騎士様のヒーローアカデミア   作:只の暇人

17 / 27
暑苦しい応援もあれば可愛い応援もある

「ん〜、やっぱ美味しい」

 

体育祭の前半戦が終了し、現在昼食中のキシノ。

 

「…それにしてもショート君なんか思い詰めてたように見えたけどなんだったんだろうか」

 

思い起こすは騎馬戦の後、自分の左腕を見ながら何かを思い詰めている轟。

 

(…まさかと思うけどね)

 

轟は自分の炎個性に思うところがあるように見えたキシノ。

家族がらみとなれば複雑な気分になる。

 

「ん?」

 

ふとキシノの視界に八百万に頼み込む峰田の姿が。

 

「(キュピーン)面白そうな予感♪」

 

 

 

 

 

そして昼食後、

 

『最終種目発表の前に予選落ちの皆に朗報だ!あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーションも用意してるのさ!』

 

雄英特有のバトル形式な物ではなくちゃんと体育祭らしく借り物競走などの種目が用意され、外国から来たチアリーダーも応援に来ていたが………

 

『…ってありゃ?どーしたA組!?』

 

何故A組女子全員が暗い顔でチアリーダーの格好をしていた。

 

「峰田さん上鳴さん騙しましたわね!!」

 

遠くで親指を立て称え合う峰田と上鳴にキレる八百万。

2人はチアリーダーを女子全員に着せたいが為に八百万を説得して作らせたようだ。

 

「…どうして峰田さんに騙されてしまうの私…」

「アホだろあいつら」

 

項垂れる八百万。

 

「でも本戦まで時間あるし張り詰めててもしんどいからさ。いいんじゃない?やったろ!」

「透ちゃん、好きね」

 

葉隠は元気よく応援ダンスを踊る。

 

「まぁ、流石にあっちよりかはまだまだだけど」

 

そう言う葉隠の持つポンポンが刺す先には、

 

「レッツゴー!UA!レッツゴー!UA!」

 

チア服を着こなして華麗な動きで応援しているキシノの姿。

 

「レッツゴー!UA!レッツゴー!UA!………みんなノリ悪いよ」

 

途中踊ろうとしない麗日達にジト目で見つめる。

 

「むしろなんであんたはノリノリで踊るわけ?」

 

恥ずかしそうに若干あからんで指摘する耳朗。

 

「チアリーダーといえば体全体を使って応援するんでしょ?だったらこの格好になった以上応援しないわけには行かないじゃん」

「恥ずかしいとは思わないわけ?」

「全然?むしろ応援しない耳朗ちゃんの方が恥ずかしくない?」

 

あっけらんと答えるキシノ。

 

「あれ?これウチが悪いの?あれ?」

 

耳朗は混乱した。

 

「ま、まあまあ人それぞれってことやから」

 

麗日が慰める。

 

「せっかくの応援だもの。みんなでやらないとね」

「みんな?」

 

キシノに問おうとしたら、ゲートから複数の人が現れる。

 

「師弟、着替えてきたけど何すればいいの?」

「ん〜、なんか違和感が」

「くっ、何故あの時同意してしまったんだ………」

「なんで私まで?」

「虚しいだけよ。言わないで」

「ぅぅ、恥ずかしい」

「『人を魅了する衣装』であれば我の人気は鰻登りなのだ」

「あはっ!これ着てると体があったまるね相棒!」

「…これはこれですこしなぁ」

『今度他の娘達に共有しましょうか』

 

チア服に着替えてきたキシノの仲間達。

微妙に嫌がるのもいれば乗り気なのもいる。

峰田と上鳴は「YES!」と親指を立てた。

 

「さぁみんな!体使って踊って応援するよ!」

「「「おー!」」」

「ちょ、ちょっと!この格好で踊るの!?」

 

乗り気なリーフェイ、アカユキ、ルフィナを尻目に狐耳まで赤くなっているようなココ。

短いスカートをつまんで隠そうとしているが、反対側がめくれて後ろの観客達が凝視している。

 

「そうだよココ。これも異文化交流という物だよ」

「こ、こんな異文化交流なんて…」

「そうだぞ貴様!こんな辱めを受けるなど…」

 

すでにチアの格好なので威厳に満ちた態度で責めるシャピラは説得力がない。

 

