身内向けやる夫作品二次創作 作:ショボー
北方大国第18機甲師団の整備士、アンドレイ・コロフ(42歳)
[私が近づくと、煙草を燻らせながら戦車の履帯を直していた男が顔を上げる]
取材?今日みたいな日にか?まあいいさ、話したって損はないか。
この「冬将軍T-5」、見た目は頑丈そうだろう?でもな、奴らに直撃されたらただの鉄の棺桶さ。先週、ドミトリーの部隊が全滅した。彼の戦車だけは帰ってきたよ...乗員はいなかったがな。
不思議なのは内部だ。溶けたように見えるが、熱による損傷じゃない。まるで...時間そのものが歪んだようだ。奴らの武器はそういうものだ。我々の物理法則を完全に無視している。
でも、一つだけ見つけたんだ...面白いことにT-5の特殊合金装甲の一部が無傷だった。なぜだ?それが誰にも分からない。私は夜な夜な研究している...何かの答えがあるはずだ。
[周囲を見回して声を潜める]
公式には言えないが、奴らには「型」があるんじゃない。むしろ...「状態」だ。同じ奴が形を変えているんじゃないかって気がする。証拠?ないさ。ただの整備士の勘だよ。
西欧同盟難民キャンプの医師、セリーヌ・デュボワ(38歳)
取材は簡潔にお願いします。時間がないのです。
ここルミエール郊外のキャンプには、昨日だけで500人の新しい難民が到着しました。食料も医薬品も足りません。でも、私が最も恐れているのは精神的な損傷です。
アルファと対面した人々は...変わります。PTSDとは違います。脳スキャンでは説明できない変化が見られるのです。あの存在を「見た」だけで、何かが根本的に変わってしまう。
先週、アルファの飛行型に遭遇した子供たちのグループを診ました。彼らは皆、同じ不可解な図形を描きます。私はそれを「エコー・パターン」と呼んでいます。彼らは説明できません。ただ「頭の中にある」と言うだけです。
[懐から折りたたまれた紙を取り出す]
これが彼らの描いたものです。私には意味がわかりません。数学者に見せましたが、既知のどの数学的パターンとも一致しないそうです。でも...このパターンを見る度に、何か重要なものを忘れているような不思議な感覚に襲われます。
[遠くから叫び声が聞こえる]
失礼、行かなければなりません。もし本当に真実を知りたいなら、タシュケントの「ゼロ地点」に関する公式発表を信じないことです。私たちは何かを見落としています...
南米防衛連盟の元上級科学官、ラウル・メンドーサ博士(65歳)
[警戒心強く、私の録音機器を見つめる]
インタビューだと?私は取材には応じないことにしている。統一戦線の検閲官が監視している可能性があるからね。
[あなたが身分証とフリーランスの証明を見せると、少し緊張が解ける]
...分かった。だが名前は出さないでくれ。私はもう「元」科学官だ。「辞めた」というより「追放された」という方が正確だがね。
なぜか?私がアルファについての「異端」理論を提唱したからだ。奴らを「敵」と定義することは根本的な誤りだと主張したんだ。敵というのは、こちらと同じ価値観や目標を共有し、それをめぐって争う存在だ。アルファはそうではない。
アルファには、私たちが理解できるような「意図」がないんだ。奴らは私たちとはまったく異なる認知構造を持っている。私たちが「破壊」と呼ぶものは、彼らにとっては単なる...「変換」かもしれない。
タシュケントのゼロ地点で最初に発見された痕跡を研究していた頃、私たちは奇妙な現象に気づいた。アルファが「出現」する前に、量子場の乱れが検出されたんだ。彼らは別の次元から「漏れ出している」可能性があるんだよ。
私の理論は握りつぶされた。なぜなら、敵を「理解できない」となれば、士気に関わるからね。兵士たちは「邪悪な侵略者」と戦いたがる。「次元の裂け目からの漏出現象」とは戦いたくないだろう?
[苦笑いを浮かべながら]
私の話は書かないほうがいい。代わりに、英雄的な兵士の話を書けば、もっと読者は喜ぶだろう。
東洋連合国第3防衛線、竜剣対空砲操作員、林 美佐子(28歳)
[整然と並べられた制服に緊張感のある姿勢で対応する若い女性]
はい、私が先日のサンリズ市防衛戦で竜剣システムを操作していました。正式には語れませんが、上官の許可は得ています。
アルファの飛行型は...予測不能です。従来の飛行パターンに従わず、時に物理法則すら無視します。私たちの対空システムは常に適応しなければなりません。
あの日、16機の飛行型が接近していました。通常の迎撃プロトコルでは対応できないと分かった時、私は直感に従って照準アルゴリズムを手動で上書きしました。規則違反です。しかし...
