それはそれとして、なのはEXCEEDS最新話の中学生フェイト…かっこかわいいがすぎますね。あとインスタみたいなのもあの世界あるんだ…ってなりました。
がんばって更新続けていきます。
ヴィータとの模擬戦を終えたあと、俺たちは水分補給を済ませてから、簡単な講評の時間を取ることになった。
集まった全員の前に立ち、ヴィータが腰に手を当てながら話し始める。
「さて……大体、こんな感じだ。カートリッジは基本的に攻撃の威力を上げるか、相手の攻撃に対抗するために防御力を底上げするかのどっちかで使う」
その言葉に、隣にいたヴァイスがぽつりと呟いた。
「すげぇな……カートリッジって、なんでもありかよ」
「いやいや、ヴァイス。そこまで万能ってわけじゃないぞ」
苦笑しながら言葉を挟む。
「説明にもあったけどカートリッジを使うってことは、その分デバイスにも負荷がかかるし、制御もシビアになる。本体フレームがある程度頑丈じゃないと、そもそも使えない仕組みだし。」
「でもさ、さっきのユウトの砲撃……ほんとにBランク魔導師か?」
そう言われて、俺は少し口をつぐむ。
確かに、そう思うのも無理はないけど。
でもその評価は、ちょっと違う。一体どう説明したものか…。
「ああ……あれは……」
「待て、ユウト。ちょうどいいし、そこはあたしが説明するわ」
ヴィータが俺の前に立ち、改めて全体へと視線を巡らせた。
「お前ら、さっきの模擬戦な……あたしら、ただ楽しんで戦ってたわけじゃねぇぞ。それぞれ違う動きをしてたの、分かったやついるか?」
「ヴィータ教導官……楽しそうにやってただけだと思ってました」
真顔でそう言ったティーダに、ヴィータは容赦なく言い放つ。
「はい、お前減点な」
「うっすみません!」
「ったく……誰かわかるやついないか?」
手を挙げたのは、後方にいたクイントさんだった。
「ヴィータ教導官、よろしいでしょうか?」
「あん? お前は……クイントだったな。言ってみろ」
「ユウトくんの魔法体系は?」
その言葉に、ヴィータの口元がにやりと吊り上がった。
「いいとこ気づくじゃねぇか。そうだ、今回の模擬戦ではあたしはベルカ式、ユウトはミッド式で、それぞれのカートリッジの運用方法を見せた」
教導官の言葉に、ティーダが手を挙げる。
「え……カートリッジってベルカ式のものじゃないんですか?」
「そうだ、ティーダ。ベルカ式カートリッジシステムは、所有者の音声・あるいは意思によってカートリッジを炸裂させ、魔力を供給するシステムなんだが…現代でカートリッジシステムを再現するための技術として、ミッドチルダ式魔法をベースに、古代ベルカ式魔法をエミュレートして再現した魔法体系。それがお前らが今後扱っていくだろう近代ベルカ式魔法だ。」
「……なるほど。つまり基礎となる構造はミッドチルダ式をベースに作り直したからミッド式でも導入しやすくなった、ということですね」
「その通りだ、クイント。まあ、ミッド式のデバイスは本体フレームが脆いのが多いから、導入できるのは限られてくるがな」
ヴァイスが少し身を乗り出して尋ねた。
「じゃあ、ミッド式とベルカ式って、結局何が違うんです?」
「ざっくり言えば、ベルカ式は“カートリッジの魔力を武装変形や一撃必殺の強化に特化して使う”スタイル。対してミッド式は、魔力総量を一時的に大幅に引き上げる方向に使うことが多いな」
ここで、俺も言葉を継いだ。
「さっきの砲撃とかは、素の魔力量じゃ撃てないんだ。でもカートリッジを一気に使って魔力量を強制的に引き上げたことで、必要出力をなんとか満たしたんだ」
「すげぇ……ってことは、俺にもできるか?」
ヴァイスの瞳がきらきらしているのを見て、俺はちょっとだけ笑ってしまった。
「……それを確かめるのが、この部隊の役目だ。でもな、ヴァイス」
ヴィータが真剣な顔で言った。
「ミッド式でのカートリッジ運用は、並大抵じゃない。術者の魔力量、デバイスのフレーム強度、回路安定性……全部が高水準じゃないと、暴発するか、最悪自爆する」
教室の先生みたいな口調で語り始めたヴィータだったけど、途中からなぜか俺の方をジト目で睨んでくる。
「実際、あたしらだって多くて3発が限界だ。6発一気に使うユウトは、はっきり言ってイカれてる部類だからな。真似するなよ? いやマジで。」
場の空気が一瞬、凍る。
みんな口をポカンと開けて俺を見てる。いや、そんな目で見られても困るんだが
別にイカれたくて撃ってるわけじゃないんです!
