ハーメルン・アウトサイダーズ   作:夢野飛羽真

15 / 41
第12話

屋敷から脱出した後、既に外は夜になっていた。

 

「夜になっちまったか」

 

「えぇ、この辺りは夜になると、魔獣が現れやすいんだよ」

 

ニコはそう説明する。

 

俺はそれに頷きながら、そのままライドチェイサーから降りる。

 

夜道で進むのは危険な為に野宿をする事になる。

 

その為に、焚き火を用意して、野宿をしようとする。

 

だが。

 

「あんた、最初からあぁするつもりじゃなかったの」

 

ニコは俺に詰め寄る。

 

彼女は俺の行動に対して強い怒りを抱いていた。彼女の言葉には非難と怒りが込められていた。

 

そんな目に対して、俺は気にせずに珈琲を飲む。

 

「最初からも何も、俺はただ単に仕事を全うしただけだ。何よりも護衛の依頼を受けたのはお前だ」

 

「うぐっ、それはまぁそうだけど」

 

ニコは言葉に詰まる。

 

しかし。

 

「けど、あんたが最初から助けてくれれば」

 

「依頼は依頼だ。依頼を果たすのが俺の役割だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

「ふんっ」

 

俺の言葉に、ニコは不満そうな表情を浮かべる。

 

だが。

 

「まぁまぁ」

 

そんな俺達の間にサヨが入る。

 

そして、サヨは。

 

「追跡さん」

 

「・・・なんだ」

 

彼女は、そのままにっこりと笑いながら、俺の方を見る。

 

「助けてくれて、ありがとうございます」

 

「・・・」

 

その一言に、俺は驚きを隠せなかった。

 

「俺はただ仕事を全うしただけだ。それに子供の依頼がなければ、俺は助けるつもりはなかった」

 

「だけど、あなたは助けてくれた。それは変わらないなじゃないですか」

 

「だとしても、俺は依頼をただしただけだ」

 

「お仕事をして、助けてくれた人にお礼を言うのは可笑しい事ですか?」

 

「・・・」

 

ニコとは違うほんわかとしたサヨの言葉に俺は何も返せなかった。

 

「・・・別に感謝される為にやった訳ではない」

 

「それでも、あなたは助けてくれた。私はそれが嬉しいのです」

 

サヨはそう言うと、そのまま微笑む。

 

その微笑みに俺は何も言えなくなった。

 

「・・・そうか、なら、報酬はそれだけで十分だ」

 

「報酬ですか?」

 

「あぁ、子供からまだ受け取る物を決めていなかったからな」

 

「そうでしたか、ならありがとうございます」

 

「・・・」

 

俺はそう、サヨから顔を逸らす。

 

それを見ていたニコは。

 

「あんた、それで報酬が良いんだったら、私の分は」

 

「てめぇは迷惑料をきっちり払え」

 

「なんでよぉ!」

 

そう、俺達は夜を過ごす。

 

そんな俺達が夜を過ごしていた同時刻。

 

そこは、崩れた屋敷の中で一人残されていた。

 

その男の表情は怒りに満ち溢れていた。

 

「あいつらぁ、必ず!必ず私の手で」

 

男は怒りに駆られながら、拳を握り締めた。

 

「必ず復讐してやる!」

 

そう呟きながら、男は暗闇の中で復讐の念を燃やし続けた。

 

その時だった。

 

ふと、鼻歌が聞こえて来た。

 

その鼻歌は、静かな夜の空気の中で響き渡り、男の怒りを一瞬和らげた。

 

屋敷の主人はその鼻歌を聞きながら、怒りの念を抑えることができずにいた。

 

その時。

 

「ふんふんっ♪」

 

聞こえて来た鼻歌に対して、屋敷の主人は疑問に思うと、共に見つめた先。

 

そこには。

 

「おぉ!まさかあなた様がここにいるとは」

 

銀髪のツインテールの女性はその言葉に笑顔を浮かべながら、屋敷の主人の前へと歩いていく。

 

「やっほぉ♪少し見に来たけど、凄い事になっているねぇ」

 

その言葉に屋敷の主人は目を丸くした。

 

屋敷の主人は、その女性の存在を信じられず、目を疑った。彼の瞳には驚きが宿り、その表情には疑念が浮かんでいた。

 

