○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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新たな翼

 

“新たな力”を携えて戦場に降り立った。二人の少女は――周囲の状況を瞬時に把握していく

 

『起動状態・・・異常なし』

 

『カートリッジユニット、動作正常』

 

【リンディ提督…大丈夫ですか?】

 

【…へーきよ…このぐらい…それより、フェイトさん達は自分の心配を…】

 

リンディのもとに駆け寄ろうとするなのは達の前に立ち塞がるように並ぶ、シグナムとヴィータ。

 

「…2人とも…もう魔力が完全に戻ったか…呆れた回復速度だ。」

 

「シグナム、アイツらのデバイス…!」

 

「ああ…我らと同じ…カートリッジだな。」

 

 

空中に構えるなのはに、真っ先に行動したのは、ヴィータだった。

 

ヴィータの目に宿るのは、怒りと焦燥――そして、迷いのない決意。

 

叫びと同時に、ヴィータはラケーテンハンマーを振り上げ――

ガキンッ――!

 

爆発的な火花とともに、ラケーテンハンマーが赤く燃えるように光を帯び、ヴィータの身体ごと高速でなのはに突っ込んでくる。

 

「……っ!」

 

対するなのはも、静かに息を整え対峙する

 

「…わたしたち、戦いに来たわけじゃないよ!話をしたいだけ!」

 

「ふざけんな!やる気の新型武装ぶら下げて言うことかよッ!」

 

 

「この間も今日もいきなり襲いかかってきた子がそれを言うの!?」

 

「こっちはもうてめぇに用はねえんだ!!骨でも折ってしばらく寝てろッ!!」

『Explosion!』

 

「レイジングハート!」

『Cartridge Load.』

 

ヴィータのデバイスと同様にレイジングハートからも薬莢が排出される。

バチィン!となる音と同時に、足元の翼が一気に広がり、それに合わせてに魔法陣も広がる。

なのはは防壁をはり、ヴィータを迎え撃つ

 

「堅ぇ・・・!」

「これが私の新しい翼…簡単に倒されちゃうわけにはいかないから!」

 

ヴィータの一撃を受け止めたなのはは、魔力放出することで、ヴィータと、そして隙を伺って接近していたシグナムをまとめて攻撃する

 

「ゼロ距離…スマッシャー!」

 

「なッ、自爆かこのヤロウ!」

 

なのはを中心に激しい爆発が起きる

 

爆音と光が収まり、戦場にはしばしの静寂が訪れた。

 

浮遊する瓦礫がゆっくりと重力に従って落ちていく。

 

煙の中心、そこに佇む人影。

 

「……はぁっ……」

 

息を整えながら、なのはが立っていた。

その白いバリアジャケットは汚れていたものの、姿勢は崩れていない。

 

「…………どこ……に」

 

視線を走らせる。爆風で吹き飛ばされたのか、彼女の姿は周囲に見えない。

 

 

 

「――見えないときはだいたい後ろっ!」

 

ユウトやフェイトとの戦闘訓練で得た経験則から反射的に振り向いたその先、魔力の爆発から距離を取ったヴィータが宙に浮かんでいた。

 

その周囲には、十分以上に魔力が込められた真紅に輝く鉄鋼弾が、10を超える。

 

彼女の相棒…グラーフアイゼンを構えながら、ヴィータが口元を吊り上げた。

 

「これで…堕ちろおおぉぉぉっっつっ!!」

 

ヴィータの叫びと同時に、魔力弾が一直線になのはへ殺到する

 

弾道は弾き合い、直線だけではなく、周囲からなのはを包み込むように殺到する軌道――

 

けれど、なのはの表情は、冷静だった。

「レイジングハート、全部…撃ち落とすよ!」

 

『Yes, my master』

 

カートリッジが二発排出され魔力がみなぎる

 

なのはの周囲に、淡い桃色を放つ魔力弾が同じ数、同じ軌道上に展開される。

 

「撃ち落として――!」

 

『Accel shooter.』

 

両者の魔力弾が空中で衝突し、連続して炸裂する。

 

1、2、3……

10発すべて、相殺。

 

空中に残ったのは、爆煙と、互いの視線だけだった。

 

「――マジかよ……」

 

ヴィータの目が見開かれる。

 

「全部……同じ数で、同じ速度で……撃ち落としただとッ!?」

 

その声に、なのはが静かに応える。

 

「……本当にお話聞かせてもらいたいだけなの」

 

その言葉と姿に、ヴィータはほんの一瞬、畏れのような感情を覚えた。

 

(ベルカの騎士は…私以外はほとんどまともな遠距離攻撃を持たない…あたしがコイツを何とかしないと…だけど…)

