永い旅路を歩む春   作:レガシィ

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今回からかなり文字数を減らすことにしました。
一万文字よりも4000〜5000くらいが読みやすいみたいなよで、それに準拠してみます。そのうち一章アビドス編もこんな形にするかもしれないです。
引き続き、ブルアカ二次創作をお楽しみください。


時計じかけの花のパヴァーヌ編
第一話 英雄譚を始めましょう


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『さぁ、先生。幕間を経て、第二幕の開幕です。貴方の心が折れるまで、貴方の魂が枯れるまで、貴方の身体が朽ちるまで。思う存分にこの創作を続けましょう』

 

 ーーー

 

「先生、この物語は人と人の絆が紡がれる大切な物語です。ですが……ですが、貴方が身を砕き続ける必要は無いのです。どうか、考え直して下さい。私は何百回でも……何千回でも何万回でも貴方に言い続けます。もう……やめて下さい」

 

 ーーー

 

 [はっ!?]

 

「起きた!ん、おっほん、よくぞ目覚めた勇者よ……」

 

「ちょっと、お姉ちゃん。変なしゃべり方しないで。困ってるでしょ」

 

「ごめんごめん、無事なのが嬉しくってさ」

 

 頭部の痛みと共に目が覚めた先生の視界に飛び込んできたのは、顔がそっくりで、ピンクを基調とした服と装飾の姉、モモイと、緑を基調とした装飾と服の生徒、ミドリ。

 

「お姉ちゃんが投げたプレイステーションが頭に当たった時は、殺人事件の容疑者になるかと思いました。お姉ちゃんの代わりに謝ります。ごめんなさい」

 

「ふ~んだ。そういうミドリだって、真っ先に出てきた言葉がプレイステーションは無事!?だったじゃん!」

 

「そ、それは思わず……。とにかく!先生はあのシャーレからあの手紙を読んできたんですよね?」

 

「ほんと!?まさかほんとに来てくれるなんて!」

 

 [?あぁ……あの、個性的な手紙……確か、廃部命令が迫っていて、私が勇者?で助けてってやつ……]

 

「そう!改めて、ようこそ、ゲーム開発部へ!私はシナリオライターのモモイ!」

 

「私はイラストレーターでゲームのビジュアル全般を担当してます」

 

「あと、今ここにはいないけど企画回りを担当してる私達の部長、ユズを含めてミレニアムサイエンススクールのゲーム開発部だよ!」

 

 [よろしくね。私は連邦捜査部シャーレの顧問。知っての通り先生だよ]

 

 連邦生徒会から支給された生徒資料に目を通していた先生はある程度知っていたが、元気に挨拶する二人に薄く微笑みながら名乗る。

 

「それじゃあ、さっそく廃墟に行こう!」

 

 [廃墟?もうちょっと詳しく説明してくれないかな……?]

 

「えっとね、まず私たちは今まで平和にゲームを作ってたんだけど……ある日、急に生徒会から襲撃されたの!」

 

 [へぇ、襲撃……襲撃!?]

 

「そう、一昨日には、生徒会四天王の1人であるユウカから最後通牒を突きつけられて……」

 

「それに関しては、私から直接ご説明しましょうか?」

 

「はっ!この声は!?」

 

 扉の前にいたのは、先日顔を合わせた生徒、早瀬ユウカだった。

 

「こんな形での再会なんて……はぁ、色々と話したいことはありすが。とにかく、連邦捜査部シャーレを巻き込むなんて、いえ仮に連邦生徒会長が戻ってきたとしても!学部の活動は概ね学校ごとの運営は生徒会に委ねられてる。この決定は覆せないわ」

 

「そ、そんなことはない!」

 

「言ってたでしょ。部員が規定人数に達するか、ミレニアムの部活として見合う成果をだせれば。それが出来れば良し、出来なければ廃部、全て没収」

 

「異議あり!わ、私達だって全力で部活動してる!」

 

「校内に変な建物立ててギャンブル大会したり、レトロゲームを探すとかで古代史研究肩上を襲撃したり、あげく、先輩の実験データを根こそぎエラーに追い込んじゃうのが全力?笑わせないで!!全力という言葉も部活動しとしても間違ってるわよ!もう少し全うな言い訳をしてみたらどうなの!?」

 

「と、トモゼ先輩だって一緒にやってたし、あの人だって部員1人じゃん!」

 

「あの人は別よ。ちゃんと毎月1人で成果を上げてる。アンタ達と同じ1年にも成果を1人で上げてる子がいるじゃない」

 

「時には結果よりも心意気を……」

 

「負け犬の言い訳なんて聞きたくない」

 

「聞きたいのか聞きたくないのかどっちなのさ!?」

 

