永い旅路を歩む春   作:レガシィ

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ほんっっとうにお待たせしました!!
楽しみにしてくださっていた方申し訳ありません!
特殊な事情は特にないです、単純にリアルが忙しかったのとスランプと思っていただければ。
それでは、第二話、お楽しみください!
あ、それと。水着ティーパーティーおめでとぉぉぉ!!!!
(主の最推しはティーパーティー。特にナギサ)


第二話 限りない不安

 部室がロボ達によって破壊され、煙が見た目以上の不安として渦を巻く。状況を把握することに努めた一同は、その原因の特定を仮定する。

 

「機械達の突然の暴走……その原因は……」

 

「アリスなの……?」

 

「有機体の生存反応を検知。プロトコルを再実行、リロードを開始します」

 

「また充電を開始しました!」

 

 [止めないと!みんな!アリスを!]

 

 先生の声に従い、マキとコタマはアリスに謝りながら銃撃し、充電をとめる。

 

「妨害を確認、妨害要素を排除します」

 

「え!?」

 

 マキをアリスの身体が持つ怪力で吹き飛ばし、無力化。コタマとハレが受け止める間に再びリロードを開始する。

 

「アリスちゃん……!」

 

 [くっ……!]

 

「そこまでだ、チビ」

 

 状況の整理が追いつかない中、頼りになる一人の声。

 

 即座にアリスの頚椎に手刀を叩き込み気絶させる。

 

 美甘ネルと、ネル率いるC&Cのメンバー、そして駆けつけたゼンイがロボット達を相手する。

 

「このロボット共、ここにもいやがったのか。おい、片付けるぞ。ゼンイはチビの様子を見てやれ」

 

「はーい!」

 

「支援、開始する」

 

「色々興味深い……が、流石にそんな不謹慎なことは言ってられないからね。開発部とヴェリタスの皆、先輩達が暴れるから離れよう……モモイは僕が担ごう」

 

 離れた間にC&Cはロボットを瞬く間に撃滅、皆が戻る間、事態はロボット達の解決の間に悪化していた。

 

「お、お姉ちゃんが……お姉ちゃんが……!」

 

 ーーー

 

 事態は収束したが、終わっていなかった。モモイは気を失い、部室は火の海。ロボットとアリスの関連性の謎。

 

 モモイのゲームが起動したかと思えば、当のゲーム機は一切の鳴りを潜め、まるで空っぽになったかのように起動しなくなった。

 

 この話は、勿論生徒会長、調月リオの耳にも入っていた。

 

 シャーレにて。

 

 [……ここからだ。まだ気は抜けない]

 

 シャーレの固定通話機から、ミドリからの連絡でミレニアムへ足を運ぶ。

 

「せ、先生……」

 

 [……アリスは?]

 

「……まだ、部室からでてきません……」

 

「こんな時、なんて声をかければいいのか……うぅっ……」

 

 [大丈夫、ここは私に任せて]

 

 先生は二人の頭に軽く手を置いて慰め、意を決して部室の前に立つ。

 

 [アリス、ちょっと入ってもいいかな?……入るよ]

 

 ガチャリ……

 

 [アリス……大丈夫?]

 

 部室の中は暗く、大好きであろうゲームにも手を伸ばせずにソファで体育座りで閉じこもっているアリスの姿があった。

 

 夜目の効く先生は問題とせず、彼女の隣に座る。

 

「…………」

 

 [ご飯も食べないでずっと籠もってるって聞いたよ]

 

「せ、先生……」

 

 [皆、心配してるよ。行こう?]

 

「アリスには……できません」

 

 [……どうしてかな?]