「でもアイシャは見てくれてるよ?ほら」

「はっ!?」

 

観客席でアイシャがチア服のシャピラをジーッと見つめる。

 

「ひ、ひめさまぁ。そんなに見つめられると………私はぁ…////」

「シャピラ。ラー帝国の名において無様な応援はするなよ?」

「このシャピラ!姫様のために全てをかけて応援いたしましょう!」

「………(ぐっ!とサムズアップ)」

「焚き付けるの上手いな」

 

してやったりなキシノに上鳴は感心した。

 

「早くしなさいよ?ただでさえこっちは苦しい格好をしてるんだから」

「………そうね。一部は苦しそうね」

 

腕を組んで不服そうに言うソヒだが、ミチミチと悲鳴をあげているチア服を見てマリアンはジロリとみて、耳朗は殺意が混ざった視線を向ける。

 

「むぅ、この短いスカートはどうにからならんものか」

「そこがチアリーダーのチャームポイントだそうですよ団長」

 

微妙に顔を赤らめるエヴァ団長。

 

「それに副業で始めたアイドルぎょむっ」

「それ以上は口にするな!」

 

危ない発言を感知して瞬時に口を塞ぐエヴァ。

幸い誰も聞いてなかったようだ。

 

「………てかこの2人は?」

 

峰田は初めて見る角と尻尾が生えた少女と機械じみた耳飾りの少女を見てキシノに問いかける。

 

「私の友達兼冒険仲間」

「ユズ・インマールだよ!君なんだか黒くて立派な頭だね」

「黒くて立派?」

「…でもどうしよう。私じゃ全部は入りきれないかも…」

「ぜ、全部ってまさか…」

 

ユズの言葉に何か大きな誤解をしている峰田。

 

「ブドウ君じゃユズの個性の前に枯れそうだからね。むしろ精気吸った瞬間にミイラになるかも」

「そっちかよ!?いやむしろオイラはウェルカムだ!!」

 

キシノの注意喚起に峰田はやる気を見せる。

 

「そう?じゃあ遠慮なく」

「ユズ、ブドウ君はやらなきゃいけないことがあるからまだお預け」

「あ、ごめんごめん」

(やらなきゃいけないことってなんだ?)

 

ユズは注意されて引き下がる。

 

「んでこっちは」

『初めまして。全自動自立機動人型アンドロイド。固有名『アンドロ』とお呼びください』

「全自動………もしかしてロボット!?」

『正確にはアンドロイドです。キシノ様の命令でチアリーダーをしようと言われまして』

「「美少女アンドロイド来た〜!!」」

 

アンドロイドのアンドロの登場に峰田と上鳴お互いガッツポーズ。

 

「ほほう?アンドロイドとはなんで素敵なベイビーでしょうか!」

 

するとゴーグルをつけた赤髪の少女がアンドロを凝視している。

 

「どちらさん?」

「おっとこれは失礼を。私はサポート科の発明明と申します!そんなことよりも、このアンドロイドを調べさせてくれませんかね!?」

 

キシノにグイッと近づいて捲し立てる発明。

 

「む、無理だと思うよ?結構機密が多い子だから」

『マスターキシノ様。この明らかに失礼な人間は排除してよろしいですか?』

 

アンドロが『目を赤く光らせて』後ろから構えを取る。

このままでは発明を殺しかねない勢いだ。

 

「殺しはダメだよ。後でモモちゃんにロープ作ってもらうから」

『では縛ってそこらへんに捨てましょう』

「ダメだよ2人とも!」

 

緑谷がキシノとアンドロを嗜める。

ちなみに発明は「またお伺いしますね〜」と言いながら去っていった。

 

「ガーディア〜ン!」

「あ、姫様!」

 

コヒメの声が聞こえたので振り返ると、子供用のチア服を来たコヒメが現れた。

 

「どうガーディアン。あたし可愛い?」

「めっちゃ可愛いですよ姫様」

「わーい」

「………なんだろう?オイラおっぱい好きなのにコヒメちゃんのチア見てるとなんか興奮が…」

「しっかりしろ峰田!そこは末期症状だ!」

 

峰田がへんな言葉を口に出しそうになり、上鳴が正気を戻させる。

 

