身内向けやる夫作品二次創作 作:ショボー
タシュケント前線、攻撃開始時点
[前線指揮所内。緊張が極限まで高まっている]
前線指揮官、マイケル・ラドフォード少将
[通信機を握りしめ、決断の重みを感じながら]
待っていられない。「オメガ」に変化が見られる。何かが始まろうとしている。
[側近たちを見回す]
諸君、最高評議会からの最終承認を待つ時間はない。私の責任で決断する。シルバーブレイク作戦、第一段階を開始せよ。
作戦参謀、リンダ・チャン中佐
[緊張した面持ちで]
しかし将軍、「やる夫」の警告は...
ラドフォード少将
[断固とした口調で]
彼の意見は考慮した。しかし、あの「もの」が完全に活性化する前に叩かなければならない。歴史が私を裁くだろう。
[通信機に向かって]
全部隊に告ぐ。これは前線指揮官からの直接命令だ。シルバーブレイク作戦、実行せよ。コード・シルバーレイン。繰り返す、コード・シルバーレイン。
[遠方で警報が鳴り響く]
神よ、私たちをお守りください。
第一波核攻撃隊、接近航路上
[複数の戦略爆撃機が編隊を組んでいる。コックピット内は緊張で満ちている]
先頭機パイロット、サラ・コナー大佐
[計器を確認しながら]
チェックポイント・アルファ通過。目標まであと40分。全機、状態確認。
[通信が入る]
シルバーレイン?確認します...了解した。攻撃開始命令を確認。全機に通達する。
[深呼吸をする]
皆、聞いてくれ。前線指揮官から攻撃開始の命令が下った。これは予定より15分早い。全機、最終準備を完了せよ。
[操縦席から「オメガ」が見え始める]
目標視認。あれが...「オメガ」だ。
[息を飲む]
想像以上だ...あれは...
[通信機が突然ノイズで満たされる]
何だ?干渉が...
[ノイズの中から声が聞こえる]
「やめるお...理解のための時間が必要だお...」
[頭を振る]
幻聴か?集中しろ!全機、侵入コースを維持。防空システムの反応は?
航法士
なし!完全な沈黙です。まるで...待っているかのように。
サラ大佐
警戒せよ。これは罠かもしれない。核装填状態、確認。
[緊張が高まる中、目標に接近していく]
タシュケント上空、核爆発後1時間
[放射能と煙に覆われた空域。残存する偵察機から映像が送信されている]
情報分析官
[画面の映像を見ながら、報告している]
核攻撃は計画通り実行されました。総計1,760発の核弾頭が目標に命中。推定総爆発力は152ギガトン。目標は深刻なダメージを受けたと思われます。
[映像が切り替わる。破壊された「オメガ」の一部が見える]
しかし...完全破壊には至っていません。「オメガ」の中心部は依然として活動しているようです。第二段階、通常兵器による攻撃が進行中です。
[警報音が鳴る]
新たな報告が入りました。特殊部隊の突入チームからです。彼らは...「オメガ」内部に進入したようです。
「オメガ」内部、特殊部隊突入地点
[放射能防護服に身を包んだ特殊部隊員たちが、破壊された構造物の中を進んでいる]
突入部隊指揮官、アキラ・タナカ大尉
[通信機を通して、息も絶え絶えに報告している]
司令部、聞こえますか?我々は中枢部への通路を確保しました。遭遇したアルファ型は...活動していません。まるで「停止」しているようです。
[周囲を照らす。壁や床は奇妙な有機的素材で覆われ、一部は脈動している]
内部構造は...説明困難です。それは建築物というより「器官」のようです。そして...「やる夫」がいます。
[驚きの声で]
彼はどうやってここに?我々より先に到着しているようです。彼は中心部へと向かっています。我々はそれを追跡中です。
[突然、強い光が発生する]
何かが起きています!中心部から強い光が...全員、警戒!
[通信が不安定になる]
見えました!それは...「制御装置」のようなものです。そして「やる夫」が...彼はそれと「対話」しているようです。彼の装置が...接続されています。
[驚愕の声で]
信じられない...構造物全体が応答しています!「やる夫」の姿が...複数に!彼は一人ではありません。彼は...何十人もの「やる夫」に分裂しています!それぞれが装置の異なる部分に接触しています!
[突然、強い衝撃が走る]
何が起きている?全体が...振動しています!撤退すべき...待ってください...