 

「アリスの……アリスのせいで、モモイが怪我をしました……どうしてこうなったのか……アリスにも分かりません」

 

 [アリス……]

 

「あの時、何かが……まるで、アリスの知らないセーブデータが、アリスの中にあるかのような……」

 

 [……]

 

 先生は廃墟での会話を思い出しながら、隣で話を聞き続ける。

 

「アリスの体が反応しました。動きましたあの時、何をしたのか思い出せませんが……それでも一つ、確かなのは……アリスが……アリスが……アリスがモモイを……!」

 

 [落ち着いて、アリス]

 

「先生、アリスはどうすれば……!」

 

 ガチャッ……

 

 アリスが胸の内を吐露しようとする時、扉が開いて一人の人物が、アリスの言葉を肯定しながら入室する。

 

「そう、彼女が怪我をさせた。それは逃れられない事実」

 

 [……リオ]

 

「自己紹介の手間が省けるのは嬉しいわ。流石は、"シャーレの先生"ね。記録的な出会いがこうなってしまったのは、極めて残念だけれど」

 

「先生!」

 

「か、会長が……」

 

「それにしても。あぁ、やはり……危惧していた通りになってしまったようね」

 

 [リオ……何かあったのかい?]

 

「まさしく今目の前の問題について、真実を伝えに来たの」

 

リオの言葉を聞いた先生は意を決したように、彼女の前に立って自らの知るリオの噂を語る。

 

 [千年難題の解決を望み、星を追う、超合理主義者。君の噂はかねがね]

 

「……先生。貴方達は、数日前の事件で一つの考えに到達したのではなくて?」

 

 リオは自己紹介の必要がないほど概要を知り尽くした先生の言葉に、違和感をなぞりつつも話を続ける。

 

「今まで友人だと思っていた彼女の見せた異なる姿。そして、同時に生じた破壊と混乱……そして、貴方達は、こう思ったのでは?」

 

 [思わない]

 

「……聡明な貴方なら、恐らく私の次の言葉が解るでしょう。でも、教職者なら話は最後まで聞くものよ」

 

 [リオ……少し遠回りな表現と、直球な議題の繋げ方。それは君の美徳だ。だけど、私は君の思うような未来は信じられない]

 

「先生、"られない"というのは、あくまでも個人の希望的な観測に過ぎないわ。貴方の後ろにいるその少女、ソレは、生徒の姿を騙ったオーパーツでありDivisionの指揮者……"名もなき神々の王女"、AL-1S」

 

 […………]

 

「アリスは……アリスには理解できません……」

 

「そうですよ!何を言ってるんですか!?勝手な脳内設定を話さないでください!」

 

「ミ、ミドリ……」

 

 失礼が過ぎる物言いにユズは顔を青くする。しかし、その言葉を気にもとめず、リオは話を二人に理解しやすいようにと言葉を変えて繋げる。

 

「もっと理解しやすいよう、貴方達の好きな"ゲーム"に例えましょう」

 

 [ゲーム……]

 

「アリスは、この世界を滅ぼすために生まれた魔王なのよ」

 

「!!」

 

 [アリスが魔王……]

 

「どうしてそんな事を言うんですか!?会長はいったい何を企んでいるんですか!?」

 

「企んでなどいないわ。貴方達は直接見たでしょう?あのロボ達とアリスの接触で何が起きたのかを」

 

 [そのロボ達との接触で、君の中にある仮説は立証されたと?]

 

「えぇ、その通り。本来、あのようなことになるはずはなかったのだけれど、これは完全にこちらの不手際。謝罪をここに」

 

「会長が謝罪……!?」

 

「せ、先生。リオ会長の仮説って……」

 

 [……アリスを求めて、あのロボット達がここに来ているということ。そして、それは証明された。ということだろう?]

 

「……話が速すぎるわ。貴方も私と同じ考え?」

 

 [それは無いね、残念ながら]

 

「そう。とても残念。シャーレの権限なら、あらゆる雑事を介することもないと思ったのだけれど……まぁいいわ」

 

 リオはアリスに視線を向け、冷酷に言い放つ。

 

「話を戻しましょう。今回の事件、壊れかけのロボだからこの程度で済んだだけ。次はこんなものでは済まされないわ。でもね、アリス、貴方が消えればDivision達は活動を停止する。皆の安寧を約束するために、貴方はこの世界に存在してはいけないの」

 

「!」

 

「そんな……アリスはただ……みんなと一緒にゲームを……クエストをしたかかっだけなのに……」

 