「はい、気をつけます……」
ヴァイスがちょっと引き気味にうなずいてる。
なぜかみんなからの俺を見る視線が痛い…
「反省してなさそうだからいうけどば、ユウト。一応見本も兼ねてるんだから応用ばっかやるんじゃねえよ。」
外見は年下のヴィータから結構本気で注意されるのはきついな…。
まあ確かに、一気に6発はやりすぎだった。でも相殺するにはなのはぐらいの出力必要だから仕方ないよな??
とはいえ、他人が真似して爆発したりしたら笑えない。……というか部隊の裏事情的にも完全アウトだったか。
「……正直すまん。」
苦笑いしながら俺は軽く頭をかいた。次からは、ちゃんと使用回数……考えておこう。
そんな俺の様子に、ヴィータは「はぁ…」と小さくため息をつきながら、ちょっとだけ呆れたように目を細めた。
「……ったく,まあいいや。おまえらもここまで講義ばっかで飽きただろ? ここからは実地だ、実地!各自、得意レンジでメンバー固めてグループ作って習熟訓練に移ってもらう!」
「「了解です!」」
こうして鉄槌の騎士とBランク空戦魔導師による講義と実技の前半戦は幕を下ろし、後半戦――つまり実地訓練に突入するのだった。
実地訓練が始まってから、自然とベルカ式組とミッドチルダ式組に分かれる形でグループができていた。
俺たちミッド式組――俺とティーダさん、ヴァイスの三人は、並んで射撃訓練をこなしながら、時おり言葉を交わすくらいのゆったりペース。一方で、ベルカ式のクイントさんとシャッハ師匠の方は、まるで模擬戦かってくらい派手にぶつかり合っていた。
(……あれ本当に訓練の範囲内か?)
そんな轟音を背に、俺は的に向けて一発を放つ。魔力の反動が手に心地よく残った。
「よっと……うん、やっぱり現場経験者は違うな。射撃の感覚が冴えてますね。」
訓練場に設置されたスコアボードには、威力の過不足、命中精度、ターゲットへの反応速度までが細かく数値化されて表示されている。総合点で見れば、ティーダさんが一位。命中精度に限れば、ヴァイスが頭一つ抜けてる。
「カートリッジ使ってない分、普段どおりだからね。訓練校上がりには、まだまだ負けられないよ」
そう言いつつも、ティーダさんの両手は止まらない。二丁拳銃スタイルで、左右から次々と標的を正確に撃ち抜いていく。
対してヴァイスはというと、外見はスナイパーライフルをベースにしたインテリジェントデバイス型デバイス――「ストームレイダー」と静かに対話を重ねつつ、一発一発を丁寧に撃っている。
「……ちょっと威力高すぎたか? ストームレイダー、出力を2%下げてくれ」
『allright.』
ヴァイスの声に、デバイスが機械的ながらも柔らかな調子で応える。
するとティーダさんが不意に口を開いた。
「そういえば僕の支給されたデバイスは普通のストレージ型にカートリッジを取り付けたタイプだけど…どうしてヴァイスのはインテリジェントなんだろうね?」
「多分、今回の部隊設立にあたって、いろんなタイプのデバイスを使ってデータを集めたいって意図もあるんだと思います。あとは、単純に“慣れ”ですね」
「慣れ、か?」
ヴァイスが少し首を傾げる。
「知り合いに管理局の執務官がいるんですけどね、インテリジェント羨ましいってぼやいてたんですよ。だから“変えればいいじゃん”って言ったことあるんですけど……」
ふと頭に浮かんだのは、アースラでの保護観察生活中の出来事。訓練後の汗を拭きながら、ため息まじりにぼやいてたっけ。
「その人曰く、同調率とか処理速度の遅延とか、色々あってね。慣れた操作感を捨てるのが怖いって。いざという時に動作の違いで判断が遅れるかもしれない……だから切り替えるのをためらってるって話でした」
「あー、インテリジェントデバイスって普通に上位互換の高級機ってイメージがあったけど違うんだ…。」
ティーダさんが自分のストレージ型デバイスを見下ろしながら、小さく呟く。
