ガノタ、ティターンズに就職するってよ   作:SW好きのガノタ

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ティターンズの誇り、勝利の象徴

 

 

「あれは…」

 

 

俺は呆然としながらジム改のコクピットの中で、目の前を駆けるMSを眺める。

濃い蒼で塗装され、背景と一体化しているが頭頂部を見ればソレが何か一瞬で分かる。

 

 

「…連邦の誇り。その名は…ガンダム

 

 

その姿を見せつけるが如く、ゆっくりとガンダムが宇宙空間に浮かぶ。

段々と、俺の目がガンダムを捉えていった。

 

 

「ヘイズル? いや、何か違う…」

 

 

TR計画の最初期の機体のヘイズルに似ているものの、俺の中のガノタの心が違うと言っている。

ヘイズル改高機動型仕様が装備しているシールド・ブースターこそあるが、ヘッドはアレックスの物だ。

 

 

「一体あれは…」

 

 

俺が悩んでいると、目の前で激しい戦闘が始まった。

リックディアスがガンダムに挑んだのだ。

 

 

「リックディアスの動きが遅い。よくあれでガンダムに挑めるな…エースの誇りってやつかね」

 

 

リックディアスの動きが鈍いのは当然だろう。

つい先ほどまで俺と撃ち合った為、推進剤やビームは相当使っている。

それに対してガンダムは完全体なのだ。

 

 

「だが…リックディアスのパイロットの技量も並外れたものだな…!」

 

 

そんなハンデを背負っていながらも、ガンダムの攻撃に対し直撃を避け続けているのは神業としか言いようがない。

そんな俺は、目の前の激戦に熱くなりすぎて重要なことを忘れてしまっていた。

 

 

「リックディアスが退却し出したが、間に合わない!」

 

 

エゥーゴのパイロットも優秀だが、"ガンダム"の存在は大きい。戦局がこちらに傾いているのを感じる。

逃げる背中を撃とうとするガンダムを見て、俺は勝利を確信した。

だが突然、ガンダムが加速してその場を離れる。

 

 

「何だ?」

 

 

その数秒後、ガンダムが居た位置に一筋の光が到達した。

俺はハッとする。

 

 

「スナイパーか…!」

 

 

何処か後方で待機しているであろうスナイパーがガンダムを狙撃しようとしたのだ。

それを瞬時に理解したガンダムのパイロットは間一髪機体を加速させ、狙撃から逃れたという事の様だ。

 

 

「凄い…なんという戦場だ」

 

 

俺はただパイロットに畏怖の念を抱くことしかできなかった。

やがてエゥーゴのMSが一気に加速して戦線を離脱し、戦場は静かになる。

残されたのは何処かを眺めるガンダムとぼろぼろになった俺、そして残骸が生者を叩く音だけだった。

 

 

「そこのジム改、パイロットは生きているか?」

 

 

ガンダムからの通信が俺に入る。

 

 

「えっ、あ、ハッ! 推進剤が切れていますが」

「ならこちらで曳航しよう」

 

 

ガンダムからの申し出を受け入れた俺のジムにガンダムがくっつく。

なんて加速だ…

一瞬で戦場から去っていくガンダムを見て、俺は舌を巻くのだった。

 

 

「ジムのパイロット、名前は?」

「輸送艦"シェレン"MS隊のヨハン・アーレ中尉であります!」

 

 

加速から来るGに耐えながら返答する。

 

 

「こちらはティターンズムーア小艦隊所属、"ラ・グロワール"MS隊隊長のフォン・ブルクハルト大尉だ」

 

 

やっぱティターンズか。

これだけのMSを搭載しているとは、流石は金に糸目を付けぬと言われるだけのことはある。

 

 

 

 

 

 

<新サイド6・ムーア近海 マゼラン改級戦艦"ラ・グロワール"MSデッキ>

 

 

「しかし酷い有様だな。よく生き残ったものだ…」

 

 

所属していた艦が沈んでしまった為、俺はあのガンダムが所属しているというマゼラン改級に着艦していた。

MSのデッキに到着した俺を整備チームが待っていたが、一目見て修理するには手遅れだと分かったようだ。

俺は強制開放されたコクピットからよろよろと這い出る。

 

 

「…ッ!」

 

 

後ろを振り向いた俺もジム改の惨状に言葉が出なくなっていた。

機体のちょうど半分ほどはビーム・ライフルの直撃を受けた影響で半ば融解していて爛れていた。

ヘッド部分からは小さく火花が上がり、ジェネレーターも焼け焦げている。

 

 

「全く、よくこれで戦えたな…」

 

 

突然、後ろから声を掛けられる。

俺が振り返るとティターンズカラーのノーマルスーツを着た人がジム改を見ながら立っている。

 

 

「…フォン・ブルクハルト大尉でありますか?」

 

 

目の前の男は小さく頷くと、俺の隣に着地する。

 

 

「ブルクハルト大尉でいい」

 

 

寡黙な戦士…まるでシン・マツナガみたいな人だ。

 

 

「パイロット…いや、ヨハン中尉殿。待機室で休んでいたまえ」

 

 

静かに、だが有無を言わさぬ威圧感を出しながらブルクハルトが俺に伝える。

まあどちらにせよ母艦を失った今、この艦にお世話になることしかできないな…俺は心の中でため息をつく。

 

 

「ハッ!」

「…よろしい。それと、艦長が面会したがっているから後で迎えに来る」

 

 

えっ、艦長?

