ブルーアーカイブ異聞録 カヤ*転生者    作:連邦生徒会のモブ書記

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先生視点


始章 プロローグ
プロローグ∶チュートリアル(先生視点)


ーー我々は望む、七つの嘆きを。

ーー我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

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微睡みの中、誰かが私を呼ぶ声がしたので傾いだ首を起こす。

 

「遠路はるばるお越し頂きお疲れの中、お待たせしてしまい失礼しました。」

 

すると、桃色の髪をした小柄な少女が私を覗き込んでいた。

 

「重ね重ね申し訳ありません。しかし、事態は切迫しておりますのでもうしばらくのご無礼をお許しください。」

 

「では今一度、現状について説明させて頂きます」

 

「私は不知火カヤ、学園都市『キヴォトス』の連邦生徒会所属の幹部です。」

機械式時計のような複雑な構造のヘイローを持つ少女は名乗る。

 

「そして貴方は、連邦生徒会長が外の世界より招聘した先生・・・と当方では認識しております。」

 

「申し訳ありません。推測系でお伝えしておりますのは、我々も先生を招聘させて頂いた経緯を連邦生徒会長より詳しくは教えられていないからです。」

 

不知火カヤと名乗った少女は少し困った表情をする

 

「つまり組織内での情報伝達不足という事です。我々も先生もどのような目的があるのかわからない。」

 

「ただ一つ我々が分かっている事はキヴォトスの命運を打開する手段を持つのは先生だけという事です。」

 

「説明は『その場所』に向かいながら行います。どうかご協力をお願いします。」

 

私は不知火カヤに促されるままエレベーターに乗る

目的の階に着き、エレベーターを降りると………

 

「ちょっと待って!渉外代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!・・・うん?隣の大人の方は?」

 

太ももの太い少女が不知火カヤに食って掛かる

 

「渉外代行殿。お待ちしておりました。」

 

「連邦生徒会長に会いに来ました。風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」

 

「各学園からご足労頂き申し訳ありません。しかし、現状において皆様が納得出来るような回答をすることはいたしかねます。」

 

切迫している状況であるものの、苛立や焦りを見せず不知火カヤはあくまで冷静に語る。

 

「つまり現状の連邦生徒会において速効性のある処置は期待出来ないと?」

 

「そのような認識で構いません。」

 

「数千もの学園自治区が混乱に陥っているのよ!この前なんか、うちの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」

 

太ももの太い少女がヒートアップしたのか連邦生徒会の不手際を責める。

 

「連邦矯正局で停学中の生徒達について、一部が脱出したという情報もありました。」

 

「スケバンのような不良たちが、登校中のうちの生徒たちを襲う頻度も、最近急激に高くなりました。治安の維持が難しくなっています。」

 

「戦車やヘリコプターなど、出所の分からない武器の不法流通も2000%以上増加しました。これでは正常な学園生活に支障が生じてしまいます」

 

同じく他の生徒達も各々の不満や問題を述べる。

 

「こんな状況で連邦生徒会長は何をしているの? どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」

 

最後に太ももが生徒達を代表して一番の要求を述べた。

 

「正直に現状を申しますと、連邦生徒会長は現在その席にはおりません。先日より行方不明となりました。」

 

「・・・え!?」

「やはりあの噂は・・・。」

 

「それにより『サンクトゥムタワー』の最終管理者が不在となり、連邦生徒会は行政制御権を失った状態にあります。」

 

「今、連邦生徒会は連邦生徒会長の捜索と『サンクトゥムタワー』認証の迂回方法に注力しており問題に対する対応能力が大幅に低下している状態となります。」

 

「ただ・・・我々も手を拱いて現状を静観していた訳ではありません。火宮委員」

 

「は、はい。」

 

「矯正局での事件は事実です。しかし、防衛室長権限で事態の収拾を図る為、すでに鎮圧部隊を派遣しております。全ての脱獄生徒の捕縛は不可能ですが現状にて5割の生徒の捕縛に成功しております。」

 

「自警団の守月さん」

 

「はい」

 

「広域的な治安維持は現状の連邦生徒会において難しい業務となっております。『サンクトゥムタワー』の行政制御権を取り戻さなければ手を付ける事も出来ないのが実情です。」

 

「正義実現委員会の羽川副委員長」

 

「武器の不法流通については現在、公安局にて捜査中となっております。ただ発生件数が調査能力と比較して大幅に増え、飽和状態となっている為、現状大口の取引から洗い出しを行っております。」

