実験体は透き通る世界で何を得る? 作:FUREA-205-jp
最近はいろいろなことが起こったもので、小説を書くのが遅れました。
取り敢えずは落ち着いたのでまた、早いうちに新しい話を投稿しようと思いますので、ぜひ見ていって頂けると嬉しいです。
あれからしばらく経ち、先生たちが帰ってきた後私は必死の説得の末、彼女、亜柱リッカをアビドスに編入させる話に持っていけた。
恐らく説得に成功した要因は、皆疲れていたことと、学校内の生徒の人数が少なかったのが要因だろう。
「火急の案件が終わったし、ようやく他の案件に集中できますね!!」
「ん、ヘルメット団の奴らも基地が奪われたとなると、しばらくはこちらを攻撃出来ないはず。」
「うんうん、これで借金問題にも本腰入れられるわね!」
セリカがその一言を発すると同時に、皆一斉に静かになる。
....詰めが甘いな、セリカ。
”借金を抱えてるの?”
「あ、あの、それは、その、えっと...」
セリカはかなり動揺しているのか言葉がしどろもどろになり、黙ってしまった。
「別にいいんじゃないの?隠すことでもないし。」
「そうですね、今頼れるのは先生しかいませんし、話しちゃいましょうか。」
「で、でも」
その言葉に反応するようにしてセリカが怒りのこもった声で反論する。
「結局のところ、先生は部外者だし!それにこの問題は私達だけにどうにかしてきたじゃん!!なのに今更大人が首を突っ込んでくるなんて.....」
「とにかく!!私は認めないからね!!さよなら!!」
と吐き捨て、出ていってしまった。
「姉貴....どうしますか?」
「放おっておけ、この問題を解決できるのは仲が良い奴だけだ。」
このことはまだ、ここに来て日が浅い私達が関わっても火に油を注ぐだけだ。まあ、セリカの言うことも分からなくは無い、誰もが良しと言うやつはいないだろう。
「分かりました...」
少し不安気味な声でリッカは答える、不安だろうな。
「セリカちゃん...私、追いかけてきます!!」
アヤネは飛び出したセリカを追いかけるように教室を出ていった。
....やはり皆子どもだな、さっきのセリカといい、カタカタヘルメット団といい、感情のままに行動する子も多いというわけか...無いと思いたいが拉致の可能性も有り得そうだ...対策を今のうちに打っておくとするか。
”そんなに知られたくないことなの?”
「そういう訳じゃ無いんだけどね〜....まあ簡単に説明すると、この学校には約9億の借金があるんだよね。」
”9億!?”
9億...とてもじゃないが学生では払える金額じゃない、裏の稼業に手を染めてやっとのことで得られる金額だ。
彼女たちが卒業までに稼ぐにはとてもじゃないが不可能に近い金額を彼女達が今までどれほどの苦労をして稼いでいるのだろうか...元大人として少し可哀想に思えた。
その後、帰ってきたアヤネはアビドスの借金の現状とどうしてこうなったのかの事の経緯、そして在校生の転校などのことを話してくれた。
「この学校が廃校の危機に追いやられたのも、街がゴーストタウンになったのも、高校から学生が消えていったのも実は全部この借金のせいでもあるんです...」
”でもなんで、こんな事に?”
「数十年前、この学区の郊外で大規模な砂嵐が起きたんです。この地域ではあまり珍しいものではなかったんですが、その日の嵐は大規模な嵐でして、学区の至る所が砂に埋もれ、嵐が去っても砂がたまり続けてしまったんです。」
「この自然現象をなんとかしようと我が校は尽力を尽くしたのですが...」
「対策のために多額の撤去費や復興費用がかかったという事か。」
「はい、そしてなんせここは片田舎ですから融資をしてくれる銀行を探したのですが、見つからず...」
「その結果、悪徳金融に頼らざる負えなかった。」
「最初は、すぐに返済できるほどの金額だったんです...ですが、その後も大規模な砂嵐が襲来し、学校の努力も虚しく、学区の大部分に砂がつもり続け、ついに砂漠化してしまい、費用がかさんでいった結果、借金は私達が払えきれないほどに膨れ上がってしまって、今では今月分の利息を払うので精一杯で、弾薬や補給品を買う暇もお金も無く、底をついてしまったんです。」
「そんなときに連邦生徒会に新しく連邦捜査部シャーレが出来たと知って、私達は藁にも縋る思いで、手紙を出したんだ。」
「そんな事があったのか....」
いくら大量の資料を読み漁ったとしても出てこない裏の話を聞けた、やはり現地の声には耳を貸すべきだな。