 

今の自分がこの白い魔導師に勝てるビジョンが見えないーー

「…ッちがう!あたしは鉄槌の騎士…壊すことだけが仕事なんだ!!!」

 

 

 

 

 

そしてーなのはとヴィータが対峙する中、空のもう一方では、雷と炎が交錯する戦いが繰り広げられていた。

 

「はあああっ!!」

 

「ふっ――!」

 

フェイト・テスタロッサとシグナム。

二人は、上空を縦横無尽に翔けながら、鋭く交錯する。

 

剣と剣が交わるたびに火花が散り、残光を引いて空に線を描く。

 

一撃目――空中を翻るように斬りつけたフェイトに、シグナムが受け流しながら反撃。

 

二撃目――迫るシグナムの刃を、フェイトが高速移動で回避。ピンポイントで小型バリアを出現させ、掠った刃を弾く。

 

三撃目――今度はフェイトの刃を、シグナムが手首の回転で流しながら、逆手の構えで切り返す。

 

三次元的にめまぐるしく動く中、次の瞬間――

 

「――っ!」

 

斬り交わした直後、フェイトの手元に魔力が集中する。

 

「プラズマランサー!」

 

雷光を付与された魔力弾が複数、シグナムに向けて放たれる。

 

「ッ!」

 

シグナムは即座に姿勢を崩して旋回し、魔力弾を紙一重で回避。

 

同時に右手の剣――レヴァンティンが閃光を放つ。

 

『Schlangeform』

 

剣が瞬時に蛇腹状へと分裂、うねる鞭のような刃が空中を走り、フェイトの元に向かう

「……っ、速い!」

 

しなる鋼の軌道を読み取り、フェイトは雷の閃光のように後方へ高速移動。

だが、追いかけるように蛇腹の刃がうねりながら迫る。

 

「だったら…バルディッシュ!」

 

『Haken Form』

 

バルディッシュの刃が回転しながら前方に展開、大鎌形態…ハーケンモードへと変形させ、刃の渦の中心点を目指す

 

「――そこっ!!」

 

魔力刃をシグナムへと叩き込むがー

 

「させんっ!」

 

応じたシグナムはレヴァンティンの鞘を左手に構えた。

 

甲高い音が周囲に響く。

 

ハーケンの一撃を、鞘で真正面から受け止めたシグナムは足でフェイトを蹴り飛ばし、衝撃を散らす。

 

「…相当鍛えてきたか、それとも 前回の動揺が酷すぎたか…いずれにせよ、お前もユウトと同様に前とは別人だな」

 

「ありがとうございます。今日は落ち着いてますし、鍛えてもきました。」

 

皮肉に正直に対応した、真っ直ぐな目をした少女に、思わずシグナムは笑う

 

「…ヴォルケンリッターが将 シグナムだ…お前は?」

 

急に名乗りを上げたシグナムに対して、フェイトはワンテンポ遅れて反応する

 

「…ぇっ?あっ、フェイト・テスタロッサです」

 

「テスタロッサか…こんな状況でなければ心躍る戦いだったろうが…今はそうも言ってられん 」

 

そう言うとシグナムは剣を鞘に納め、居合の構えを取る。

 

「殺さず済ませる自信はない…この身の未熟を許してくれるか」

 

「構いません。勝つの…私ですから」

 

「フッ…言ってくれる」

 

衝突する寸前の2人だったが…突然現れた緑色の魔法陣に包まれた光の玉が空中に出現する

 

足を止める全員だったが…戦闘をしていたヴォルケンリッターにシャマルの念話が発信される

 

 

【みんな!局の増援…武装隊と結界魔導師が大勢来てるわ、包囲が早い…撤退の準備して!合図はこの閃光弾に合わせて!】

 

「…やむを得んか」「…ッチ!」

 

光をみて呟くシグナムに反応するフェイト

 

「あれは…」

 

「…すまん、テスタロッサ…この勝負、預けた。」

 

「シグナム!?」

 

一方、なのは達も…

 

「なに…あれ?」

 

「…チッ!…ヴォルケンリッター 鉄槌の騎士、ヴィータだ…」

 

「なに…?」

 

「そんなに話がしてーなら、そのうちこっちから出向いてやる。だから、今はジャマすんじゃねーッ!」

 

「…どこ行くの…って何この光!?」

 

 

 

 

一方閃光弾を確認したアースラ内部でも声が響き渡る、

 

「クロノ君…状況は!?」

 

「…結界消滅…閃光弾による視界錯乱、サーチジャミング…やられたな。」

 

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