「ほら!さっさと行くわよ!」
ニコはそう呟きながら、俺を先導するように護衛依頼をした依頼人の元へと向かう。
今回の移動に伴い、護衛を考え、ライドチェイサーを三人乗りが行えるように改造を終えた後に、ニコと共に走っていた。
ライドチェイサーの三人乗りは非常に珍しい姿で、周囲の人々は俺たちを見て興味深げに注目する。ニコは俺の後ろに座り、その手をしっかりと俺の腹に巻きつけている。その手はしっかりと俺を掴み、決して離さないという決意を感じさせた。
「あんたって、本当に無口よねぇ」
ニコの声は風に掻き消されそうだったが、その言葉には少しの不満が混じっていた。
俺はその言葉には何も返さなかった。ただ、ライドチェイサーのハンドルを握りしめ、目の前の道を一直線に進む。風が俺の顔を叩きつけ、その音は耳元でうるさく響く。その風の中にはニコの髪が舞い上がり、その香りが俺の鼻を刺激する。
「黙れ、それよりも依頼人はどこだ」
「えっと、確か、この辺りに住んでるって」
ニコの言葉には少しばかりの不安が感じられた。彼女は地図を見ながら周囲を確認しているが、その目には焦りが見える。
俺はニコの言葉に耳を傾けながら、ライドチェイサーをゆっくりと停める。周囲には静かな風景が広がり、田畑が広がっている。人々が働いている様子が見受けられるが、その表情はどこか疲れている。
「あそこね」
ニコがそう呟きながら指差した場所には、小さな家が建っていた。その家は古く、壁にはヒビが入り、屋根には穴が開いている。
俺はライドチェイサーから降りると、そのままその家へと向かう。
「ちょっと、待ってよ」
ニコも慌ててライドチェイサーから降り、俺の後を追いかける。彼女の足音が俺の後ろから聞こえてくるが、その声には少しばかりの緊張が感じられた。
家の中に入ると、一人の少女がいた。
その少女は、子供達と手を繋いでいた。
子供達は少女に向かって、「行かないで」と懇願している。
その少女は。
「大丈夫、私がいなくても、皆ならきっとなんとか出来るから」
少女は優しい微笑みを浮かべながら、子供たちに答える。
「でも、お姉ちゃんがいなくなったら、私たちどうすればいいの?」
子供たちの声は悲しみに満ちていた。彼らの表情には絶望の色が浮かび、その瞳には涙が溢れていた。少女の手を握る力は強かった。
すると、俺達の方に気づくと、子供の一人が俺達の方へと行く。
「お願い!お姉ちゃんを連れて行かないで!」
「えっ、ちょ、いきなり何を言っているのよ」
突然の質問に対して、ニコは戸惑いを隠せずにいた。彼女の声には明らかに驚きと戸惑いが含まれていた。彼女はその質問の意図を理解できず、その場に立ち尽くしていた。
ニコの戸惑いは明らかで、彼女の表情は混乱と困惑に満ちていた。彼女はその質問に対して何を答えるべきか分からず、その場に立ち尽くしていた。彼女の瞳には焦りと不安が混じり、その手は僅かに震えていた。
「あっ」
ニコの言葉には明らかな戸惑いが感じられた。彼女は子供の問いに対して、どう答えるべきか分からず、その場に立ち尽くしていた。
その子供の言葉は明確で、その瞳には懇願と絶望が混ざり合っていた。彼の声は震えており、その表情には必死さが感じられた。彼は少女の手を強く握りしめていた。
その時に少女は、俺達の事を見て、すぐに近づく。
「えっと、貴方達が依頼を受けてくれた冒険者さんですか?」
「えっえぇ、そうよ、あなたがその依頼人の」
「はい、サヨです」
そう、サヨは笑みを浮かべる。
その笑みは優しく、その目には温かさが宿っていた。
「よろしくお願いします」
サヨはそう言うと、俺達に深々とお辞儀をした。
