○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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リリカルなのは公式Xで、はやてとリインの追加情報きましたね!
僕的には、なのはEXの立ち絵の絵柄が、FGOとかのソシャゲキャラの立ち絵みたいに感じたんですけど…なのは新作ゲームとかでないかな…


緊急事態

作戦決行日

海には、黒々とした波が静かに揺れていた。

冷たい風が吹き抜け、あたり一帯に、不穏な魔力がじわじわと満ちていく。

 

「今からこの海に魔力流を撃ち込んで、ジュエルシードを強制発動させる……準備はいい? アルフ、ユウト」

 

フェイトが低く問いかける。

 

「おうさっ!」

「……ああ」

 

それぞれが頷き、三人は魔力を集中させた。

 

次の瞬間、魔力の奔流が海へと撃ち込まれる。

静かな水面が大きくうねり、波紋を描くように五つの輝きが浮かび上がった。

 

それはまるで、海から現れた魔の渦――

五つのジュエルシードが、濃厚な魔力をまとって浮遊し始める。

 

「……すごい魔力だね」

フェイトがバルディッシュを構えながら、わずかに顔をしかめる。

 

「ああ。今までの奴らとは桁が違う」

ユウトもまた、ディジターを構え直し、警戒を強めた。

 

目の前にあるのは、ただの封印対象ではない。

一歩間違えれば、すべてを呑み込む暴走源だ。

 

「バルディッシュ、シーリングモード!」

《Sealing Form》

 

「ディジター、シーリングモード」

《Sealing Mode》

 

両者のデバイスがそれぞれ封印形態へと変形する。

ユウトは肩で息を整え、フェイトと目を合わせた。

 

「――一気にやるぞ」

 

フェイトも力強く頷いた。

次の瞬間、二人は同時に空へと飛び上がった。

 

五つのジュエルシードに、それぞれの魔力が向けて解き放たれる。

 

静かだった海が、今、戦場へと変わろうとしていた――。

 

 

 

      ◇

管理局艦アースラ ―― 作戦司令室

「クロノくん! ユウトくんたちが現れたって!?」

 

なのはが勢いよく司令室のドアを開け、駆け込んできた。

その瞳は、不安と焦燥で揺れている。

 

クロノは落ち着いた様子でモニターを見つめながら、短く頷いた。

 

「ああ……今、彼らは五つのジュエルシードを同時に封印しようとしている」

 

「じゃあ……私、すぐに現場に!」

 

なのははすぐさま駆け出そうとする。

だが、その動きをクロノの手が静かに制した。

 

「待て。今は動くべきじゃない」

 

なのはの顔に戸惑いが浮かぶ。

 

「……どうして? このままじゃユウトくんたちが……!」

 

クロノは冷静に言葉を続ける。

 

「僕たちが出るのは、彼らが消耗しきったタイミングだ」

 

「……!」

 

その非情とも取れる判断に、なのはの顔がこわばる。

 

「ごめんね、なのはさん」

背後でエイミィがそっと声をかけた。

「残酷に聞こえるかもしれないけど……これが一番確実な方法なのよ」

 

「そんなの……!」

 

なのはは唇を噛みしめる。

苦しそうに、ただ拳を握ることしかできなかった。

 

「今のうちに、転移先の拠点特定の準備を急げ」

クロノは淡々と命じる。

 

だが――

 

「……あんな数のジュエルシードを一気に封印なんて……!」

なのはの声が震える。

 

「ユウトくんたちが無事なわけ、ないよ……!」

 

クロノは一瞬だけなのはを見つめた。

その瞳には、わずかな迷い――いや、憂いがにじむ。

 

「……むしろ、それを見越しての行動だ」

 

「僕たち時空管理局員は、感情だけで動いてはいけない。……たとえ相手が大切な誰かでも、ね」

 

その言葉に、なのはは何も言い返せなかった。

 

沈黙。

 

だが次の瞬間――

 

モニターが突然、強烈な光を放つ。

 

「きゃっ!?」

 

「な、何!?」

 

エイミィの指が慌てて操作パネルを叩く。

 

「エネルギー反応、急上昇! 規格外の魔力放出を感知!!」

 

モニターの光が収まり、映像が戻る。

その画面を見て、なのはの目が大きく見開かれた。

 

そこに映っていたのは――

 

海面へと墜落していく、ユウトの姿だった。

 

「ユウトくん!!」

 

なのはの叫びが、司令室中に響き渡った。

 

 

 

 

 

     

 

 

       ◇

「一気にやるぞ!」

 

ユウトが先陣を切り、鋭く声を上げる。

 

「……うん!」

「ああっ!」

 

フェイトとアルフもそれに応じ、三人同時に魔力を展開した。

 