「無意味な言い訳を聞きたくないってことよ。貴方達の結果はテイルズサガクロニクル……しかも史上最大ののクソゲーとしての評価1位」

 

「う、うぐぐ……」

 

「資金だって有限なの。それこそもっと意義のある部活にまわすほうがうちの学校としてはいいのよ」

 

「な、なら!結果で示す!私達には切り札があるんだから!」

 

 [なるほど。早い話、結果を出せばいいんだね。切り札が何かは分からないけど、直近なら確かミレニアムプライスがあったはず]

 

「そう!!そこでTSC2を出す!」

 

 モモイが宣言した瞬間、開きっぱなしのドアをノックし、金髪でガタイの良い不良風な生徒、トモゼが入室するも、熱の入った議論に彼の声は届いていないようで、会話が続く

 

「なぁユウカ〜もう少し予算を……ん?」

 

「確かに受賞できれば文句はないわ。けど……今の貴方たちじゃ、高校球児がメジャーリーグに出るとか、そういうレベルの話よ」

 

「それでもやってみせる!」

 

「……まぁ良いわ。私もちょっと楽しみにしなってきたし。あと2週間、それまで待ちましょう。先生……次はもっと落ち着いた状況で私的にお会いしましょうね、先生。それではまた」

 

 [あ、うん。それはいいんだけど、後ろの彼は……?]

 

「?あ、トモゼ先輩、すいません、気づかなくてっ」

 

「悪いな、なんか。また今度でいいや」

 

「そ、そうですか?それでは、また」

 

 ユウカが退出し、残された4人は会話を始める。

 

「あ~……大丈夫か?モモイ、ミドリ。廃部とか聞こえてきたが……」

 

「大丈夫!……とは言い難いけど、幸い時間が出来た!トモゼ先輩も手伝って!」

 

「それは別にいいけど何すんだよ?ていうか、そこの人って、噂のシャーレの先生か?」

 

 [そうだよ、よろしくね。君がトモゼかな?]

 

「あぁ、よろしく。空間理論開発部の部長。まぁ3年間1人だけどな」 

 

 [巻き込んじゃって良かったの?]

 

「まぁ別に……実験も行き詰まったところだし。後輩に手を貸すのも先輩の"役目"だしな」

 

「さっすがミレニアムが誇る天才の1人!頼りにしてるよ!」

 

「……まぁな」

 

「それで話を戻すと、私達の目的地は廃墟にあるの」

 

 [廃墟?]

 

「まぁざっくりな説明をすると、具体的な危険性を知らされていないがら危険指定、立ち入り禁止にされている。いわゆるブラックボックスってやつ。俺は何回か行ったことあるけど、全体の開拓率は10%にも満たない。で、そんな場所に何の用があるんだ?」

 

「GBibleを取りに行く!」

 

「「G……Bible……?」」 

 

 ーーー

 

「で、こんな所にいるわけだが……」

 

「ひいぃ……何あのロボット……!」

 

「お姉ちゃん静かに、気づかれる……!」

 

 [ヒヤヒヤするね……]

 

「安心……とまではいかないが、少なくとも俺達の姿は見えていないはすだ。この装置、結構バッテリー食うから、節約していくぞ」

 

 トモゼとエンジニア部の共同発明品の一つ。周囲の光の屈折を意図的に操作し、盲点を作り出す装置。端的にいうならば、光学迷彩。それを装備し、四人は"廃墟"を進む。

 

「ヴェリタスの言ってた位置情報はこのはず……伝説的クリエイターが作った聖書……絶対に見つけるんだから!」

 

「だから静かにしろっつの。声までは消せないんだって……つか、ゲームがそこまで大事な物か?言っちまえば家でだって出来るだろ?」

 

「……これは、わたしのプライド。私とミドリ、ユズが出会って仲良くなった大切なものなの。そんな思い出の詰まった物を、私は失いたくない」

 

 [……モモイは良い子だね。私も力を尽くすよ]

 

「頼りにしてるよ!私達の切り札!」

 

「……にしても、連邦生徒会が秘匿した場所……ロボット兵がいるのは知ってたが、こんな区画もあったとは」

 

 [ねぇ、つかぬことを聞くけど……これって、もしかして特攻室の管理範囲だったりする?]

 

「まぁ、そうだろうな。ミカドは連邦生徒会長に戦闘力を見初められてのスカウトだし、こういう危険区域は大体網羅してるはず」

 

 [黙ってれば……バレないかな……]

 

「ミカド先輩、いい人ですよね。TSCも最後までプレイしてくれましたし。感想や改善点も丁寧にレポートしてくれました……酷評でしたけど」

 

「俺は結構好きだったけどな。あのゲーム」

 

「だよね!流石キヴォトスで最初に全クリしただけあるね!」

 

 [そうなの!?]