彼女の行動には敬意が感じられ、その姿勢は誠実さを示していた。
「こちらこそ、よろしく」
ニコはそう言いながらサヨに笑みを浮かべる。
彼女の笑顔は明るく、その瞳には期待が感じられた。
サヨの言葉には誠意が感じられ、彼女の行動には礼儀正しさが宿っていた。彼女は依頼に対する真剣さを示し、その瞳には決意が込められていた。
「では、早速ですが、護衛をお願いします」
サヨの声には落ち着きがあり、その態度には自信が感じられた。彼女の言葉には明確な意志が込められていた。
「えぇ、もちろんよ、それでどこまで連れて行けば良いのかしら?」
そうしながらも、ニコとサヨは目的地の確認の為に話し合っている。
その間に、俺に話しかけてきた子供を見る。
「・・・何の用だ」
「お願いっ、お姉ちゃんを連れて行かないで」
「あそこに行ったら、お姉ちゃんは」
懇願してくる言葉から察するに、嫌な予感はする。
だが。
「知るか」
「っ」
「俺はただ依頼を遂行するだけだ。何を運ぶかだけだ」
だからこそ、俺は子供達との話を続ける。
そして、俺を余所に二人は話を続ける。
「その、ここまでお願いします」
それと共に、サヨが指定した場所。
その場所を見たニコは驚きを隠せなかった。
「あんた、正気なの」
その言葉と共にニコは思わず見つめてしまう。
ニコの言葉には明らかな驚きと困惑が込められていた。彼女の声は震えており、その視線は指定された場所に釘付けになっていた。
サヨはニコの反応を見て、少し困った表情を浮かべた。
「問題って、その場所は悪徳商人が管理してる場所よ!」
ニコの声には怒りと不信感が混ざり合っていた。彼女はその場所が悪評高い悪徳商人が管理していることを知っていた。
ニコの怒りは明らかで、その表情には強い拒否反応が現れていた。彼女はその場所に向かうことを拒否し、サヨに対して不信感を抱いていた。
「そんな所にっなんで」
「・・・お金の為です」
「お金」
その言葉に対して、ニコは戸惑う。
「私がそこに行けば、この子達が生きていけるだけのお金が貰えます。だから」
サヨの言葉は強い決意を含んでいた。彼女の瞳には覚悟の色が宿り、その言葉には揺るぎない信念が込められていた。
サヨは真剣な表情でニコを見つめた。彼女の目は真っ直ぐで、その瞳には深い決意が宿っていた。彼女は自分の選択を正当化するつもりはなく、ただ自分の信念に従って行動しようとしていた。
その言葉を聞いた瞬間、俺は理解した。
これは、人身売買の類いだ。
「あんた!そんなのダメよ!そのお金はきっと悪徳商人が騙して取るだけよ!」
ニコは怒りと焦りに満ちた声をあげた。彼女はサヨの行動を制止しようと必死だった。
ニコの声には強い拒絶と怒りが混じっていた。彼女の目には涙が浮かび、その手は震えていた。
けれど。
「そこに運べば良いんだな」
「ちょっ、あんた」
「依頼人はそこに連れて行けと言った。ならば、俺はそれに従うだけだ」
「あんた、本気なの?この子が、どんな目に合うか分からないんだよ」
「知らない、俺の仕事は依頼を忠実に遂行するだけだ」
「・・・あんた」
「さぁ、行くぞ」
俺はそのままサヨを抱えてライドチェイサーに載せる。
サヨは俺に抱き抱えられ、ライドチェイサーの後部座席に座った。
「えっと、このまま行くんですか?」
「あぁ」
「ちょっ、あんた」
ニコの言葉を無視し、そのままライドチェイサーを発進させる。
ライドチェイサーが動き出すと、風が俺たちの髪をなびかせる。
ニコの怒りは明らかで、その表情には強い拒絶が現れていた。彼女は俺の行動を非難し、その声には怒りが込められていた。