M.H.Wilds ~とある隊の手記~ 作:TDN_K
[1.ハンター HR1 プレイ時間____]
・[2.ケイ HR1 プレイ時間____]
[3.新しく始める]
私は現在、砂上船に揺られながらこの手記を書いている。 一応、ここまでに至る経緯を後に書くであろう現地レポートの為に記しておく。
数日前のことだ。新大陸での調査から戻り、故郷のような場所であるベルナ村にて休暇を楽しんでいた私に宛てて、ハンターズギルドからの要請が届いた。
その内容は「これ迄の貴殿の働きを元に、ハンターズギルドは貴殿を、禁足地調査隊ハンターに任ずる。数日後にギルドより出立する砂上船に乗り、禁足地へ迎え」と言うものだった。 非現実的な話だが、禁足地にて古代言語を話す少年が保護されたと言う。
その少年によれば「禁足地には守人なる一族の住む人里がある」「とあるモンスターによって里が襲撃され、単身逃げ延びた」「逃走に使った地下道が崩壊し、帰れなくなった」とのこと。余りにも信じがたい。
しかし事実であるのなら、ハンターとして救援に向かうべきであろう。ギルドからの指令書には、少年からもたらされたであろうモンスターの詳細が記載されていた。
「白い体毛と鱗に包まれた身体」「両腕から伸びる長い器官を攻撃に用いた」「突然空から現れた」
白い身体で、両腕に長い攻撃に使う器官があり、恐らく空を飛べる。この三点が合致するモンスターは、現存するモンスターのどれにも当てはまらなかったが、たった一体心当たりがあった。嘗て私がとある地へ調査に赴いた時、其処にいた竜人族の老人から聞き、龍歴院にて古い文献に記載があったモンスター。
確か「白き鎖の刃を持つ竜」文献では「鎖刃竜 アルシュベルド」と呼ばれたモンスター。既に存在しない筈の、絶滅種。もし少年の言葉が事実であり、アルシュベルドが存在しているとするならば、なんとも心が躍る とは言え、守人一族の安否が不明な以上はそれを優先するべきだろう。
禁足地調査隊と言う名前は幾つかの隊の総称であるらしく、個別に「鳥」「星」「赤」と言った名を冠する隊がある。私が所属する隊は「夢の隊」だそうだ。 駆け出しの頃に元気ドリンコを持たずに夜鳥ホロロホルルに挑み、案の定幾度と無く眠らされ、何度かクエストを失敗したことのある私への皮肉だろうか?
赤の隊はロッソと言うハンターが所属している。赤いものを好んでいるのか装備も赤いものが多かった印象だ。基本的にヘヴィボウガンを使用している様子。今度時間を作って教えて貰おうか検討している。
星の隊はオリヴィアと言うハンターが所属している。彼女の装備は確か、ギルドが認めるエースのみが生産、着用を許可される特別なものだった筈。相当の腕前なのだろう。主にハンマーを使っているらしく、モンスターを気絶させる立ち回りをしつつ仲間にも気を配る見習うべき手腕を持っているようだ。
鳥の隊は驚くべき人物がハンターとして所属していた。基本的にオトモアイルー以外が共に居ることが無かった為に、てっきり一人を好んでいると思っていたのだが、話してみれば少し口下手ではあるが気の良い、高潔な人物だった。噂ではかのファビウス提督直々に調査隊ハンターを任じられたとか。それを納得させる実力を持つハンターであることは間違いない。機会があれば是非とも共に狩りに赴きたいものだ。
他にも私の友人であるハンターが何人か居た。「緑」と「猫」を冠する隊に所属している。そう言えばもう一つ、私の友人が所属する「銀」を冠する隊があったらしいが、当の友人がトラブルで泣く泣く参加を遅らせることになったとか。非常に残念だ。
其々の隊にはハンターとそのオトモアイルー、そして編纂者と技術者が一人ずつ所属しており、編纂者は現地調査や安全確保、事態の収拾の為、ハンターへ任務を要請することが可能らしく中々新鮮な心持ちである。例外として、鳥の隊には件の少年、ナタくんも所属するようだ。
顔見知りの編纂者は星の隊のエリックくらいだろうか。生物学のエキスパートである彼とは龍歴院での任務で何度か顔を合わせ、今では研究者として良き友人である。オリヴィアから「似た者同士だな」と呆れた笑顔で言われたのは少々心外だが。私は彼処まで情熱的じゃない 多分。
技術者にはこれまた驚くべき人物がいた。加工屋の娘、ジェマさん。彼女自身、というよりは彼女と関わりの深いハンターや団長殿には世話になった。とある龍の対処に助力していただいた恩は忘れていない。
今回の調査にて同道する他隊と顔合わせの後、自らの隊のメンバーを確認したのだが。どうやら私の所属する隊も例外の一つだった様だ。
