騎士様のヒーローアカデミア   作:只の暇人

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礼儀の無い愚者はザマァされる

『Hey Guys!!Are you ready!!?』

 

『色々やってきましたが!結局これだぜガチンコ勝負!!』

 

『頼れるものは己のみ!心・技・体に知恵知識!第六感でも何でも総動員しやがれ!』

 

 

雄英教師の1人・セメントスによって誂えられた無骨なステージには一切の障害物が無く、真っ向勝負を求めているシンプルなデザイン。

 

一対一で戦い、相手をステージから落とす、或いは戦闘不能状態へと持っていく。もしくは『まいった』等の降参を示す言葉を言わせる事でも勝利となる。

 

昔闘技場でバトルしあった事があったなぁとキシノは遠い目になる。

 

『1回戦!平凡な見た目ながら平凡じゃねえ成績の男!緑谷出久!!』

 

(バーサス)!目立つ活躍はなし!イマイチ地味な普通科!心操人使!!』

 

あまり縁がない心繰の個性は、操られた尾白曰く『心繰が問いかけて返事をすると操られる』とのこと。

 

「あの猿はプライドどうのこうのと言ってたけど、チャンスをドブに捨てるなんて馬鹿だと思わないか?」

「なんてこと言うん…!」

 

故に、コンプレックスや侮辱を受けると相手は激昂して『声を出す』。

返事をしてしまったせいで緑谷が無気力な顔になってしまう。

 

(何やってるの緑君…)

「そのまま振り返って場外へ行け」

 

心繰の指示を従順にしたがって場外へ歩き出す緑谷。

 

そしてあと少しで場外へ…

 

パァンッ!!

 

…出ようとして地面に向かって指パッチンを放つ。

かなり力んでた力だから反動で指が壊れた。

 

「無茶するなぁ。緑君」

 

正気を取り戻した緑谷は心繰の隙をついて背負い投げで場外へ投げ飛ばす。

 

『緑谷出久!2回戦進出!』

「やた!ガーディアン!緑お兄ちゃんが勝ったよ!」

「はい。見てましたよ姫様」

 

いつの間にかキシノの膝に座って応援していたコヒメ。

本人曰く「ガーディアンのそばがいい」とのこと。

 

「あの個性使い方によっちゃあ…」

「イメージは悪そうだけどね」

「とてもじゃないが騎士には向かないな」

「だが向上心はある方だな」

「…前を向けるのね」

「ま、操ろうものなら狼達が暴れ狂うだろうな」

「冗談でもやめてほしいなルフィナ殿」

 

心繰に対して思い思いに話し合うキシノの仲間達。

 

「次の対戦は………ショート君とテープ君ですね」

「ガーディアンはどっちが勝つの?」

「そりゃ隙をついた奇策がなけりゃショート君の勝ちです」

 

そして迎えた第二試合では、轟が会場の天井を優に超える氷塊を作り出し、瀬呂を凍らせた。

 

「だろうと思いました。次は………姫様?」

 

ふとコヒメを見ればジッと轟を見ているコヒメ。

 

「ガーディアン。ショートお兄ちゃん悲しそう」

「………」

 

何を思って彼が可哀想と判断したのかわからないが、少なくとも轟の背中が哀愁と内なる怒りに満ちている気がした。

 

 

 

 

 

続く第三試合は常闇と上鳴の戦い。

 

相性で言えば上鳴の個性を応用で光を放つ事ができるので光が苦手としてる常闇が不利である。

 

『瞬殺!!もう一度言おう!瞬殺!!常闇2回戦進出!』

 

無論それは上鳴が上手く扱えたらの話。

 

「苦手対策はバッチリみたいだね」

 

 

 

 

 

第四試合では飯田とサポート科の発明の戦い………なのだが、テレフォンショッピングのような次々とサポートアイテムを紹介したあと悠々とステージから退場する発明。

 

「満足です。もう思い残すことはありません」

「騙したなァァァァァ!!?」

「…真面目すぎるのも考えものですね、姫様。クク…」

「笑っちゃダメだよガーディアン………くふっ」

 

キシノとコヒメはこのやり取りにツボだったらしい。

 

「熱意はともかく、サポートアイテムの出来はまずまずってところね。いっそ彼女を助手として雇うって手も有りかしら?」

「今のは聞き捨てならないわマリアン。あれは私の獲物よ」

「いや、彼女は我が帝国で雇用させようか」

 

科学者2人と帝国姫は発明を狙っていた。

 

 

 

 

 

第五試合は芦田と青山の戦い。

 

…結果は青山の惨敗なのでここまで。

 

「ひどい!!」

 

 

 

 

 

第六試合は爆豪と八百万の戦い。

 

どーーん!!

