身内向けやる夫作品二次創作 作:ショボー
人類統一戦線最高評議会、非公開緊急会議議事録(機密扱い)
[重苦しい空気が満ちた地下会議室。評議員たちの顔は疲労と緊張で引き締まっている]
議長 アレクサンドラ・ヴォルコワ
記録はここまでとする。これからの議論は公式議事録には残さない。
[記録係が退室する。警備員が部屋を確認し、頷く]
諸君、我々は究極の選択を迫られている。アルファの全面攻勢は予想を遥かに超えている。24時間以内に七大陸すべてで同時攻撃が開始された。これは偶然ではない。彼らは「待っていた」のだ。我々が欧州を奪還するのを。
北方大国代表 イワノフ元帥
罠だったんだ。我々が欧州に資源と兵力を集中させるのを待っていた...
西半球連邦代表 ジョンソン提督
現状報告を。オーストラリアはすでに連絡が途絶えた。南米南部も同様だ。アフリカは...
アフリカ連合代表 ンゴマ将軍
我々の大陸の40%が72時間以内に失われるだろう。新型ハイヴが同時に6か所で出現した。これまでの防衛線はほぼ無意味だ。
議長
そして我々の最大の懸念事項。タシュケント主ハイヴからの異常な活動。科学部門の報告を。
科学評議員 チェン博士
主ハイヴからの信号が急激に増加している。宇宙空間への発信も検出された。私たちの仮説では...「呼びかけ」をしているのだろう。
東洋連合代表 麻呂将軍
何を呼んでいるというのじゃ?
チェン博士
それは...分からない。しかし、良いものではないだろう。
[重い沈黙が部屋を満たす]
議長
我々には選択肢がない。オペレーション・ロングマーチの発動を提案する。
[室内がざわめく]
西欧同盟代表 デュボワ元帥
核兵器の使用だと?我々はそれを誓約で禁じたはずだ!人類の生存領域への...
議長
状況は変わった。これは生存か絶滅かの選択だ。我々は時間を買わなければならない。反撃の準備のために。「やる夫プロジェクト」の完成のために。
投票結果: 賛成9、反対3、棄権1
議長
決定した。神よ我々を赦したまえ。
オペレーション・ロングマーチ指揮官、クリストファー・ハウエル准将
[移動指揮所内。壁には世界地図が映し出され、赤い点が急速に広がっている]
核兵器の使用は...最後の手段です。私も反対でした。しかし、選択肢はありませんでした。
[地図を指差す]
これが現状です。赤はアルファの支配地域。オレンジは現在進行中の侵攻地域。わずか96時間で世界の40%が赤に染まりました。これは単なる攻撃ではない。これは「収穫」です。
[別の画面に切り替える]
ロングマーチ作戦の概要です。三段階の核攻撃。第一段階は主要なハイヴ周辺への先制攻撃。第二段階はアルファの進軍路線上への戦術核の展開。第三段階は...最終防衛線の設定です。
[声が震える]
放射能の影響は計算済みです。風向きと降下物の予測に基づき、人類生存領域への影響を最小限に抑えています。とはいえ...代償は計り知れません。
[窓の外を見る。遠方で輸送機が次々と飛び立っている]
民間人の避難は最優先事項です。「北方の避難所」計画に基づき、可能な限り多くの人々を安全地帯に移動させています。しかし、すべての人を救うことはできません...
