身内向けやる夫作品二次創作 作:ショボー
政治的な意図が過分に含まれていたそれは、「アルファ」との開戦以来劣勢に立たされ続けていた人類全体の希望となって急ピッチに準備が進められた。
欧州統合軍第1機動師団、ヤン・コヴァーチ大佐
[荒れ果てた教会の地下室で即席の作戦室を設営している。壁には巨大な作戦地図が貼られている]
記者殿、よく戦場まで来たものだ。勇気あるか無謀か...まぁ座れ。
冥王星作戦? 人類史上最大の反転攻勢だ。その全容を語るわけにはいかないが、基本的には三方向からの同時進撃だ。北方大国軍がスカンディナビア半島から、我々欧州統合軍が大西洋側から、そして新オスマン連合軍が南から押し上げる。
[地図の中央を指差す]
この赤く塗った部分、かつてのベルリンとパリの間のエリアだ。我々はここを「絶望地帯」と呼んでいる。アルファの密度が最も高い。こんなところに敢えて突っ込むのは狂気に見えるだろう?
[煙草に火をつける]
正直に言おう。これは勝てる戦いじゃない。だが、我々は負け続けるわけにもいかない。アルプス要塞が陥落して以来、西洋文明の最後の砦はこのわずかな大陸沿岸部だけだ。これも失えば...
重要なのは、タシュケント・ゼロ地点に関する新情報だ。科学部隊が「パルス」と呼ばれる定期的な信号がそこから発せられていることを発見した。それがアルファの活動と連動している可能性がある。だから我々はこの無謀な作戦を展開している。敵の注意を引きつけるためだ。
[声を落とす]
実際の主目標は公式には語られていない。特殊部隊がゼロ地点へ潜入する間の壮大な囮作戦だ。だが、この話は書くな。知っているだけで処刑ものだ。
西欧同盟空挺部隊、エリーズ・ラフォンテーヌ中尉
[汚れた戦闘服に身を包み、手には古びた写真を持っている]
インタビュー? うん、いいよ。明日の空挺降下前に話せることがあれば...
私たちの任務は「絶望地帯」の真ん中、旧フランクフルト地域への降下。目標は...言えないけど、とても重要なものよ。
[写真を見せる、そこには笑顔の家族が写っている]
これは2年前、ルミエールが陥落する前の私の家族。両親、弟、そして私のフィアンセ。今は全員行方不明。だから私は志願したの、この自殺的任務に。
アルファについて? 彼らを「理解」しようとする人たちは馬鹿よ。理解する必要なんてない。彼らが何であれ、彼らは私の家族を奪った。それだけが重要。
[窓の外に広がる夕焼けを見つめる]
明日の作戦で生き残る確率は20%以下だって知ってる? でも、みんな行くのよ。なぜかって? 後退するところがないから。追い詰められた動物は最も危険だって言うでしょ?
冥王星作戦の名前の由来? 知らない? ギリシャ神話の冥界の王だよ。死者の国の支配者。私たちはもう半分死んでいるの。だから恐れるものは何もない。
[微笑む]
伝えてほしいことは? そうね...「我々は記憶されるだろう」って書いて。それだけでいいわ。
国際科学部隊、量子通信班、サミュエル・チェン博士
[野戦実験室で複雑な機器を調整している痩せた男性]
あ、記者さんですか。少々お待ちください...このキャリブレーションを...はい、終わりました。
冥王星作戦の科学的側面についてお話しできることは限られています。しかし、一般的なことならば。
我々の最新の発見は、アルファが使用する通信方式に関するものです。彼らは量子もつれを利用しているようです。これは光速をも超える瞬時の情報伝達。我々の技術では20年前に理論段階だったものです。
[複雑な図表を指差す]
これが我々の傍受した信号パターンです。意味は分かりませんが、明らかに人工的なものです。数学的に美しすぎる。自然界にはこのような完璧な繰り返しパターンは存在しません。
アルファの知性? それは...複雑な質問です。彼らには確かに「知性」があります。しかし、それは蟻の巣の「知性」に近いかもしれません。個々の単位は単純でも、集合体としては驚くべき複雑さを示す。あるいは、私たちの脳の神経ネットワークのようなものかもしれません。
[眉をひそめる]
冥王星作戦の隠された側面は...いえ、それは言えません。ただ、我々は「妨害装置」を開発しました。アルファの通信を一時的に遮断できるかもしれない。理論上は。実戦では使用されたことがない。
[突然、機器が激しく振動し、奇妙な音を発する]
すみません、このインタビューはここまでにしましょう。何か...干渉が発生しています。あなたの安全のために退避をお勧めします。
新オスマン連合軍、特殊工兵隊、イブラヒム・ユルマズ軍曹
[砂と泥で汚れた制服、手には特製の爆薬を持っている]
記者? ここで何をしている? この前線は安全ではない!
[周囲を確認して声を潜める]
まあいい、少しなら話そう。私たちの任務は「破壊」ではなく「開拓」だ。アルファが制圧した地域に、人間が通れる「回廊」を作る。
この特殊爆薬を見てくれ。通常の爆発物ではない。これは我々の科学者が開発した「波動抑制装置」だ。爆発ではなく、特定の周波数の波を発生させる。これがアルファには...害があるようだ。一時的にだが。
[爆薬の表面を撫でる]
冥王星作戦で私たちの部隊は最も危険な任務を担っている。前衛として、アルファの防衛線に穴を開ける。生存率? 言わない方がいいだろう。
[微笑む]
家族? いや、私には家族はいない。いた...かつては。イスタンブールの陥落時に失った。だから今は、この部隊が私の家族だ。我々は皆、失うものがない者たちだ。
アルファについて何を思うか? 彼らは...不思議な存在だ。一度、近距離で「爆撃型」を見たことがある。それは私を見た...と思う。目はなかったが、「認識」されたような感覚があった。しかし、敵意は感じなかった。むしろ...無関心さを感じた。まるで我々が蟻であるかのように。
[遠くで爆発音が響く]
行かなければならない。もし生きて帰れたら、もっと話そう。そして記者殿、この会話は...なかったことにしてくれ。希望の話を書くんだ。絶望ではなく。
人類統一戦線情報部、アナリスト、コードネーム「カセット」
[顔を隠したまま、声も変えている]
私があなたに会うのは大きなリスクを冒しています。しかし、真実は伝えられるべきです。
冥王星作戦について公式発表されていない情報があります。この作戦は単なる「奪還」ではありません。我々は...実験を行っているのです。
[小さな装置を取り出し、周囲にホワイトノイズを発生させる]
タシュケント・ゼロ地点から発せられる「パルス」。あれはアルファのコントロールシステムではないかという仮説があります。そして我々は、それを遮断する試みを行っています。
冥王星作戦の真の目的は、大規模な「ノイズ」を発生させ、アルファの注意を欧州に引きつけること。その間に、特殊部隊がゼロ地点に接近し、「黙示録装置」と呼ばれるものを設置する。
私が恐れているのは...この装置が何をするのか誰も確実には知らないことです。理論上は、アルファとの「接続」を断ち切るはず。しかし、予期せぬ副作用があるかもしれない。
[声を震わせる]
一部の科学者は、アルファが私たちの現実の「免疫システム」ではないかと提案しています。異次元からの侵入者に対する宇宙の反応。もしそうなら、彼らを「切断」することは...想像もつかない結果をもたらすかもしれません。
これは書かないでください。あなたの命が危険にさらされます。しかし、知っておくべきです。私たちは闇の中で手探りしているのです。