンには先ほどの戦闘データが映し出されていた。

 

エイミィが淡々と数値を読み上げる。

 

「なのはちゃんの平均魔力量、127万。

フェイトちゃんは……143万ってとこかな」

 

その声に、隣でデータを確認していたクロノが眉を寄せた。

 

「……ふたりとも、魔力量が多すぎる。」

 

「うん、まったくの年でこの数字って……正直、化け物クラスかも」

 

エイミィが苦笑しながら呟く。

 

「でも、魔法の強さは魔力だけじゃ測れない。

最終的には、“どう使うか”が重要になる」

 

クロノの冷静な言葉に、リンディ艦長も頷く。

 

「判断力と応用力……特に、戦場ではそれが全てと言ってもいい」

 

次の瞬間、クロノが操作を切り替えた。

スクリーンには、ユウトの戦闘記録が表示される。

 

「……これがユウトの魔力量データだ。平均して……50万程度」

 

「……え?」

 

エイミィの声が一瞬止まった。

 

「うそ……それ、管理局の一般魔導師の平均にも届かないよ?」

 

「それなのに……あれだけの戦闘を?」

 

リンディの声には驚きと、どこか不安の色が混ざる。

 

「そう。

正面からの火力こそ彼女たちに及ばないが、運用効率は異常レベルだ」

 

クロノが静かに続ける。

 

「攻撃、防御、移動……

すべての魔力操作が無駄なく、計算され尽くしている。急な反撃にも無意識のうちに反応し対応しようと体が動いているようだ。

まるで“生き残るためだけに磨かれた”ような戦い方だ」

 

「……それって……」

 

エイミィはスクリーンに映るユウトの姿を見つめたまま、声を潜める。

 

「あの年でそこまで過酷な環境に身を置いていた、ってことよね?」

 

「……ああ」

 

クロノの顔に、険しい陰りが落ちる。

 

「思い出すのは……ガーメル調査隊の件だ。

多次元世界崩壊事故。ユウトは……あの事故の、唯一の生還者」

 

リンディも、眉をひそめる。

 

「正確な記録は残っていなかったのよね。

彼がどこでどう生き延びて、どうやって帰還したのか……」

 

「けれど、今はっきりしているのは一つだけだ」

 

クロノがスクリーンに背を向け、静かに言い放った。

 

「ユウト、いやユート……僕の昔馴染みが今は敵…だという事実だけだ」

 

ブリッジの空気が、しんと静まり返った。

 

なのはが思い出す家族の笑顔と、

フェイトが信じる仲間の意志と、

管理局が見つめる彼の過去。

 

それぞれが、いま静かに交差しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

――翌日、早朝。

 

人気のない廃ビルの一角。

朝焼けの光すら届かない地下フロアで、フェイトとユウト、アルフの三人が慎重に瓦礫を掘り起こしていた。

 

「ねぇ、ユウト……ジュエルシード、今いくつ集まってるんだっけ?」

 

フェイトが周囲を警戒しながら、小声で問いかける。

 

「俺たちが今までに封印・回収したのが…まあ、なのはからもらったのも含めて…11個。

海に放置してる未回収のが5個。おそらく、なのはが集めてるだろうと予想される最低値は4個……」

 

「つまり、未発見なのはこの場所に1個だけってこと……」

 

その瞬間――

 

「……あった!」

 

アルフが低く声を上げた。

瓦礫の下、彼女の手の中で青く淡い光を放つ結晶――ジュエルシードが姿を現した。

 

「フェイト! ユウト! 見つけたよ!」

 

「すぐ行く、アルフ」

 

数分後、空からフェイトとユウトが静かに降り立つ。

 

「ありがとう、アルフ」

 

フェイトが笑顔で受け取ると、ユウトも周囲を見渡しながらディジターを構える。

 

「さっさと封印しよう。

……なのは達、近くにいるかもしれないし」

 

「うん……いくよ、バルディッシュ」

 

フェイトが杖をかざし、魔法陣が展開される。

 

『Sealing Mode――Ready』

 

「……ジュエルシード、封印!」

 

淡い光が結晶を包み込み、静かにその輝きが消えていった。

 

「……暴走状態じゃなくて助かった。こんな市街地ど真ん中で暴れられてたらたまったもんじゃない。」

 

ユウトが手に取って確認し、フェイトと視線を交わす。

 

「とりあえず、全てのジュエルシードの所在が明らかになった」

 

「うん。あとは、どうやって残りを手に入れるか……」

 

「管理局もすぐ気づくだろう。

今のうちに拠点に戻って、作戦をもうちょい詰めておきたい」

 

フェイトが頷くと、アルフもすでに帰還ルートを確認していた。

 

「さ、さっさと帰ろうぜ! 管理局が動き出すのも時間の問題だ!」

 

三人は足音を残さぬようにその場を後にし、

次なる決戦に向けて、最後の準備へと向かっていった――。

 

 

 

 

 

 

 

同時刻ーアースラ・ブリッジ。

まだ誰もいないはずの空間に、柔らかな照明が静かに灯っていた。

 

中央のモニターには、海鳴市上空のライブ映像が淡く映し出されている。

 

その前に一人立っていたのは――ユーノ・スクライア。

 

「……やっぱり、変だ……」

 

ぽつりと漏れた声は、誰に向けたわけでもなかった。

 

だがすぐに、その背後から別の声が重なる。

 

「……高町なのはのことか?」

 

