永い旅路を歩む春   作:レガシィ

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言い訳ターイム
お仕事が忙しいのです…。
飲食関係なので、GWはかきいれどきでして…。
三日に一本はペースを守っていきたいです。
なので、もし投稿を確認できましたら、ちょろっと読んでみて、お気に入りや感想などいただけますとモチベに繋がります。
まだまだ原作と相違ないシーンばかりですが、まぁ、本番はこれからなので、気長にお待ちくださいませ。
前置きが長くなりましたが、どうぞ、お楽しみください。


第三話 案内を始めましょう

 ーエンジニア部ー

 

「なるほど、新しい仲間に、よりよい武器をプレゼントしたいと。そういうことなら、ウチ(エンジニア部)に来たのは素晴らしい選択だね。試作のものなら山ほどある」

 

 薄紫の髪に中性的な顔立ちのエンジニア部の部長、白石ウタハ。その背後で頷く二人の一年生の生徒、もふもふとした犬耳に黒が基調の猫塚ヒビキ、独特な形の眼鏡に黄色を基調とした豊見コトリ。三人は皆を歓迎する。

 

「悪いなウタハ。詫びに今度何か差し入れしておく」

 

「相変わらずのお人好しだね、トモゼ。それなら、転送装置を作りたいから、君の資料をいくつかくれると助かる」

 

「丁度この間成功したやつがあるからやるよ。一応次の成果報告に使うやつだからそれまで開発、発表は控えてくれると助かる」

 

「無論だよ。ま、君の研究資料を全て読むのは最低でも一週間はかかる。私達が発表するほどの理解を得るのに一体どれほど時間がかかるやら」

 

「……なるべく簡潔なレポートを渡す。注意事項も添えてな」

 

「助かるよ。すまないね」

 

 二人が個人的な取引きをしている間、離れた場所でアリスが巨大な銃を持ってはしゃいでいる。

 

「……あれ、マジで作ったのかよ」  

 

「あぁ、君の肉体を限界の基準値として考え、宇宙戦艦の主砲用に作ってみたんだ。ビーム砲はロマン。分かるだろう?」

 

「理解と実行は=じゃねぇ。どんだけ予算使ったんだ?半分くらいか?」

 

「七割だ」

 

「頭はいいが賢くはねぇな」

 

「トモゼ!アリスは勇者の剣を手に入れました!!」

 

「いいな、カッコいいじゃん。使いこなせよ、小さな勇者」

 

「はい!アリスは勇者です!」

 

 トモゼははしゃいで近付くアリスに率直な感想で褒める。

 

「ふむ……まさか、トモゼ以外に持ち上げる生徒がいるとは……」

 

「え!?トモゼ先輩これ持てんの!?」

 

「持てるだけだ。使えるわけないだろ」

 

「トモゼの筋力測定は3年連続で男女含めミレニアムNo.1。体幹も申し分ない上に恐ろしく頑丈。兵器を作る時は彼を大体の限界の基準にしているよ」

 

「はぇ~、凄い。じゃあ、アリスの武器はこれで決定だね!」

 

「い、いやあの、流石に予算的にそれ以外にして欲しいといいますか……」

 

「良いじゃないか、どうせ彼女にしか使えない。ただし……ヒビキ、処分用のドローンと警備ロボを全部出してくれ」

 

「うん。分かった」

 

「え!それって、欲しいなら倒して持っていけ的なやつ!?」

 

「その通り、光の剣が欲しいなら、私達を倒してもらおう」

 

 ウタハは"資格"があるかどうか、アリスの試し撃ちを含めて戦闘を始める。

 

 結果は圧勝。トモゼを含めた四人は、アリスのスーパーノヴァの破壊力もありゆうにドローンの大群を退けてみせる。

 

「アリス達の勝利です!」

 

「やったぁ!じゃあこれ貰っていくね、ありがとう!」

 

「あぁ、いいとも。ヒビキ、持ちやすいように取っ手と背負い紐をつけてあげてくれ」

 

「うん、分かった」

 

 モモイとアリスは正式に所持資格を貰ったことで浮かれ、ヒビキは指示された作業の為にスーパーノヴァに手を加え始める。

 

 そんな穏やかな雰囲気とは裏腹に、ウタハには一つの懸念が頭をよぎっていた。

 

(……圧倒的とも言える肉体に、自己修復を前提に造られた人工の肌……目的はやはり)

 

「戦闘。だろうな」

 

「人の心を覗かないでくれるかな?」

 

「俺も思った事だ。モモイ達みたいに何も考えてない限りは大体のやつが思いつくもんだろう」

 

「そうかも知れないが……トモゼ、君は彼女をどうするつもりだ?」

 

「……リオへの報告は控える。それと、ゼンイにも知らせない」

 