「いいえ、それは叶わないわ。私はゲームに疎いけど、辞書的な知識ならあるの。だから、貴方に質問をするわ。勇者とは。仲間に剣を向ける存在かしら?それは、悪役(魔王)のすることではなくて?」

 

「……!」

 

「アリスちゃんは聞かなくていい!変わり者だとは聞いていたけどここまでなんて……!」

 

「アリスちゃん……」

 

 [……リオ、やめて]

 

「先生、事実から目を背けるのはただの現実逃避。感心しないわ。負うべき責任の放棄は、極めて不合理的な行動よ」

 

 [合理非合理の問題じゃないよ、リオ]

 

 淡々とした物言いに、先生は非論理的な否定の言葉をぶつける。

 

「ア……アリスは……どうすればいいんですか……?」

 

「貴方がここにいることで全ての事件は起きている。あとは簡単なことよ。爆弾は、安全な場所で解体すればいい」

 

「解、体……?」

 

「分かりにくかったわね。つまり、貴方のーー」

 

 バァンッ!!

 

「「「!!」」」

 

 強度を無視した力強さで扉が蹴り開けられる。暗い部屋に差し込んだ光を背に、大柄な彼の身体が影を落とす。

 

「……ノックくらいしなさい」

 

「トモゼ先輩!!」

 

「トモ……ゼ……?」

 

「リオ……言葉は選べ」

 

「……貴方が私を嫌いなことは知っているわ。貴方達にも、不愉快な物言いだったのなら謝罪するわ」

 

「トモゼ先輩!助けてください!会長が……!」

 

 ミドリの言葉に、トモゼは頷かない。彼は俯いて、普段の笑顔に陰りを見せる。

 

 [……トモゼ、君も……リオと同じなんだね]

 

「嘘……ですよね……?先輩……?」

 

「……すまねぇ……」

 

「トモゼは感情的だけれど、私と同じ合理主義よ。まぁ、彼の人間性は私と違って人に好かれるものだけど」

 

「…………」

 

「理解されなくても構わない。私は、皆を守りたいだけ。さぁ、トモゼ、そして……美甘ネル、出番よ」

 

「ネル先輩まで……!?」

 

「彼女は、いえ、C&Cは私直属のエージェント。任務に私情を挟むことはない。悪く思わないでやってね」

 

「……先生。ちびっこ達。大人しくしてくれ。既に周りもAMASで掌握してる。たとえ救援がきても、ミレニアムに俺とネルに勝てるやつはいねぇ。頼む」

 

 頭を深々と下げるトモゼは歯を食いしばる表情で降参を促し、リオも同時にネルへと指示を出す。しかし、彼女は不敵に笑い飛ばし、怒りを見せる

 

「ネル。仕事の時間よ」

 

「……ふっ……くっそ!やってられっかよ!!」

 

「ネーー」

 

 バガァンッ!!ズダダダダッ!!

 

 隣のトモゼの顔面を飛んで蹴りとばして壁へ叩きつけ、それを足蹴にしながらリオを護衛するAMASに銃撃する。

 

「……ネル、一体なんのつもり?」

 

 [ネル……!]

 

「……ネル先輩?」

 

「気に入らねぇ依頼に付き合う義理はねぇよ……リオ!」

 

「ここにきて裏切り……やはり、変数は考慮するものね。やりなさい、トキ」

 

 [ッ皆伏せて!!]

 

 ボガァン!!

 

 突然の爆破、無傷なネルの驚愕の声と煙幕から現れた一人のメイド服の生徒は淡々と抑揚のない声で自己紹介を始める。

 

「はじめまして、先輩、先生。C&C所属、コールサインゼロフォー。ご挨拶申し上げます」

 

「え、5番目……?」

 

「後ろから奇襲とはよぉ……覚悟はできてんだろうなぁ!?」

 

 [ネル、待って!]