作戦はシンプル。

ユウトがジュエルシードを撹乱し、アルフが拘束、そしてフェイトが一気に封印を決める。

 

「フォースブースト!!」

《Force Boost》

 

ユウトの身体が光に包まれ、爆発的な加速とともに宙を駆ける。

 

その速さは、バルディッシュとフェイトにも匹敵するほどだった。

 

「(早い……!)」

 

フェイトが目を見張る中、ユウトは渦を巻くジュエルシードの間を縫うように飛び交い、魔力弾を次々と撃ち込む。

暴走しかけたジュエルシードを一定の範囲へと追い詰めていく。

 

「アルフ!!」

 

ユウトの合図が飛ぶ。

 

「おうっ! チェーンバインド!!」

 

アルフが咆哮とともに魔法を展開。

空間に大きな魔法陣が描かれ、唸るような鎖が轟音を立てて解き放たれる。

 

ジュエルシードの暴風を鎖が絡め取り、逃げ道を完全に封じた。

 

――ここまでは完璧。あとは一撃で封じるだけ!

 

「バルディッシュ、いくよ!」

 

《Sure.》

 

フェイトの魔力が解放され、バルディッシュの刃が雷光を帯びる。

青白い稲妻が空気を裂き、周囲に雷の環を生み出していく。

 

フェイトの口から、静かで力強い詠唱が紡がれる。

 

「アルカス・クルタス・エイギアス……煌めきたる天神よ。今、導きのもとに降り来たれ……」

 

雷光が収束し、フェイトの周囲をぐるりと雷輪が囲む。

 

「バルエル・ザルエル・プラウゼル……!」

 

天を衝くように刃を構え、フェイトの瞳が決意に燃える。

 

「撃つは雷、響くは轟雷――サンダー・スマッシャー!!」

 

天から迸る雷撃が、咆哮のような轟音とともに降り注いだ。

五つのジュエルシードを飲み込み、暴走の力を封じ込めるように雷が地を焦がしていく。

 

空が光に包まれる。

 

封印の光が空に広がり、激しい閃光とともにエネルギーが収束していく。

 

フェイトは息を詰めた。

 

(……やった?)

 

閃光がゆっくりと薄れていき、視界が元に戻る。

 

 

 

しかし――

 

 

 

「……そんな、封印しきれてない……!」

 

震える声で、フェイトが叫ぶ。

 

そこにあったのは、静かに封印された二つのジュエルシードと――

残る三つが暴走し、渦巻く魔力がひとつに絡まり合い、巨大な蛇のような怪物へと変貌した姿だった。

 

不完全な封印によって乱された魔力はさらに暴走を加速させ、ジュエルシードをかつてないほど凶暴化させていた。

 

渦からあふれた魔力が鋭利な刃と化し、空間を裂くように飛び散る。

 

「危ない、フェイト!!」

 

ユウトの叫びが空気を裂く。

 

魔力の刃が一直線にフェイトを狙って迫る。

 

(避けなきゃ……!)

 

だが、一瞬の判断の遅れが命取りになる。

 

間に合わない――!

 

その瞬間――

 

「フェイト!!」

 

ユウトが身を投げ出し、彼女の目の前に飛び込んだ。

 

「えっ……!?」

 

驚くフェイトの肩を強引に押しのけ、ユウトは彼女を後方へと弾き飛ばす。

 

フェイトの体が宙を舞い、視界が一瞬ぐるりと回転する。

 

そして――

 

ドォンッ!!

 

轟音とともに、ユウトの体が直撃を受け、強く弾き飛ばされる。

 

空中に放り出されたユウトは、身を焼かれるような痛みに耐えながら、

フェイトを安心させようとそれでもかすかに笑みを浮かべた。

 

(……ちっ、しくじったな)

 

そしてそのまま――

 

「ユウトッ――!!」

 

フェイトの叫びを背に、ユウトの体は海へと落ちていった。

 

暗い海。黒く沈んだ水面へと、ユウトは音もなく姿を消す。

 

「ユウト……!」

 

すぐにでも追おうと、フェイトはバルディッシュを構えて飛び出す。

 

しかし――

 

「くっ……!」

 

暴走するジュエルシードが、彼女の行く手を阻む。

 

無数の魔力の刃が飛び交い、まるで彼女をユウトから遠ざけるかのように海面を切り裂いていく。

 

「邪魔しないで……ユウトが……!」

 

涙をにじませながら、フェイトは叫ぶ。

怒りと焦燥、そして恐怖――。

 

だけど今、やらなければならないことがある。

 

ユウトを救うためにも、今は……これを止めなければならない。

 

震える手でバルディッシュを握り直し、フェイトはもう一度、立ち向かう。

 

涙がこぼれるのをこらえながら、彼女は再び魔法陣を展開した――。

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