○○を救う魔法。   作:黒歴史メーカー

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いつも読んでくださってる皆さん、本当にありがとうございます。

小説の更新がかなり空いてしまってごめんなさい……!
実は、受験生向けイベントであるオープンキャンパス向けに展示物を制作していて、そっちが予想以上に大忙しでした。

楽しみにしてくれていた方には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ただ、これからは1週間以上間隔をあけずに更新できるように頑張ります!
無理せず、でもちゃんと続けていきたいと思っているので、これからも見守ってもらえたら嬉しいです。

あと誤字訂正ほんと感謝してます…。
引き続きよろしくお願いします!



初めての休暇 ーその1-

 

前回の任務の数日後――

 

俺は朝から夕方まで、ずっと報告書の山と格闘していた。

書いても書いても終わらない紙の束に、正直、もう腕が動かなくなりそうだ。

 

そんな時、廊下に響き渡る館内放送で、隊員全員に召集がかかった。

 

「マジかよ…また新しい任務でもやるのか…?」

「ユウト、顔が死にすぎ…ほら、いくよ。」

 

訓練ルームに入ると、すでに全員が集まっていた。

やがて壇上に立ったシグナムが、鋭い視線を全員へと向ける。

 

「前回の長期任務、よく頑張った。思えば我らが集って、はや三か月弱…。お前たちの任務での成果も好調。当初の部隊目標であるカートリッジシステムの導入と習熟訓練は、良好であると自信を持って言える」

 

思わぬ誉め言葉に、隊員たちがざわつく。

 

「この部隊の任期はだいたい半年…まだまだ時間はある。今後は我々が全員集まって任務を行うことは減り、訓練時間が増えることになる。あとは…そうだな、お前たちがそれぞれの部隊に派遣されて各々、様々な現場を体験してもらうことになる。」

 

「僕たちが単独で、ですか?」

 

「ああ。お前たちのようなカートリッジを使う魔導師との連携を通常部隊でもある程度行えるようになれば今後もカートリッジを使う魔導師の部隊運用がしやすくなる。任期満了まではこちらがメインになるだろう。」

 

「…なるほど?」(派遣先の部隊でもまた報告書書かされるんだろうな…)

「色んな部署回される新人研修みたいだな…。」

「まぁ、色んな部隊の人にカートリッジのこと知ってもらう広報活動的な意味合いもあるんじゃないかな…?」

 

好き勝手小声で話す俺たちに鋭い視線を向けながらヴィータも壇上にあがる。

 

「派遣先の部隊との日程調整やお前たちの慰労も兼ねて――明日から一週間、全員に休暇だ!…もちろん書類を提出できたヤツから、だけどな?」

 

一瞬、訓練ルーム内が静まり返る。

 

「…ま?」

 

思わず声が漏れた俺の耳元で、ティーダさんが小声で言う

「まとまった休暇って思えば一回もなかったね…ていうか2連休すらなかったっけ。」

 

「ブラック寄りですもんね…普段は訓練メインで早上がりですけど…休み自体は…。」

 

ヴィータが手を振りながら声を張る。

「連絡はそれだけだ! まぁ…お前ら、羽目外しすぎんなよー。」

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ……さすがにキツかったよね。昨日までの昼夜問わずの張り込み任務と…溜まった報告書。正直、体力より精神が限界……」

 

部屋に戻ると同時に椅子の背にもたれながらぼやくと、隣に座ったヴァイスも肩を回しながら頷いた。

 

「それな。特にここ最近は訓練の密度も上がってる気がするしなぁ。……でさ、休暇中はどうする?せっかくだし、一緒にどっか遊びに行かね?」

 

「俺は……うーん、特に決めてないけど。ここ三ヶ月帰れてなかったし、向こう(地球)に戻ろうかな。」

 

ぼんやりと天井を見上げながら答えると、少し離れたところで荷物をまとめていたティーダさんが顔を上げた。

 

「僕も実家に帰るよ。しばらく家を空けてたしね……妹がまだ小さいから、なるべく傍にいてやらないと。」

 

ティーダの表情は穏やかだったが、その笑顔の奥に疲労の色がにじんでいる。年齢以上に、背負っているものの重さを感じさせた。

 

「そっちも大変そうだな……俺にも妹いるけど、妹さんと二人暮しってなると、大変だろ?」

 

「まぁね。でも、管理局は給料はいいから、お金とか困ってないよ。」

 

「ティーダさん、うちの部隊に来る前から空尉ですもんね…階級だけでみたら、指揮のゲンヤさん除いたらうちの部隊でいちばん高いし…そりゃ、給料も良いか。」

 

「階級は部隊に来る前から管理局で働いてたから高いだけで、ヴィータさんたちより僕の方が実力が上なんて思わないでよ…魔導師ランクは隊長陣より下だし。」

 

「空戦Aランクは十分すごいと思いますけど……。」

 

「やめてよ…恥ずかしいな。ま、とにかくお金困ってないし、妹の世話は僕が任務で家を空けてる時は家政婦を雇ってるから…あんま心配しなくても良いよ」

 

「……でも、今の話聞いてると、ティーダさんって仕事の時以外も全然休む暇無いんじゃ……」

 

