職場体験当日 駅ホーム
「コスチュームもったな。本来公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」
「はーい!」
「伸ばすな芦田。失礼のないようにな。さぁ行け」
コスチュームバッグを手にA組はそれぞれの職場へ向かうことになった。
「ガーディアン。忘れ物はない?」
「必要なものは全部揃ってますよ姫様」
「やった!またお姉さんたちに会える!」
ぴょんぴょんと喜びを表すコヒメ。
「………さも当たり前のようにコヒメちゃんがいる件」
「先生、あれいいんですか?」
「学園に入ったわけじゃないからな」
そんな会話を聞かないフリしつつキシノはある人物に注目した。
イベントごとに大ぶりな動きと説明で委員長になった飯田が今じゃ物静かである。
「………メガネくん」
キシノが声をかけるとピタリと止まるが振り返らない。
それでも構わずキシノは飯田の肩に手を置き、
「貴方の心はどうなっているか知りませんが………間違っても死に急ぐ真似はやめて下さいね。でないと私も姫様も、クラスみんなも悲しくなりますから」
「………ああ」
飯田は一言だけ返事しただけだった。
「メガネお兄ちゃん………」
「…これは少々難しいでしょうね」
心配そうに飯田を見つめるコヒメは言い表せない不安がよぎったという。
某県・出門町
「やって来ました出門町!」
「わぁ!やっぱりすごい!」
高層ビルや高価そうな建物が立ち並ぶ大都市のような出門町。
夜になればネオンの光が街全体を映えさせるため人気の場所なのだ。
「えっと、確か地図によると………」
チラチラと地図を見ながら目的の場所へ向かうキシノとコヒメ。
「ここですね」
変わった文字であるが『オーディル探偵事務所』と書かれた看板がある建物の前へ来た2人。
そしてある一室の前へ来た。
カランコロン
「失礼しま〜す」
少々古めかしい家具の数々とメモだらけの部屋に入り、
少し高価そうな机に白髪で鎖状の尻尾を持つ女性がいた。
「時間ぴったりだな」
「お久しぶりですオーディルさん」
「ひさしぶり!」
「早速だが手短に話そう。一緒に依頼をするぞ」
「いきなりですね」
「本来なら1人でも出来るものだが効率的に考えてお前と一緒にやる方が都合がいいしな」
「………まさかそのために?」
「想像にお任せするよ。ほら、半分やるから手伝え。グレモリー、隠れてないで行くぞ」
「ひ、ひひ、い、行くの?」
部屋の隅っこでツノが生えたかなり根暗な女性が観葉植物の陰から出てくる。
「当たり前だ。いつも留守を任せっきりだから偶には外の空気を吸え」
「わ、私はこの後大事な実験が…」
「帰ってからたっぷりやらせてやるから手伝え」
「うぅ、オ、オーディルのイジワル」
悪態をつきながらトボトボと後ろをついていく女性『グレモリー・マッデンス』。
「…一旦お預けですね」
「だね。でもあたしガーディアンをサポートできるよ!」
「では参りましょうか」
受け取った依頼書を持ってオーディル探偵の仕事をこなしにいくのだった。
話の区切り方が雑になったと若干思い始める今日この頃。