○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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一章 無印編
運命の日


ーーなのは視点

わたし、高町なのははいつも孤独です

 

平凡で何にも取り柄がない私は、いつも一人ぼっち

家族もパパがお仕事で怪我をしたり、経営を始めた翠屋の方に行ったり、みんな忙しそうで私に構う余裕はありません。

 

だから、私高町なのはに出来るのはいい子でいること。

来年からは小学校に入学するけど、それまで私は春休み。

毎年この時期は家族で旅行なんかを行ったりするのですが、そんな余裕があるはずもなく…

 

何もすることがないけど家族が忙しそうにして家にいなくて…

なんだか誰もいない家に居づらくて、なんの用もないけど1人、公園のブランコで朝から夕方までずっとすごしています。

ちょっぴり寂しくて、切なくて、なんだか泣きたくなる時もあるけれど私は元気です。

 

いつもと変わらない景色、陽が暮れて空が夕焼けに染まり始めそろそろ帰ろうかな…と思っていたら突然声が聞こえました。

 

((だれか…を…助け…))

 

声が聞こえた方を見ても、特におかしなことはなく、公園で遊んでいる子たちも特に何かは聞こえた様子はありません

 

(きのせい…かな?)

 

少し疑問に思った私は、ちょっとだけ声が聞こえた気がする方に寄り道してから帰ることにしました。

 

そこで倒れている男の子を見つけました。

それが私の運命の始まりだったのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「大丈夫!?」

 

慌てて駆け寄ると、男の子は意識を失っていて服の上からでも分かるほどお腹からは赤色が染み出していました。。

 

(これって…血!?)

 

とりあえず、傷口を塞がないと!!

パパがお仕事で怪我を倒れた日から、ちょぴり学んでいた応急救護の知識、まさか本当に役に立つ日がくるなんて…

 

とりあえず止血からしないと…

ガーゼは持ってないしハンカチじゃちょっと小さすぎるかな…

 

「ごめんね、今はこれしかなくて…ちょっと我慢してくれる?」

 

髪を結んでいたリボンを解き、

男の子の細い体に巻き付ける

 

ちょっとキツく締めてしまったのか

男の子がうっ…と小さくうめいた

 

「ちょっと痛いかもだけど…我慢してね…押さえとかないと血がもっとでちゃうんだよ…?」

 

聞こえているかも分からないが声をかけたあとに、近くを通りすがった大人の人に声をかけ、救急車を呼んでもらう。

救急車は直ぐに駆けつけ、男の子は搬送されていった。

 

その後警察の人にいろいろと話を聞かれたあと、家まで送って行ってもらった。

それから1週間がたちました。

 

あの後、男の子は病院に入院したみたいです。お医者さんが言うには命に別状は無いみたいですがずっと眠っているみたいです。お家にいても特にやることもない私は毎日お見舞いにいっています。

警察の人からお話を聞いたのですが、この子の名前や住所・年齢など身元がわかるものがなく、持っていたのはひび割れた宝石のついた腕輪だけで、子供の捜索願いも出ていないとの事で、この子が一体何者なのか分からないみたいです…

 

今日はお父さんのお見舞いの日ということもあって、お母さんとお兄ちゃんと3人で病院に来ました。

 

「それにしても、なのは。よくやったわ!なのはが迅速な処置をしてくれたなかったらもしかしたら男の子大変なことになってたかもしれないって!」

 

「ああ、兄として誇らしいよ」

 

お母さんとお兄ちゃんに褒められてなんだが悪い気がしません。

何にも取り柄のない私でも初めて誰かの役に立てた気がしてなんだが心がポカポカします。

 

「うっ…ここは…」

 

その時でした、急に男の子が目を覚ましたのです。

 

「恭弥!医者を!」

 

「ああ!すぐ呼んでくる!」

 

お兄ちゃんは直ぐにお医者さんを呼びに向かい、お父さんが男の子に優しく語りかけます。

 

「君…大丈夫かい?どこか痛いところは無いかい?」

 

「ここは…?」

「此処は病院だよ。道でたおれていた君をなのはがみつけてね…」

 

「はぁ…」

 

男の子はどこか上の空で、まるで他人事の様に返事をする。ずっと眠っていたしまだ頭がちゃんと目覚めていないのかな?