これはちょっと不味い状況じゃ…

ティターンズの士官なんて大多数が「宇宙出身? 敵のスパイだ殺せ!」みたいな人じゃん…!?

 

 

「そう固くなるな…」

 

 

ブルクハルトが苦笑いしながら俺の肩をポンポンと叩く。

いやーきついっす。正直何をされるか分からない俺は顔を強張らせながら待機室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

<新サイド6・ムーア近海 マゼラン改級戦艦"ラ・グロワール"艦橋>

 

 

「君がヨハン中尉か。あの戦闘の唯一の生き残り、よく生きていたものだ」

 

 

30分ほど休憩を取った俺はブルクハルトに呼ばれて艦橋へと上がった。

そこで俺を待っていたのは30やそこらぐらいの若い艦長だった。

 

 

「私はハインリヒ・ホフマン、階級は中佐だ。よろしく」

「あっ、ハッ! ヨハン・アーレ中尉であります!」

 

 

思っていた艦長像と違いすぎる… 俺は内心かなり驚いていた。

ティターンズの士官というからあのゴーグル野郎とかを思い浮かべていたら目の前には好青年が!!

 

 

「…艦長は一年戦争時代にサラミスを率いて星一号作戦に参加された」

 

 

俺の様子を見て、艦長の隣に立っていた副長が静かに語りだす。

えっ、なにこの艦長。 寒い時代を生き延びてここまでやってきた大ベテランじゃん…

 

 

「その後、デラーズ紛争においてコロニー落とし阻止に貢献された艦長は…」

「副長、正確にはその記録は抹消されている」

 

 

艦長が副長の言葉を遮り、俺の方を向く。

 

 

「そんな大層な人間じゃないが…君がここに居る間は帰るべき場所は守るから安心してくれ」

 

 

いや…俺が所属している艦が沈んだ以上、このマゼランの任務が終わるまではここに居る羽目になる。

しかも、ここ"サンダーボルト宙域"だよ!? 一時期に比べ落ち着いているが、それでも危険だ。

 

 

「君には申し訳ないかもしれんが、一時的に君をティターンズ・ムーア小艦隊に組み入れる」

 

 

え、俺ティターンズに入隊するの?

もう完全に死亡フラグ立ってる… ティターンズに入隊したが最後、どうなるかなんて分かりきっている。

カミーユに「ここからいなくなれェーッ!」されるかコロニーレーザーで消されるかのどちらか。

もし生き延びても死刑確定ENDだ…

 

 

「そう暗くなるな。ティターンズに入隊したからには誇りを持て!」

 

 

副長が励ましてくるが、俺の脳には届かない。

 

 

「は、はは。…謹んでお受けいたします」

 

 

静かに絶望しながら俺はティターンズに入隊する。

 

 

「ふむ。君のジムは使い物にならないな。…ブルクハルト大尉、MSを用意してやってくれ」

 

 

艦長の無茶ぶりにブルクハルトは頭を抱えている。

 

 

「しょうがない。ヨハン中尉、ついてこい」

 

 

俺も敬礼をして、艦橋から出る。

 

 

「言った通りだろう? あの艦長に緊張する必要はない、と」

 

 

ブルクハルトが笑っているが、MSはどうするんだろうか?

俺が乗れるのはジム系統ぐらいだし… 

 

 

「ヨハン中尉、君にはアレに乗ってもらう」

 

 

俺は自分の目を一瞬疑った。

いや、うん、あれはハイザックですね…

 

 

「いい機体なんだが、乗り手不足でね。ヨハン中尉の様な優秀なパイロットを捜していたんだ」

 

 

ブルクハルトの言葉が入ってこない。

それぐらい俺は慌てていた。

 

ハイザックに乗るってことはカミーユの引き立て役か?! ナンデこんな所で運命が決まってるの…?

 

 

「え、ええ。ところであそこに在る、蒼いガンダムは…?」

 

無理やり話を逸らして、現実逃避に走る。

 

 

「ああ、あれか…」

 

 

ブルクハルトが間を置く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつはアドバンスド・アレックスさ」





どうも、SW好きのガノタと申します。

皆さんはTR計画機ならどれが好きですか? ぜひ感想で書いてください!
筆者は断然TRー6です。


評価・感想くれると嬉しいです。
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