○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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GW海外旅行いってきたけど、やっぱ日本食が一番。
そしてなのはEX、遂にフェイト登場!!!


車椅子の少女

地球滞在3日目の朝――

 晴れ渡る青空に、時折吹き抜ける風が心地よい。ユウトは制服のネクタイを少し緩めながら、学校の校門をなのはと一緒にくぐっていた。

 

「久しぶりに着る制服、まだちょっと違和感あるな……」

 

「ふふ、よく似合ってるよ、ユウトくん。ちゃんと“普通の男の子”って感じ」

 

「褒めてんのか、それ」

 

「もちろん」

 

 にこにこ笑うなのはに、ユウトは苦笑を返しながらも、どこかほっとした表情を浮かべた。

 

 教室に入れば、すぐにクラスメイトたちが集まってくる。

 

「ユウト、久しぶり!」

 

「海外の生活ってどう? 」

 

「今度、またみんなで遊びに行こうよー!」

 

 ユウトは「おう」と照れくさそうに答えながらも、ひとつひとつの言葉にちゃんと耳を傾けていた。

 ひさしぶりの学校は、どこか懐かしく、どこか不思議で――でもやっぱり心地よかった。

 

 

 

 放課後、なのはと一緒に下校の途中。商店街の手前で、ユウトがふと思い出したように立ち止まった。

 

「あ、そうだ……フェイトたちに地球の料理作ってって言われてたっけ」

 

「そういえば、昨日も“オムライス食べたい~!”ってアリシアちゃん言ってたよね」

 

「だろ? ちょっと材料買って帰るわ。悪いけど、ここで一回解散な」

 

「うん、わかった。気をつけてね、ユウトくん」

 

 手を軽く振って、なのはは笑顔で道を曲がっていった。

 ユウトも手を振り返し、肩のバッグを持ち直してスーパーへと足を向けた。

 

 ――その先で、思いがけない出会いが待っていることも知らずに。

 

 

 

夕方のスーパー。

 買い物客でやや混み合う店内を、ユウトは調味料コーナーを抜けて惣菜棚の前で立ち止まっていた。

 

 「オムライスだけってのもな…なんかフェイトたちが好きそうなのって…アルフはやっぱ肉系だよな。鶏むねとか…あ、あと卵も……」

 

 慣れた手つきで買い物カゴに食材を入れていくユウト。

 ふと、隣の棚から聞こえた柔らかい声に気づく。

 

「……うーん、あかんなぁ……どないしよ……」

 

 声の方に目を向けると、そこには――

 車椅子に乗った少女が、一生懸命上の段にある牛乳パックに手を伸ばそうとしていた。

 

 髪を短くまとめた、小柄な女の子。

 その腕には少しだけ無理な力が入り、額にはうっすら汗が滲んでいる。

 

 届きそうで届かないその様子に、ユウトは自然と声をかけていた。

 

「取ろっか?」

 

「――あっ、え、うん……お願いしてもええ?」

 

 少女――はやては、ぱっとユウトを見上げて、ほんの少しだけ驚いた顔をしたが、すぐに柔らかく笑った。

 

「おう、任せとけ」

 

 ユウトはひょいっと牛乳パックを取って、彼女のカゴにそっと入れる。

 

「ありがとう。わたし、ちょっと背が足らへんみたいでな」

 

「いや、それより重くないか? 他にもあるなら、運ぶの手伝うよ」

 

「ええの? お兄ちゃんも買いもん中やろ?」

 

「手が足りてなそうな人がいたら、助けるくらいはするって」

 

「……そっか。ふふ、ええ子やなぁ。ほんま、助かるわ」

 

 はやては控えめに笑いながらも、どこか人懐っこい空気をまとっていた。

 

 ユウトは自然に彼女のカゴを持ち、「次、どこ?」と尋ねながら、車椅子を押し始める。

 

 

スーパーの中ほどにある野菜コーナーを、ユウトとはやては進んでいた。

 ユウトがカゴを持ち、はやてがその横で、野菜をひとつひとつ見極めながら指差していく。

 

「玉ねぎは……あんま大きいのやと切るの大変やし、このくらいでええかな」

 

「了解。……って、慣れてんな」

 

「まぁな。ひとりやと、どないしても自分でやらなあかんからなぁ。あ、じゃがいもは皮がつるっとしてる方が当たりやで」

 

「お前、プロじゃん……」

 

「ふふ、そんな大したもんちゃうよ?」

 

 はやてはそう言いながらも、自分で選んだ野菜たちをひとつずつユウトに託していく。

 

 その所作は落ち着いていて、どこか大人びてさえ見えた。

 

「なぁ……その、ひとり暮らし?」

 

 ユウトがふと、気になったことを聞くと、はやてはほんの少しだけ表情を曇らせた。

 

「……ん。そうやね。わたし、ちっちゃいころに両親亡くしてしもて、今は“父の友人”やった人が、資金面だけ支えてくれてる感じ」

 

「そっか……」

 

「でも、その人も仕事で家にはおらんし、一人暮らしやね。慣れたけど……やっぱ、たまには寂しくなるかな」

 

 はやては、何気ない調子でそう言うけれど――

 その声の奥には、静かに重ねられてきた時間が感じられた。

 

「……俺も似たようなもんだよ。家族は、もういない。今は保護観察……居候として世話になってるけど」

 

「……そっか」

 

 言葉は少なかったけれど、その一言には、はやての全部が込められていた。

 

 はやての目線と、ユウトの目線がちょうど重なる。

 

 スーパーの中、通り過ぎる人たちに囲まれながらも、ふたりだけが静かに心を通わせていた。

 

「なんやろ……はじめて会ったのに、あんたのこと、気に入ったわ」

 

「俺も。なんか、わかる」

 

「変やね?」

 

「ああ、変だな」

 

 ふたりはふっと笑いあってからそれぞれの道に進みだしていった。

 

 




時系列見直したらすでにがばがばになってたけどあまり気にせずに進ませてください…
はやてとユウトの縁ができるエピソードでした。
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