前述の通り、本来調査隊はハンター、オトモアイルー、編纂者、技術者の四名の編成となっており、例外として同行者が含まれる事はある。しかし私の隊には編纂者ではなく、謎の人物が所属している。彼女については最後に記するとしよう。スペースが足りなくなる恐れがある。
まずハンターである私、ケイ。龍歴院所属の研究者兼ハンターであり主な拠点はベルナ村。主武装は片手剣、盾剣、双剣、太刀、弓、ヘヴィボウガン、ハンマー。駆け出し時代に「四天王」や「二つ名」モンスター、複数の古龍級生物の調査を行い、「骸の双頭」と「蠢く墟城」を単身にて討伐。その後新大陸調査隊として抜擢。黒龍討伐作戦に「蒼き星」と呼ばれるハンターを救援する形で参加。
私のオトモアイルーはポチ。駆け出しの頃から新大陸まで連れ添ってくれているグレーの毛並みが可愛らしいオトモ。その勇気と機転に何度命を救われたことか。胸を張って最高のオトモと自慢できる。
技術者はシェロ。気難しい職人気質で皮肉屋と言う嫌われやすい性格だが、心根は優しい青年。嘗てはハンターだったらしく、実のところ双剣と弓の使い方は彼の指南を受けたことがある。彼の仕上げる武具はかなりの逸品であり、遠方から依頼が来る程の性能である。
最後に 謎の人物、リンネ。彼女についてはギルドから直々の要請。 本人への任命ではなく、私に対する要請で隊に加えることとなった人物で、なんと古代言語を話す銀髪の女性だ。ナタとは別の言語であり、学術院が本人の証言を元に調べてみれば、凡そ100年前、黎明期とでも呼ぶべき時代の言語であるとの見解だった。非常に信じがたい。
リンネと言う人物の身分を証明するものは全く無く、持ち物は嘗て存在していたとされる古代文明の勲章や武具等。ただ、残された旧い文献を漁れば彼女に似通った人物の記載が断片的ではあるが残されていた。
学術院と彼女によれば「白き者、彼方より出で、この世全てを無に帰さん。五つの星、此を否とし、白き者を鎮めん」と記されていたそうだ。白き祖が何かは知らないが、恐らくあの悪夢と同じ類いなのだろう。思い出すと冷や汗が出る。
まず同一人物の本人だったとして何故竜人族でもないのに生きているのか。今まで何をしていたのか。諸々を聞きたいが余りにも夢のような話である為真偽を確かめるべく、本人の性質を確かめそれを元に信じるか否かを決める時間を作るため、調査隊に所属することになった。 ハッキリ言えば、体の良い厄介払いである。
煌黒龍の編纂書を全て燃やしてしまう程だ。学術院の中にはそういう過激と言うか、臭い物に蓋をする者が少なからず存在してらしい。リンネは気付いていないのか、気付かないフリをしているのか。後者でないことを祈る。
恐らくこの夢の隊はリンネと言う爆弾を管理する為の檻の様なものなのだろう。良い気はしないがギルドからの要請であるため逆らうわけにもいかない。せめてもの反抗として、リンネにはなるべくこの機会を楽しんで貰おう。 ここはレポートには書けないな。
リンネは盾斧やらガンランスやらを見て眼を輝かせていた。あれでいて、新しいもの好きなのかもしれない。生態調査における注意点や、最低限の知識を教えている時はゲンナリしていたが。勉強は嫌いなのだろうか。
そう言えば、リンネ自身にもオトモアイルーが就くことになった。ショコラと言う、黒い毛並みが特徴的なアイルーだ。リンネと初対面の時は「かわいい!!」の一声の後撫で回されていた。非常に可愛らしい光景だった。
リンネと言う人物は ハッキリ言ってしまえば、不審者だ。証言の信憑性もあるが、もしも証言が本当ならば、何故100年前の存在が生きているのか。何故今になって現れたのか。何故を浮かべればキリがない。が、個人的には悪い人間ではない と思う。
食べることと可愛いものを好むあの姿は何処にでも居る人間に見えた。所々浮世離れ いや、あれは世間知らずだな。そのような部分もあるが、人との接し方や言動からは、裏表が無く嘘を吐けない人物だと感じる。アレが演技なら相当な策士だが、絶対にそれは無いと断言できる。そのような悪知恵を働かせるよりオヤツの事を考えていそうな人物だ。
たった一つ懸念があるとするならば、食費の問題だな。我々ハンターは総じて大飯喰らいな者が多いが、彼女は特に食べる。びっくりするほど食べる。具体的に言うと食料配給係が苦しい悲鳴を上げて専用配給係を作る程に食べる。
外が騒がしくなってきた為、確認に向かう。何があったのか
夢の隊ハンター ケイ
ーー挟まれたメモーー
いつの間にかリンネが消えていたと思えばフィールドに出ている 子供のお守りをしている気分だ