「…ブドウ君?姫様にへんなこと考えてない?」

 

するとキシノが『素敵な黒い笑顔』を向ける。

 

「「なんでもございません!!サー!!」」

 

本能的に敬礼する峰田と上鳴の2人。

 

「ならいいけど、それじゃ、リズム合わせて」

 

キシノをポンポンを振る音でリズムを取る。

 

「レッツゴーUA!レッツゴーUA!」

「「「「「レッツゴーUA!レッツゴーUA!」」」」」

 

ノリと勢いでチアダンスを踊るキシノ達。

腕を組んで足を上げる連携を繰り出していた。

 

「れっつごー!れっつごー!」

 

コヒメはぎこちない動きだが、一生懸命にポンポンを振り回して応援していた。

 

「可愛いーーー!!」

「コヒメちゃんがんばれーー!!」

「うおお!俺らも応援するぞ!」

「コヒメちゃん!俺の妹になってくれ!」

「「「何言ってんだテメェ!」」」

 

観客はほぼコヒメの応援ダンスに興奮していた。

 

『コヒメちゃん!その応援に俺もファンとして応援するぜぇ!!!』

『お前いつからファンになった?』

 

いつの間にかプレゼント・マイクがコヒメのファンになったようだ。

 

 

 

 

 

その後………

 

 

 

 

 

『………とまあなんやかんやで時間食っちまったが、最終種目の『トーナメント』を発表するぜ!』

 

満足に踊りきったキシノ達を尻目に最終種目の『トーナメント』が発表される。

 

「トーナメントか……!毎年テレビで見てた舞台に立てる……!」

「去年トーナメントだっけ?」

「形式は違ったりするけど例年サシでやってたはず」

「一対一のガチバトルかぁ」

『待った!その前に、人数が少ないからこのくじで敗者復活を決めるわよ』

 

ミッドナイトがくじ箱を出して配ろうとすると、尾白がスッと手を挙げる。

 

「俺、トーナメントを辞退します」

 

なんと辞退を宣言したのだ。

曰く、騎馬戦中の記憶がないらしく彼的に何もしてないのに勝負に行くのは難しいとのこと。

 

「それでいいの尾白君?これからなのに諦めちゃって」

「俺のプライドの問題さ。………後なんで君らチアの格好をしてるんだ?」

「「可愛いから」」

「「「着ろって言われたから」」」

「「着せられたから」」

「「…ノーコメント」」

「相棒と一緒にやりたかったから!」

『暇つぶしです』

「我の偉業を知らしめるためだ」

「碌な理由がないね君たち…」

 

尾白は激しく呆れ果てた。

 

「なら、僕も同様の理由で棄権します」

 

B組の庄田二連撃も棄権を表明する。

 

「俺はつづ…」

 

ドムっ!

 

「グフっ!?」

「あー、英呂氏は体調崩してしまったんだな」

「拙者達は付き添いとレベル差を考えて棄権するでござる」

 

腹パンで英呂を気絶させた2人。

周りは若干引いている。

 

4人の宣言に主催のミッドナイトの答えは…

 

「………そう言う青臭い話は………好み!!5人の棄権を許可します!!」

「あの女自由にも程があるんじゃない?」

「あんたが言うな」

 

毒を吐くソヒにマリアンは呆れる。

 

5人が退場し、B組から辰鉄と普通科の心繰が繰り上がる。

 

そしてトーナメントの結果は以下の通り。

 

【第1回戦】

 

緑谷VS心操

轟VS瀬呂

常闇VS上鳴

飯田VS発目

芦戸VS青山

爆豪VS八百万

辰鉄VS切島

麗日VSキシノ

 

「あ、うららちゃんか」

「…よりによって…」

 

麗日が複雑そうにキシノを見つめる。

 

遠巻きでキシノの戦いを見てきた麗日は勝てるかどうか不安になる。

 

(…いや、それでも私は頑張らないと…)

(さて、うららちゃんとの戦いはどうしよっかなと)

 

両者対極な考えを持つ中、体育祭のメインイベントが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『続いてのニュースです。今日未明、『巨大な空飛ぶ船』を見たと言う目撃証言があり、付近の住民達は不安な声が相次いでおります』




トーナメントのメンバー分けが難しい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。