燃えている家を見ている宗戒に、村人たちが恐怖と安堵の入り混じった表情で近づく。
「あの方は…一体何者じゃ?あの姿は…」
「わしらの村を救ってくれたお方…まさに仮面の武者じゃ。噂に聞いたことがある。あの男は、仮面ライダーバロンと呼ばれる者じゃ。」
宗戒は振り返ると静かに困惑している村人たちを見つめながら、静かに、落ち着いた声で語りかける。
「安心しろ。盗賊どもは倒した。」
「しかし、あなたは一体…?」
とある村人の問いに宗戒は答える。
「俺の名は駆紋宗戒。今は流浪の身だが、将軍になるために各処で修行している。」
駆紋家…かつてホムラ国で将軍家の次に権威のあった大名家であり、御三家の一つである。
「駆紋……駆紋家の方でありましたか!村の者が大変ご無礼を致しました……!」
村長が頭を下げ、村人たちは宗戒が高い身分であることに驚きつつも、どこか尊敬の眼差しを向ける。
「家柄など気にせずに話しかけてくれ。今はただの落人だしな。……ところで、家が燃えているがこのままでよいのか?」
盗賊の放った火矢やファイヤーボールにより、村の家々が燃えている様子を見た宗戒が村長に心配した様子で問う。
「ああ、この家は空家じゃったので大したことではないですが、他の家は………」
村長は言葉を濁すが、察した宗戒は同情の念を抱き、宗戒は静かに頷き、村長の言葉に深く共感を示した。
「……そうか。それは残念だったな。」
◆◆◆
夜が更けたにも関わらず、村の広場に村人たちは宗戒に感謝の意を伝えるために集まっていた。
その群衆の中から村長や長老たちが前に出て深く頭を下げながら言った。
「駆紋殿、改めて心から感謝申し上げます。貴方がいなければ、我々はこの場にいなかったことでしょう。」
村人たちも次々と声を揃え、「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べる。宗戒は静かに微笑みながら、村人の温かい言葉に心を打たれた。
「ああ、困っている者がいれば助ける。それが俺の正義だ。」
宗戒に村人たちが感謝の意を示す中、村の外れから村人の1人が走ってやってきた。
「皆の者、大変じゃ!東嶺藩の兵が藩境を超えてきよったぞ!」
「なんと?!」
「噂は真であったか……」
村人たちがざわつく中、宗戒は険しい表情で山の方向を見つめる。
「これ以上、年貢を徴収されればこの村はお終いじゃ……」
「ならば……俺が行く。村を守るために」
「駆紋殿、貴方はこの戦に無関係であるはず。盗賊から守ってくれた時といい、なぜそんなにも弱者を庇うのですか?」
「俺が強者でお前達が弱者だからだ。強き者は弱き者を守る責務がある。ただそれだけのことだ。」
村長や村人たちは、その言葉に深く頷き、感動と敬意を込めて見つめる。
「……分かりました。駆紋殿、どうかお体に気をつけて!必ず生きて帰ってきてください!」
「……必ずな。」
ブウゥゥゥゥゥゥゥン!!
村人たちは涙ながらに見送り、宗戒はローズアタッカーに乗って村を離れる。村の空には暗雲が立ちこめていたが、その心には希望と誇りが宿っていた。