 

「ぐぅっ」

「個性で厄介なもん作られる前に叩き潰したらぁ!!」

 

爆豪の素早い攻めにいち早く八百万は爆発耐性の盾を創造するものの、いかんせん筋力が低いので押され気味だ。

 

「うわああっ!!」

 

が、とうとう耐えられず場外へ飛ばされた。

 

『八百万場外!!爆豪勝己!二回戦進出!!』

「…ふん」

 

若干消化不良だがさっさとステージから出る爆豪。

 

「では姫様。そろそろ行きます」

「頑張ってね。ガーディアン」

 

 

 

 

 

第七試合は、切島と辰鉄の個性ただ被りメンバー故に肉弾戦の殴り合いを行っていたが、長い激闘の末引き分けとなった。

 

『一回戦最後の第八試合!カンタベリーの騎士見習い!キシノ・ガーディアン!!』

(バーサス)俺はこっち応援したい!麗日お茶子!!』

(ひどい私情だね…)

 

プレゼント・マイクに呆れつつ麗日と向き合うキシノ。

彼女の目からキシノに勝ちたいと言っているみたいだ。

 

「…最初に言っておくけど、私強いよ?」

 

構えを取るキシノ。

 

「うららちゃんはどうやって私に勝つ気かな?」

「…勝てる勝てないやない!勝つんや!!」

『START!』

 

試合開始の合図と同時に麗日が走る。

 

「その意気やよし。楽しもうぜうららちゃん!」

「なっ!?」

 

いつの間にか間近に接近された麗日。

 

がしっ!

 

「そりゃあああ!」

 

ドンっ!

 

「グフゥッ!?」

 

背負い投げで地面に叩きつけられダメージを与えられた。

 

『背負い投げで体を叩きつけられた麗日ァ!お前もうちょっと手加減しろよ!』

『私情引っ込めろアホが』

 

実況の2人は無視していち早く復帰した麗日は再びキシノに突進する。

 

「…言っとくけど、私はうららちゃんの対策は出来てるんだよ?」

 

ぶんっ!

 

「ぐうぅっ!」

 

麗日の手首を掴んで巴投げの要領で投げ飛ばすキシノ。

 

「まだまだ!」

 

それでも負けじとキシノへ突進する麗日。

だかやはりキシノに投げ飛ばされる。

 

「まだ………まだ…!!」

「…しょうがないなぁ」

 

諦めの悪い麗日はボロボロに塗りながらも戦意を失わない。

キシノは頭を掻きながらもう一度構える。

 

「いつまでモタモタしてんだよ!!さっさと終わらせろよ!!」

 

その時客席からヤジを飛ばす不届きものが現れる。

 

「さっさと終わらせて次の試合を進めろよ!個性でもなんでもいいからそんな雑魚片付けちまえよ!!」

 

ポテチを食べながらヤジを飛ばす男が1人。

かなり行儀が悪い。

 

「ヒーローは敵を片付けるために生まれたんだろうが!!そんなこともできない役立たずなんてヒーローですらねーよ!!」

 

男はヒーローを、特に麗日に対して激しく侮蔑を喚き散らす。

 

「…あんの野郎…ッ!」

「なんと言う暴言を…」

「許し難いことですわ!」

「地獄の扉が開かれる…!」

「一瞬でもビリってさせたい気分だ」

 

A組は麗日を侮蔑した男に対し怒りの目を向ける。

会場に来ているプロヒーロー達もジロリと男を睨むが、

 

「…あん?なんだぁ?」

 

男はどこ吹く風でヒーロー達を見下していた。

 

「なんだよその目は?ヒーローが人間様に手を出す気なのか?やってみろよ。その代わりてめーらは地獄を見るハメになるがな」

 

それどころか余裕綽々でヒーロー達を挑発していた。

 

「ッ!あいつぶん殴りてえ…!」

「流石にあたしもイラッときたよ」

 

情に厚い切島と麗日を馬鹿にされて怒った芦田が立ちあがろうとする。

 

「ま、待て!気持ちはわかるが手を出したらヒーローじゃいられなくなる!」

 

瀬呂が2人を慌てて止める。

ヒーローとは弱き人々を助けるための正義の味方である。

それ故に手を出してしまえばヒーローにあるまじき行為とされ、刑務所と共にヒーローを捨てる事となる。

 

が、そう言った暗黙のルールが『ただの一般人』を増長させる要因となっている。

 

「キシノさんが言ってた『ヒーローを軽く見ている人がいる』ってこのことだったのか」

 

宣誓の時に話した内容を思い出す緑谷。

 

「オイラやだよ。ああいう感謝もない奴助けるの」

「美人ならギリ許せる………いや無理か?」

「確かにあれは気分が悪くなるね」

「…私あの人嫌い」

 

峰田、上鳴、耳朗、葉隠さは嫌悪感を示す。

 

「皆の気持ちはわかる。しかしそれでも彼は守るべき市民である事は変わりないのだが…」

「ヒーローたるもの時には我慢が必要ね」

 