話を聞いている限り私が居た世界とあまり違いはなさそうだ、金ぐるみに弱者を餌とし、その餌をウジの様に食い尽くす薄汚い悪党の連中、そしてこの問題を見てみぬふりをする政治家や資産家達、まあ俺の世界だとその大部分が海底都市に移り住んでみんなスプライサーになったんだが。
「セリカがあそこまで神経質になってたのはこの問題に誰もまともに向き合ってくれなかったから、ここまで聞いてくれたのは先生、貴方が始めて。」
「まあ、つまらない話だよ。でも先生のお陰でヘルメット団の件は解決できたから、これで借金返済に全力投球出来るようになったわけだし、先生には話を聞いてくれただけでもありがたいんだー。」
「もしここの委員会の顧問になってもこのことに対しては気にしないでいいよ?話を聞いてくれるだけでいいんだ。」
「ん、その通り、これ以上先生には迷惑をかける訳にはいかない。」
”それでも、私は協力するよ、困ってる生徒は先生として、ほっとけないからね”
「え!!ということは......は、はい!!宜しくお願いします!!」
「先生、本当に良いのー?いつ解決するかわからないんだよ?」
「良かった......【シャーレ】が力になってくれるなんて。これで私達も、希望を持てた!で良いんですよね?」
「ん!希望が見えてくるかもしれない。」
「嬉しいです☆先生が協力してくれるなんて!」
みんなが喜んで黄色い声を上げている。
こういうときは私達もこう言うべきだろう、私は横にいるリッカの背に手を回し、傍に引き寄せ、声を発する。
「私達も協力しよう、人手は多いほうがいいだろう?リッカもいいか?」
「あ...ああ...姉貴が良いと言うなら私も同意するよ。」
「タキネさん...リッカさんまで.....本当に...ありがとうございます!!」
アヤネは情に厚いようで、私達が協力すると言うと彼女の目が潤んできていた、可愛い奴め。
”よぉーし!皆で頑張ろう!!”
「「「「「おー!!」」」」」
その後色々なことを話し合った、対策のこと、返済のペースの事、雑談などをしていた。
雑談をしているとふいに先生が私に話しかけてきた。
”そういえばタキネって身長何cmなの?”
「先生...いくらなんでも女性に聞くのは失礼ですよ?」
”アハハハ...いやあごめんごめん、つい気になったもんでね...嫌だったら言わなくてもいいよ?”
「それ、アタシも気になってた、姉貴、一生のお願いだ!!身長教えてください!!」
リッカが手を合わせて懇願する、まあ身長なら知られてもいいだろう。
「まあ、いいぞ、え〜と...私の身長でいいんだよな?...確か...最後に測ったときは2m10cmだったかな...」
人に身長を聞かれることには慣れていたのだが、女性になった併合だろうか、少し照れくさいな。
「「「「「えっ!?」」」」」
皆口を揃え大きな声で反応した、私はそれに驚き、身を震わせた。
その後も、皆としばらく雑談をし、下校の時刻になった。
私は帰る皆を見ながらずっと傍にくっついているリッカに話しかける。
「なあ、リッカ」
「な、なんだい?姉貴?」
「君はここに襲撃する前にどんな仕事をしてきたんだ?」
「仕事か〜...主に傭兵業ですね。」
「傭兵業?」
「はい、まあ言っちまえば猫探しとかの簡単な仕事がある、いわば何でも屋だね。」
傭兵か...稼げるのなら悪くないな...
「姉貴もやってみたいんですか?」
「ああ...どうせなら...リッカ、君と一緒にやりたい。」
「ふぇ!?あ、アタシと!?」
「嫌...なのか?」
なんとかしてこの子といっしょにやらなければ、とりあえず寂しげに声のトーンを落とし、悲しげな表情をした。
「うっ//い...嫌じゃ//ない//が...」
「なら、決まりだな!!ありがとう!!リッカ!!」
「.....姉貴ぃ...この、策士めぇ....」
とりあえずなんとか稼ぎ口はなんとかなりそうだ。
私は横にいるリッカに脇腹を小突かれながら、昨日使わせてもらった民家に戻ることにした。住んでいた人には申し訳ないが、もう一泊使わせてもらうことにしよう。
リッカにも可愛らしいところがあるんだなぁ。つい、口角が上がってしまう。
「そういえばリッカ、君の家はどこにあるんだ?」
「アタシの家か...」
「アタシの家はアビドスの自治区内にあるよ、何かとこんな仕事してると指名手配にされやすいからね、アビドスみたいな所が隠れ家として一番いいんだ、そういう姉貴はどうなんだい?」
「私にはまだ、家と呼べる場所は無いな、今日も取り敢えず泊まらせてもらった民家を今日も使わせてもらおうと考えてたからな」
「じゃ、アタシはここで別れます。」