「そんな!なぜこんなところに」

 

屋敷の主人は混乱した様子で言葉を絞り出す。

 

屋敷の主人の声には動揺が滲んでおり、その言葉は震えていた。彼は女性の出現に戸惑いを感じており、その視線は彼女に釘付けだった。

 

そんな屋敷の主人に対して女性は。

 

「まぁまぁ、そんなに驚かないでよ。私はただここに寄っただけだから」

 

女性は陽気なギャルのような雰囲気を纏いながら、答える。

 

「では、聴いてください!実は「あぁ、潰されたの?やっぱり彼だったらそうするよねぇ」へっ」

 

まるで女性は、その出来事が全て知っていたように。

 

「まさか、あなたが全てを」

 

「私が?心外だなぁ、私は彼がここに来る事なんて知らないよ。けれど」

 

「運び屋である彼が来るように仕向けたのは私よ」

 

女性はそう、言うと。

 

「なっなにを」

 

女性の言葉に屋敷の主人は戸惑った。

 

女性の言葉の意味を理解するのに時間がかかり、彼の表情には混乱が浮かんでいた。彼は女性が何を言っているのか理解できず、言葉を失ったまま立ち尽くしていた。

 

「彼の噂を聞いてね。確か死神とか言う運び屋がいて、依頼されたものは確実に届けるって」

 

女性はまるで歌うように楽しそうに語り始めた。

 

その言葉には軽やかな響きがあり、まるで彼女が物語を紡ぐかのような口調だった。

 

「だからこそ、ちょっと話しておいたんだぁ、彼は依頼を重視するから自分達の所に届けて欲しいって」

 

女性の言葉には深い意味が込められているようだった。彼女の言葉はまるで謎めいており、屋敷の主人はその意味を理解することができなかった。

 

屋敷の主人は女性の言葉に激昂し、その瞳には怒りが宿った。

 

「なっなぜだぁ!私はぁあなたに仕えて」

 

屋敷の主人は怒りに満ちた言葉を吐き出した。

 

その声には絶望と悲しみが込められていた。

 

しかし。

 

「えっ、別に興味ないよ君の事なんて。私の今は彼の方にしか興味がないからさ。だって彼は」

 

女性は興味なさそうに屋敷の主人の言葉を遮り。

 

その言葉に屋敷の主人は怒りに駆られ、女性に向かって怒りの声を上げた。

 

「貴様ぁ!そんな理由で私を裏切ったのかぁ!」

 

屋敷の主人の言葉には、激しい怒りが込められていた。彼の声は震えており、その表情には絶望と怒りが交錯していた。

 

女性はその声に一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻した。彼女の表情には冷静さが宿り、その瞳は屋敷の主人を鋭く見据えていた。

 

しかし、その言葉よりも前に。

 

屋敷の主人の体は一瞬で肉塊へと変わった。

 

その突然の出来事に、屋敷の主人は何が起きたのか理解できなかった。彼は自分の体が急に肉塊へと変化したことに驚き、悲鳴を上げることすらできなかった。

 

女性は屋敷の主人が肉塊へと変わった瞬間を見て、一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻した。

 

「っ!」

 

屋敷の主人の体が肉塊へと変わった瞬間、その周囲は一瞬で静寂に包まれた。女性はその光景を目の当たりにし、一瞬の間を置いて言葉を失った。

 

屋敷の主人が肉塊へと変わった瞬間、女性は驚きと衝撃を隠せなかった。彼女の瞳には驚きと困惑が浮かんでいた。彼女は言葉を失い、その場に立ち尽くした。

 

しかし、女性はすぐに冷静さを取り戻した。

 

彼女の瞳には冷静さが宿り、その表情には決意が宿っていた。

 

そして。

 

「ふふっ、さて次はどうしようか」

 

女性はそう呟きながら、鼻歌を歌いながらその場を去っていった。

 

女性は鼻歌を歌いながら歩き出す。

 

その背中には何の感情も浮かんでおらず、ただ静かに歩いていた。

 

「ふふっ、彼には面白い運命が待っているだろうね。楽しみだなぁ」

 

女性はそう呟きながら、夜空を見上げた。

 

その表情には何かを企むような微笑みが浮かんでいた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。