永い旅路を歩む春   作:レガシィ

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5か月…?え、5か月…??
すいませんでした…失踪気味でしたので、疾走気味で更新します。
(激ウマギャグ)


第四話 万力が如く

 エリドゥ、要塞都市中央タワー

 

「シャーレの先生がアリスを取り返しに来る確率は99.99%……加わる勢力はC&C、エンジニア部、ヴェリタス、セミナー、ゲーム開発部、ゼンイ。コチラの防衛成功確率は、私とトキでは64.51%、もしも"皇ミカド"が加われば確率は1%にも満たない。でも、貴方がいれば、これらの確率に約5%の相乗が期待できる」

 

「……ミカドが来れば確率は0だ。最も、恐らく先生は呼ばないだろうが。懸念点はゼンイと先生だ」

 

「……非常に残念よ……旧友が理解を示してくれないのは」

 

「でも、理解されなくても。この世がお前を悪と規定しても構わない。そう言ったのは……お前だ」

 

「……そうね」

 

(正しい道を進むのは茨の道だ。だから……お前一人には歩ませない)

 

【リオ様、エリドゥの監視から報告が】

 

「分かったわ。結局データの通りになるのね……。トキ、後はよろしく」

 

【イエス、マム】

 

「……」

 

「全てが終わったら、これで良かったと思ってもらえる。なんて思うなよ、リオ。俺達のやってることは結局の所、拉致監禁と、この世で最大の禁忌だ」

 

「……えぇ、解ってるわ」

 

 ーーー

 

 先生チーム

 

「よし、想定通り物流輸送用無人列車で現場に来れた」

 

「流石ヴェリタス。列車システムごとハッキングしてくれるとは!」

 

【気を付けて。その改札を通って地上にでたらもうエリドゥだよ】

 

【一応、モニタリングはしてるけど……5分に1回のペースでトモゼ先輩のオートジャミングシステムが働いてる】

 

【その度に2分間のインターバルが発生するから、その間に拾えない情報だけ気を付けて】

 

 [うん、ありがとう。それじゃ、C&C、出動の時間だよ……っと、その前に、こっちを片付けよう]

 

「怪我をしたらすぐに下がって、治療は任せて」

 

【周りのハッキングは完了してるよ! やっちゃって!】

 

 ーーー

 

 C&Cチーム

 

「あっはは! 楽しーね! どんどんやっちゃおー!」

 

 楽しそうに笑いながらアスナを筆頭にカリンとアカネは群体のロボ達を退ける。

 

「……あら、お出ましですか」

 

「お待ちしておりました。C&C所属、コールサインゼロフォー、遊鳥馬トキ、ご挨拶申し上げます」

 

「随分と速いお出ましで」

 

「はい。リオ様のエリドゥ掌握の技術。そして、トモゼ様が確立した皆様のパターン……。ですので、僭越ながら申し上げます。これ以上の抵抗は無意味。大人しく投降をお願い致します」

 

「ほう……なるほど」

 

「それはちょっと難しいかも〜」

 

 チュドォォンッ!! 

 

「え、いきなり?」

 

「あら……ちょっと法に触れる威力の爆弾だったんですけど。そのバリア……」

 

「トモゼ様の発明品です。強度と引き換えに電力消費が激しい代物ですが、こと"エリドゥ"では使い放題。C&Cの要注意人物、室笠アカネ先輩の爆弾は効きません」

 

「あら、挨拶のつもりだったのに、思わぬ収穫が。始めまして後輩さん、トキ……でしたね? 先日は部長が大変お世話になりました。それに……投降しろという丁寧な勧告までいただくなんて……」

 

 アカネは時間を稼ぐ為に長い言葉を並べ立てる。

 

「ふふ。貴方が会長のボディーガードということは伺っていましたが……C&Cを見くびってもらっては困りますね」

 

「!」

 

「目には目を、歯には歯を。本日はその為に来ておりますから」

 

 ガチャッ

 

 アカネの合図で三人はトキに銃口を向ける。

 

「……もちろん、ここで大人しく投降するのでしたら、水に流すこともできますよ?」

 

「それはできません。リオ様の指示で、指示に背くC&Cを制圧せよ。と」

 

「ふ~ん、真面目ちゃんなんだね、トキちゃんは♪」

 

「……陽動作戦。トモゼ様の考えた皆様の行動パターンの一つです。先輩方が私を足止めし、ネル先輩と先生率いる少人数の編成で天童アリスを奪還する」

 

(流石……ですが、"パターン"と呼称している辺り、先輩の考えつく何万通りの作戦を全て記憶できているわけではないということ。付け入る隙はそこですね……)

 

「正しい判断です。"武装"を使った私との正面対決を避け、最高戦力であるネル先輩と、唯一の超不確定要素、機努ゼンイを自由にさせる。それであれば、えぇ……確かに、勝算はあるでしょう」

 

「誰に、勝算があるって?」

 

 ズダダダダッ!! 