「彼か……まぁ、それが賢明か。だがまぁ、少なくも私からみた彼女はただの無邪気な新入生、温かく見守ろうじゃないか」

 

 ーーー

 

 部屋へ戻ると、ユウカが腕を組んで立っていた。

 

「ゆ、ユウカ……?」

 

「全く、新入部員が来たって報告を受けたから来てみればもぬけの殻。指定した時間にくらいちゃんと来なさい」

 

 溜息をつきながらユウカはアリスを確認してこっそり耳元で話す。

 

「アリスちゃん、ゲーム開発部に脅されて仕方なくいるなら左目で瞬きして」

 

「?」

 

「ちょっと!聞こえてるから!見てよ、この輝かしい学生証を!」

 

「生徒名簿も確認した。けれど、私はそんな簡単に騙される女じゃないわ。さ、尋問を始めましょう」

 

「隠す気ねぇ~」

 

 ゲーム開発部に来たキッカケ、役割、その他の簡易的な質問に対し、アリスはゲームや偏った観点から得た知識を披露してしまい、モモイとミドリは頭を抱えていた。

 

 しかし、傍観していたトモゼは笑いながら、アリスの入部を確信していた。

 

「……分かったわ。色々と怪しいところはあるけど、ゲームが好きなのは伝わってきた。RPG……仲間と共に何かをやり遂げることが好きな子だってのは充分に理解した。そんな貴方がこの部活に入るのは、なんら不自然なことじゃないわ」

 

「え……」

 

「てことは……」

 

「規定人数を満たしているので、改めてゲーム開発部として、部の存続を承認します……今学期までは」

 

「え!?なんで!?」

 

「あら、知らなかったのかしら。今は部としての規定人数を満たすだけでなく、成果もあげなくちゃならないのよ。この間の部長会議で決まったことよ。最も、ユズは出席していなかったけれど」

 

「くっ!卑怯者め!」

 

「鬼とかなら分かるけど、規定通りに事を運ぶことの何が卑怯なのよ……」

 

「そうだ!トモゼ先輩は!?部員1人でしょ!?」

 

「俺も会議参加してないから分からん。部員見つけなきゃ廃部か?」

 

「いえ、かなり水準は高いけれど一定以上の優秀な研究成果を上げ続ける部活は部員の方は免除されます」

 

 ユウカは資料を取り出して読み上げる。

 

「エンジニア部、空間理論開発部、人工災害資源再現部、C&C。この4つは確実な存続が認可されています」

 

「そ……そんなの贔屓だ!!」

 

「まぁ、身も蓋もない言い方をするとそうね。元々、ミレニアムは新開発、新技術開拓を目的とした学校。なら、成果を出せない部活に予算を割くより効率はいいと思わない?」

 

 完璧な理論武装な押され、モモイは詭弁も言い訳も口から出なくなる。

 

「でも、部員も増えたし時間の猶予も与えた。ミレニアムプライスで前より面白いゲーム、期待してるわよ。じゃあね〜」

 

「そ……そんな……」

 

「じゃあ結局GBible必要じゃん!また廃墟に行くの!?」

 

「私のせい……責任を取らないと……」

 

「ユズ?」

 

「わ、私も……一緒に行く」

 

「えぇ!?半年も校舎の外に出てないのに……大丈夫なの!?」

 

「私も……守りたいの。この場所を」

 

「パンパカパーン!ユズがパーティに加わりました!」

 

「うん……よし!やるしかない!行こう!」

 

「はぁ……仕方ない。だが、前回のことも踏まえて危険なら直ぐに帰還する」

 

「え、トモゼ先輩も行ってくれるの?

 

「ここで放ったらそれこそ鬼だろ。それに、一年生だけで廃墟に行くのをホントは許可もしたくない。俺が行くから、お前達はついてきた。その体裁が整ってないといざって時に庇えない」

 

 ユウカが退出し、一同は再び廃部の危機にさらされる。

 

 ユズは会議に出席しなかった自分を責め、廃墟へと赴くことを決める。

 

 ーーー

 

「右!先生伏せろ!」

 

 ドガァァン!!

 

 [あ、ありがとうトモゼ。助かったよ]

 

「気にすんな、それより指揮を」

 

「いきます!光よ!!」

 

 アリスのレールガンで前方の道が開き、目的の工場が視界に入る。しかし同時に増え続けるロボット達が行方を阻む。

 

 [よし。トモゼ、前に、ミドリとモモイは右側を一掃、アリスはトモゼの後ろで武器をチャージ、その間にユズは左手前に銃撃!]

 

「了解!」

 

「はい!」

 

「アリスは信じてます!先生も、ミドリもモモイもユズも、トモゼも!」

 

「なら、期待に応えないとなァ……!」

 

 カチッドゥンッ!!

