ハーメルン・アウトサイダーズ   作:夢野飛羽真

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こちらは私、夢野飛翔真の作品「仮面ライダーエボル・ライジング」になります。
皆さん楽しんでいってください!


仮面ライダーエボル・ライジング
第1話 パンドラの箱


「あれ…?ここは…?」

 

目を開くと入ってくるのは、森の木々とその間から差し込む日差し。

俺が住んでいる町ではあまり見かけない光景だ。

地面もコンクリートで舗装された未知じゃなくて土、まるで田舎にでも来たみたいだ。

 

「けど、なんで…?」

 

だけど、田舎に来た覚えなんてのはない。

なんでかって?

だって俺はさっきくだらないサメ映画でも借りようと思ってレンタルビデオ店に向かっていた筈だから。

都会にいたはずなのに、急に自然豊かな田舎にいる。

これはもしかして夢なのだろうか?

 

「いや、そうか…これは…」

 

俺はレンタルビデオ店に向かう途中、トラックに撥ねられそうになっていた少女を見つけて、助けようとした…

そこからの記憶が無い…

となるとここは昏睡中の俺が見ている夢?

それとも天国?

だとしたら嫌だな。

死んだってことは、もう俺が生きていた世界には戻れない。

友達にも家族にも会えない…

 

「けど、今は状況を把握するしかないか。」

 

考えていても仕方ないし、もし俺が死んでいたとしてもそのことを悲しんでも仕方ない。

今どういう状況なのかを確認して、どう動いていくべきかを考えるっていうのが最善策だ。

 

「ところで、これって?」

 

さて、そこで気になるのは俺の目の前にある箱だ。

 

「これは…"パンドラボックス"だよね?」

 

その箱に関して、俺は見覚えがあった。

それは、俺が昔見ていた番組、仮面ライダービルドに登場したパンドラボックスだ。

6枚のパネルがくっついてできた様なこの箱が、なんでこの場に?

 

『エボルドライバー!』

 

興味本位でパンドラボックスに触れてみると、ワインレッド色の機械、エボルドライバーが出てくる。

もしかしてだけど、これで仮面ライダーに変身できるのかな?

となると、疑問なのはなんでそんな力が俺の手元にあるのかだ。

仮説だけど、俺がトラックに轢かれて死んでしまって、異世界に転生してこのボックス及びその中の力が転生特典か…まあ、仮説1とでもしておこう。仮説2はここが俺の夢の中で、仮面ライダーに変身する夢を見てるってとこかな。

 

「キャアアアアアア!!」

 

その時だった、この森の近くの方から悲鳴と爆発音が聞こえてきたのは。

誰かが襲われているのか?

とにかく行ってみよう!

そう思ってパンドラボックスを抱えて走り出そうとした時、パンドラボックスは光を放ちバングルに変化して俺の手首に装着される。

俺の意思に合わせて変化したのかは分からないけど、これなら持ち運びに困らなさそうだし便利で良いね。

そんなことを考えながら、俺は声のした方に向けて走り出す。

 

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「こっちだ!早く!」

 

田畑が広がるとある村の平穏は突如崩れた。

突如現れた複数体の獅子のような姿をした魔物達が、村を襲った。

全長7mほどの大きさで常にたてがみが燃えているような姿の獅子、エンジシが数頭村に現れて、口から吐く炎で村の畑の作物を燃やしていく。

村の人々はエンジシからの襲撃から逃げていく中、彼らと逆方向、即ち魔獣達の方に向けて走っていく者達がいた。

 

「皆は消火をしてくれ!俺がアイツらをぶっ飛ばす!」

 

鎧を着た5人の男達の中でも最も若く、背も低い男が指示を出すと共に他の鎧の男達が燃える田畑に向けて手を翳せば、手元に青い魔方陣が形成され、魔方陣から放たれた水が炎を消していく。

そして、指揮を執っている少年が手に持った槍を構えると、その槍の刃先に炎が纏わりつく。

 

「フレイムスピアー!」

 

槍の先端から放たれた炎の刃が、一体のエンジシの首を貫き、首を貫かれたエンジシの巨体が地面に倒れ伏す。

 

「よし!やったぞ!次はアイツだ!フレイムスピアー!」

 

少年は再び槍を構えてその刃先を、別のエンジシに向けると再び炎の刃を飛ばすが…

 

「ま、マジか…」

 

エンジシが口から火球を放ち、その火球が炎の刃を相殺した。

 

「ぐわあッ…!」

 

自身の技を防がれてしまった事に驚きを隠せない少年を、魔獣が前脚で突き飛ばす。

 