 

「!」

 

 話に出た最高戦力、美甘ネルがトキを銃撃しながら乱入する。

 

「あははっ! 遅かったじゃん部長!」

 

「何故……ネル先輩がここに……」

 

「あぁ? 決まってんだろ、リベンジマッチだよ。おい新入り、先輩に楯突いたらどうなんのか、じ〜っくり教えてやるよ」

 

「……対応、開始」

 

「は! いいぜ、やってやろうじゃねーか!」

 

 ロングスカートのメイド服を一部解除し、軽装へと換装する。依然はトモゼの協力込みで封じられたネルだが、今度は反対の、理想の状況ができあがる。

 

 ーーー

 

 先生チーム

 

「外だ!!」

 

 ドローンを退け、可能な限りの隠密行動でC&Cの戦う地点から離れた場所で地上に出る先生達。

 

【アリスちゃんは中央のタワーにいると仮定して、左手にある大通りをまっすぐ北に進めばたどり着けるよ】

 

 [OK、行こう]

 

「どけどけー!」

 

 モモイを先頭にドローン達を排除、ヴェリタスのルート案内で最短、最速でタワーへと向かう。

 

【……おかしいな】

 

「どしたのゼンイ?」

 

【いや……何でもない。僕の"玩具"は使わずにすみそうだなとね】

 

 ーーー

 

 C&Cチーム

 

「アスナ! いっくよー!」

 

「……!」

 

「今!」

 

「避けても無駄です!」

 

「逃がすもんか!」

 

 四対一、この状況こそがC&Cの真骨頂。リオとトモゼのサポートがある武装したトキを追い詰めていく。

 

(強力ですね……バリアも無制限とは言え、このままではジリ貧……)

 

(んだよあのバリア。全くダメージが入らねぇな。だがまぁ、弱点も見えてきた。トモゼの癖が出てる。目測で攻撃を判断、"脳波"がキャッチ、半オートで動くプログラム。つまり、死角からの攻撃は通る!)

 

 ジャラララッ! 

 

「「!」」

 

「オラァ!」

 

「くらえ!」

 

「いっけー!」

 

 トキの懐に侵入したネルは後ろ手にカリンとアスナへ挟撃のハンドサインを出し、三方向からの銃撃で初めて明確なダメージを与える。

 

(リオ様とトモゼ様のデータで見れば、他校の部活の特記戦力者に優位を取れるほどの連携能力……ならば……)

 

 ゴゥンッ……

 

「部長、これは……!」

 

「わぁ!? 地面が揺れてるー!」

 

「ちょ……!? んだよこれ!?」

 

「建物が……!」

 

 地面が揺れ、次々と飛び出す支柱達と動く建物によって迷路が構築され、C&Cはネルと三人で分断される。

 

「この一帯の都市構造を変更し、他の先輩と隔離させていただきました」

 

「はぁ? んだそれ」

 

「リオ様から頂いたこの侵入者撃退用都市の権限。それを利用して先輩達を分断させていただきました。これで、貴方の勝率は限りなく低くなりました」

 

「はぁ……勝率だのなんだの……ふざけてやがる」

 

【そうとも言えないわ】

 

「……リオ」

 

【コールサイン00、美甘ネル。貴方の動きも、"向こう"の動きも予測している。再三言うけど、貴方達の勝ち目は薄い。大人しく投降して帰ることをお勧めするわ】

 

「勝ち目は薄いねぇ……そりゃ、あたしが諦める理由には弱ぇな」

 

【……そう、なら、制圧なさい、トキ】

 

「イエス、マム」

 

 ーーー

 

 先生チーム

 

 [ハレ! マキ! コタマ! 応答して! ]

 

「連絡が3分以上無くなった……。まさか……トモゼ先輩がハッキングを強化した? だとしたらこっちの動きがバレて……!」 

 