 

「ところで君は名前は?どこから来たのかな?」

少し考え込んだあと、男の子は急に頭を抱えてうずくまり、なにかブツブツと小声でなにかを呟いている。

 

「…ない」

 

「どうかしたのかな?落ち着いて、ゆっくりでいいから話してごらん」

優しい口調で諭すようにお父さんが話しかける。

すると男の子は泣きそうな顔でこちらを見て呟いた。

 

「分からない…名前も…いままでどこにいたのかも…」

 

結局男の子はあの後お兄ちゃんが連れ来ててくれたお医者さんによっていろいろ検査を受けることになりました。

体の方は特に異常なしということで、もう入院の必要は無いみたいです。ですが、、

 

「警察の方からはなんとお話が?」

 

「少なくとも、ここら一帯で行方不明の子供がいるという話はどこにも上がっていないようで…記憶も戻らないため、保護者を見つけることが出来ず…とりあえずはどこかの施設に預けるという形になりますね」

 

「そうですか…」

 

お父さん達とお医者さんが真剣そうな顔でお話している。

あの子はこれからどうなっちゃうんだろ

 

「心配、だなぁ…」

「…」

 

思わず独り言をもらすと、なんだかお兄ちゃんの視線を感じました。

 

 

ーー○○視点

 

どうやら俺は記憶喪失らしい。

 

なんでも、道端にたおれていた俺をなのはという少女が見つけ、病院に連れてきてくれたとのことだ。

自分の名前・年齢・いままで何をしていたのか全く記憶にない。

 

医者が言うには、脳や体に強い衝撃を受けたことで、逆行性健忘症などの記憶障害を患った可能性があるとの事だ。

体の方は既に完治しているらしく、

軽度のリハビリを終えたら無事退院らしい。ある程度は経過観察のために通院が必要みたいだが…ともかく退院するにも帰る家がなくどうするか悩んでいるらしい。

 

「今後どうしたいかは自分で考えろ、か…」

 

最終的に俺にはいくつかの選択肢が与えられた。

1つ目は、児童保護施設にいくこと

2つ目は、養子縁組や里親制度を活用して誰に保護してもらうこと

3つ目は、血縁関係者の家にあずけられる

血縁関係者が見つかってすらいない自分は3つ目は不可能として、

正直、2つ目と無いかなと思っている。

 

記憶喪失の子供なんてだれも欲しがらないだろう

記憶が戻りました。元の家に戻りますはいさよならというわけにもいくまい。

 

「なんだ、まだ悩んでるのか?」

 

振り返ると恭弥さんがいた。

恭弥さんは俺を救ってくれた高町なのはという少女のお兄さんらしい。

 

寡黙で口数が少なく、落ち着いた雰囲気を感じる人だ。

 

「いえ、自分は保護施設にお世話になろうかなとおもいます。」

 

「む…それはなぜだ?」

 

「いえ…記憶喪失の子供を引き取りたい人なんていますか?それに俺、知り合いなんていませんし…」

 

そう言うと恭弥さんは呆れたようにため息をつき、俺の頭に手を置き強い眼差しでこちらを見つめて、話し出した。

「だったら、うちに来たら良い」

 

 

「……え?」

 

思わず聞き返してしまった。今、なんて言った?

 

「うちに来いと言ったんだ」

 

静かだが、強い意志を感じる声だった。冗談ではないらしい。

 

「……いや、でも……」

 

思わず視線をそらす。こんな俺を引き取ってくれるなんて、そんなことが本当にあるのか?

 

「別に、お前が気を使う必要はない」

 

そう言うと、恭弥さんは少しだけ視線を外して言葉を継いだ。

 

「確かに、お前には記憶が無いかもしれない。だが、それを理由に『自分なんか』と考えるのは違うだろう」

 

「……」

 

「なのはが、お前を見つけたとき、放っておけなかったんだと言っていた。その気持ちは、俺も同じだ」

 

なのはさんが……俺を? そこまで気にかけてくれていたのか。

 

「お前が何者なのか、どんな過去を持っているのか……今は分からない。だが、それでもいいじゃないか。お前は今、生きている。それだけで十分だ」

 

恭弥さんの言葉は、なんだか心の奥深くに響いた。

 

「……でも、本当にいいんですか? 俺、迷惑になるかもしれないし……記憶が戻ったら、それでトラブルになったら……」

 

「それがどうした」

 

即答だった。

 

「お前がどういう過去を持っていようと、俺たちはお前を受け入れる。それに、もし記憶が戻って自分の家族を見つけたなら、そのときは堂々とその家族のもとに帰ればいい」

 

「……!」

 

「ただそれまでは、お前の居場所はここにある。俺やなのは、そして家族がいる場所に」

 

胸の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚がした。こんな俺を、迷いなく受け入れてくれる人がいるなんて。

 

「……じゃあ……お世話になっても、いいですか?」

 

気づけば、俺の口からそんな言葉がこぼれていた。

 

「おう」

 

彼はただ、それだけを言って、不器用に俺の頭をぽんと叩いた。

 

こうして、俺の新しい生活が始まることになった。この新しい出会いが、どんな意味を持つのかはまだ分からない。

 

でも――少なくとも、俺はひとりじゃない。

 

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