「クレイブ様!ここは退いてマルコス様を呼んだ方が…!」

 

「父上が来る前に何とかしないとッ…!」

 

クレイブと呼ばれる少年に、鎧を纏う兵士が駆け寄り声をかける。

 

「危ない!」

 

だが、さらに追い打ちをかける様にエンジシ達が口から炎を吐き出すと、クレイブと彼が引き連れる兵士達が吹き飛ばされる。

 

「皆!」

 

クレイブ以外の兵士達は今の攻撃で倒れ伏して、気を失っている。

クレイブだけが槍を地面に突き立ててそれを杖代わりにして立ち上がり、その槍先を再びエンジシに向ける。

 

「あれが人を襲っている魔物か…」

 

その様子を、森の木々の間から見つめている1人の男が居た。

背が高く、オレンジ色の瞳に整った顔立ちの赤髪の青年が木陰からエンジシとクレイブの様子を見ていた。

クレイブが再びフレイムスピアーを放つのに対し、エンジシが火球を飛ばして攻撃を相殺していく。

その様子を見ながら青年は腰にワインレッド色のベルトを巻く。

 

『エボルドライバー!』

 

「あの子、劣勢みたいだし助けてあげないとね。」

 

そう、彼は先程トラックに轢かれてこの世界にやってきた青年だ。

彼は手首に付けたパンドラボックスが変化したバングル…パンドラバングルを構えると2本のボトルが出てくる。

 

『コブラ! ライダーシステム! エボリューション!』

 

そして、青年はその2本のボトル、コブラエボルボトルとライダーエボルボトルをエボルドライバーに装填し、ドライバーのレバーを回す。

 

『Are you ready?』

 

「変身」

 

『コブラ! コブラ! エボルコブラ!フッハッハッハッハッハッハ!』

 

そして青年の肉体は、コブラを模した鎧を身の纏う。その鎧は天球儀や星座早見盤など宇宙に関連する器具をモチーフとした部位が多く付いている。仮面ライダーエボル・フェーズ1・コブラフォームに変身した青年は、右手にスチームブレードを、左手にトランスチームガンを構えて、エンジシ達に向けて走り出す。

 

『ファンキーアタック!ハリネズミ!』

 

走りながらエボルがトランスチームガンにハリネズミフルボトルを装填し、引き金を引くと、ハリネズミの身体の針を模したエネルギー弾が何十本もトランスチームガンの銃口から放たれて、エンジシ達を刺し貫く。

 

「あれはッ…!?」

 

『ファンキーアタック!ピラミッド!』

 

続いてピラミッドフルボトルをトランスチームガンに装填すると、銃口からピラミッドを模したエネルギー弾が撃ち出されて、そのエネルギーがエンジシ達に着弾するとともに爆発し、数体のエンジシ達はその一撃で一気に倒れていってしまう。

 

「さて、ここからは俺に任せな。君は他の奴らを引き連れてここから退くんだ。」

 

「誰かは分からないがかたじけない!皆!こっちだ!」

 

クレイブは意識を取り戻しつつある兵士達を叩き起こしてその場から引き下がる。

一方のエボルは残った3体のエンジシと向かい合う。

彼がクレイブを救い魔獣達と戦う理由、それは自身に宿った仮面ライダーエボルの力を試すためだけではない。

彼自身、弱き者や困っている人々を放ってはおけない気質があり、自然とクレイブ達を守るように体が動いていた。

彼自身この力を使い始めて間もないが、仮面ライダーエボルの戦いは知っており、トランスチームガンとフルボトルを使う戦術をアドリブで遂行し、既に襲撃に来ていたエンジシの数を半数以上減らしていた。

 

『エレキスチーム!』

 

そして次にとった戦術は、スチームブレードを使ったものであった。

スチームブレードのバルブを捻ると、青い電撃が放たれて、3体のエンジシの身体を痺れさせて怯ませる。

 

「さて、一気に仕留めるよ。」

 

『コブラ!』

 

エボルは手元のトランスチームガンとスチームブレードを合体させて、トランスチームライフルにすると、コブラロストフルボトルを装填する。

 

『スチームショット・コブラ!』

 

そして引き金を引くと共に、トランスチームライフルのブレード先端部分にある大口径の銃口"エンドショットマズル"からコブラの姿をしたエネルギー弾が放たれて、蛇行しながらそのエネルギーが3体のエンジシに向かってぶつかっていく。エネルギー弾を受けたエンジシ達の身体が次々と爆散していく。

 

「これで全部かな…?」

 

「み、見事です…!」

 

襲撃に来た全てのエンジシを倒したことを確認するエボルに、クレイブが駆け寄ってくる。

 