振り返ると、そこにはクロノ・ハラオウンが腕を組んで立っていた。

 

いつもの冷静な目つき。だがその奥に、かすかな懸念が滲んでいる。

 

ユーノは一度ためらってから、小さく頷いた。

 

「……うん。

戦いの後、なのはの様子が、ずっとおかしいんだ。

以前なら、ジュエルシードのこととか、フェイトのこととか……気にすることはたくさんあったはずなのに」

 

「けれど、今は“ユウト”のことばかり、か」

 

クロノの冷静な言葉に、ユーノは苦しげに息を吐く。

 

「この間の戦い……なのはは、彼を“奪われた”って」

 

クロノは黙ったまま、視線をモニターに向けた。

彼女のバトルログがそこに並ぶ。

 

「……確かに。あの戦闘中……フェイトに向ける言葉のほとんどが“ユウト”に関するものだった。

対話ではなく、奪還。説得ではなく、主張」

 

「そう……まるで、“フェイトに取られた”って思ってるみたいで」

 

「家族だから、じゃないのか?」

 

クロノが問うと、ユーノはすぐにかぶりを振った。

 

「違うよ。あれは……“家族”って言葉だけじゃ説明できない。

もっと……強くて、切実で、どこか脆い感情だと思う」

 

クロノは黙ったまま、指を組む。

 

「……彼女は現状、アースラとしても主力級の戦力だ。魔力量、戦術理解。どれをとっても初心者のそれじゃない。

だが、心のバランスが崩れれば、“優れた力”ではなく“諸刃の剣”になりかねない…」

 

「……僕が、なんとかしなきゃ……」

 

ユーノがそう呟くと、クロノはちらりと彼を見て、ほんのわずかに笑った。

 

「……君が彼女の“支え”になれるなら、それが一番いい。

でも、無理をするなよ。感情というのは、時に人の想像を超える」

 

 

なのはの瞳に宿った、あの焦燥と、熱に浮かされたような執着。

それが何を意味するのか、彼の胸の奥に小さな不安の種を植えていた。

 

外の窓に映る、青く染まりはじめた海鳴市の朝。

 

そのどこかにいるはずの、ユウトとフェイト。

 

そして、アースラの中で眠れぬ夜を過ごす少女の心は――

もう、誰にも簡単には届かない場所へ、沈みつつあった。

 

 

 

 

 

 

人気のない拠点の一室。

仄暗い明かりの下、フェイト・ユウト・アルフの三人が、部屋の片隅に置かれたジュエルシードの光を眺めていた。

 

封印済み11個。

そして、未封印でありながら把握している海の5個、

管理局側にあるであろう残りの4個。

 

「……これで、全てが揃う」

ユウトは壁にもたれながら、ディジターを回転させていた。

 

フェイトは小さく息を吸い、静かに数を確認するように呟いた。

 

「全部のジュエルシードの居場所がはっきりしたんだよね」

 

「問題は……どう奪うかだな」

 

アルフが腕を組み、苦い顔をする。

 

「正面からぶつかるなら、あの子の砲撃が怖い……下手すりゃ、一発撃たれてこっち全滅する」

 

「そうならないためにも、勝負の舞台は選ぶ。

まずは、海のジュエルシードから片づけよう。

俺たちの疲弊を見てから、管理局は動くはず……とりあえずそこまでは安心して行動できる、」

 

ユウトは静かに状況を俯瞰するように言った。

 

「それで……あの子が持ってる分を奪うのは……」

 

フェイトの問いかけに、ユウトはディジターを止め、まっすぐに彼女を見た。

 

「正面から戦うしかない。

ジュエルシードを全部を賭けた“決闘”を申し込む。……こっちの方が賭ける数は多いから相手の方がメリットが大きいし……なによりなのはは…

あいつは絶対こういう時は、逃げない」

 

「……でも、もし負けたら……」

 

「そもそも、誰が戦うつもりなんだい。……まさか、ユウト、あんた……」

 

「もちろん、俺が行く」

 

アルフが鋭く舌打ちする。

 

「無茶言うなよ。あんた、あたしとやりあったときだってあんた一度死にかけたんだぞ?あの子に勝てるのかい?」

 

フェイトがユウトを見上げる。

 

「……危険だよ?」

 

ユウトは軽く肩をすくめた。

 

「今さら危険もなにもないだろ? 俺が前に出てなのはと交戦して、勝ったらたぶんあの執務官がでてくるからフェイトがジュエルシードをもってすぐに撤退。最悪俺は自分で転移魔法でにげればいい……」

 

 

「そんな綺麗にいくとは限らない」

 

「それでも――やるしかねぇんだよ」

 

ユウトの言葉に、フェイトは目を伏せる。

だが、やがて静かに頷いた。

 

「……わかった。

でも、必ず戻ってきて。

私、……ユウトを置いて逃げるなんてしないから」

 

ユウトは言葉なく、片手を上げて応えた。

 

その様子を見たアルフは、肩をすくめつつも笑う。

 

そして、三人は顔を見合わせた。

 

決戦は、体力が完全に戻る3日後。

 

それまでに――

海のジュエルシード5つを全て封印し、準備を整える。

 

それが、勝利のための前提条件。

 

「……じゃあ、始めようか。

最後の準備を」

 

ユウトの言葉に、フェイトもアルフも静かに頷いた。

 

こうして、

ジュエルシードを巡る“最終決戦”が、音もなく動き始めた――。

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