[少し迷った後]
実は、私の父は数学者でした。子供の頃、彼は私にアルファの動きには特定のパターンがあると教えてくれました。カオス理論に基づく美しい数列だと。父はそれを研究していましたが、3年前に亡くなりました。
あの日、私は父の理論を思い出し、照準システムに父の数式を入力したのです。それが...効きました。16機中12機を撃墜できました。
[小声で]
でも、これは公式報告書には記載されていません。上官は「単なる幸運」と片付けました。しかし、アルファには私たちが理解できない論理があると思います。それは敵対的ではなく、ただ...私たちとは異なるだけなのかもしれません。
[突然立ち上がる]
すみません、警報です。また来てください。もしよろしければ、父の研究ノートをお見せできるかもしれません...
世界統一戦線ニュース速報
東洋連合国、最後の防衛線で踏みとどまる
サンリズ市(旧東京) — 東洋連合国軍は昨日、第三防衛線でのアルファ飛行型の大規模攻撃を何とか撃退しました。民間人2,000人以上が避難する中、「竜剣」対空砲システムが功を奏し、敵の進行を48時間遅らせることに成功。政府は「勝利」と発表しましたが、防衛専門家は次の波に備える必要性を強調しています。
北方大国、新型地上戦車「冬将軍T-5」を配備
レポートネヴァグラード — 北方大国は昨日、アルファ地上型に対抗するために設計された新型戦車「冬将軍T-5」の大量生産を開始したと発表しました。この車両は極寒の気候でも作動し、これまでに発見されたアルファの弱点を突く特殊装甲で武装しています。エゴロフ将軍は「これが転機となる可能性がある」と述べています。
西欧同盟、食糧危機に直面
ルミエール(旧パリ) — 西欧同盟諸国では食糧配給がさらに厳しくなりました。アルファによる農地の破壊と汚染により、一人当たりの週間カロリー配給が1,200カロリーに削減されました。暴動の報告が増加する中、ボンヌール首相は「我々は耐え忍ぶ」と国民に呼びかけています。
科学者らがアルファ通信の解読に前進
レポート:ニューアトランティス(旧ニューヨーク) — 西半球連邦の科学者チームがアルファの通信方式の一部を解読したと報告しています。彼らの初期の発見によると、アルファは電磁波と量子エンタングルメントの組み合わせを使用している可能性があります。「私たちはまだ彼らの言語を理解していませんが、パターンを識別し始めています」とバーンズ博士は述べています。
アフリカ連合、難民危機の中で島嶼防衛戦略を展開
リベルタス(旧ケープタウン) — アフリカ連合はユーラシアからの何百万人もの難民に対応するため、マダガスカルと周辺の島々での要塞化を進めています。「最後の砦」と呼ばれるこの戦略は、アルファが海を渡る能力の限界を利用しています。しかし、専門家は新たに発見された「水中型」アルファの報告に懸念を示しています。
タシュケント・ゼロ地点、謎の放射線パターンを発する
国際監視機関 — アルファが最初に発見されたタシュケント周辺の「ゼロ地点」から、未知の放射線パターンが検出されました。地域は完全に放棄されていますが、衛星画像は奇妙な構造物の建設を示しています。何人かの科学者は、これがアルファの「母船」または「コントロールセンター」の可能性があると推測しています。
人類統一戦線、子供兵士の徴兵を否定
人類統一司令部 — 人類統一戦線のリーダーであるシルバ将軍は、14歳未満の子供たちが前線で戦っているという報告を強く否定しました。しかし、現場からの複数の証言は、「若年義勇兵」が増加していることを示唆しています。「これは人類の存続がかかった戦いです」と公式声明は述べています。
南米防衛連盟、アマゾニア要塞の建設を加速
ヌエバ・エスペランサ — 南米防衛連盟は、アマゾン川流域における巨大地下要塞の建設を加速させています。この「最後の避難所」計画は、「人類の種の保存」を目的としており、選ばれた才能ある若者たちがすでに移送されているとの報告があります。
統一通貨「サバイバル・クレジット」、黒市場で価値急落
国際経済監視団 — 人類統一戦線によって導入された統一通貨「サバイバル・クレジット」の価値が黒市場で急落しています。多くの地域コミュニティが独自の物々交換システムに戻る中、専門家は「戦時経済の崩壊が迫っている」と警告しています。
「人間第一主義」運動、各地で台頭
複数の情報源 — 「人間第一主義」を掲げる過激派運動が世界各地で台頭しています。この運動は、限られた資源はアルファとの戦いではなく「純粋な人間の生存」に使われるべきだと主張しています。各国政府はこの動きを「敗北主義」として非難していますが、支持は拡大しています。