先生は辛いよどこまでも ~2代目先生は苦労する~   作:その辺のホタテ

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第1話 新任若手先生にスカウト、だけどスカウト先はキヴォトス

「はい、授業を終わります」

 

“起立、礼”

 

7月の初め、梅雨が明けて暑さを感じる季節になって来た。セミの鳴き声、道路を走る車の音、休み時間で話し出す生徒たちの話し声。色んな音が教室で交差する。

 

職員室に戻って自分のデスクで次の授業の準備をしていると、学年主任から声が掛けられた。

 

学年主任「遥輝先生、ちょっといいかな」

 

「はい、どうしました?」

 

学年主任「来客が君に話があるって、校長先生を交えて話がしたいそうだ」

 

「私にですか?」

 

来客が私に一体なんの用が?取り敢えず学年主任に応接室に連れて行ってもらう。既に校長先生が来客と話をしている様子が目に入ってきた。

 

学年主任「お待たせしました、遥輝先生です」

 

来客は私に気づいたのかソファーから立ち上がり、一礼してくる。

 

連邦生徒会長「初めまして、遥輝先生」

 

「は、初めまして」

 

その人はとても綺麗で、空色の長いロングヘアが特徴的なとても若い女性だった。

 

校長「ささ、遥輝先生も座って」

 

「は、はい」

 

こんな場はなかなか経験しない為、とても緊張する。応接室に校長先生と来客、学年主任と私の4人で話が始まる。

 

連邦生徒会長「自己紹介が遅れました、私キヴォトスという所で連邦生徒会長をしております」

 

「キヴォトス...?」

 

聞いた事がある。確か遠い場所にある学園都市だったか?

 

連邦生徒会長「はい、早速ですが本題に入らせてもらいます」

 

その言葉を聞いて私は身構える、校長先生と学年主任の2人も身構えたのが分かる。

 

連邦生徒会長「キヴォトスで”先生”をして頂きたいのです」

 

「...え?」

 

校長「つまり、スカウト...?」

 

連邦生徒会長「まぁそうなりますね」

 

彼女はそう答えて出されていたお茶を1口飲む。まるで余裕を見せつけるかのように。そして校長先生が話を続ける。

 

校長「その申し出は遥輝先生の為にも嬉しいのですが、我々としては人手不足もあり...」

 

連邦生徒会長「もちろんタダでとは言いません」

 

校長「と、言いますと?」

 

校長先生がそう問うと彼女は鞄から書類を出してテーブルの上に置く。

その書類の表紙には「先生誘致に関する説明書」と書いてある。

 

連邦生徒会長「もし、スカウトを受け入れてくれてキヴォトスに赴任してくれた暁にはこの学校の問題を解決致しましょう」

 

連邦生徒会長「たとえそれが金銭面であろうとどんな問題でも解決致します」

 

校長先生と学年主任は説明書に釘付けで話を聞いているのか分からない。

そして、校長先生が口を開く。

 

校長「わかりました、ですがスカウトを受け入れるかどうかは遥輝先生の意思で決定致します」

 

連邦生徒会長「わかりました」

 

そうして長く感じた話し合いは終わった。私にスカウトか、にわかには信じられない。私こと三隈遥輝は25歳、教師暦はまだ1年。そんなまだまだ経験を積んでいかないといけないような若手をいきなりスカウトとは、キヴォトスという所も人手不足なのか?

 

「取り敢えずどうしようか...」

 

スカウトをどうするか悩みながら家路を辿り、気づいたら家に着いていた。

ドアを開けて誰もいない家にただいまと帰りを知らせる。

 

連邦生徒会長「おかえりなさい」

 

「あぁ、ただい...」

 

「っては?え?は?」

 

リビングに行くとキッチンでなにか料理している不審者が居た。いや、確か今日来た連邦生徒会長とか言ってたっけ。とにかく不審者には変わりないのでスマホを取りだし警察に電話をかけようとする。

 

連邦生徒会長「待ってください、私は不審者じゃないですよ」

 

まるで私の心の中を見透かしたかのように的確な言葉を投げかけてくる。いや、不審者だろ。じゃああれか?不法侵入者?

 

「いや、え?ど、どうやって入ったんですか?」

 

窓も玄関も鍵を閉めているはずだ。どうやって入ってきたんだ?そんな疑問を抱いていると彼女はまた的確な言葉を投げかけてくる。

 

連邦生徒会長「窓の鍵が空いていたので...まぁどうでもいいじゃないですか」

 

いやどうでも良くないんだけど???それよりも勝手に家に上がって何しているんだ?さっきからキッチンで料理をしているように見えるが。

 

連邦生徒会長「それよりも仕事お疲れ様です、ご飯作ったので良かったらどうぞ食べてください」

 

「あぁ、ありがとうございます...」

 

そう言われとりあえず鞄を片付けてスーツを脱いでハンガーにかける。洗面所で手を洗ってリビングに戻るとテーブルの上にご飯が配膳されていた。

 

連邦生徒会長「ささ、座ってください」

 

「は、はい」

 

促されるまま椅子に座りお互い合唱する。彼女は私をまじまじと見つめて私が食べるのを待っている。

なんか気まずくて私がなかなか食べずにいると彼女が口を開く。

 

連邦生徒会長「食べないんですか?」

 

「いや、いただく前に少しお話がしたいのですが...」

 

連邦生徒会長「いいですよ」

 

お互い座り直し姿勢を正す。そして私から話し出す。

 

「最初にお名前と年齢を聞いてもいいですか?」

 

連邦生徒会長「女性に年齢を聞くのは失礼ですよ?」

 

「そ、そうですよね...」

 

連邦生徒会長「まぁ別にいいんですけど」

 

いや良いのかよ、まぁ何はともあれ最初は自己紹介が肝心だ。お互いの情報を出すことで信用を得ることが大切なのだ...と個人的に思っている。

 

連邦生徒会長「名前は伏せさせてもらいます、代わりに連邦生徒会長とでも呼んでください」

 

名前を伏せる理由を聞くのは間違っていると思う。

 

「そ、そうですか。でも連邦生徒会長だと長いので他の呼び方でもよろしいでしょうか?」

 

連邦生徒会長「他の呼び方ですか?例えば?」

 

「そうですね...会長とかでも?」

 

連邦生徒会長「いいですよ」

 

OKを貰えた為これからは会長と呼ぼう。次に年齢だ、見たところ結構若そうだがいくつなのだろうか?生徒会長と言っているから学生とか?いや、まさか学生を1人でスカウトに行かせる学校があるだろうか...

 

連邦生徒会長「そのまさかですよ、私の年齢は18です」

 

「いや、当然のように心の中読むの辞めてくれませんか???」

 

彼女はその言葉を聞いてくすっと笑った。その笑顔がとても可愛くて思わずドキッとしてしまう。




こんにちは、作者のホタテです。今日から新シリーズ始めます。

連邦生徒会長の年齢ですけど、この物語オリジナルの設定です
なので原作の方の設定ではありません。
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