 

「最後にセミナーの早瀬ユウカさん」

 

「はい。」

 

「インフラに関してもまずは『サンクトゥムタワー』の行政制御権回復が優先で連邦生徒会として何一つ行動出来ていないのが現状です。連邦生徒会を代表して私が謝罪します。」

 

不知火カヤはそれぞれの案件に対する現状での進捗状況や具体策、そして謝罪を最大限言葉に気をつけて行う。

 

その姿勢に誠意が感じられたのか、生徒達は怒気を鎮め

 

「連邦生徒会の窮状については理解しました。そして誠意のある説明には感謝します。しかし、抜本的な解決策はあるのでしょうか?」

 

「『サンクトゥムタワー』の件ですが先ほどまでは解決方法はありませんでした。」

 

「それでは、今は方法があるということですか、渉外代行?」

 

「この先生こそが鍵となられるお方です。」

 

「この方が?」

 

「ちょっと待って。そういえばこの先生はいったいどなた?どうしてここにいるの」

 

「キヴォトスではないところから来た方のようですが・・・・・・先生だったのですね。」

 

「はい。こちらの先生は、 これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です。」

 

「行方不明になった連邦生徒会長が指名………………? ますますこんがらがってきたじゃないの………。」

 

「先生。改めて、こちらがミレニアムサイエンススクール、セミナー所属の早瀬ユウカさんです」

 

「よ、よろしくお願いします。先生」

 

「こちらが、トリニティ総合学園正義実現委員会副委員長の羽川ハスミさん」

 

「よろしくお願いします。以後お見知り置きを」

 

「同じくトリニティ総合学園自警団所属の守月スズミさん」

 

「よろしくお願いします。先生、」

 

「最後がゲヘナ学園風紀委員所属の火宮チナツさんです。」

 

「よろしくお願いします。」

 

「先生は本来、連邦生徒会長の立ち上げたとある部活の担当顧問としてこちらにお越し頂きました。」

 

「連邦捜査部『シャーレ』」

 

「単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒たちを、制限なく加入させることすらも可能で、各学園の自治区で、制約無しに戦闘活動を行うことも可能です。」

 

「シャーレの部室はここから約30km離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令で、そこの地下に「とある物」 を持ち込んでいます。」

 

「まずは先生をそこにお連れしなければなりません。」

 

「蕪木副官、ヘリの離陸準備は出来ていますか?」

カヤはインカムに向かって語りかける。

 

しかし、通話の相手は予想だにしていなかった緊急事態を告げる。

「不知火室長!!現在D.U.区郊外において矯正局収監停学生徒の残党が連邦生徒会に恨みを抱き、暴動が発生しています!!」

 

「戦力は巡航戦車数両を含む100人規模、地域の不良も巻き込んでおり防衛室の即応部隊とワルキューレでは鎮圧不能です!」

 

「このままでは『シャーレ』含むD.U.区が焼け野原となる可能性があります!また、『シャーレ』内にある重要物も略奪の被害に遭う可能性が高いです。至急、防衛室にて指示をお願い致します。」

 

カヤは一瞬目を瞑り、思考した後

「……いいえ、私が直接現場に向かいます。蕪木副官はD.U.地区にて非番問わず招集可能な人員を優先的に『シャーレ』方面に投入して、これは防衛室基準【準戒厳体制】よ、臨時招集された職員に対する補償は追々指示します。」

 

「第1目標は『シャーレ』オフィスビルの死守、これは今回に限り如何なる目標より優先順位が高いわ、第2目標としてD.U.区郊外市民の避難保護。普段とは目標が異なるから注意して」

 

「承知しました。【準戒厳体制】発令及び優先目標を各部署に通達致します。」

 

「お見苦しい姿をお見せして申し訳ありません。」

突如、不知火カヤの纏う空気が変わった。

 

「事態は差し迫っております。ここにおいては1人でも人手が多い方がありがたいです。」

つい、数分前までは物腰穏やかな表情で話していた雰囲気が

 

「な、何?どういう意味なのよ」

 

「丁度ここに各学園屈指の腕を誇る方々がおられます。」

 

「連邦生徒会の為というつもりはありません。D.U.に暮らす無辜の市民のためにその腕を振るっていただきたいという厚かましいお願いです。」

野戦指揮官のような鋭い空気に

 

「もし、この厚かましい願いを聞き入れていただけるのでしたら、どうか私と共に『シャーレ』へと向かっていただけませんでしょうか?」

反論は無かった。

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