【悪いな、ヴェリタスにゼンイ。敢えてワンパターンのジャミングを繰り返してお前達の端末本体にウィルスを送り込んだ】

 

 [トモゼ! ]

 

【予想はしていた。俺の担当はあんた、向こうはリオだ。念の為に聞いておくが、何をしに?】

 

 [もちろん、君達を止めに]

 

【そうか…なぁ、お前達。トロッコ問題って知ってるか?】

 

「トロッコ問題……?」

 

「え、なに突然?」

 

【止まらないトロッコ。レバーを引かなければ多数が犠牲となり、レバーを引くとたった1人だけを犠牲に多数が助かる。……1人がアリスで、多数がお前達だ】

 

「「「…………」」」

 

【ことが全て終わった後、いくらでも批判や罰は受ける。可能な限り俺の知識は残していく。だから……もう退いてくれ……頼むよ……】

 

「嫌だ!!」

 

 トモゼの音声越しでも伝わる弱々しい声。しかし、真っ向からモモイはそれを一言で否定する。

 

【……だったら……力づく。だな】

 

 トモゼの発言の直後、エリドゥに備わっている警備ロボットの大群が押し寄せる。

 

 しかし、先生の指揮の下で動く彼女達には大した抑止力にはならないようで、快進撃を続ける。

 

「ざまーみろトモゼ先輩! この程度じゃ私達は止まらないよ!」

 

【……"アヴァンギャルド君"起動】

 

「な、何……!?」

 

「なんだ……あのロボットは……?」

 

【リオの作った迎撃用ロボだ。見た目とネーミングセンスには触れてやるなよ】

 

「うわっ! ダッサ!!」

 

「か、可愛くない……」

 

【触れてやるなって……まぁいい、やれ】

 

 ズダダダッッ!! 

 

「うわっ……! このぉ!」

 

 [硬い! 強いっ! ]

 

 しかし、個性的な見た目とは裏腹に合理主義者のリオと、戦闘AIの組み込みを行ったトモゼの合作。さらに、防衛都市たる所以、至る所に仕掛けられた自動迎撃システムも起動したアヴァンギャルド君と連携して攻撃する。その猛攻になす術なく一同は蹂躙される。

 

「うぅっ〜! あんな見た目のくせに〜!!」

 

「外見からは想像のつかない火力をしているね……」

 

 [まさかこんなところに伏兵が潜んでいたなんてね]

 

「マズイね。こんなところで体力を消費すると、後のトモゼ先輩との戦いに響く」

 

【何度でも言うぞ、もう退いてくれ】

 

「嫌だって言ってるじゃん! この分からず屋!!」

 

【……どっちがだよ】

 

 モモイはトモゼのインカムに過剰に反応して反対する。

 

 打つ手なしに思える状況、トモゼは優しさからか攻撃の手を緩めない。

 

 ーミレニアムセーフハウス隔離施設ー

 

【リオ。貴方の最大の弱点は……優秀すぎるが故に他者との繋がりが薄いこと。さ、始めましょう。チェックメイトには少々早いですよ】

 

【……いったい何の……】

 

 バチュゥゥンッ……!! 

 

【ッ!! コンピューターの電源が……全て落ちた……!?】

 

 ーヴェリタス部室ー

 

「どうすれば……回線がないんじゃどうしようも……」

 

「相手の対応を舐めてた。完全に後手に回ってる」

 

「何も打つ手が……」

 

 遠隔のサポートもトモゼのハッキングによって無力化され、無力を投げているヴェリタス一同。突然画面に映し出される文字。

 

 OptimusMirageSystem……起動……

 

「「「え……?」」」

 

 ー人工資源再現部部室B2階ー

 

【敗因を語るには少々早すぎる。物語の結末を語るなど以ての外だ。だが、それでも敢えて言わせてもらうよ。リオ会長、トモゼ君……君達の失敗は、未知を求めることを躊躇った】

 

 EXスキル

 WorldEntryМouse




取り敢えずパヴァーヌ終了まで毎日投稿したいです。
あの、言い訳なんですけど、物書く人はわかると思うんですけど、書く時は凄い楽しくて一気にいっても、投稿するのって謎のハードルがあるんですよね。
というわけなので、感想や高評価をいただけるとモチベに繋がります。何卒よろしくお願いします
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