ブルーアーカイブ異聞録 カヤ*転生者    作:連邦生徒会のモブ書記

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プロローグ∶発令、『シャーレ』突入作戦(カヤ視点)

『シャーレの先生』が急遽、各学園の寄せ集めチーム(精鋭小隊)を率いる事になったので私は道中に最低限の打ち合わせを済ませ、集結しつつある防衛室傘下の部隊の掌握に動いた。

 

蕪木(かぶらぎ)副官からの通信で、現在集結中の部隊は

 

第16広域警備中隊『祭』(集結率18%)

第22D.U.区警備中隊『垣』(集結率8%)

防衛室即応中隊(集結率100%)

第11対戦車中隊『シラトリ』(集結率不明)

第1臨時火器支援中隊(集結率#N/A)

第2臨時擲弾兵中隊(集結率#N/A)

 

データ上では6個中隊と非常に豪華であるが、防衛室即応中隊を除けば集結率が絶望的だ。

さらに罠として非番人員の臨時編成中隊が2つも含まれている。

 

「ここ数日のD.U.区の治安の良さが祟りましたね………」

他の地域の対応や脱獄生徒捕縛の為に防衛室戦力が完全に分散してしまっている。

 

「対戦車中隊の集結率と装備は!?」

 

防衛室にて通信指令係(ディスパッチャー)を代行する蕪木(かぶらぎ)副官に最も重要な事を問う。

「現在専門の対戦車中隊が出払っており、臨時火器支援中隊を対戦車中隊として派遣しました!中隊集結率は40%です」

返って来たのは想像以上に悪い状況だ。

 

「定数割れした臨時火器支援中隊………まずいですね。ただでさえ人員が少ない上に中隊装備の対物ライフルではクルセイダー巡航戦車の正面装甲を抜く事は不可能です。」

中隊装備のM82対物ライフルの装甲貫通力は交戦距離500メートルで約30mmである。

これで正面装甲50mmのクルセイダー巡航戦車を撃破する事は難しい。

元々が対戦車運用を想定していないのだから仕方がない。

 

それにしてもこの状況は最悪だ

 

中隊充足率が低い為、運用可能なライフルは2丁、それに加えて臨時火器支援中隊の為練度は低い。

これでは側面装甲を狙う事も儀装品や履帯を破壊してスタックを狙う事も難しい。

 

「先生指揮の精鋭小隊が突入するまでの間、私達は敵戦車を引き付けます。」

 

「中隊長心得、対物ライフル隊はバリケード正面に布陣してください。」

中隊長すら不在で40名足らずの急造チーム、正直不安であったが

 

「しかし……それではすぐに戦線を突破されてしまいます。」

中隊長心得(代理)なだけあり、私の指示の無謀さを理解しているのか懸念を伝えてくる。

 

しかし………

 

「大丈夫です。私の『神秘』で何とかします。」

私には一応『奥の手』がある。

最悪の状況を見越して蕪木副官ではなく、私が直接指揮する事を決めた理由の一つだ。

 

「対物ライフル隊、準備完了しました!敵巡航戦車5両接近!!」

観測係が鬼気迫る声で叫ぶ。

 

敵は市街地戦の教本通りに戦車を歩兵の盾としてゆっくりとにじり寄って来る。

 

「正解よ………でも私達には都合が良かったわ。」

 

不知火カヤのヘイローが輝き、瞳の奥に時計の文字盤が浮かぶ

 

それと同時に発射された

Aleph&Bullet Chemical Group製12.7×99mm フルメタルジャケット弾は銃身から射出された段階より物理法則を完全に無視した加速を開始する。

 

同時に何者かに誘導されるように軌道を僅かに変え、クルセイダー巡航戦車砲塔部の正面装甲を貫通する。

 

内部機構を破壊し、装填済みであった対歩兵用HE弾が誘爆するとクルセイダー巡航戦車は内部からの爆圧に耐えられず、火を吹き沈黙した。

 

「や……やりました!でも、どうして……室長!」

 

「次弾装填!!」

中隊長心得が浮かれる隊員に喝をいれ、隊員は慌てて次の2両に照準を向ける。

 

照準を合わせ、発射の号令をかけようとした瞬間

 

ダァン!

 

クルセイダー巡航戦車の砲身が火を吹く

 

「させません!」

 

再びカヤのヘイローが輝くと

 

砲身内で発射中のHE弾が筒内爆発を起こし、爆風と破片が砲塔内を襲う。

 

ほぼ同時に砲塔内に配置されていたHEAT弾が誘爆を起こし1両のクルセイダー巡航戦車が爆散する。

 

「撃て!」

 

再び放たれた対物ライフルは1両の砲弾を誘爆させ沈黙、もう1両のエンジンルームを打ち抜き、ガソリン火災を引き起こした。

 

「今です!小銃小隊突撃!」

戦車を全て撃破され、恐慌状態にある集団に対して楔を穿つ。

 

同時にシャーレ側面から迂回攻撃を意図していた防衛室即応中隊が戦車の脅威が消えた為、突撃を開始する。

 

「室長、精鋭小隊の『シャーレ』到達を確認しました。」

 

蕪木副官から待ち望んだ報告が入る。

どうやら『先生』はその任に足る指揮能力を持っていたようだ。

 

「これでとりあえずの危機は去りましたね。」

 

防衛室戦力は徐々に本来の中隊が到着しつつあり、敵集団は組織的抵抗を終えつつある。

 

「私もシャーレに向かいます。」

 

掃討戦を中隊長心得に任せ、私は当たらないHGを乱射しながらシャーレへと向かった。

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