「父上、戦の準備が整いました。敵軍は1万程度…我らの勝利は揺るぎないものでしょう!!」
父を超える知略家である東嶺宗近は自ら提案した作戦計画の準備を整えたと父に報告する。
「そうか!宗近、よくやってくれた!フフフ、これでこの戦に勝てば我が藩は御三家とも並ぶ!」
立ち上がるのは藩主、東嶺宗正だ。彼もまた、天下と焔天を狙って東嶺藩の拡大を続けていた。
「兵どもよ、戦じゃああああああ!!敵は裏鬼門にあり!かかれー!」
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
東嶺藩陣地は「えい、えい、おー!」という鬨の声に包まれた。
◆◆◆
「父上!予想通り、敵が進軍を開始致しました。総勢5万の大軍でございます…」
「そうか……」
息子からの報告を聞いた忠篤は一瞬暗い顔をしたがすぐに家臣や兵たちの士気を上げるべく鼓舞し始める。
「この戦、負け戦じゃ……だが皆の衆、儂と共に戦って欲しい!我ら蔦谷の誇りを東嶺の奴等に見せつけようぞ!!」
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
東嶺藩と蔦谷藩の戦いは混沌を極めた。なぜなら、東嶺藩は蔦谷藩の練度と士気の高さに思わぬ苦戦を強いられたのだ。
結果、刀、槍、兜、鎧、そして人と馬の遺骸が平野一帯に広がり、その大地は兵どもの血で染まった。そんな中、血塗れになった巨漢が一人猛っていた。
「どうしたァ?!蔦谷の奴はこんなものか!」
その者の姿は人に似ているが、頭には立派な角が生えている……所謂鬼やオーガと呼ばれる種族だ。
「なんだぁ?!こいっ……ぐあぁ!!」
叫んだその兵は膂力で押し負け、自らの刀で鎖骨から下へと切り刻まれ、血が大量に吹き出して力尽きる。
「もっとぉ……もっと強い奴はいねぇのか!!」
そのオーガは空に向かって哮り、強者を求める。そんな彼の前に一人の老獪が現れる。
「ならば儂が相手になろう……」
「ほう……藩主自ら出でるとは……フハハハハ!」
「何が面白い……!」
そうして刀と大剣、鎧と鎧がぶつかり合い、激しく火花が散る。当初は互角の戦いができていた。しかし、忠篤はオーガの中でも強力な膂力や腎力に押されていく。
「ふんっ!」
「ぐっ………!」
オーガが大きく振りかぶると忠篤の腹に大剣が突き刺さっていた。傷口から血が滴り落ちる。
「ち、父上!」
「忠篤様……!」
そんな傷だらけの蔦谷藩主に寄り添ってきたのは彼の息子、蔦谷忠邦だ。
「忠邦よ、あとは頼んだ…ぞ……」
「父上ぇぇ!」
忠篤は忠邦の手を握りしめながらそう言い残すと静かに息を引き取った。
「……貴様ァァ!」
血相を変えた忠邦は斬りかかるが、種族の身体差もあり、あっけなく蹴り飛ばされてしまった。
「ぐっ………!」
「こんな雑魚……殺す価値もない!ガッハッハ!」
傷口を押さえて蹲る忠邦の情けない姿を見てオーガは嘲笑う。
「……………クソォ!」
自らの無力感に悔やんで拳を握りしめていると大地に響き渡る轟音が聞こえた。
ブウゥゥゥゥゥゥゥン!
「……なんだ?」
その黒い着物をきた男は鉄の馬から降り、花札を手裏剣のように投げ飛ばす。
「……お前か?『吾妻鬼』の異名を持つ男、東嶺正広というのは」
パシッ!という花札を手に掴む音と共に巨漢のオーガ…東嶺正広は声の方に振り返る。
「なんだァ?貴様は!」
「俺の名は駆紋宗戒、いずれ天下を手に入れる男だ。」
正広は大きなことを言い切る宗戒に対する目を変える。
「へっ!おもしれーこと言うじゃねぇか!」
「吾妻鬼…貴様の相手は俺だ!…変身」
そう言い放った宗戒は着物の中から戦極ドライバーとバナナロックシードを取り出して装着した。
《カモン!バナナアームズ!》
「甘蕉か?うまそうだなぁ」
クラックから出てきたバナナアームズを見て正広は涎を垂らしている。
《ナイトオブスピアー!》
「甘蕉などではない!バロンだ!」
「さぁ、俺を楽しませてくれぇ!」
こうして、バロンと正広の戦闘が始まった。