○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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書き忘れてたので補足を…

カートリッジ対応になったデバイスの正式名称は
左右一対になったので名称に区別つけるために
もともと持っていた右手側を「ディジター」
追加された二本目を「アンブレイカブル」
で呼び分けます!!
二つ合わせて「ディジター・アンブレイカブル」になる感じです


決闘

アースラ・ブリッジ。

管制パネルに突如浮かび上がった魔力転移反応に、エイミィの声が緊迫した色を帯びる。

 

「艦長、これは……複数の高エネルギー体が異世界へ転移。座標は――第72から78次元世界、管理局観測網の外です!」

 

「……来たわね」

 

レティ提督が静かに呟いたその横で、クロノは即座に通信端末を操作した。

 

「ユウト、聞こえるか」

 

『……クロノ? どうした』

 

「守護騎士たちが動いた。1番近いのは転移先は第72次元世界。すぐに現地へ向かってほしい」

 

『了解――すぐに行く』

 

『クロノくん!私たちは?』

 

「君たちはまだ、療養中だ…しっかり休め」

 

『ーそんな!クロノくーーー』

 

 

 

 

 

「さてと…」

 

「ねえ、ユウt…」

 

通信が切れると同時に、ユウトはなのは達に話しかけられるより早く、即座にデバイスを展開し、転移魔法を起動した。

 

「――転移、開始」

 

「ユウトくん!?」「ユウト!?」

 

白光に包まれたその身体は、一瞬で異世界へと消え去る。

 

 

 

 

 

 

荒廃した砂漠が広がる大地。

空は鈍い灰色、風が乾いた音を立てる世界の中――そこに、ユウトは現れた。

 

そして――

 

「貴様が、ユウト…か」

 

待っていたかのように、ユウトの前方に現れた赤い影。

銀の鎧に身を包んだ騎士、シグナムが一人、剣を手に立ちはだかる。

 

「……他の奴らは?」

 

「ここは私一人だけだ。それぞれは主のために必要なことをしている。貴様は我らを妨げに来たのか?」

 

「俺は――お前たちが、はやてを思って動いてるのは知ってる。でも、そのやり方が間違ってるってのも知ってるつもりだ。」

 

ユウトの両手にディジターが展開され、淡く紫色の魔力光がその身を包む。

 

「……このまま進めば、いずれはやても、取り返しのつかない道に巻き込まれる。俺は……それを止めたいんだ」

 

「そうか。ならば、止めてみせよ」

 

シグナムは静かに剣を構えた。

 

「私も、お前がどこまで本気で主を思っているのか……見極めさせてもらう」

 

無言で頷き、ユウトも構える。

閃光一閃、魔力の波動を震わせ、乾いた大地に火花が走る。

 

――戦いは、避けられない。

 

だがこの一戦は、憎しみではない。

交わらぬ信念を、互いに“確かめる”ためのものだった。

 

「――来い、ユウト!」

 

「行くぞ、騎士、シグナム……!」

 

次の瞬間、空気が裂けた。

 

 

 

空を切る鋭い剣閃――

 

シグナムのレヴァンティンが唸りを上げて振るわれるたび、ユウトはその猛攻をギリギリで捌き続けていた。

 

「どうした……あの白い姿は使わないのか?怒りに任せていたあの時のお前のほうが、まだ脅威だったぞ」

 

「…あれは使いたくても使えないイレギュラーだし…あの時は暴れてただけだ。でも、今は……」

 

ユウトの声は静かだった。

両手に構えたディジターは、その紫色の魔力を揺らめかせている。

 

「はやての未来を守るためにも…こういう事件の時こそ心は冷静にしなきゃいけないんだよ!」

 

言葉と同時に一歩踏み出し、左手のアンブレイカブルを軽く振るうが――

 

「浅い」

 

シグナムの剣が一閃。

刃の先端を防御で受けたディジターが大きく弾かれ、ユウトの身体ごと吹き飛ばされる。

 

「ぐっ……!」

 

背中から真っ直ぐに地面に叩きつけられ、土埃が舞う。

 

「……あの時と逆だ。私の方がお前より力を持っているこの状況で…。」

 

「くっ…」

 

「貴様に主の…主はやての何が守れるというのだッ!」

 

シグナムが前進する。

その足取りには迷いも油断もない。圧倒的な実力の差、ユウトの苦し紛れの牽制の魔力弾をすり抜け、静かに迫ってくる。

 

「だったら…こっちの覚悟だって見せてやるよッ!」

 

ユウトは息を整えながら、ゆっくりと起き上がった。

呼吸を整え、視線を研ぎ澄ませる。

 

(大体あいつの動きは読めた…次のシグナムの動きは……左斜め上からの振り下ろし!そこから連撃、そして間合い詰めの踏み込みを左足からくる――)

