騎士様のヒーローアカデミア   作:只の暇人

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烈火の激闘

医務室

 

「はっ!?」

 

試合後、目を覚ました爆豪はすぐに飛び起き、

 

ゴッ!

 

「ぶっ!」

 

相手の顔面に頭突きした。

 

「あ?誰だテメェ」

「酷いですわ。麗らかな乙女に対して謝罪もないとは貴方の血は美味しくなさそうですわ」

「血の味なんてかんけーねーし飲ませる気もねーよ」

 

鼻を抑えたカリナが抗議するも、爆豪に正論で返される。

 

「つーか………クソッ!」

 

キシノと戦って負けたことを思い出し、怒りのあまり柵を叩く爆豪。

 

「荒れているな。自尊心が強いとは聞いていたが」

「まぁあの娘と戦って粘った方じゃない?」

 

少し離れて様子を見守るグレイグとココ。

 

(負けた………俺はあいつに負けた!)

 

爆豪はワナワナ震え、戦慄したような表情になる。

 

(しかも………あいつは“一度も防御を取らなかった”!)

 

つまりキシノは『ノーガード』で爆豪の攻撃を耐えたということ。

キシノという巨大な壁に爆豪は“完膚なきまでに心からの敗北”を味わった。

 

『あなたはがむしゃらに駆け上がってください。頂点であなたを待ってますから』

 

ふと気絶する前にキシノの最後の言葉を思い出す。

一瞬だけ思考を巡らせ、そして怒り任せに叫ぶ。

 

「今に見てやがれ!もっと強くなってお前を完膚なきまでに負かしてやらぁ!!」

「元気そうね」

「このぶんだと慰める必要もなさそうだな」

 

『こいつはクレバー!轟焦凍の氷はキシノ・ガーディアンを受け付けな〜い!』

 

プレゼント・マイクの実況が聞こえた。

 

(チッ!もう始まってやがんのか)

(彼、大丈夫かしら?)

(それは彼女次第さ)

 

 

 

 

 

 

 

ガシャーーン!!

 

『また破壊した〜!拳一つで氷を破壊するなんてだんだんオールマイトめいたな!』

 

決勝戦にて、轟とキシノの壮絶な戦いが繰り広げられていた。

 

初手から轟が氷技を繰り出すも、キシノの拳が次々と砕いていく。

 

「ショート君、こんなワンパターンはダメですよ。ちゃんと戦ってください」

「………」

 

轟は語らずに氷を放つ。

しかしまた破壊される。

 

「…いつまで続ける気ですか?このままじゃ勝てないのは知っているでしょう?」

 

呆れたキシノに轟は消耗したように荒い息を吐いて呼吸を整える。

しかし出し続けた氷が轟本人を蝕んでいた。

 

「…貴方が父親と仲良くないことは聞きましたが、だからと言って『自分の力の一つ』を封印して戦うのは筋違いです。父親は父親。貴方は貴方。それぐらいの区別はつくはずでしょう?」

「………」

 

聞こえているはずなのだが、返事はなく俯いている。

未だにどうしたらいいかわからない顔をしている。

 

キシノは仕方ないといいたげな顔で轟を“挑発した”。

 

「………それとも何?『貴方を大切に育てた母親は、貴方を捨てたクズな訳?』」

「!!!」

 

ボォオオァァアアアア!!!

 

突如轟から膨大な熱量の火柱が上がる。

 

『あっづ!?実況席にまで熱が!』

「あぢぢぢぢぢ!焼ける焼ける!?」

「と、轟君?」

 

会場が熱量に怯んでいる中、轟はギロっ!とキシノを睨む。

 

「俺や親父に文句言うだけならまだよかった。………けどな、母さんを貶したテメーは絶対許さねぇ!!」

「許さないが何?貴方がくだらない事に悩むからこうなっているのでしょう?」

 

轟からの殺気に全く怯まずいけいけしゃあしゃあとぶっちゃけるキシノ。

 

「私の口を閉じてもらいたいなら、力尽くでやってみろ弱虫ショート」

「おおおおおおおおおおおおお!!」

 

顕現した炎をキシノに浴びせる轟。

 

『直撃ー!!炎がキシノを包み込む!………って言うかあいつ無事なのか!?』

 

どう考えても殺しかねない勢いの炎にレフリーのミッドナイトが声を出そうとし、

 

「デトロイトォ…」

 

炎の中からキシノの声が聞こえた。

 

「バーニングパンチ!(手加減)」

「ガハッ!?」

 

炎を纏し拳が轟の顔を捉えた。

 

『もろ生きてたぁ!しかも炎を利用して燃える拳を叩きつけたぁ!』

「まだまだ温いよショート君。こっちはもっと暑い炎を知っているんだから」

 

多少体操服が焦げているが、ほぼ無傷のキシノ。

 

「それに、この体育祭は全力でぶつかり合うイベントなんだよ。爆豪じゃないけど舐めた戦い方したら遺憾を残すのは君自身なんだよ?………本気で夢を目指してるなら、何も考えずに全力を出しなさい。『轟焦凍を世界に知らしめる』と思っているのならね!」

「………お前といい、緑谷といい、余計なお世話なんだよ」

「余計なお世話で結構!ヒーローは他人の事情なんて知らん!困っている人をほっとけない精神が宿ってるからね!」

「………ありがた迷惑な精神だな」

 

軽く愚痴る轟。

不思議と嫌な気分ではない。

 

「来なさい。悩みも怒りも夢も全て拳に乗せて、私を乗り越えてみなさい」

「………ありがとよ」

 

轟の右腕に炎が宿り、キシノの右腕は強く握りしめる。

 

『おそらくここが最終局面だ!決着の瞬間はここしかない!』

 

実況と共に会場全員が2人を見やる。

そして、

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 

2人が駆け出し、全身全霊を持って右腕を振りかぶった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギランッ

 

 

 

 

 

「ぐっ!?」

 

一瞬『何かが通り過ぎた』と思ったらキシノに全力でタックルされ、共々倒れる。

 

「なにを…っ!?」

 

体を起こした轟はキシノに手を伸ばすと、ぬるっとした感触を感じ、キシノの背中が大きな切り傷と共に赤く染まっていた。

 

「きゃあああああああああああああああ!!!」

「うわぁあ!!ち、血だ!!」

『な、こりゃ一体!?』

『緊急事態だ!警報を出せ!』

 

会場中が悲鳴と混乱が起こる。

 

ブブブブブブブブブブ!

 

轟の上から大きな羽音が聞こえる。

顔を上げると、紫でメタリックな甲殻を持つ蜂のような体に鋭い鎌を持つ巨大な虫が飛んでいた。

 

「キシャーーーーー!!」




ちょーっと路線を変えます。
あいつらを本格に出したいんで。
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