覗き窓   作:わど〜

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初投稿だからってなにか特別だとでも?みんな同じですよ。

どうも。私です。

私は巣と翼というネーミングが大好きです。
翼が巣で務めて暖めている卵の正体は一体なんなのでしょうか。
それはその巣その翼でさまざまでしょうし、翼は卵を守るために必死なので正体を知ることは限りなく難しいです。
しかし、卵を守り暖めるために数え切れない羽が抜け落ちまた生え替わることはどの翼でも変わらぬ事実でしょう。


巣の窓

この都市で、多くの人間は巣の中に入れば暖めてもらえると思っている。

しかしそれは間違いだ。巣の外…つまり裏路地の人間には到底理解できないことかもしれないが、巣の中に入ってまず理解することは自分は暖めてもらう「卵」ではなく卵を暖めるために果てしなく使い捨てられるただのちっぽけな「羽」の一本にすぎないということだ。

 

自分で言っておいてなんだが、俺も昔はその「暖めてもらえると思っていた人間」の1人だった。

俺は昔はそこそこ名の売れたフィクサーだった。

依頼も多いというわけではないが生活に使うだけではかなり余るくらいの金は入ってきてたし、翼からの依頼も何度かこなしたことがある。

戦争に参戦しかけたこともある。…結局、参戦しないほうがいいだろうと思ってやめたが。

 

2級になって少しした頃、少しだけ伝のある翼から、巣に入る許可を得た。

俺は腕に自信はあったが、それでも翼の危険で汚い依頼を四六時中こなすよりは、そこそこ得意だった事務の仕事を選んだ。

俺はこの人生を上手くやってきたと思っていたが、この選択だけは本当に間違っていたと、いつも考える。

どれだけ汚くとも、力で解決できる仕事を選んだほうが気持ちがよかったのではないか。人間関係や果てしないノルマ、家にいつまでも帰れないという窮屈感。そんな物を感じるよりはずっと良かったのではないか…

 

いや、こんなことを考えるのが間違ってるのはわかってる。

巣に入ったということはそういうことだ。巣に入ったからといって、平穏な暮らしを手に入れられるわけがない。ただ裏路地で受けるそれと違う苦痛をまた受けるだけだ。

フィクサーの仕事を選んでいても、俺は結局こうだっただろう。

そう、巣に入ろうとしたところから間違ってたってことだ……

 

時々、裏路地に居たときの方が幸せだったのではないかとふと考えることがある。

なんだかんだ言って自分で事務所を経営することのできていた俺はある程度自由だったと思うし、仕事にも多少はやりがいというものを感じていた。

それでも、まぁ、たいして変わらないんだろうな。

 

自分が経験していないことを想像するということは、大勢の人が思っているよりずっと難しいことだ。

絶対にどこかで偏見や理想が入り、知識が無いせいで正しく想像できず、最終的には現実と違うものになる。

俺がもしフィクサーの仕事を選んでいたら、もし巣に入らずに事務所を経営し続けていたら、もしもっと違う場所で生まれることができていたら……

こんな想像も、どこまでも屈折していて、そして真実を見ることはできない。

だから、想像することは無駄なんだ。目の前の物を見るしかない。

 

そう思い、俺は積りに積もった仕事を見て、今日もまた帰れないことを悟る。

最後に帰ったのはもう5年前だ。いや、時間加速技術が使われているから、3年か……




地の文マシマシ(というかオンリー)小説、たのしい!
すごい筆がすすむ!!!
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