 

 先生の静止を聞かず、ネルは廊下に配備されたAMASを破壊し始める。圧倒的なタイマン性能を誇るコールサインダブルオー。一切の危なげなく危機を脱する。

 

「やはりAMAS程度では駄目ね……トキ、武装の解除を許可するわ。それと、トモゼ。いつまで狸寝入りをするつもり?貴方の頚椎の強度からして、脳があの程度の一撃で揺らぐわけ無いわ」

 

「イエス、マム」

 

「……あぁ、悪い。思ったより当たりどころが悪くてな」

 

 コキコキと首を鳴らしながらトモゼが立ち上がり、トキはメイド姿の一部を脱ぎ捨て、先程よりも身軽な姿になる。

 

「ハッ!トモゼはともかく、てめぇに遅れをとるかよ!」

 

 しかし、ネルの予想に反し、身軽になった彼女のスピードと暗闇に乗じたる戦闘法から苦戦を強いられ、ヒットアンドアウェイの要領で確実にダメージが蓄積する。

 

「くっ……!」

 

「悪い、ネル」

 

 ブゥンッバガンッ!!ガシッ!

 

 トモゼはネルの腕をつかんでゲーム開発部の部室の扉へ叩きつけ、そのまま上から押し倒して拘束する。

 

「ぐっ!?離しやがれトモゼ!!」

 

「……俺の総合的な筋力値はネルの3倍はある。振りほどけるわけねぇだろ。下手に動くと筋肉が千切れるぞ」

 

「流石です。トモゼ様」

 

「……買いかぶるな、不意打ちだ。お前のほうが強い。ちびっこ共。動くなよ。お前達を傷つけたくない」

 

「ッ!先輩!!」

 

 [……やめて、リオ]

 

「それは私のセリフよ。対立も、憎しみを生むことも私は望んでいない。この件、会長である私と三年生の中でも合理的な判断が下せる、信頼のおけるトモゼが先に動いた。こういう時、真っ先に動くのは大人である貴方なのではなくて?」

 

 [……確かに、私は大人だ。この状況も、アリスのことも想定していなかったわけじゃない。でも、私は生徒を傷つけたくない]

 

「いつまでそんな寝言を……!」

 

「無論、いつまでもだ」

 

「何故……そこまではっきりと……?何の理由があって……!」

 

「……目の前に、救いたい生徒がいる。見たい未来がある。運命をねじ伏せ、未来をこじ開けて、時間をねじり潰してでも咲かせたい笑顔がある。それが生徒達(君達)だ。理由はそれ以上はいらない」

 

「……勘違いしないでちょうだい。アレは生命体じゃない。貴方が背負うべき生徒じゃない。もしそう感じのなら」

 

「エライザ効果じゃない。誰が生徒かは、私の尺度による」

 

「このっ……!」

 

 リオの言葉を先に潰し、先生は淡々と理想を語る。

 

 彼女の感情を揺さぶることが目的だとわかったトモゼは言葉を切り、先生の相手を自分へすげ変える。

 

「先生。言いてぇことは分かる……よく分かる。凄くな。でもよ……これが……最善なんだよ……!」

 

「トモゼ……]

 

「先生。頼む。これ以上喋るな。あんたを傷つけたくない……もう……準備は出来てるんだ。アリスの……ヘイローを破壊する準備は」

 

「違う!!トモゼ先輩はそんなこと言わない!!」

 

「!」

 

 トモゼの言葉に、ミドリは自らを囲むAMASを押しのけて言葉をトモゼに紡ぐ。

 

「先輩は……そう!操られてるの!!アリスちゃんは兵器じゃない!私達の友達で、勇者で!先輩の相棒で!!先輩は会長に洗脳されてるの!!」

 

「…………」

 

「そうでしょう!?アリスちゃんのスーパーノヴァは勇者の証っーー」

 

 パキンッ!ヴゥ゙ン……

 

「!」

 

 トモゼは球形のハッキングツールと思われるものをスーパーノヴァにぶつけ、強制的にショートさせて電源を落とす。

 

「……これで……スーパーノヴァの……エンジニア部の作った、"玩具"の電源は落ちた……。勇者の剣は、光を失った」

 

「あ、アリスの……勇者の剣が……」

 