 

「バグとグリッチ使ってゲットするアイテムある時は何百通り試したか分からんかったけどな。その方法見つけるまでストーリー何周したことか……」

 

 [トモゼは根気強いんだね]

 

 そんな話をしながら進んでいくと、トモゼの使用していた迷彩の電源が急に切れる。

 

「!なんでだ?試作の段階ではまだ使えたのに……あぁ、基板のプラチナが劣化してんのか。仕方ねぇ。ここからは隠れながら……」

 

 [トモゼ……手遅れだよ]

 

「ろ、ロボット達に気づかれちゃった!?」

 

「どうしよう!先生!」

 

 [えっと、あそこ!工場みたいなとこがある!]

 

「ナイス、突破しよう!指揮をお願い、先生!」

 

 三人は先生の指揮の元、戦闘を始める。トモゼが戦闘に立ってタンクとアタッカーをこなし、皆は無傷で工場へ辿り着く。

 

「ふーっ、よかった!流石先生!いい指揮だったね!」

 

「はい。ここまで私達が戦えるだなんて……先輩もありがとうございます」

 

 しかしハクヤの戦闘を見慣れているからか、先生から見る彼の戦闘には違和感を拭えない動きが多かった。

 

 [……トモゼ、もしかして戦うのは苦手?]

 

「まぁ……そうだな。好きじゃねぇ。でも、俺は人一倍頑丈だし、こういう時に前に出るのは最適解だろ。だから、ある程度は戦えるようにしてるだけだ。それで、そんなことよりここは……」

 

「うわぁあん!もう嫌!なんでゲームを作るためにこんな所でロボットに追われなきゃいけないの!」

 

「お、落ち着いてミドリ、生きてれば良いことあるって!」

 

「私は今日のことを言ってるの!でも……急にロボットが追ってこなくなった……何かあったのかな?」

 

 [資格を付与しました。入室を許可します]

 

 [私!?]

 

「先生がここに来たことがある……とは考えにくいな。何か他の……」

 

 [才羽モモイ、才羽ミドリ、不抜トモゼ、以上3名を生徒として認定、同行者である生徒に資格を与えます。承認しました。下部の扉を開きます]

 

「っ!三人共、掴まれ!」

 

「うびゃぁ!?」

 

「きゃぁぁ!!」

 

 [ごめん!!]

 

 ジャラララッ!

 

 足元が開くことを察知したトモゼは腰のチェーンを天井にひっかける、三人を片手で落下から防いで宙ぶらりんの状態になる。

 

「……どうしたものか」

 

「そうだよね!?解決してないよね!?」

 

「た、助けを呼ぶのは……?」

 

「ダメ!絶対ユウカに伝わる!そしたら2週間なんて待たずに廃部になっちゃう!」

 

 [……皆、降りてみよう]

 

「え!?本当に!?深さも分からないんだよ!?」

 

 [でも、こんなあからさまな隠し扉、ゲーマーならいかないわけにはいかないでしょ?]

 

「……俺は反対だ。ゲームと違って、リアルにはやり直しなんて機能はないんだぞ?」

 

 [これは勘なんだけど……行くべきだと思うんだ。皆]

 

「……行こう!もしかしたG.Bibleがあるかもしれない!」

 

「じ、じゃあ、私も……」

 

「……俺は反対したからな。じゃあ、手を離すぞ。落下する瞬間、俺か先生にしがみつけ、クッションにはなれる」

 

 [え、私もーー]

 

 ジャララッ!!

 

「「うゎぁぁああああ!!」」

 

 [わぁぁ!!]

 

「ッ……!掴まれ!」

 

 ドシィィンッ!!

 

「痛た……でも、思ったより痛くない……あ、トモゼ先輩、ありがとう」

 

「大丈夫か?ミドリも先生も……あぁ、まぁ……大丈夫そうではあるな」

 

「あれ……?あっ、先生!ごめんなさい!そ、そうい趣味が、あるんですか?」

 

 [流石に無いかな……]

 

「ミドリのその発言はまた別の意味で謝るべじゃない?」

 

 落ちる直前、トモゼはモモイを抱きかかえて衝撃を軽減し、先生は下敷きになることでミドリへの衝撃を緩和していた。

 

「うーん……ん?皆、あれ見て!」

 

「……女の子……?」

 

 自分達の大切な居場所を護るため、危険に飛び込んだ、生徒達。予期せぬ出逢いは、ここで始まった。

 

 視線の先にいたのは、椅子に眠ったように座っている少女だった。

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