「なんだアレ…?」

 

「あの魔獣達を一瞬で…?」

 

「無傷で倒してしまった…」

 

周囲にいる村の住民達も、エボルがエンジシ達を全て倒してしまった事に驚きを隠せない様子だ。

 

「あ、あの…!まずは村や俺達を救けてくれてありがとうございます!助けてくれたお礼をしたいのですが、まずは名前を教えていただきたいです!」

 

そんな中、クレイブが自分達を助けてくれたことの礼を述べ、畏まった表情で深々と頭を下げる。

 

「いいよ、気にしないで。ま、一応そうだね…俺の名前は石渡颯馬…ま、ソウマって呼んでよ。」

 

エボルは、彼らからのお礼を少し遠慮しつつも、名前を名乗ることで何か不利益を被ることはないだろうと思い変身を解除しながら、自身の名前を名乗った。

 

「ひ、人の姿に戻った!?特殊な魔族の方かと思っていましたが…特殊な魔法なのでしょうか…?」

 

「ま、そんな感じ。」

 

颯馬は、彼らの言葉から改めて自身がトラックに轢かれて異世界に転生してしまった事を実感する。

そして、魔族や魔法と言う言葉から、ここが異世界なのだと再認識しつつも、自身の仮面ライダーエボルの力もそう言った魔法の一環であるとして通すことにした。

 

「こんな魔法を使えるとは…一体どこの国から来られたのですか!?」

 

「うーん、まあ俺は通りすがりって感じだから。まあ、流浪の者ってかん…「おーい!クレイブ!無事か!」おっと、誰か来たみたいだね。」

 

するとそこに、馬の様な姿をした魔獣、ロードホースに跨った毛皮でできた鎧を身に纏う中年の男がやって来た

 

「父上!」

 

「エンジシの群れが襲撃をしてきたと聞いたが、もう事態を収束させたか…しかし、まさかクレイブがエンジシを退けるとは…」

 

「いえ、俺の力ではなくて、こちらのソウマ殿が助けてくれました!ソウマ殿がいなければ今頃我々は…」

 

やって来た男はクレイブの父親であり、彼は自身の息子が村を襲ったエンジシを退治したのだと考えて賞賛の声を送るが、クレイブ自身はそれは颯馬のお陰であると否定する。

 

「うむ、こちらの青年が村を救ってくれたのか…改めて礼を申し上げる。さて、何か礼の品を差し上げなくてはな…」

 

「マルコス様!こちらの御方は現在旅人とのことで、宿と食事を提供するのは如何でしょうか?」

 

クレイブの父の名はマルコスと言い、クレイブと共にいた兵士の1人が颯馬が先程流浪の身と言っていたことを思い出して礼の内容を提案する。

 

「うむ、宿の提供か…いや、しばらくの間の衣食住を全て提供しよう。好きなだけ滞在してもらっても構わん。」

 

マルコスは颯馬が流浪の身であるということを聞き、ここに一夜泊まってもらうだけでなく、更に別のことを思いつく。マルコスはこの村を含めた付近の地域の領主を務めているが、先程のエンジシなどの魔獣や魔物によって領地が危機に瀕することも少なくはない。そこで、エンジシ達を退ける力を持つ颯馬を手元に置いておくことで魔獣から村を守れるのではないかと考えて衣食住の提供、即ち自身の領地内に住処を提供することを提案する。

 

「それじゃあ、それでお願いしようかな。後は、俺はこの辺のとか詳しくないし教えてもらえると嬉しいな。」

 

転生して間もない颯馬にとって、衣食住を確保できることはありがたいことであった。

一先ず生活を安定させるだけでなく、まずは情報収集もしようと考えて答える。

 

「うむ、では明日我々の城に招きそこで説明しよう。一先ず今は城の近くの空き家にてゆっくりしていってくれ。」

 

こうして、仮面ライダーエボルの力を持って転生した石渡颯馬の異世界生活が始まったのであった。




主人公:石渡 颯馬(いするぎ そうま)
基本情報
年齢:19歳(大学生)
外見:整った顔立ちにオレンジ色の瞳が特徴的。髪色は赤色。
体格:身長185cmと高めで細マッチョ
CV:岡本信彦
イメージキャラ:赤羽カルマ(暗殺教室)
性格・行動
性格の特徴:普段はいたずら好きで飄々とした態度を見せるが、頭が切れ、策略家の一面も持つ。
余裕を持った態度だが、内心では冷静に状況を分析している。
人をからかうのが得意だが、正義感強いという一面がある。
戦闘では相手を翻弄するスタイル
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