「はは、あんまり気にしすぎないで。僕はこれが普通だから、慣れっこだよ」

 

ティーダさんはいつものように明るく笑い、手を振ると、そのまま部屋を後にした。扉が閉まる音が、小さく響く。

 

 

 

 

数秒の沈黙――その空白を破るように、俺とヴァイスが同時に声を上げた。

 

「「…あのさ」」

 

視線が交錯し、互いに苦笑いがこぼれる。

 

「ぷっ……考えることは同じか?」

 

「だな。遊びがてら、ティーダの家に顔出して、妹さんの世話とか家事の手伝いでもしてやろうぜ。」

 

「ティーダさんには、のんびりしてもらわなきゃな。……で、どうやって行く?」

 

「決まってんだろ、俺のバイクだろ! 任務続きでしばらく乗れてなかったしな! 久々にエンジン回したくてウズウズしてんの。」

 

「ヴァイスって自前のバイク持ってるんだっけか。」

 

「おう!バイクはいいぞ……風を切って走る感覚、あれは魔法で飛ぶのとはまた違う自由さがある。まさに浪漫…!」

 

「ヴァイスは陸戦魔導師だから空飛ばないでしょ…」

「ほっとけ…!そういやユウトって免許取ってるんだろ?自前のバイクとか買わないのか?」

 

ヴァイスがふと思い出したように聞いてきた。

 

「あぁ…訓練校時代に、将来的に必要かと思ってこっちの免許は取ったけど……元の世界と常識違いすぎて、いまだに違和感すごいんだよな。元の世界は運転免許とか18歳からだしさ。」

 

「ユウトの世界って、デバイス関連の自動制御技術がまだ未発展なんだっけか。こっちの世界は、デバイス持ってるやつはけっこう簡単に取れるからなー。違和感が起きるのもしゃーないな。」

 

よくよく考えたら、俺がミッドチルダと地球で一番文化の違いを感じたのって、たぶんこの辺りなんじゃないか。

ミッドチルダの運転免許――というかこの世界の道路を走る乗り物の交通ライセンスは、運転用のプログラムをインストールしたデバイスを持っていれば、結構年齢関係なく誰でも取れる。

こっちの乗り物は基本的にデバイスによる自動操縦が当たり前で、自分で運転することはほとんどないからだ。

免許を取得後、一定期間無事故で運転した後に追加試験を受ければ、制限が解除される。自分で操作できる範囲がどんどん広がっていく仕組みになっている。

ちなみに、乗り物の見た目なども制限の範囲に含まれるらしい。

 

俺も一応、自動操縦ではなく、自分で走行ルートを決めたり、加減速のタイミングを操作できるレベルまでは制限解放してる。

けどヴァイスみたいな乗り物好きの連中は、ほとんど地球の乗り物でいうMT車レベルまで機能を開放するらしい…。

 

「なぁ、ユウト。お前の給料でバイク買うの十分いけるんじゃないか? 給与明細とか使う暇無さすぎて見てないけど、任務手当とかかなり貰えるはずだろ?」

 

「うーん…まぁ、確かに口座残高だけは変に増えてる気はするけどさ。」

 

「お前、自分の給料ちゃんと確認してないのかよ!?」

 

ヴァイスが呆れ顔で肩をすくめる。

 

「だってさ、地球と比べると通貨単位とか金利とか全然感覚違うし…何にどれくらいお金使ったらいいか、いまだにわかんないんだよ。」

 

「そりゃお前、こっちじゃ魔導師の給料って社会的地位も込みだからな。特務隊所属だと基本給も高めだし、今回みたいに二週間ほぼ徹夜の任務やったら手当が跳ね上がるんだぞ。」

 

「それは知ってるけど…さすがに地球の感覚で“中学生”が稼いでいい額じゃない気がするんだよな。」

 

「ま、言いたいことは分かるけどよ。俺らの場合、給料高いぶん責任もケタ違いだしな。家族とか、自分の身の回りを守る金と思やいいんだよ。」

 

ヴァイスが苦笑しながら腕を組む。

 

「でも、なんか最近生活費もほとんど使ってない気がするんだよな…。寮で暮らしてるし、食堂タダだし、仕事中に使うものは隊が全部用意してくれるし。」

 

「だろ? だから金使わねーまま溜まっていくんだよ。俺も初任給見たときは笑ったもん。『これほんとに俺の給料か!?』ってな。」

 

「地球に送金とかできるならまだ使い道あるんだけどなぁ…。どうすりゃいいんだか。」

 

「だったらいっそバイク買えっての! 乗り物は男の浪漫だぞ!!」

 

「うーん…。バイクの前に、まず給与明細ちゃんと見るところからだな、俺は。」

 

「お前ホント真面目だな…まぁいいや! 俺はバイクにサイドカー付けてくるわ! お前は荷物まとめとけよー!」

 

「了解。またロビーで集合しよっか。」

 

軽い足取りで部屋を出ていくヴァイスを見送りながら、さっさと荷物をまとめることにしたーー




今回の話、後で修正するかもです…。
乗り物の下りは完全妄想です。
でもティアナが本編16歳でバイク乗ってたので…。
免許だけユウト(13から4)にも持っておいてもらいました。
デバイスの補助とかいうなんでもありの設定が便利…
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