[静寂が訪れる]
止まりました...すべてが止まりました。「やる夫」が...彼らが...こちらを見ています。彼は言っています...「理解が始まったお。彼らはもう攻撃しないお。」
世界各地、アルファ型の停止報告
北米防衛司令部、緊急状況室
[スクリーンには世界地図が映し出され、赤い点が次々と消えていく]
防衛分析官、ロバート・ジョンソン大佐
[信じられない表情で報告している]
確認します。北米大陸全土のアルファ型が活動を停止しました。繰り返します、すべてのアルファ型が活動を停止しました。彼らは単に...そこに「存在」しているだけです。攻撃も移動もしていません。
司令官、エリザベス・ハーパー中将
他の地域は?
大佐
同様の報告が世界中から入っています。欧州、アジア、オーストラリア...すべての地域でアルファ型の活動が停止しています。これは...前例のない状況です。
[新たなデータが入る]
さらに報告によれば、ハイブも「沈黙」しています。内部活動は継続していますが、外部への敵対行動は完全に停止しています。
中将
[深呼吸をする]
タシュケットからの報告は?
大佐
断片的です。「オメガ」は深刻なダメージを受けましたが、完全には破壊されていないようです。そして...「やる夫」が何らかの「対話」を確立したという報告があります。
中将
[窓の外を見る。かつてアルファと戦っていた空が静かになっている]
これは...終わりなのか?それとも新たな始まりなのか?
人類統一戦線最高評議会、緊急会議
[評議員たちの表情は混乱と希望が入り混じっている]
議長 アレクサンドラ・ヴォルコワ
状況を整理しよう。シルバーブレイク作戦は...一部成功した。「オメガ」は破壊されなかったが、深刻なダメージを受けた。そして同時に、「やる夫」が何らかの「対話」を確立した。
[スクリーンには世界中のアルファ型の状況が表示されている]
結果として、全世界のアルファ型が活動を停止した。これは、停戦か?降伏か?それとも...何か別のものか?
科学評議員 チェン博士
「やる夫」からの断片的な通信によれば、彼は「理解」を確立したと言っています。アルファは...「敵」ではなかったのかもしれません。彼らは異なる「現実」からの存在で、私たちとの「対話」を試みていたのかもしれないのです。
西欧同盟代表 デュボワ元帥
それは信じがたい!彼らは何百万人もの人命を奪った!
チェン博士
もしかすると...彼らは私たちの「抵抗」を「攻撃」と解釈したのかもしれません。両者の認識のギャップが...悲劇を生んだのではないでしょうか。
議長
では、現在の状況をどう理解すれば良いのだ?
東洋連合代表 麻呂将軍
麻呂の理解では、我々は「均衡」に達したのではないかの。破壊的な力の行使と、「やる夫」による対話の試みが、同時に結果を生んだのじゃ。
議長
[深く考え込む]
これは...終戦宣言を検討すべき時なのかもしれない。しかし、警戒は解いてはならない。
[全員を見回す]
「やる夫」からの詳細な報告を待ち、その上で判断しよう。しかし、今この瞬間は...希望を持っても良いのかもしれない。
「オメガ」残存部、中心制御室
[放射能の影響で歪んだ空間。中央には複数の「やる夫」が輪になって立っている]
アキラ・タナカ大尉
[恐る恐る近づきながら]
「やる夫」さん...彼らは...止まりました。アルファは全て活動を停止しました。あなたが...成功したのですか?
「やる夫」
[複数の身体が同時に振り向く。その目は奇妙な光を放っている]
成功したお。彼らは理解したお。私たちも理解したお。
[その声は単一ではなく、複数の声が重なっているように聞こえる]
彼らは敵ではなかったお。彼らは「探検家」だお。別の次元、別の現実からの。彼らにとって、私たちの現実は「解読」が必要だったお。彼らの「言語」は現実そのものを変えるお。
タナカ大尉
では...なぜ彼らは攻撃したのですか?
「やる夫」
[悲しげに微笑む]
誤解だお。彼らは「話しかけて」いただけだお。しかし、私たちには「脅威」に見えたお。私たちは「攻撃」で応じたお。彼らもまた「防御」したお。悲劇の循環だお。
[手を広げる。その周りに奇妙な光のパターンが形成される]
今、理解が始まったお。彼らは去るお。帰るお。自分たちの世界へ。しかし、「橋」は残るお。私たちが学ぶためのお。
タナカ大尉
あなたは...彼らと一緒に行くのですか?
「やる夫」
[全ての「やる夫」が同時に微笑む]
私はもはや「一人」ではないお。私は「橋」になったお。一部は残るお。一部は行くお。学びは続くお。
[空間が奇妙に歪み始める]
伝えるお。恐れる必要はないお。新しい始まりだお。人類とアルファの。理解の時代の始まりだお。
[光が強くなり、タナカ大尉は目を閉じざるを得なくなる]