「うん。インテリジェントは便利だけど、使いこなせるかどうかはまた別の話みたいです。相棒ってくらい信頼してないと、逆に足を引っ張ることもあるって、そう言ってましたね」
ティーダさんが納得したようにポンと手を打った。
「なるほどね。ヴァイスは訓練校上がりで変なクセがついてないから、最初から使うならインテリジェントでも問題ないってわけか」
「ま、個人の適性もあると思いますけどね。支給されるデバイスは、ちゃんと役割とか資質に合わせて考えられてるはずですし」
「例えば、ヴァイスのポジションは“狙撃手”でしょう? 集中力と忍耐力が求められる役割だし、その点では、ある程度自律して情報判断してくれるインテリジェントデバイスはすごく相性が良いと思いますよ」
「なるほどねぇ……確かに一人で状況判断して狙撃のタイミング測るのって、キツそうだもんな」
「風向きの計算や、威力調整も難しいですしね…っと」
話しながらも、俺たちの手は止まらない。訓練用の標的が次々と破壊されていき、最初はあれだけ並んでいた的も、今ではかなり数が減っていた。
(そろそろ次の段階に行くか…)
「そろそろ、カートリッジも使ってやってみましょうか」
俺がそう口にすると、ヴァイスの顔がパッと明るくなった。
「お、やっとか!待ってたぜ!」
「いいね、新しいデバイスにもだいぶ慣れてきたし……ステップアップといこうか」
ティーダさんも満足そうに頷き、気合を入れ直すように銃を構え直す。
「じゃあまずは、俺が軽くカートリッジを使った手本を見せます。それを参考に、自分で使いやすいように調整していきましょう。……最初は、ティーダさんからいきますね」
「了解。ってことは……僕がユウトの動きを真似すればいいのかな?」
「そうですね。……ところで、ティーダさん。今の戦い方で意識してるポイントってありますか?」
問いかけると、ティーダさんは少し顎に手を当てて考え込み、それから答えた。
「うーん……前任の航空隊にいた頃は、なるべく短期決戦を重視してたかな。二丁拳銃スタイルに落ち着いたのも、次元犯罪者を一度に複数相手にしてるうちに、自然とそうなってた感じ」
「なるほど……となると、現場でカートリッジを使うシーンとしては、“複数の次元犯罪者の制圧”か、“高ランク魔導師の確保任務”ですね。そういう状況で使える技の一例として……」
俺は右手に装着した愛機、ディジターへと軽く呼びかける。
「ディジター、頼む。」
『Force Bullet』
起動と同時に、ディジターが光を帯び、俺の周囲に光弾が発生する。これは、なのはのアクセルシューターと同系列の射撃魔法。俺の魔力量だと、カートリッジなしで最大8発まで同時に展開できる。
「初歩的なシューター系魔法ですけど、うまく使えば制圧力は高いです。――撃ちますよ」
軽く右腕を振り抜くと、8発の光弾が一斉に発射。それぞれに自由軌道を描かせて標的へと飛んでいく。それぞれが3つの的を貫通し、蒸発するように消えていった。
「……一回の攻撃で24体に命中、か。通常モードではこんなもんですね」
「へぇ……」
ティーダさんが、俺を見て感心したように言った。
「ユウトくん、魔力コントロールが上手いね。全部の弾を同時に操作しながら、ちゃんと複数の的を撃ち抜いてる」
「ありがとうございます。でもこれはあくまで通常運用。――じゃあ次は、カートリッジ使用時の展開を見せます」
俺はディジターの銃身を持ち直し、静かに息を吸う。そして――
「ディジター、カートリッジロード。」
『sure. Unbreakable Bullet.』
音と共にカートリッジが炸裂し、ディジターの魔道回路が赤く輝いた。展開された光弾は、先ほどよりも明らかに数が多くそして光の密度が濃く、魔力の圧が違う。
「――いきます」
放たれた光弾は的を貫くだけでは収まらず、衝撃と共に小さな爆発を伴って目標を次々と落としていく。
「これが、たったのカートリッジ一本分の強化で…。」
その瞬間、ヴァイスとティーダの表情が変わった。まるで真横で爆発が起きたかのような衝撃と圧に、ふたりとも言葉を失っていた。