 

 Nスキル

 

 101回目の挑戦者

 

 トモゼは腰の装置を起動し、特殊な電磁波を発生させる。ロボット達の動きが一瞬停止し、トモゼに向かって銃撃を開始する。

 

 [!よし、動きを変えよう、トモゼを中心にし銃撃を開始!人型が多いから足元を狙おう!]

 

「「了解!」」

 

 その後も先生の的確な指示で快進撃を続け、ついに工場内への潜入に一同は成功した。

 

「侵入成功、ミッションをクリアしました!」

 

「残弾は……俺は余裕がある。アリス、予備バッテリーを渡しておくが、残りは3発ってとこだな。才羽姉妹とユズはどうだ?」

 

「私はちょっと心もとないかも」

 

「まだ平気!それよりさ!私達強いんじゃない!?C&Cや他の学校の戦闘集団と戦って勝てちゃったりして!」

 

「少なくともC&Cには無理だと思うけど……先生がいると安心感が違うのは確かだね」

 

「トモゼ先輩からみてどう!?他の学校と比べてみて!」

 

「まぁ、好奇心から他校に行ったことは何度かあるが……そうだな、ミカドいるだろ?」

 

「う、うん。特攻室の室長さん。えっと……ゲームで言うなら、主人公の師匠とか?その辺のポジションかな」

 

「師匠……!アリス、その人に会ってみたいです!」

 

「えー、あの人ぉ?そんなに強そうに見えないし、私達5人だよ?」

 

「まぁ、俺達の個々の戦闘力を、大体100〜500と考えてみてくれ」

 

「おぉ、高いんじゃない!?」

 

「アイツは1人で100000000くらいだろ」

 

「……へ?」

 

「えぇ!?ミカドさんってそんなに強いんですか!?」

 

「当たり前だ。そもそも"キヴォトス"の治安をたった1人で維持してんだぞ。俺なんて以ての外、ネルパイセンですら勝利どころか傷をつけられるビジョンが俺には浮かばない」

 

「C&Cのリーダーが……?」

 

「い……言いすぎじゃ……」

 

 [んー、でもミカドは強いよね、ホントに。アビドスにいる凄く強い二年生の男子生徒がいるんだけど、その彼がボコボコだって言ってたし]

 

「アビドス……あぁ、ハクヤって奴か。ミカドが特攻室に誘って蹴られてたな」

 

「せ……世界は広いね……」

 

「先生まで言うなら……って、アリスちゃん、どこに行くの?」

 

「……アリス、ここが見慣れた景色だということに気づきました。記憶にはありませんが……まるで、セーブデータを持っているみたいです。こっちです!」

 

 無駄話をしながら装備を見直し、トモゼは簡易的な手当を自らに施す。すると、アリスはふらふらと、まるでこの場所を知っているかのように歩き出し、一つの映像媒体を発見する。

 

「こ……これは……」

 

 画面には検索機能と、DivisionSystemと文字が羅列される。何度か試行するうち、処理につまり、電源が落ちるまでの時間が表示される。

 

「ちょっと!せめてGBibleのことを教えて!」

 

 画面には別の保存媒体への移行を提案する意図のメッセージが表示される。

 

「えぇ!?どうしよう!ゲームガールズアドバンスSPのメモリーカードでも大丈夫!?」

 

「…………まぁ、可能、ではあります」

 

「なんか嫌そうだな。自我があるみたいな」

 

「データケーブル、接続完了!」

 

「……保存揚力不足、既存データを削除します。残り時間9秒……」

 

「えっ、嘘!?もしかしてデータ消してる!?やめてよ!そこまで装備整えるのものすごく大変だったんだからーー」

 

「残念、削除」

 

「チョットぉぉぉ!?」

 

「電源が落ちて……あっ、お姉ちゃん、画面見てみて!」

 

 画面に映ったのは、GBible.exeの文字。モモイは確認しようと実行するが、パスワードが邪魔をする。しかし、彼女達には心強いハッカーの友人がいる。

 

「これなら、ヴェリタスがすぐに解読できる!」

 

「決まりだな。さっさと戻るか」

 

「よーっし!待っててねミレニアムプライス!いや、キヴォトスゲーム大賞!キヴォトスのゲーム界に電撃を走らせてやるんだからぁ!!」

 

「待って!そんな大声だしたら……」

 

 [うーん……手遅れかな。仕方ない。一本道だし、アリス、フルチャージ一発で真っ直ぐ撃って、トモゼ、殿を頼めるかな」

 

「分かりました!チャージを開始します!」

 

「りょーかい。得意分野だ」

 

 5人は廃虚から脱するためにもう1踏ん張りを始めるのだった。

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