楽園なんてなかった。 作:焼きすぎて焦げた炭
なかなかない速度でお気に入りが増えている。これはすごい。凄くすごい。
しばらくはオリキャラ達しか出てこないのでサクサク殺って逝きましょう。早くエデン条約が書きたい。
もしこの辺の話が見たくなったらアンケートで教えてください。
後タイトルを変えました。普通に間違えてました。とても恥ずかしい。
今回から日記形式ってヤツではなくなると思います過去形から現在進行系になるので。
昼頃に起きた火事は日が大分傾き、空に橙色が差すまで続いた。
火が無事消し止められた後、俺は焼け落ちた教会と、見覚えのある大きさの肉塊を、ただ呆然と見続けていた。
何かの夢だと思った。もうすぐ夜が明けてアマカが俺を起こしに来て、悪夢に魘されていた俺を優しく抱きしめてくれるんだ。
そうして暫く経つ頃にはこんな悪夢は忘れて、一緒に勉強をするんだ。
あ、でも今日はアマカ、帰りが遅いんだったな。
それなら俺がご飯を作ってやろう。こんな物じゃ恩返しにすらならないけれど、少しでもアマカの役に立ちたいんだ。
俺はまた、夜の中で一人になった。
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何も考えず、唯歩き続ける。普段通り慣れた道が、夜の闇で随分と恐ろしいように感じられた。
宛もなく歩いていると、警察官らしき服を着たオートマタが集まっているのをを見つけた。
アマカが言っていた。警備員は困った時に助けてくれる人達の集まりだから、何かあったら頼りなさい、と。
俺はその通りに、その人達に助けを求めて———
ふと、歩みを止める。
彼等の『眼』が、あの時アマカと見た『警察官』の物と、違っているのだ。
あの時の警察官は優しく、気高い眼をしていた。
だが、目の前のオートマタはどうだ、
血走った目、止まれなくなった目、止まる気もない目。
それは、まるで、
「おい!!あのガキ!!」
「白髪に黄色い目!!アイツだ!!」
「殺せ!!殺せぇぇ——!!」
何故、俺は追われている?
何故、俺は逃げている?
警察官は困っている人を助ける人達の集まりではなかったのか?
「チッ!あの火事で生き残ったか、運の良い奴め!」
「だが依頼通りガキ一人殺せば人生上がりだ!!これほど美味い話もないぜ!!」
いや、違う。あれは『警察官』なんかじゃない。
あいつらは、間違いなく裏の人間だ。そんな奴等が、何故?いや、確か言っていたな。
「俺を…殺す為…?」
俺の存在に何か不都合なことがあるのか?いやそんなことよりもあいつらの話を聞くに、放火したのは奴等の可能性が高い。でもそれは俺を殺す為で……。
なら、アマカは………?
「何処に行きやがった!?」
「逃がすな!!確実に殺せ!!」
とにかくこのままでは死んでしまう。まずは、逃げないと。
ここから離れて、もっと違う所へ行こう。きっとそこでなら、やり直せるから。
息がやけに切れるのが気になったが、とにかく一心不乱に走った。
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気が付くと奴等の姿は消えていて、目の前には見知らぬ土地が広がっていた。
住民のほとんどは柄が悪く、それ以外の人間の目は何処か虚ろだった。
腹が鳴った。
昼飯すら食べていない状態でここまで来たので、とにかく腹が減ていた。
家に帰りたい。
アマカの温かいご飯が食べたい。
どちらももはや叶わない。
そして俺はあの温かさのあった所に戻る事すら、許されない。
「それは流石に酷いと思うんだけどな〜。」
金も全て燃えたので穴場のゴミ箱で夕食を摂った。
久しぶりのゴミの味は、それはそれは酷いものだった。
それでも吐きそうになるのを我慢して食べるしかなかった。
そしてあれらを消化していた菌が少なくなったのか、腹を下した。
さっきも言ったように金なんてものは無いので、そこらで見つけた段ボールをベッド代わりにして寝る。
寒い。寝心地が悪い。
そして何より、寂しい。
まあでもしょうが無いよな。俺は屑だったもんな。
アマカの様にまだなれてないし、そもそもこう言う事も、昔は毎日だったんだ。
「……おれがなにしたっていうんだよ。」
ふと、漏れた言葉を皮切りに、感情の濁流が押し寄せる。
なんで?どうしてこんな事が許される?
俺の過去を否定はしない。でも、だからって一度幸せを享受させてから一気に奪われる苦痛を味わう程、俺は罪深い人間だったのだろうか?
寒さが、寂しさが、目の横を流れる液体が、ここが夢なんかじゃないと俺に知らせる。
結局、空が明るくなるまでに寝ることはできなかった。
頭が冴えてくる頃、また腹の空きを感じた。
「まあ、流石に昨日食べたもんな。ここには無いか。」
昨日はここのの穴場に行ったから、今日は別の所に行くか。
待て。
どうして俺はここの地理を理解している?
一瞬で答えは出た。
「ああ、そっか。」
「久しぶり、ブラックマーケット。」
俺は無意識でここに戻ってきていた。
必死にそれを否定しようとした。
奴等が追いかけてきた方向の問題だとか、
何より、俺はここで地獄を味わったのだから、ここに戻ってくるはずないだろう。
不快になったので楽しかった事を思い出す事にした。
アマカとの楽しかった思い出。アマカはもういないけど、与えてくれたものは、確かにあるから。それを胸に、頑張っていこうと思った。
おもいだせない。
なんで?あんなにたのしかったのに?あまかにたすけてもらったのに?そのおんを、わすれた?
そんなわけ無いだろう?
ほら、思い出せよ。早くしろ。
早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早くはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやく。
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結局、思い出せなかった。
更に最悪な事に、アマカが自分に付けてくれた『名前』も忘れていたと分かった。
自分の恩知らずさと愚かさに涙が止まらなかった。
俺は怖かった。これ以上アマカの事を忘れるのが怖かった。
どうにかして、自分に刻み込まねばならないと思った。
『◯◯◯は綺麗な眼をしていますね。黄色くて、透き通っています。』
『昔、おばあちゃんが見せてくれた砂漠みたいに、何処までも続いているような、ずっと見ていたら、吸い込まれてしまいそうです。』
『アマカはすいこまない。アマカにひどいことをするやつをすいこんでやる。』
『こら!そんな事してはいけません。ですが、ありがとうございます。◯◯◯は優しいですね。夜を柔らかく照らしてくれるお月様みたいです。』
『……おれは、
『そうなんですか?いいと思うんですけどね、お月様。』
下の名前は三音だったことを覚えている。それを思い出すまでは、
やっとここに戻ってきた訳がわかった。そうだよな。こんな恩知らずな極悪人を受け入れてくれる場所なんて、お前しかいないもんな。
「ただいま。」
あれほど嫌った場所に帰還した事を報告する。
「ふふ、ふふふふ。」
「アハハハハハハ!!」
俺にははやっぱりここしか無いんだ。そう考えると、笑いがこみ上げてきた。
そして、俺はまた屑として———。
水溜りに映った、涙を流している白髪で黄色い目をした少年を、
見捨てた。
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