「……どうですか? カートリッジの力、実感できました?」
俺が問いかけると、隣で見ていたティーダさんが、目を丸くしたまましばらく沈黙し――そして、小さく息を吐いて口を開いた。
「……うん。明確に、カートリッジ使用前と使用後の違いを見せられると……実感がわくね」
そう言いながらも、どこか呆気に取られたような表情を浮かべたティーダさん。普段は落ち着いている彼のその顔に、俺は思わず苦笑する。
「それだけ威力の伸び幅があるってことです。もちろん魔力量との兼ね合いもあるんですけど……コントロールできれば、戦術の幅が広がるはずです」
横からヴァイスが「なあなあ、俺も早く撃ちたい!」と腕まくりを始めていたが、それを横目にティーダさんが、少しだけ苦笑交じりに肩をすくめた。
「正直、ちょっと羨ましいよ。君、若いのに完成されてるっていうか……」
「ま、いろいろありましてね…。」
思わず苦笑しながらも、ちょっと照れくさかった。だがこうやって先輩たちから認めてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
俺の反応を見て、ティーダさんは微かに目を細めた。
「まあ、その辺はまた今度聞かせてもらおうかな」
軽くウィンクしながら、彼は自分のデバイスを手に取る。
「それじゃ、僕が実際に試してみる番だね。――カートリッジ、ロード!」
カチリという金属音が静かに響き、彼のデバイスが魔力を帯びて輝き出す。
その瞬間、空気が微かに震えた。目の前のティーダさんから発せられる魔力の気配が、さっきまでとは明らかに違う。
俺はその変化を感じながら、静かに息を整えた。
(第一段階、カートリッジによる魔力増加は成功。さて……どんな魔法を見せてくれるんだろうか)
「まずは……対複数想定かな。『クロスファイア』」
ティーダさんが呟くと同時に、二丁のデバイスが赤く輝き、空間に無数の魔力弾が展開されていく。次の瞬間、クロスファイア(十字砲火)の名の通り、無数の弾丸が四方八方へと広がり、訓練場の空を埋め尽くす。
その勢いに、俺もつい目を見張った。
というよりこれは…
「出しすぎ…ですね?」
「あはは…思ったよりカートリッジで増加した分の魔力制御って難しいんだね…。」
「たぶん力みすぎだと思いますよ…必殺技を放つって意識が強すぎて無意識に力が入りすぎてますね。」
俺が苦笑しながら指摘すると、ティーダさんも素直にうなずく。
「うーん、このままじゃ周囲の味方まで巻き込んじゃうね。……こりゃ要練習だな」
彼は少し悔しそうに息を吐きながら、魔法を中断した。空に浮かんでいた魔力弾たちが一斉に霧のように霧散していく。
「でも、展開の速さと精度はさすがでしたよ。あとはコントロールが安定すれば、実戦でもかなり使えると思います」
そう言いながら俺が親指を立てると、ティーダさんも少し照れたように笑って頷いた。
「次は――ヴァイス、やってみようか」
「おう、任せろ!」
元気よく応えたヴァイスは、すぐにストームレイダーを構える。スコープを軽く覗いたその目には、獲物を射抜くスナイパーの集中が宿っていた。
「狙撃手らしく今回は対強敵想定で威力重視だな。行くぞストームレイダー、カートリッジロード!」
『System All Green. 』
電子音とともに、ヴァイスのデバイスが応答し、内部で圧縮魔力の駆動音が響く。背後の装填機構から排出されたカートリッジが空中で火花を散らし、魔力が一気に銃身へと集中していく。
その光景に、俺も思わず息を呑んだ。
ヴァイスが銃口を向けているのは射撃場に置かれた目標のなかでもかなりの大型…特に強固な外装を施した防御タイプで並みの威力じゃ、まず貫けない。しかも射撃場のかなり後方に配置されており、その距離約2.8km、かなりの腕利きでも当てることすら困難だ。
(正直…今のヴァイスの出力じゃ、まだ厳しいんじゃないか?)