「ああ、また明日な」
「はい!!」
軽い挨拶をして私達は別れた、のだが...帰りの途中、私は道の中心に特徴的な形の瓶が入った木箱を見つけた。
不思議に思った私は木箱に近づき、瓶を持ち上げ、詳しく見る。
瓶を見てみると、この瓶はクラーケンのシールが貼られていて、商品名は【ビガー:アンダートゥ】と書かれていた。また、後ろの注意事項には「ビガーは複数回、同じビガーを使用しても強い効果を得られる事は出来ません、もし、もっと能力をパワーアップしたいのなら、ご近くのビッグ・ビッグ・ビガーまで!!」と書かれていた。
この瓶の感じ...恐らく、この世界のものではない、私が居た世界のもっと未来の物だろう、恐らく書かれていることから、私が使っているプラスミドに近いものだ。
注意事項には依存性や中毒性は書かれていなかったため、これは飲んでも大丈夫だろう。
私は警戒や不安より強い好奇心や、プラスミドを使う感覚のまま、潜水服を脱ぎ、躊躇いなく瓶の蓋を開け、まずは匂いを嗅いでみる。匂いはパチパチコーラに近い感じで、特に腐ったもの特有の匂いはしなかった。
安全を確認すると、私は瓶の中身を飲んでみる、味は...まんまパチパチコーラと似ていて飲みやすかった。
瓶の内容物を飲み干し、少しすると私の体に変化が起きた。
まるで、水中の中に居るかのような体の浮遊感に襲われたかと思うと、なにかに締め付けられるかのような拘束感に襲われた。
「うぐっ!?」
急に私の口内がなにか、大量の水か、大きい物を入れられているかの様に気道を塞がれる!!まずい...このままだと死ぬ!!
なんとか息を吸おうとするが、少量の空気しか吸えない。
空気が吸えないまま、私の意識はだんだんとぼやけて見えてくる、これは、死ぬ!!
窒息死の寸前、私は、【私の周りに取り巻くクラーケンの触手が見えた気がした。】
触手が見えたやいなや体が縛られている感覚は消え、口を塞いでいた何かは消え去っていた。
「ううっ、ゲホッ、ゲホッ」
私は地面に手をつき、息を整える。
私に起こった現象は、プラスミドを初めて使うときの副作用に似ていたが、プラスミドよりキツイな。
恐らく、これは私がプラスミドを使っていたがための特有の拒絶反応か?
ひとまず、どんな能力が使えるのか試してみよう。
私は能力が使えるであろう左手を見る、左手には水色の体表をした吸盤の付いた触手が巻き付いているような見た目をしていた。
瓶のラベルには確か、対象を引き付けたり対象を生きたまま投げたり、罠を使えるんだったか。
ひとまず外にずっと居てはいけないな、砂漠の夜はすぐ冷える、帰ろう。
さて、昨日泊まった家に来たものだが...やはり、ここの住民は帰っていないようだな、これならもう一泊、泊まらせてもらおう。
私は潜水服にかかった砂を手で払ってから家に入る。ん?なぜ砂を払うのかって?まあ私が元いた世界では人の家にに入るとき、雪や埃を払ってから入るのが常識だからな、それに私は少なからずは潔癖だ、家に入る際も靴は脱ぐほどだからな。
私は扉を開け、中に入る。
私の眼中には、家の主であろう者、亜柱 リッカの姿があった。
その姿は風呂に入った後のようで、裸のままタオルで髪を拭いていた。私が男だったら...うん...間違いなく押し倒したくなりそうだな。
そのまま私が玄関先で固まっていたのをリッカに見つかり、お互い数秒間見つめ合った。
「へ?あ、姉貴!?な、なんでここに!?」
「も、もしかして、姉貴が泊まったのって、こ、ここ!?」
「あ...ああ、そうだが....。」
そう言うとリッカは顔を真赤にして、声にならない声で叫んだのだった。
生徒紹介
生徒名:亜柱 リッカ
髪:クリーム色
瞳:レッドブラウン
カップ数:Cカップ
身長:163cm
タキネへの好感度:ダイス1D100=85
容姿:髪型はショートボブの前髪は斜めに切っている。服は制服に白いライダースーツのジャケットを羽織っている。背中には、中くらいの白い天使の羽根が背中に生えている。
傭兵業の際は、制服姿ではなく、白いライダースーツと白いヘルメットを着用している。
趣味:バイクの改造、罠作り、キャンプ、ドライブ
所属:元トリニティ生徒 現アビドス生徒
特徴:言動に知性的な部分が見られるが、言葉遣いは基本的に崩れた口調で話しているが、
染み付いたものがあるのか敬語がよく混ざってしまう。
武器種:LMG MK46式軽機関銃
戦闘力もろもろは次回のまえがきとあとがき(前はリッカ、後はタキネ)にあにまん掲示板風の設定資料を作らせていただきます。