飯田と蛙吹は複雑そうにしながらも仕方ないと割り切っている。

 

「けどあいつ麗日を馬鹿にしたんだぞ?正直我慢できる自信がねぇ」

「同感だ。友を侮辱する事は許し難い事だ」

「そいつはそうだがよぉ…」

「こればかりはプロでも難しいかな?」

 

佐藤と常闇はずっと男を睨みつけており、瀬呂と尾白は宥めながらも男を複雑に見ている。

 

「クッ!こればかりはヒーローである事をめんどくさいと思った事はねぇよ…」

「………」

 

実況席にいるプレゼント・マイクはワナワナと怒りまくりで、相澤は何も言わないがジロリと男を見ている。

 

 

 

 

 

そして男の標的にされていた麗日は、

 

(………なんやの一体…)

 

男の言葉が理解できずに立ち尽くしていた。

 

(うちの………うちらの頑張りはなんやって言うの?)

 

男が発した役立たずと言う言葉。

それが麗日の心を締め付けた。

 

(こんな………こんな奴のためにうちらは戦ってるんやない!)

 

麗日はキッと侮蔑した男を睨む。

睨まれた男は怒り混じりに怒鳴りつける。

 

「なんだよその目は!テメーみてーなゴミが人間様に___」

 

 

「オイ」

 

 

何処からか『地獄の神のような威圧する声』がキシノから聞こえた。

 

「私の友達を貶したのは、何処のどいつ?」

「ヒッ!?」

 

まるで死神が見つめているかのような黒い視線が男を見ている。

 

「ングっ!…っ!?(の、喉が…!?)」

 

ビビった拍子にポテチが喉に引っかかってしまい呼吸困難になる。

慌ててジュースを飲もうとしたが、すでに飲み切った後なので万事急須に陥る。

 

「大変だー!男が喉を詰まらせてピンチになってるー!彼を助けてヒーロー!」

 

キシノはどこかわざとらしい棒読みの救助をプロヒーローに求める。

 

「よーし、しょうがねーなー」

「念の為病院へ連れて行くかー」

「みんなで運ぶぞー」

(ば、バカ言うな!どんだけ金かかると思って………やめろーーー!!)

 

プロヒーロー達も棒読みで男を運んで行った。

 

「…行っちまったな」

「でもちょっとスッキリしたかな?」

「不謹慎だけどざまぁみろって奴だな」

 

雄英の生徒達は男の退場に少し上機嫌になった。

 

「まったく、失礼な人がいたものですね。さぁ続きをしましょうか」

「え?あ、うん」

 

キシノに話を振られて唖然としていた麗日は正気に戻る。

 

「………ボソッ(ありがとう)」

 

小さく感謝を述べて、

 

ダッ!

 

再びキシノへ突進する。

 

『おっとぉ!麗日またまた突進だぁ!今度は触れることが出来るのかぁ!』

 

さっきまでキシノに親指を立ててたプレゼント・マイクは再び実況する。

 

(キシノちゃんは強い。多分まともに戦ったら確実に負ける。でも、ここで諦める訳にはいかん!)

 

麗日の気迫が変わる。

 

「…今度は場外に飛ばしてやるよ」

 

キシノは麗日の伸ばした『右手』を捕まえる。

 

(ここだ!)

「あ」

 

麗日の残った左手がキシノの体にタッチ。

個性が発動し、キシノの体が浮き始める。

 

「やっt「ガッ!」ブゥ!?」

 

勝利を確信した瞬間、キシノのクロスした足が麗日の頭を捉える。

 

「言ったでしょう?うららちゃんの対策は出来てるって」

「ぶっぷぅ…!」

「次からは浮かせられた人が反撃する対策もしてください…ね!!」

 

キシノは体を捻り、勢い任せて回転する。

勢いに飲まれた麗日はキシノの足に顔を挟まれて共に回転させられている。

 

「グラビトン・クラッシュ!!」

 

ズドォン!!

 

「ッ!…ァ………」

 

回転の勢いを加味して麗日を地面に叩きつけたキシノ。

強いダメージを受けた麗日は白目をむいて気絶した。

 

『麗日お茶子戦闘不能!キシノ・ガーディアン二回戦進出!』

「筋は悪くありません。でももう少し工夫が必要でしたね」

 

キシノはスタスタとステージから降りた。

 

『ああ麗日………うんキシノ・ガーディアン1回戦突破…』

『やるならちゃんとやれ』

(私情だらけじゃん)

 

落胆したテンションで実況するプレゼント・マイク。

 

(…それにしても、あの男の人…)

 

ヒーローや麗日を見下した態度の男を思い出すキシノ。

 

(………きっとただでは終わらない気がするなぁ)

 

これからの未来に頭を抱えるキシノだった。




ヒーローアンチキャラ作ってみました。

名前は反逆暗血(はんぎゃくあんち)

いつか再登場するかも?
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