[深いため息]
私の家族?彼らは...オーストラリアにいました。連絡は...途絶えています。だからこそ、私はこの作戦を成功させるつもりです。個人的な復讐ではありません。人類の生存のためです。
「やる夫プロジェクト」主任科学者、リサ・ウォン博士
[地下深くの研究施設。複雑な機器に囲まれている]
オペレーション・ロングマーチは...悲しい必要性です。それは私たちに時間を買ってくれます。そして、時間こそが私たちに必要なものです。
[中央にある装置を指差す]
これが「やる夫2.0」です。エカテリンブルクでの敗北後、やる夫は彼の発見をさらに発展させるため、私たちの研究チームに加わりました。彼の直感的理解は...科学的に説明できないものです。
[装置の一部が脈動しているように見える]
オリジナルの音響装置は単純な妨害技術でした。しかし、これは「コミュニケーター」です。アルファとの通信を試みるものです。彼らが「理解」しようとしているなら、私たちも同じことをする必要があります。
[懸念の表情]
ロングマーチ作戦は...道徳的に容認できるものではありません。しかし、私たちには選択肢がないのです。タシュケント主ハイヴからの信号は日々強くなっています。何かが「来ている」のです。それが到着する前に、私たちはこの装置を完成させなければなりません。
[部屋の隅に置かれた灰色の制服に目をやる]
「やる夫」自身は...変わりました。エカテリンブルク以降、彼はより黙想的になりました。彼は何かを「見た」のです。そして、それが彼を変えました。彼の言葉によれば、「アルファは敵ではないお。ただ異なるだけだお」と。
私たちはまだ完全には理解していません。しかし、核の炎が世界を焼き尽くす前に、理解する必要があるのです。
第一波核攻撃目撃者、パブロ・サンチェス空軍大尉
[医務室のベッドで。顔は火傷で覆われ、目は放射線によるダメージで白く濁っている]
私は...見ました。すべてを。エカテリンブルク・ハイヴへの第一波攻撃の実行部隊でした。
[声は枯れている]
B-52改で6機、5メガトン級水素爆弾を搭載。目標上空で投下。私は編隊リーダーでした...最後の決断をしたのは私です。
[苦痛に顔をゆがめる]
核爆発は...言葉では表現できません。太陽が地上に落ちたようでした。しかし、それよりも恐ろしかったのは...ハイヴの「反応」です。
爆発の瞬間、ハイヴは「輝き」始めました。別の次元に接続しているかのように。爆風がハイヴに到達する前に、それは「変化」し始めました。固体から...別の何かへ。
[震える手で水を飲む]
次に起きたことは...物理法則に反しています。爆発は「吸収」されました。いや、正確には「転換」されました。ハイヴは爆発のエネルギーを「取り込み」、そして...「成長」したのです。
私の機はEMPで制御不能になりました。墜落する前、最後に見たのは...巨大化したハイヴが「脈動」している光景でした。まるで、「ありがとう」と言っているかのように。
[恐怖に目を見開く]
私たちは...何をしてしまったのでしょうか?
難民キャラバン、「北方の避難所」へ向かう途上、マリア・ゴメス
[膨大な人の流れの中で、二人の子供を抱きかかえている]
私たちに選択肢はありませんでした。逃げるしかなかったのです。
[遠方の空が赤く染まっている]
三日前、警報が鳴りました。すべての市民は北方の安全地帯へ避難せよと。荷物をまとめる時間はほとんどありませんでした。記念品や思い出の品を持ち出す余裕はなく、生き残るために必要なものだけを。
[子供たちを抱きしめる]
政府は「汚染されていない地域への一時的撤退」と言っています。しかし、真実を知っています。これは撤退ではなく...撤収です。私たちは土地を放棄しています。核の炎に包まれる土地を。
[遠くで爆発音が鳴り響く]
彼らは言いません。核兵器を使っているとは。しかし、あの閃光と、その後の巨大なキノコ雲...私たちは知っています。
[疲れた微笑みを浮かべる]
それでも、希望はあります。「やる夫」のことは聞いていますか?彼が救世主だと言う人もいます。彼が「声」を通してアルファと話し、平和をもたらすと。子供たちのおとぎ話かもしれません。しかし今、私たちには希望が必要なのです。
キャラバンは明日また動き出します。目的地はどこか...誰も正確には知りません。ただ「北」だけです。核の炎から遠く離れた場所。
核攻撃後の戦略分析会議、イザベラ・クルーズ大佐
[戦略分析室。壁の画面には核攻撃後の衛星映像が映し出されている]
最初の72時間の分析結果を報告します。端的に言って...状況は予想を下回っています。
[画像を切り替える]
これがエカテリンブルク・ハイヴへの攻撃後の映像です。予想された破壊ではなく、ハイヴは「拡大」しています。核エネルギーを何らかの方法で吸収し、それを利用しているようです。
[別の映像に切り替える]
第二波の戦術核攻撃も同様の結果です。アルファの進軍は一時的に遅延しましたが、「停止」はしていません。むしろ、彼らは新たな「放射能耐性」を持つ形態に進化しています。
[深いため息をつく]
ロングマーチ作戦は...失敗しつつあります。時間は買えましたが、予想よりも短い時間です。そして代償は...計り知れません。自己破壊的な解決策であることが証明されつつあります。
[最後の映像を表示する]
唯一の希望は、タシュケント主ハイヴへの攻撃です。他のハイヴとは異なり、主ハイヴは「応答」していません。何らかの「保護措置」を取っているようです。これは重要なデータです。タシュケント・ゼロ地点には、彼らにとって特別な意味があるのかもしれません。
[周囲を見回す]
私の提案は、残りの核兵器をタシュケントに集中させることです。すべての卵を一つのバスケットに、と言いますが...私たちには選択肢がありません。そして、「やる夫プロジェクト」の完成を急がせることです。
原作の麻呂の立ち回りを見たらここにもいそうだなと急遽追加