「……証明は完了ね」

 

「なんで……なんでなんでなんで!!?トモゼ先輩!!!嘘だ嘘だ嘘だ!!操られてるんでしょ!?変な催眠とか洗脳とかで!その態度も言葉も全部偽物なんでしょ!?先輩!!」

 

「ッ嘘じゃねぇ!!!!!」

 

 空気が震撼するトモゼの声。間近で受けたネルの耳からは血が流れるほど。リオは予測していたのか耳を塞いでいたが、ミドリは目を見開いて腰を抜かす。

 

「アリスは魔王なんだよ!!!お前達をいずれ傷つける!!モモイを見ただろうが!!!」

 

 ドクンと、トモゼの言葉にアリスは心臓が深く脈打つ感覚を覚える。

 

「俺は……俺は不安で仕方ないんだよ……!!俺の選択なんて信じるな!!リオが一番合理的で、正しい……!何も知らない子供は黙ってろ!!」

 

「ッ……!」

 

 パンッ!!

 

 ミドリはボロボロと涙を零しながら、トモゼの首元を引っ張って頬を思い切り叩き、彼を嫌悪した言葉も叩きつける。

 

 [!待って、ミドリ……!]

 

「最ッ低!!この……裏切り者!!!」

 

 この言葉の応酬の間に、アリスの決意は悲しくも固まっていた。

 

「アリスは……魔王だから……勇者になれないから……そう……ですね……」

 

 [アリス……?]

 

「アリスちゃん……?」

 

「はい、アリス。全て理解しました……アリスが、消えます」

 

「アリ……ス……ちゃん……」

 

 [その必要はないよ、アリス]

 

「いいえ、大丈夫です。アリスは……先生に怪我なんてさせたくないです。誰にも……怪我なんてしてほしくないです。胸が……痛くなります」

 

 アリスはぽつりぽつりと心情を吐露する。

 

「でも、この話をきいて、やっと理解しました。全部……アリスのせいです……皆が……怪我してしまいます」

 

 [リオの言葉を鵜呑みにしなくていい。ちゃんと、話し合おう、アリス]

 

「先生は……心配しなくてもいいです。アリスは……生命体ではないのですから。アリスは、ミレニアムの生徒ではないから、いなくなっても大丈夫です。勇者じゃないから……大丈夫です……」

 

 空元気な笑顔のアリスの頬を、涙が伝う。紛れもなく、人と同じであるその涙と感情を、先生達は自分達と同じだと信じて疑えなかった。

 

「皆、アリスと冒険してくれてありがとうございました……今まで本当に、幸せでした……」

 

「それでは、失礼するわ。もしも先生が、私の行動や言動に傷ついたのであれば、全てが終わった後、改めて謝罪をさせてちょうだい。では、また」

 

 リオがアリスを連れて完全にその場を離れてから、緩んだトモゼの拘束を、ネルが抜け出した。

 

「……おい、トモゼ」

 

「……なんだよ」

 

「ここでてめぇに一撃食らわすのは簡単だ……さっきのも、お前がそういう奴だってのも知ってる」

 

「……」

 

「お前と、私。象徴は二つもいらねぇってこと、次に分からせてやる」

 

「願わくば……そんな未来は無いことを祈る」

 

「ハッ。学者が祈んな、胸糞悪ぃ」

 

 トモゼが退室するまでの間、AMAS達に囲まれた先生達は指一本動かせなかった。首には青筋が浮かび、握りしめた先生の拳の隙間から、血が流れる。

 

「先生……悪いのは……」

 

 [違うよ、ユズ。誰も悪くなんて無いんだ。これは……リオも含めた君達にそんな顔をさせてしまった…そんな己の無力さがあまりにも、情けなくてね……!]

 

 呼吸さえ憚られるような先生の憤り。その場の全員の気持ちが落ち着くのには、少なくない時間を要した。




パヴァーヌ編は今月中に終わらせたいですね…。
仕事が落ち着く今のうち…!
という感じの心持ちでいます。
励みになりますよで、感想、評価よろしくお願いします!
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