 

目と神経を魔力強化でフル稼働させる。

 

シャッハとの鍛錬で磨いた対ベルカ戦の読みと恭弥との鍛錬で得た極限を攻める間合いの取り方で、脳内でシグナムの剣筋をイメージし、見極める。

 

「来いよ、シグナム……!」

 

シグナムが踏み込んだ。

ユウトはあえて前に出る。避けない、逃げない――真正面からの迎撃姿勢。

 

レヴァンティンが振り下ろされる刹那

 

旋棍を下から押し当てるように、シグナムの剣の腹を叩く、体幹を崩す。

 

「なっ……!」

 

そのまま身体をひねり、シグナムの背後へ滑り込むユウト。

カートリッジを1発使用し、右手に握り込まれたディジターが一瞬だけ光を集める。

 

『――Unbreakable Impact.』

 

破掌が地を裂くような音をあげて、シグナムの背を叩く

 

「ぐっ……!」

 

シグナムの剣は遠くに落下し、

ユウトも魔力を使い切る寸前で片膝をつく。

 

息を切らしながら、互いに距離を取ったまま睨み合う。

 

「……まさか、私の剣筋を、見切っていたとはな」

 

「クロノやフェイトと練り上げたカウンター型の動き。この前と違って頭が冷えて何とか出来たな…」

 

しばらくの静寂のあと、シグナムはふっと笑った。

 

「……なるほど。あの時とは違うな。確かに、お前は成長している」

 

レヴァンティンを収めるシグナム。

ユウトも、ディジターを解除しながら深く息を吐いた。

 

「……私にこれ以上戦える力は無い。お前の勝ちで、私の負けだ。」

 

「……勝ったつもりはないよ。俺だって余力はもうないし……次があったら、わからなかった」

 

「次の機会はないことを祈っておけ。…今日の勝利は誇るがいい」

 

「…じゃあ、お前を拘束させて貰う。」

 

ユウトがシグナムを拘束しようと近づくがーー

 

 

 

 

『すまないがそれは認められない』

 

不意に、冷たい男の声が響いた。

 

風もない大地に、黒いフードと銀の仮面をまとった男が、いつの間にか立っていた。まるで空間からにじみ出るように。

 

「……誰だ、お前……!」

 

ユウトが反射的にデバイスを構えようとするが――身体はもはや限界に近い。

シグナムも剣を構えるが、疲弊しきっている彼女には瞬時の反応も難しい。

 

仮面の男が手をかざした瞬間、大地が黒くひび割れ、重力のような魔力の渦が2人を包み込んだ。

 

『しばらく眠っていてもらおう』

 

「――ッ!」

 

 

ユウトとシグナムの身体が黒い光に飲まれる。

次の瞬間、二人の姿は虚空に消えた――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ユウトくん!?」

 

「ユウト!」

 

アースラのリハビリスペースに転移反応が突如現れて、そこに倒れ伏すユウトに、真っ先に駆け寄ったのはなのはとフェイトだった。

 

「息はある……! でも、魔力回路の流れがひどく乱れてる……!」

 

フェイトが不安そうにユウトの身体を支えながら、小さく震える手でその額を撫でる。

 

「どこで……こんな……!」

 

「今、すぐ医療班を……っ!」

 

一方――

 

八神家の中庭。

 

「シグナム!?」

 

車椅子を動かし、はやてが叫びながらシグナムに駆け寄る。彼女もまた、黒い光の中から倒れた姿で戻されていた。

 

「……主はやて……すみません、私は……」

 

「ええから、しゃべらんといて。いま助け、呼ぶから!」

 

はやては震える手で通信端末を取り出そうとした、そのとき。

 

「……っ……あれ?」

 

腕に力が入らない。

 

「――っ……?」

 

次の瞬間、視界が歪み、世界が暗転する

「主はやてっ!」

 

倒れ込む少女の身体を、シグナムが苦しそうに手を伸ばして支える。

 

【すまない、みんな…戻ってきてくれ主が……が……!】

 

騒然とする屋敷内。

シグナムの念話に、シャマルとザフィーラが別世界から戻ってくる。

 

「これは……! 下半身だけだったはずの麻痺が……上半身まで……!」

 

「主を病院へ! すぐに!」

 

ザフィーラが抱き上げ、シャマルが転送魔法を起動する。

光に包まれて運ばれるはやての身体。

 

その小さな命が、またひとつ、闇に近づいていることを――

 




本作はmovie2'ndとA'sの混合世界線です…!

フェイトがこの時点でリンカーコア蒐集されていたために謎の仮面の男はユウトくんとシグナムの戦闘に介入しました。
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