そんな予想をよそに、ヴァイスは一歩前に出ると、構えたストームレイダーのスコープをじっと覗き込み、息をひそめた。
「いくぜ――『ストライクシュート』!」
気合いの入った掛け声に応えるように、デバイスが淡々と返す。
『Strike Shoot』
瞬間、銃身が閃光に包まれ、高密度に圧縮された魔力弾が炸裂音とともに放たれた。その弾丸は迷いなく一直線にターゲットへ――
ズンッ!!
中央コアへ直撃。だが――
「ちぇっ……貫けなかったか」
ヴァイスは肩をすくめて悔しげに唸る。確かに装甲は抜けなかったが、あの一撃は十分に重かった。
だがそれよりも目を引くものがあった。
「うーん、威力不足かな。カートリッジの使用数で要調整なのかな、ユウト?」
ティーダさんが小首をかしげながら俺に話しかける。でも、俺は思わず駆け寄って、ヴァイスの手をガシッと握った。
「ヴァイス!すっごいよ今の!!」
「お、おう?どしたユウト、なんかテンション高くね? 俺、今失敗してんだけど?」
ヴァイスは首を傾げながら戸惑っている。……どうやら、自分がやったことの“すごさ”に気づいてないらしい。
「ヴァイス、このスコアボード見て!」
俺は頭上に表示された魔法成績を指差しながら言った。
「えーっと、命中精度のとこか?」
「ちがう、その下!発射時間と着弾時間の項目!!」
ティーダさんもその数値を見て、目を丸くした。
「……あっ、これは……!」
ヴァイスはまだポカンとしている。
「発射時間と着弾時間がほぼ同じだな、それがどうかしたのか?」
「ヴァイス…君は天性の狙撃手なんだな。」
「えーっと、そんなに凄いのか?」
「普通、遠距離の目標に魔法を使うなら魔力弾の落下や威力減衰……それから、移動する目標だったら偏差撃ちも考えなきゃいけないんだ」
ティーダさんが手を動かしながら、空中に軌道を描くように説明する。
「だけど、ヴァイスの魔法は……」
俺も話に加わる。興奮で自然と声が弾んでいた。
「……距離が2.8キロ離れてても、発射から着弾までのタイムラグがほとんどない。つまり――!」
勢いよく振り返って、ヴァイスの肩をバンバン叩いた。
「ヴァイスの弾丸、音速どころか光速ぐらいはやいってことなんだよ!!」
「お、おう……」
当の本人は、なぜか少し引き気味に目をそらした。
「訓練始まってから、ずっと命中精度高いなって思ってたけどさ! それだけじゃなかったんだよ! これってつまり――!」
俺は両手で空に照準器を描くようなポーズをとって、断言する。
「ヴァイスが引き金を引いた“その瞬間”に、照準にターゲットがいれば――必ず当たるってことなんだよ!! だって落下も偏差も一切無視できるんだぞ!?」
頭の中で超遠距離射撃の理論や計算式が浮かび上がる。普通なら複雑な計算や経験が要る。けど、ヴァイスはそれを“撃つだけ”で当てられる。
「超遠距離の狙撃って、どんなベテランでも外す要素が山ほどあるのにさ! ヴァイスはそれ全部ブチ抜いてるんだよ!?」
もちろん照準にとらえるのもかなり技術を要求されるが、そこはストームレイダーとヴァイスの成長次第ではあるが。ヴァイスの肩をこれでもかと揺さぶりながら熱弁を続ける俺に、ティーダさんが小声で笑う。
「……ユウトくん、饒舌モードだなぁ」
「な、なんか俺、すっごい褒められてるけど……正直ちょっと怖い……」